クレアチンは筋肉アップに効果的!クレアチンの働きを徹底解説

横井 雅史

筋トレやスポーツをする際にいつも以上の成果を出すことに貢献してくれるサプリメントとして人気を博すクレアチン。

 

クレアチンは運動時、特に筋トレのような無酸素運動を行う際のエネルギーとして働く「ATP」の生産に関与します。 

横井さんアイコンそこでこの記事では、クレアチンの効果やクレアチンが体に影響を与える仕組みについて、化学的に解説していきます!
横井さんアイコン
理学療法士・パーソナルトレーナー 横井雅史
トレーナーとして病院に勤務したのち、出張パーソナルトレーナーとして一般の方や有名ブロガーなどへ指導を行っている。雑誌「Tarzan」腹筋特集、NHK番組『WHK 私たちが本気で殻を破るTV』に出演。大手フィットネスジムのトレーナーの経験もある。

クレアチンが筋肉にもたらす効果

クレアチンとは

クレアチンはアルギニン、グリシン、メチオニンの3種類のアミノ酸から構成される物質であり、約9割が筋肉中に存在します。

クレアチンはATP (アデノシン三リン酸)と呼ばれる物質を合成する働きを持ち、筋力の向上などに深く関わります。

ATPは生物が運動を行う際に使うエネルギーの供給源です。

そのため、「エネルギー通貨」などと呼ばれることもあります。

筋トレにも欠かせない、大切なものです。

アルギニン、グリシン、メチオニンは体内でも合成される非必須アミノ酸なので、クレアチンは人体でも合成されています。

しかし、筋トレなどを積極的に行う方は外部からクレアチンを摂取しないと不足してしまうことがあります。

クレアチンは肉や魚に含まれているため、野菜中心の食生活を送っている方も十分な量が蓄えられていないかもしれません。

加えてクレアチンは加熱することで壊れやすくなる性質を持っており、肉や魚を食べている方でも十分に摂取できていない可能性があります。

クレアチンはサプリメントの形で摂取することをおすすめします。

横井さんアイコンクレアチンは筋肉のエネルギーを供給するATPを作ります!

ATPの基本情報

ATPはアデニン、リボース、そして3つのリン酸分子が結合した化合物です。

ATPから1つのリン酸分子が離れてADP(アデノシン二リン酸)となるときにエネルギーが生まれ、筋肉などに利用されます。

食事を摂ることで得られるグリコーゲンや脂質、アミノ酸などは、分解されてATPになることで筋肉にエネルギーを供給します。

グリコーゲンの素となる糖質や、アミノ酸サプリメントのBCAAが「エネルギーになる」と言われているのはこのためです。

ここまで読むと、「糖質やBCAAが体内でATPを生み出すのなら、わざわざクレアチンを摂る必要はないんじゃない?」と感じられるかもしれません。

しかし、クレアチンは筋トレに励む方にぴったりな効果を持つサプリメントなのです。

これからその理由をご説明します。

ATPの生産

ATPには4つの生産プロセスが存在します。

最初はそのうちの3つについてご紹介します。

<プロセス1 解糖系

筋肉に存在するグリコーゲンが分解されて生まれるグルコースを利用して、グルコース1分子あたり2つのピルビン酸分子と2つのATP分子を生み出す。

<プロセス2 クエン酸回路

解糖系を通じて生じたピルビン酸がミトコンドリアの中で分解され、ATP分子2つと二酸化炭素などを合成する。

<プロセス3 電子伝達系

クエン酸回路で合成された物質を用いて、ミトコンドリア内で34のATP分子や水などを作る。

これらの過程を得ることで、合計38ものATP分子が作られます。

これだけあれば、エネルギーに困ることはまずありません。十分に運動を続けることができるでしょう。

しかし、3種のプロセスがあらゆる運動において機能する、とは言いがたいです。

クエン酸回路、電子伝達系の働きからATPを生み出すためには、呼吸をしてミトコンドリァ内に酸素を行き渡らせる必要があるのです(解糖系は酸素が無くても働きます)。

マラソンのような呼吸をしながら取り組める有酸素運動をする際にはこれらの回路は十分働きます。

より多くのエネルギーが作られるので、有酸素運動は長時間続けることも可能です。

対して、筋トレや短距離走のように呼吸を止めて瞬間的に力を発揮するような無酸素運動を行う際は、クエン酸回路、電子伝達系由来でATPを生み出すのは困難です。

解糖系のみでは必要なATPを賄いきれず、筋トレの途中でエネルギーが枯渇してしまい思うようにパワーを出せない、という事態も起こりかねません。

そんな時に、クレアチンが役立ってくれるのです。

ATPを作るプロセスにはもう一つ、先ほど紹介しなかった「ATP-CP(クレアチンリン酸)系」という回路が存在します。この生産プロセスに、クレアチンが大きく関わっています。

