ビタミンDは筋肉へ効果あり!筋トレ時のおすすめサプリや摂取量・過剰摂取の危険性

佐藤樹里

筋肉を大きくさせたい方は、タンパク質を意識して摂っているかと思います。

 

しかし、タンパク質以外の栄養素にも目を向けることで、トレーニングの成果をより効率的に出せるかもしれません。

 

その中でも「ビタミンD」は、筋肉や骨の強化を促す作用がある、ぜひ押さえておきたい栄養素です。

 

今回は、そんなビタミンDに関する基礎知識や効果、さらには推奨されている摂取量や具体的な摂取方法までご紹介します!

佐藤樹里(管理栄養士)
管理栄養士。アスドリファクトリー代表。フィットネスジムでの運動・栄養指導経験後、約1年海外移住をし、現地のレストランでシェフと共に働く。現在はスポーツイベント開催、アスリートへの栄養講座、栄養個別サポートを通算1000人以上に行う。

ビタミンDとは

定義

ビタミンDはビタミンの1種であり、主に筋肉の合成や骨の強化などに効果を発揮します。

 

ビタミンDを摂取するには、キノコ類や魚などの食品から摂取する方法と、紫外線を浴びることによって体内で生成する方法の主に2つがあります。

 

ビタミンDにはビタミンD₂からビタミン D ₇までの全6種類があります。

 

しかし、ビタミンD₄~D₇は化学反応が起こりにくく食品にもほぼ含まれないので、栄養に関する話における「ビタミンD」という言葉は、主に体内で活発に働くビタミンD₂とビタミンD₃のことを指します。

 

ビタミンD₂とビタミンD₃はどちらも同じような働きをするので、ひとくくりにビタミンDと考えても特に問題はありません。 

この記事でも、「ビタミンD」という言葉はビタミンD₂、D₃のことを表していると考えてください!

体への効果・効能

ビタミンDには体にとって大切な2つの働きがあり、トレーニングをしている方にも、子供や高齢者の方にも必要な栄養素です。

 

1つめの働きが筋合成の促進です。

トレーニングに励む人がビタミンDを摂取すれば、より効率的な筋力増加が期待できます。

 

2つめの働きは、カルシウムの吸収効率を高めることです。

 

カルシウムは骨を作るのに非常に重要な栄養素です。カルシウムの吸収が良ければ骨がしっかりと作られるので、幼少期の体の発育や高齢者になった際の健康維持にビタミンDの摂取は欠かせません。

 

これらの効果を持つビタミンDは、食事やサプリメント等からの摂取で補うことができます。

 

また、太陽の光浴びることによって体内で生成することも可能です。


ビタミンDの働き

ここからは、ビタミンDの体内での働きについてより詳しくご説明していきます。

筋合成を促す

筋肉

そもそも筋肉を大きく、強くするためには、筋合成と呼ばれる反応を起こさなければなりません。筋合成を起こすためには、筋トレなどで筋肉に負荷をかける必要があります。

 

負荷をかけられることで、筋繊維が破損します。その破損した筋肉筋繊維が修復する際に筋肉が発達しより強く大きくなります。

ビタミンDは、破損した筋肉の修復を促進する役割が認められています。

 

具体的にビタミンDが筋肉の修復にどのように関わるかを説明します。

 

筋肉にはビタミン Dの「レセプター」があります。レセプターとは日本語にすると「受容体」と言う意味で、ビタミンDと結合するための鍵穴のような意味合いです。

 

 このレセプターにビタミン Dが結合することで筋合成のシグナルが活性化し、筋肉が大きくなるのです。

カルシウムの吸収率を上げる

背骨

ビタミンDの摂取は、頑丈な骨を作ることにも効果を発揮します。骨を作るために必要な栄養素として最も有名なのが、カルシウムです。

 

カルシウムが効率良く吸収されることにより、頑丈な骨が作られ骨粗しょう症や、動脈硬化のリスクを下げることができます。

 

