たんぱく質の摂取で肌のハリが高めよう!肌荒れやシミ・シワの予防にも効果的

岩井 里香

潤いのある髪の毛やハリのある肌をキープするためにたんぱく質は欠かせません。

下記の食事はどれも美意識が高いイメージですが、このなかで1つでも当てはまる方はたんぱく質不足に要注意です。

 

タンパク質不足が肌荒れやシミ・シワの原因を作っているかもしれません。

<肌荒れやシミ・シワの原因を作りかねない食習慣>

「朝食はスムージーやフルーツのみ。」

「夕食はサラダ中心でヘルシーに。」

「プロテインバーやプロテインドリンクを食事の代わりに。」

「糖質制限でダイエット。」

 

そこで今回は美肌に欠かせないたんぱく質の摂り方についてご紹介します。
管理栄養士 岩井里香
管理栄養士。これまで病院や企業で数多くの食事・栄養指導を行う。現在もクリニックにて、患者さんへの栄養指導に従事。

美肌に関わるたんぱく質5つの効果

私たちの体は約10万種類ものたんぱく質で作られています。

たんぱく質は、骨格や筋肉、血液、毛髪、皮膚、内臓など身体中のあらゆる組織の材料となっているのです。

 

また食べ物の消化・吸収・代謝に関わるホルモンや酵素の材料にもたんぱく質が必要なため、不足すると疲労感やうつ症状などが現れることもあります。

では、実際に美容面にはどのような効果があるのか、具体的に5つにまとめてみました。

1.肌のターンオーバーを円滑に進める

肌のターンオーバーとは肌の新陳代謝のことです。たんぱく質は皮膚を作る材料となるため、不足状態では新しい肌を作ることができません。

 

<肌のターンオーバーの仕組みを詳しく知りたい方はこちらがおすすめ>

皮膚・肌の構造を医師が解説!シミ・シワ・たるみの原因とは

2.健康な髪の毛や爪を作る

私たちの毛髪や爪もたんぱく質から作られています。不足することでパサついた髪や、割れやすい爪の原因となってしまいます。

3.コラーゲンを作る

コラーゲンは肌の真皮を構成する重要なたんぱく質であり、肌を支える役割を担っています。

紫外線などの刺激によって肌のコラーゲンが壊されると、シミやシワの原因になります。

 

コラーゲンはたんぱく質・ビタミンC・鉄を材料にして体内で作ることができます。シワやシミを予防し、いつまでもハリのある肌を保つためにはコラーゲンの生成が重要なのです。

 

<コラーゲンを食事で補う方法はこちらがおすすめ>

コラーゲンを生み出す食べ物の選び方。シワやたるみに負けないハリのある肌へ

4.血色の良い肌を作る

肌の血色が悪い、クマが気になるという方は貧血が原因になっているかもしれません。

貧血対策には鉄分のイメージが強いと思われますが、たんぱく質も血液を作る上で欠かせない材料なのです。

5.むくみが改善する

たんぱく質が慢性的に不足し栄養不足状態になることでむくみがでることがあります。

これはたんぱく質不足などにより血液中のアルブミン(たんぱく質の一種)が減ることで、浸透圧の関係で水分が血管の外側に流れ、むくみにつながるというメカニズムです。

 

むくみの原因はこのほかにも様々ですが、たんぱく質不足が考えられる方は、摂取を心がけることで改善するかもしれません。

たんぱく質(アミノ酸)の種類

たんぱく質はあらゆる食品に含まれています。大きく分けると、肉・魚・卵・乳製品などに含まれる動物性たんぱく質と、大豆・穀類・野菜などに含まれる植物性たんぱく質があります。

 

たんぱく質は身体の中でアミノ酸に分解されますが、人を構成するアミノ酸は約20種類あります。

そのうち体内で充分に合成できないアミノ酸を必須アミノ酸といい、これらを食事からバランスよく摂取することが重要です。

 

必須アミノ酸をバランスよく含んだたんぱく質を一般的に「質の良いたんぱく質」といい、肉・魚・卵・大豆製品・乳製品などが当てはまります。

 

一方、穀類や野菜などに含まれるたんぱく質は必須アミノ酸を充分に含んでいるとはいえませんが、動物性たんぱく質と組み合わせて食べることで、不足のアミノ酸を補うことができます。そのため、植物性たんぱく質は動物性たんぱく質と組み合わせて摂ることでたんぱく質を効率よく身体に取り込むことができるのです。