<プロセス4 ATP-CP(クレアチンリン酸)

クレアチンがリン酸と結合してクレアチンリン酸となる。クレアチンリン酸のリン酸部分をADPに渡すことによってATPを再合成する。

クレアチンは体内のリン酸分子と結合し、クレアチンリン酸となります。 

クレアチンリン酸はエネルギーを放出したADPにリン酸分子を渡し、ATPを再合成してくれます。これがATP-CP系によるATPの生産過程です。

 

この流れを見ると、クレアチンはクレアチンリン酸として筋肉のエネルギー源を貯蔵してくれていると捉えることができます。

ATP-CP系の反応は解糖系と同様に酸素を必要としません。筋トレのように、呼吸を行わず瞬間的に筋力を発揮する無酸素運動を行う際にも、ATPを作り出してくれます。

 

さらに、ATP-CP系はATPの生産スピードにおいて解糖系を上回ります。

筋トレで大きな重量を持ち上げる場合には短時間で大量のATPを消費します。

 

この時に体内のATP量が十分であれば、筋肉はより多くのエネルギーを利用でき、それが筋力の向上という形で現れます。

「クレアチンを飲むと筋力がアップする」と言われていますが、それはクレアチンがATP-CP系の生産回路を通して素早くATPを再合成するからです。

 

筋力が増すと今までよりも大きな負荷を扱うことができるようになり、筋肥大へとつながります。

酸素が必要なく、スピーディにATPを生産してくれるATP-CP系は筋トレ中のエネルギー供給路として最適です!

 

ATP-CP系の働きに必要なクレアチンは、筋トレでいつも以上のパワーを出したい時に頼りになる存在なのです!

横井さんアイコンクレアチンは筋トレ中の素早いATP供給に一役買ってくれます!

クレアチンと他のサプリメントの筋肉への効果の違い

プロテイン

多くのサプリメントは、プロテインならタンパク質、ビタミン剤ならビタミンといったように、体作りに不可欠な栄養素を十分に摂ることを目的としています。

しかし、クレアチンの場合はその使用目的が少し異なります。

クレアチンはプロテインやアミノ酸のサプリメントのように、直接筋肉を増やすわけではありません。

クレアチンが筋肥大に対してプラスに働くと考えられているのは、あくまで筋力アップによりいつも以上にハードなトレーニングを行うことを前提としているからです。

クレアチンが可能にする高強度のトレーニングをした後にプロテインなどを飲みタンパク質を補給することで、効率的な筋肥大が実現します。

他のサプリメントと組み合わせることによって、クレアチンの効果を最大限に活かすことができます!

<クレアチンとプロテインの比較を知りたい方はこちらの記事がおすすめ!>

クレアチンとプロテインは一緒に摂ったほうがいいの?効果の比較や飲み方を解説!

筋肉の部位ごとのクレアチンの効果の差

筋肉

筋力アップや筋肥大に関してポジティブに作用してくれるクレアチン。

 

筋肉を大きくしたい方、特に「筋肉をつけたい部位があるから、クレアチンを飲んで高負荷でトレーニングしたい!」と考えている方にはぜひおすすめしたいサプリメントです。

 

ここで参考までに、クレアチンと筋肥大に関して興味深いデータをご紹介します。 

被験者にクレアチンの摂取とトレーニングを課し、8週間にわたってその経過を観察するという研究が行われました。(*1)

 

研究の結果は、「被験者の筋肉量は増加し、上半身の筋肉が下半身の筋肉よりも大きく発達した」というものでした。

研究では下半身の筋肉も肥大していましたが、クレアチンが上半身の筋肥大に対してより大きな影響を与える可能性が示唆されています。

 

今後はさらに検証が深まるかと思いますが、上半身の筋肉を強化したい方は、クレアチンの摂取を検討してみると良いかもしれません。

横井さんアイコン特に胸や肩などを集中的に鍛えたい方は、クレアチンを飲んでみることをおすすめします!