そのカルシウムの体内の吸収効率を上げてくれるのがビタミンDの役割なのです。そのため、ビタミンDはカルシウムと一緒に摂取すると良いでしょう。

必要な摂取量

筋肉の合成を促し、頑丈な骨を作るためにタンパク質やカルシウムに促進の効果を促すビタミンD

 

一体どれぐらいの量を摂取するのが人体にとって有効なのでしょうか。ここからは、ビタミンDの適切な摂取量について解説します。

1日の必要量と上限

厚生労働省が発表した「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、1日のビタミン D摂取量の目安量は18歳以上の男女で5.5と定められています。(*1)

 

この量は、例えば魚のサンマであれば約1/3尾に値します。

ビタミンDが含まれる食材は多くはないので、意識して摂取する必要があります。(おすすめの食品については後ほど解説します。)

 

 一方で、トレーニングの効果を出すためにビタミン Dのサプリメントを服用している方も中にはいます。

そういった方のために、ビタミンDの耐容上限量(超えなければ過剰摂取による健康被害を回避できるとされる量)も決められています。

 

こちらは18歳以上の男女で1100㎍までとされています。

各年齢別の摂取目安量、耐容上限量については下記の表をご参照ください。

 

<ビタミンDの摂取基準(/)(日本人の食事摂取基準(2015年版)」参考)

年齢等 目安量 耐容上限量
0~5(月) 5.0 25
6~11(月) 5.0 25
1~2(歳) 2.0 20
3~5(歳) 2.5 30
6~7(歳) 3.0 40
8~9(歳) 3.5 40
10~11(歳) 4.5 60
12~14(歳) 5.5 80
15~17(歳) 6.0 90
18~29(歳) 5.5 100
30~49(歳) 5.5 100
50~69(歳) 5.5 100
70以上(歳) 5.5 100
妊婦 7.0
搾乳婦 8.0

 

では、ビタミンDの摂取量が少なすぎたり、サプリメントなどで多量に摂りすぎたりすることで体にどんな害があるのでしょうか。

ここからはビタミンDの摂取量が少なすぎる場合、多すぎる場合のリスクについてご説明します。

不足するとどうなるか

ビタミンDの摂取量が少なすぎる場合のリスクとしては、骨がもろくなることが挙げられます。

 

先ほども述べたように、ビタミンDは骨を作る栄養素であるカルシウムの人体への吸収を促す効果を持っています。

ビタミンDが不足するとカルシウムが体に効率的に吸収されず、骨が丈夫に育ちません。これによって、様々な悪影響に悩まされる可能性があります。

 

具体的には、骨の軟骨の減少や子供の場合は骨の成長障害とそれに伴う姿勢の悪化、高齢者の場合は骨粗しょう症などのリスクにつながります。

 

これらを防ぐためにも、一つ前の上でご紹介したビタミンDの摂取の推奨量を守った食生活ができるように心がけましょう。 

過剰摂取をした場合のリスク

ビタミンDを過剰に摂取するリスクとしては、食欲不振や嘔吐などの症状が考えられます。

 

ビタミンDを過剰に摂取すると体内のカルシウムの吸収効率が高まりすぎる可能性があり、それによって様々な弊害が引き起こされるかもしれないのです。

 

具体的には、高カルシウム血症の状態、つまり血液中のカルシウム濃度が高くなりすぎることにより内臓機能に多量のカルシウムが沈着する状態になります。

 

大量のカルシウムは内臓機能の低下や負担の増加をもたらすため、肝機能障害や食欲不振、嘔吐などの症状の原因となるのです。

 

トレーニングの効果を出すためにビタミンDのサプリメントを大量に服用しようと考えている方、またすでに服用している方は、先ほどご紹介したビタミンD1日の耐容上限量である100㎍を超えないように気をつけましょう。 

筋肉とビタミンDの相関データ

ここまで、ビタミンDが筋合成の促進やカルシウムの吸収効率の上昇という効果をもたらすとをご紹介してきました。

 

ここでビタミンDと筋肉の関係についての面白いデータをご紹介します。

 

南デンマーク大学の研究論文では、血中のビタミンD濃度が高い子供ほど筋力が多いことが報告されています。(*2)