<例えば朝食で...>

before:フルーツ+トースト

after:フルーツ+トースト+目玉焼き

 

<例えばランチで...>

before:パスタ、サラダ

after:パスタ、サラダ、チキンソテー

 

などと、たんぱく質が含んだ1品をプラスしてみると、肌に良い食習慣となります。

肌を綺麗に保つために必要なたんぱく質の量

タンパク質の目安量とは

日本人の食事摂取基準では、18歳以上の女性の推奨量としてたんぱく質は1日50gとされています。下記にたんぱく質を1日50g摂取できる1日の食事例をあげてみます。

たんぱく質50gの例(概算)>

〈朝食〉

・食パン6枚切り1枚:5g

・卵1個:6g

〈昼食〉

うどん1玉:6g

豚の冷しゃぶサラダ(豚ロース60g):11g

〈夕食〉

ごはん1膳:4g

鮭の塩焼き(1切れ80g):18g

〈合計〉50g

 

1日50gというと案外簡単に摂取できますよね。

しかしダイエットや、美容のためと考えて、朝食を欠食したり、食事をスムージーやフルーツのみで済ませていては充分な摂取は難しいかもしれません。肌を綺麗に保つためには、まずは「1日3食しっかり食べること」が大切なのです。

たんぱく質を多めに摂取すべきとき

たんぱく質の必要量はさまざまな条件によって左右されます。

たんぱく質が不足すると、肌荒れやシミ・シワの原因になりますので、下記の4つのいずれかに当てはまる場合は通常より多めにたんぱく質を摂取するようにしましょう。

1.エネルギー摂取量が少ない場合

エネルギーが不足していると、たんぱく質をエネルギーに変えることになり、身体の組織を作るためのたんぱく質が足りなくなります。そのため、ダイエット中などでエネルギーを抑えている方はたんぱく質を多めに摂るようにしましょう。

 

また、たんぱく質の摂取を心がけている方のなかには、プロテインバーやプロテインドリンクを食事の代わりにしていたり、ごはんなどの主食はとらずに、ささみや鶏胸肉などを中心に摂っているという声もありますが、これは大きな間違いです。

 

炭水化物や脂肪の摂取を極端に控えることでエネルギー量が不足し、たんぱく質の必要量が増えてしまうからです。

2.激しい運動をする場合

激しい運動はたんぱく質の必要量が増えます。そのため、たんぱく質を積極的に補給しましょう。

 

また、適度な運動は身体の組織をつくるためのたんぱく質の利用効率が高まるため、たんぱく質の摂取量を増やす必要はありません。

3.極端に活動量の少ない生活をしている場合

活動量が少ないとエネルギー消費量は減るため、摂取エネルギーもその分減らさなければ太ってしまいます。

 

しかし、たんぱく質の必要量は増えるため、たんぱく質を減らしすぎてしまわないように注意が必要です。肉類は脂身を避け、ささみ、胸肉、もも肉、ひれ肉などの赤身の部位を選ぶようにすることでエネルギーを控えつつ、たんぱく質を効率よく摂取することがおすすめです。

4.外傷や感染症がある場合

怪我や風邪がなかなか治らないという方の中にはたんぱく質が不足している場合があります。

 

感染症や外傷の程度にもよりますが、エネルギー必要量が増える場合もありますので、このようなときには食事を節制しすぎないことが大切です。食欲がないときには、卵がゆやヨーグルト、アイスクリーム、牛乳、豆乳などでたんぱく質やエネルギーを摂取してはいかがでしょうか。

たんぱく質の量を増やす必要がないとき

反対にたんぱく質の必要量が減る場合はどのようなときでしょうか。

 

それは、糖質を摂取し、エネルギーを十分に満たしている場合です。

これは「糖質のたんぱく質節約作用」と呼ばれ、古くから知られています。これはインスリン分泌により、たんぱく質の分解が抑えられること、またエネルギーとしてたんぱく質が使われず身体の組織を構成するために有効に利用できるためです。