摂取しても筋肉に効果がない場合

「クレアチンを摂っているけど、あまり効果を感じられない・・」と悩んでいる方もいるかもしれません。

 

当てはまる方は、「継続して摂取していない」、もしくは「すでにクレアチンの貯蔵量が限界値である」可能性を考えてみてください。

 

一般的にクレアチンは1日3~5gほど摂るのが良いと考えられています。 

このペースで摂取を続けると、体内のクレアチン量が最大になるまでに1か月程度かかると言われています。

 

もしクレアチンを飲んでも筋トレ中のパフォーマンスにそれほど変化がなければ、摂取方法を見直しましょう。

継続して摂取しているのに効果が感じられなくなったという方は、体内のクレアチン量が限界レベルになっているかもしれません。

 

人体が貯蔵しておけるクレアチンの量は限られています。 

今までのような筋力の向上が顕著に現れなくなったなら、体内のクレアチン量が上限に達したことを意味するのではないかと思います。

 

しかし、筋力が伸びなくなったからといってクレアチンの摂取をストップした場合、体内のクレアチン量が減り筋力が落ちてしまう可能性もあります。

筋力増加が頭打ちになったと感じても、1日約3~5gのクレアチンを摂り続けることで、体内のクレアチンのレベルを保つことができます。

 

今まで扱えていた重量をキープするためにも、摂取を続けるのが得策でしょう。

<クレアチンのもたらす効果を詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめです!>

クレアチンの効果とは?効能・飲み方・摂取タイミングを解説!

クレアチンと筋肉の水分量の関係

クレアチンの摂取には様々な利点がありますが、摂取による副作用も存在します。

クレアチンは筋肉中に水分を引き込む作用があり、これによって除脂肪体重が増加します。

 

ただ、体脂肪が増えるわけではなく健康に悪影響が出ることも無いので、特に気にする必要はありません。 

水分が筋肉に運ばれるので、クレアチンのサプリメントを使用している時は十分な水分補給を行ってください。

1日2リットルは水を飲むようにしましょう。

クレアチンと筋肉量の関係

体内のクレアチンの量は体重に比例して変化します。

成人の体内には80~130g程度のクレアチンが存在すると言われています。

体重が70kgの方の体に存在するクレアチン量は約120gです。

 

しかし、筋肉量が多く体重が重い方も、摂取するクレアチン量は基準通りで問題ありません。

 1日4~5gほどの摂取で効果が感じられるようになるかと思います。

<クレアチンの摂取量に関して詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめです!>

クレアチンの量はどのくらい?適切な量をと効果的な摂取方法を解説!

<クレアチンを飲む適切なタイミングが気になる方はこちらの記事もおすすめです!>

クレアチン摂取の最適なタイミングとは?効果を最大化させる摂取方法

クレアチンは本当に筋トレの効果を高めるのか

クレアチンがATPを合成することにより筋力アップ、筋肥大につながるということを解説してきました。

 

クレアチンの有効性については、国際的に権威のある団体からも支持されています。

ISSN(International Society Of Sports Nutrition/国際スポーツ栄養学会)は、数多くの研究結果を参考に、クレアチンを「トレーニングやスポーツのパフォーマンスアップに効果的」で「安全な」サプリメントであると認めています。(*2)

 

クレアチンは過剰摂取をしなければ特に問題はありませんので、安心して飲んでください!

<クレアチンと筋トレの関係性についてはこちらの記事もおすすめです!>

クレアチンは筋トレの必需品!いつもの筋トレがクレアチンで劇的に変わる

まとめ

いかがでしたか?

クレアチンは筋肉のエネルギー源となるATPの合成を手助けし、筋力アップに貢献してくれるサプリメントです。

体に悪影響を及ぼす心配も無く、効果や安全性も広く認められています。

 

筋トレで体を大きくしたいと思っている方は、ぜひ取り入れてみましょう!

<参考文献>

(*1) Creatine supplementation elicits greater muscle hypertrophy in upper than lower limbs and trunk in resistance-trained men.

Nutr Health. 2017 Dec;23(4):223-229. doi: 10.1177/0260106017737013. 

(*2) International Society of Sports Nutrition position stand: safety and efficacy of creatine supplementation in exercise, sport, and medicine.

J Int Soc Sports Nutr. 2017 Jun 13;14:18. doi: 10.1186/s12970-017-0173-z. eCollection 2017.

この記事を書いた人
横井 雅史
理学療法士・パーソナルトレーナー
LINE友達申請
無料会員登録