BCAAは効果なし?筋トレ・ダイエット・疲労回復への効果や副作用の有無を徹底解説!

佐藤樹里

筋トレの成果を出すために、プロテインを飲んでいる方は多いかと思います。

 

しかし、より効率よく筋肉をつけていきたいなら、「BCAA」の摂取も試みても良いかもしれません。

 

今回は、筋トレ、スポーツの補佐役として人気のあるBCAAの効果や副作用についてご紹介します!

 

いくつか論文の報告も引用して、詳しく説明していきます!

佐藤樹里(管理栄養士)
管理栄養士。アスドリファクトリー代表。フィットネスジムでの運動・栄養指導経験後、約1年海外移住をし、現地のレストランでシェフと共に働く。現在はスポーツイベント開催、アスリートへの栄養講座、栄養個別サポートを通算1000人以上に行う。

BCAAとは

まずはBCAAとはどのような栄養素なのかを確認しましょう。

3つの必須アミノ酸の総称

BCAAは必須アミノ酸(体内で作ることができず、外から摂る必要があるアミノ酸)に分類される「バリン・ロイシン・イソロイシン」の3つの総称です。 (正式名称は「Branched Chain Amino Acids」、日本語で「分岐鎖アミノ酸」です。)

 

アミノ酸は体内でタンパク質を合成して筋肉を作る、ボディメイクを考えるにあたって外すことができない栄養素です。

 

アミノ酸は全部で20種類あり、これらが全て揃うことでタンパク質が合成できるようになります。

 

アミノ酸はある程度の量を体内で作ることができますが、9種類の必須アミノ酸はそれに当てはまらないので、食事などで体外から取り入れなければなりません。

 

必須アミノ酸であるBCAAは、筋肉作りにおいても特に重要なアミノ酸の一種であると言えます。

プロテインよりも吸収が早い

BCAAはタンパク質に含まれるので、プロテインなどから十分なタンパク質が摂れていればサプリを使う必要はないという意見もありますが、BCAAサプリを飲むことで効果をより体感できる可能性が高いです。

 

BCAAはタンパク質の最小単位であるアミノ酸のサプリメントなので、プロテインよりも吸収スピードが早く、30分ほどで吸収が完了します。

 

なので、BCAAは運動中の摂取でも十分効果を発揮させることができます!


BCAAの6つの効果

筋肉 食事

BCAAにはあらゆる方面から筋トレの質を上げることが期待されています。

 

BCAAにはどんな効果があるのか、一つずつ見ていきましょう!

筋合成を活発にする

BCAAの効果として最も有名なのが、筋肉の合成の促進です。

 

BCAA(とりわけロイシン)は筋タンパク合成の活性化に関わるシグナル伝達経路「mTOR」の働きをアクティブにします。

 

また、筋肉にアミノ酸などの栄養を運んでくれる「インスリン」も分泌させてくれるので、栄養を届けるという点からも筋肥大に有効であると考えられます!

 

ただし、BCAA単体では筋肥大の効果を十分に得ることは難しく、効果を十分に得るにはプロテインなどとの併用が大切です。このことは「BCAAが効果なしと言われる理由を、論文を元に検証した後の章」で詳しくご説明します。

筋肉の分解を抑える

BCAAは筋肉の合成を助けるだけでなく、筋肉を分解から守ってもくれます。

 

BCAAに含まれるロイシンは体内のタンパク質を分解する回路「ユビキチン・プロテアソーム系」の働きを和らげ、筋肉が分解されるのを防いでくれます。

 

BCAAは合成促進と分解抑制の両面から筋肉の成長をサポートしてくれます!