<研究データのご紹介>

研究は5歳児を対象に行われ、ビタミンD濃度が低い女子は、全体の1割に相当する「最低レベルの筋力」に分類されるリスクが、ビタミンD濃度が高い女子よりも70%高いという結果が得られました。(男子にはこのような傾向は確認されませんでした。)

 

以上のように、この論文からは5歳の女子に関しては血中のビタミン D濃度と筋力の相関関係が見られたと示されていました。

 

では、ある程度成熟している男性とビタミンDの関係を扱ったデータは存在しないのでしょうか。

そこでもう一つ、ビタミンDと筋力にまつわる論文をご紹介いたします。

<研究データのご紹介>

 16~24歳の水泳選手29(女性12名、男性17)を対象に行われた研究では、体内に十分なビタミンDが存在する男性スイマーの握力は、ビタミンDが不足している男性スイマーよりも遙かに強いという結果が出ました。(*3)

 

この研究から、男性に関してもビタミンDと筋力の間に相関関係があると考えることができます。

 

これらの研究からも、ビタミンDが筋肉の増強に少なからず関与していると言えます。

筋肉を鍛えたい人は、ビタミンを摂っておいて損は無いでしょう。

摂取方法

ビタミンDの摂取の方法は3つあります。

 

  • 1つ目は食事から摂る方法。
  • 2つ目がサプリメント商品を服用する方法。
  • 3つ目が日光の紫外線を体に浴びて体内で生成の効率を高める方法です。

 

それぞれの摂取方法について、順を追って解説していきます。

1.食品から摂取する方法

食事

食品から摂取する場合、特にビタミンDを多く含むもの魚介類ときのこ類の2つを活用するのが賢明です。

 

魚介類から取る場合

魚介類からビタミンDを取る際のメリットは、魚のタンパク質と合わせて摂取ができるという点です。

筋肉の原料となるタンパク質と一緒に摂取できるため、筋合成を促したい方はビタミンDを魚介類から取れると効率が良いと言えるでしょう。

 

具体的な魚は、サンマ太刀魚、うなぎやしらす干しなどです。

 

サンマ正味100g(1尾)に約14.9㎍、しらす干し10gに約6.1㎍のビタミンDが含まれているので、先ほどご紹介した5㎍の摂取目安量を十分に満たすことができます。(*4)

キノコ類から摂る場合

ビタミンDをキノコ類から摂取する際のメリットは、低カロリーでビタミン類を摂取できることにあります。

ダイエット中の方や、筋トレに励んでいて体を絞りたい方にはこちらから摂取するのもおすすめです。

 

具体的なキノコの種類としては、椎茸やまいたけ、しめじキクラゲなどが挙げられます。

 

この中でもまいたけ1/4パックのビタミン Dの含有量は0.9gグラムとなっており、他のキノコ類と比べてビタミンDの量が豊富なため、まいたけでビタミンDを摂取することができればさらに効率的な摂取の方法と言えます。(*5)

 

その他の食材

その他の食材では、鰹節や卵などがおすすめです。

 

ビタミンDは脂溶性のビタミンに分類されます。

脂溶性のビタミンは脂肪に溶けやすいので、脂質を含む動物性食品からビタミンDを摂取すると吸収が良くなります。

 

先ほどご紹介したまいたけなども、炒め物や揚げ物にして油と一緒に摂取するとよりビタミンDの吸収効率を高めることができるでしょう。

2.サプリメント商品から摂る場合

サプリメント

ここまで食材からビタミンDを摂取する方法をご紹介しました。食事の他にも、サプリメントからビタミンDを摂るという選択肢があります。

 

サプリメントの利点は、なんと言ってもその手軽さです。

仕事が忙しい方でも、サプリメントを使えば簡単にビタミンDを摂取できます!

 

ビタミンDのサプリメントは次のようなものが市販で発売されています。

 

おすすめサプリ1「スーパービタミンD(大塚製薬)」

スーパービタミンD(大塚製薬)

写真出典:大塚製薬

1日に必要なビタミンDを1粒で摂れてしまうサプリメント。忙しくて食事に手を回せない時にどうぞ!