<インスリンとは>

膵臓から分泌される糖代謝に関わるホルモン。体内でブドウ糖をエネルギー源として利用するために、血中のブドウ糖を細胞に取り込む働きをする。

たんぱく質に過剰摂取にリスクはあるのか

日本ではたんぱく質の上限(耐容上限量)は定められておりませんが、摂りすぎは以下のようなリスクがあります。

腎臓に負担をかける

たんぱく質をエネルギーとして使われる際に発生する残りカス(尿素窒素)が腎臓から排泄されるため、たんぱく質の過剰摂取は腎臓に負担がかかります。

すでに腎臓疾患がある方はたんぱく質制限が必要な場合があるため、かかりつけの医師や管理栄養士の指示に従ってください。

骨粗鬆城のリスクが高まる

たんぱく質の過剰摂取は、カルシウムの尿中排泄量を増やすことがわかっており、将来的に骨粗鬆症につながる可能性があります。

糖尿病のリスクが高まる

たんぱく質を過剰摂取することで、インスリンの働きが悪くなることがあるとされています。インスリンには血液中の糖を身体の細胞に届ける役割があり、働きが悪くなることで糖代謝がうまくいかず糖尿病になることがあります。

 

以上を踏まえて、たんぱく質の1日の摂取量は体重1kgあたり2g未満にとどめておくのがよいでしょう。

ビタミンB6とたんぱく質の関係

肌荒れとビタミンBの記事のカバー画像

肌や髪など身体の組織を作るために、たんぱく質が欠かせないことはわかっていただけたかと思います。しかし、たんぱく質は摂取するだけでは、うまく体内で利用することができません。そこで大事なのが、ビタミンB6です。

 

ビタミンB6は体内でたんぱく質を合成したり、たんぱく質をエネルギーとして利用する際に必要な酵素を助ける役割をしています。そのため、たんぱく質を沢山摂れば摂るほどビタミンB6の必要量もアップします。

 

<ビタミンB6が不足することにより起こる肌トラブルを詳しく知りたい方はこちらがおすすめ>

肌荒れはビタミンB不足が原因!不足すると髪のトラブル・ニキビ・皮膚炎に

 

ビタミンB6はさまざまな食品に含まれますが、特にレバーや魚類や肉類に多く含まれます。

<ビタミンB6が豊富な食品>

まぐろ、さんま、かつお、レバー、鶏肉、バナナ、アボカド、玄米、赤ピーマン

 

また腸内細菌からも作り出されるため、腸内環境をよく整えておくことも大切です。

 

<肌荒れと便秘の関係・便秘解消の方法が知りたい方はこちらがおすすめ>

便秘は肌荒れの原因!管理栄養士が教える便秘を治す食事法

 

食事で摂取したたんぱく質を分解し、身体の組織に利用する過程では、ビタミンB6以外にも様々なビタミンやミネラルの力が必要です。

日々の食事ではたんぱく質食品ばかりに偏らず、ビタミン・ミネラルの豊富な野菜や海藻も一緒に摂取することでたんぱく質を効率よく取り込む事ができるのです。

 

<たんぱく質不足を防ぐ、4つのポイント>
  1. 1日3食、動物性のたんぱく質(または大豆製品)を摂ること。
  2. 過度な食事制限をせずに必要なエネルギー量を摂取すること。(糖質制限をしている場合には多めにたんぱく質を摂取すること。)
  3. プロテインドリンクやプロテインバーを食事の代わりにしないこと。
  4. 野菜や海藻を積極的に食事に取り入れること。

肌に大切なのはバランスの良い食事

美肌や美髪、健康的なスタイルを手に入れるためにたんぱく質を意識しているという方は多いはず。しかし、もったいない摂り方をしている方も多いのが実情です。

 

プロテインバーやプロテインドリンクはあくまでたんぱく質を補足するもの。まずは食事で摂取することが大前提です。体内でたんぱく質を効率よく利用するためにも、主食・主菜・副菜のそろったバランスの良い食事が鍵となります。

 

意識しているつもりが台無しになっていた…なんてことがないよう、上手にたんぱく質を摂取しましょう。

高価なスキンケア・ヘアケア用品に手が出せなくても、身体の内側から変えていくことは可能です。日々の食習慣で周りから羨まれる美肌・美髪を手に入れましょう!

 

<美肌に良い食生活が詳しく知りたい方はこちらがおすすめ>

肌荒れの原因は食生活の乱れ。肌に悪い食事習慣と美肌に効く食べ物
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岩井 里香
管理栄養士
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