集中力を向上させる

BCAAはトレーニング中の集中力を上げるのにも役立ってくれます。

 

必須アミノ酸の一つである「トリプトファン」は大切な栄養素ですが、運動時に脳に入り、精神的な疲労の原因と考えられている「セロトニン」という物質に変化する場合があります。

 

セロトニンが発生してしまうと集中力が低下する恐れがあります。

 

BCAAトリプトファンが脳に入る動きを阻止し、セロトニンが増えないようにしてくれます。

 

BCAAはトリプトファンと同じ運搬体を使って脳に入ることができるので、体内のBCAAが増えるとトリプトファンが運搬体を使える確率が低くなるのです。

疲労回復にも効果がある

疲労回復の役割も担ってくれるのがBCAAの長所です。

 

筋肉のダメージを回復させ、筋肉痛を和らげると考えられています。

 

また、先述したインスリンの分泌を促す効果は筋肉のエネルギー源である「筋グリコーゲン」の回復を促進させます。

 

体内にBCAAがある状態で糖質やタンパク質を摂取すると、インスリンの働きによって素早くグリコーゲンを回復させられます!

ダイエットも効果的

BCAAはダイエットのサポート役としても活用可能です。

 

BCAAは筋合成に関わるmTORの動きを活性化しますが、これは体に「筋合成に必要なエネルギーが揃っている」と感じさせる効果があり、食欲の抑制につながります。

 

さらに、満腹ホルモンとして有名な「レプチン」に対する感受性を高めることでも食欲を抑えてくれます。

 

このことからBCAAは女性にも人気が高いです!

 

ダイエットを頑張ろうと考えている方は利用してみるのも良いでしょう!

持久力を上げる

BCAAは筋肉のエネルギーとしても働きます。

 

そのため、サプリからBCAAを摂ることでエネルギーが補充され、結果として持久力を上げることができます。

 

マラソンのように長時間の活動が必要な競技を行う方は、運動中にBCAAを摂ることでエネルギー切れを防ぐことができます!

BCAAは論文で「効果なし」と言われる!?

BCAAは実に多くの効果を持つアミノ酸のサプリメントですが、効果的に使いこなすのは意外と難しいです。

 

ここからはBCAAの欠点や、利用する際に気をつけるべきポイントについて解説します。

単体では筋肥大に効果なし?(論文報告より)

BCAAは筋合成を促進させて筋肉増量に貢献すると言われていますが、BCAAだけを飲んでいても筋肉は増えていかないかもしれません。

 

BCAAは確かに筋肉の合成反応を高めますが、筋肉を作るにはタンパク質を合成する20種類のアミノ酸全てが必要です。

 

BCAAだけを摂取しても、その他のアミノ酸(特に必須アミノ酸)が不足していれば、タンパク質は作られず、結果として筋肉も増えません。

 

また、実際にイェール大学医学部らの研究を参照した海外論文では、「BCAA摂取だけでは、分解を超えた筋肉タンパク質合成につながる状態を作り出すことはできないと考えるのが妥当と思われる。」と述べられています。(※1.2.3)

 

それどころか、BCAAによる筋合成の活性化に反応した体が、筋肉を分解してアミノ酸を取り出すことによって不足分を補おうとしてしまう恐れもあります。

 

筋肉を増やすために飲んだBCAAが、筋肉の減少を引き起こしてしまうかもしれないのです。

 

これを防いでBCAAの効果を活かすには、事前に材料を確保することが重要です。

 

ただし、悲観することはありません。タンパク質とBCAAを合わせて摂ることで筋肥大へ大きなメリットが期待できます。このことは次の章で詳しく紹介します。

BCAAで効率的に筋肥大を得る方法(論文報告より)

トレーニングの1時間ほど前に吸収が早いホエイプロテインを飲んでタンパク質(アミノ酸)を体に蓄えておき、運動中にBCAAを飲むことで筋肉を効率良く増やすことができると思います!

 

また、カナダのハミルトンのマクマスター大学、およびスイスのローザンヌのネスレ研究センターが行なった研究では次のように報告しています。

<研究報告より>

 6.25gのタンパク質と5.0gのロイシンを含むBCAAを運動後に摂取したところ、25gのホエイプロテインを摂取した場合と同等の筋タンパク質合成の効果を得られた。(※4)

 

このことから、プロテインとBCAAを組み合わせることでさらなる筋肥大の効果が期待できそうです!

 

BCAAを飲む際は、BCAA単体で期待できる効果(筋分解の抑制や疲労回復・ダイエットのサポート)などと、タンパク質と合わせて摂取することで期待できる効果(筋合成反応の促進)を分けて考えておくと良いでしょう!