値段 915円(税別)
内容量 90粒入り(90日分/1日1粒目安)
販売元 大塚製薬
ビタミンD含有量 25µg/1粒(0.245g)
HP https://www.otsuka.co.jp/nmd/product/item_117/

 

おすすめサプリ2「ビタミンD(FANCL)」

写真出典:FANCL

ビタミンDを手軽に補給できるサプリメント。手に取りやすい価格なので、初めてビタミンDを購入する方におすすめです!

値段 390円(税込)
内容量 30粒入り(約30日分/1日1粒目安)
販売元 FANCL
ビタミンD含有量 25µg/1粒
HP https://www.fancl.co.jp/healthy/item/5224a

 

おすすめサプリ3「ビタミンD3 葉酸&Ca(森下仁丹)」

写真出典:森下仁丹

ビタミンD₃だけでなく、葉酸やカルシウムも同時に摂取できるサプリメントです!

1度に様々な栄養素が摂れるのでとても便利です!

値段 1,620円
内容量 30粒入り(約30日分/1日1粒目安)
販売元 森下仁丹
ビタミンD含有量 20µg/1粒(ビタミンD3)
HP https://www.fancl.co.jp/healthy/item/5224a

 

上記からもわかるように、ビタミンDのサプリメントは大体1000円前後で販売されています。

販売している場所は、クリニックや、ドラッグストア、ウェブサイトなどです。

 

ご自身の目的に合わせて、ビタミンD1日の耐容上限量を超えないように配慮しながら服用するようにしましょう。

 

サプリメントはプロテインとの併用がオススメ!

トレーニングに励んでいる方の中には、トレーニング後にプロテインを飲まれているという方も多いと思います。

 

実は、プロテインとビタミンDを一緒に摂取するのは筋合成を促すのに非常に効果的だと考えられています。

 

ここまでご紹介したように、ビタミンDはタンパク質の吸収促進を促し筋合成反応を高める効果がありました。

 

サプリメントを飲んで血中のビタミンD濃度を引き上げると、プロテインの力を最大限に引き出すことができます。

プロテインを摂取している方はビタミンDを一緒に摂取するように心がけていきましょう。

日光の紫外線による生成

ビタミンDの摂取を増やすには、食事とサプリメントだけではありません。

実は、ビタミンDは日光の紫外線を浴びることで皮膚から作り出すことができるビタミンなのです。

 

皮膚からビタミンDを作り出すには、直接紫外線浴びるのが良いと言われています。

しかし、女性であれば日焼けをしてしまうなどの影響で寿を避けている現代人は非常に多いでしょう。

 

また、トレーニングに積極的に始めている方の中でも、ジムでトレーニングをされている、仕事で日中外に出る機会が少ないという方もいらっしゃると思います。

 

そういった方も、週に2回、1回あたり5分からで構わないので日光を直接的に浴びる習慣を作ってみてはいかがでしょうか。

 

実際に、紫外線が強い時期では5分程度の時間でも十分な量のビタミンDが生成されるという研究データも存在します。

<研究データの紹介見出し>

国立環境研究所と東京家政大が行った研究で、7月の正午という条件下においてビタミンD5.5㎍生成するのに必要な日照時間を試算したところ、札幌市が5分、つくば市が4分、那覇市が3分という結果になりました。(*6)

 

日の光を浴びることによって体内で効率的にビタミンDが生成されることがわかったかと思います。

 

とは言え、「日焼けを避けたい!」、「仕事で日中外に出られない!」という方はなかなか実践できないかもしれません。

 

その場合は先ほどご紹介した食品やサプリメントでのビタミンD摂取を意識してみてください!

まとめ

今回の記事ではビタミンDの特徴、効果、摂取方法についてご紹介しました。

 

ビタミンDは筋合成の促進やカルシウム吸収率の底上げによって、筋肉や骨にポジティブな影響を及ぼす大切な栄養素です。

 

筋肉を強くしたい方は魚・キノコ類を取り入れた食事やサプリメントの活用、日光に当たることを意識して、しっかりと推奨量を摂取してください!

 

この記事を書いた人
佐藤樹里
管理栄養士