 

また、9つの必須アミノ酸を全て含んだ「EAA」のサプリメントを使う場合も材料不足の心配はありません。

 

少々値段が高いですが、BCAAの代わりにEAAを使うのも選択肢の一つです!

 

プロテインやEAAとの使い分けは後半の章でさらにご紹介します。

 

BCAAとEAAの違いや使い分け方法とは?筋トレに必要な2つの栄養素を徹底比較

BCAAのデメリットや副作用は腹痛

BCAAは吸収の早さが長所の一つですが、これは同時に弱点にもなり得ます。

 

BCAAを一度に大量に飲むと、浸透圧性の下痢になってしまう可能性があります。

 

吸収が早いBCAAが一気に体内に入ってくると、腸内の濃度が急上昇してそれを調整するために大量の水が腸へ送られます。

 

腸内の水分が増加することで浸透圧性の下痢が起こりやすくなり、腹痛につながってしまいます。

 

少しずつ飲むことは問題無いので、BCAAは一気飲みを避けてこまめに飲むようにしましょう!

BCAAの効果的な飲み方

ここからはBCAAの飲み方をさらに詳しくご紹介します。

どれだけの量をいつ摂るのが良いか

BCAAは吸収が早く、筋トレ時にも使いやすいサプリメントです。

 

特に運動中の摂取は、エネルギー補給や筋分解の抑制といった観点から考えて良いタイミングなのではないかと思われます。

 

ダイエットをしていて食欲を抑えたい方は、筋トレ後や間食のタイミングに飲んでも良いかもしれません。

 

量としては、1回5~10gを目安にして、下痢を起こさないように少しずつ飲むのが良いでしょう。

 

BCAAを飲む最適なタイミングや摂取量とは?寝る前を避けるべき理由など

プロテインとBCAAの併用がおすすめ

先ほどもお伝えしたように、筋肥大を目的にBCAAを活用するのであれば、プロテインと併用するのが良いでしょう。

 

併用する際は、プロテインはトレーニング前と後、BCAAはトレーニング中に飲むのが良いでしょう。

 

また、吸収速度が異なるため、両方を混ぜて飲むのはできるだけ避けましょう。詳しい飲み方は下記の記事をご参照ください。

 

BCAAとプロテインの違いは?両者の比較や併用法〜他のアミノ酸サプリとの違いまで

他のアミノ酸サプリとBCAAの使い分け

BCAAはアミノ酸のサプリメントですが、同様に、EAAやクレアチン、HMBやグルタミンなどもアミノ酸を用いたサプリメントです。

 

BCAAとそれらのサプリメントを併用するのも良いでしょう。

 

それぞれのサプリメントの効果は下記の通りです。

<代表的なアミノ酸のサプリメントの特徴>
  • EAA:9種類の必須アミノ酸を全て含み、筋肥大をサポートする。
  • クレアチン:瞬発的に筋力を高める効果があり、トレーニング負荷を上げることをサポートする。
  • HMB:筋合成の促進と分解の抑制に効果があり、筋肥大をサポートする。
  • グルタミン:疲労回復や免疫力の向上をサポートする。

 

それぞれの役割を知り、BCAAと上手に使い分けましょう。気になったサプリメントがあれば下記の記事に進んでみてください。

 

EAAは飲むタイミングで効果が違う!筋トレ効果を上げる最適なタイミングとは?
クレアチンは筋肉アップに効果的!クレアチンの働きを徹底解説
HMBサプリメントを飲むベストタイミングはいつ?飲み方や摂取タイミングで筋肉への効果が変わる
グルタミンの効果は筋トレや風邪の際に発揮!グルタミン酸との違いや副作用まで

まとめ

BCAAは筋肥大や筋トレ中のエネルギー補助、筋トレ後の回復まで多方面で活躍してくれるサプリメントです。

 

ただ、上手く使わないと思わぬ副作用を引き起こしてしまう可能性があるので、注意も必要です。

 

特徴をしっかりと頭に入れて、BCAAの効果を思う存分発揮させてください!

この記事を書いた人
佐藤樹里
管理栄養士
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