BCAAを飲む最適なタイミングや摂取量とは?寝る前を避けるべき理由など

佐藤樹里

筋肉を効率的につけたい方におすすめできるサプリメントにBCAAがあります。

 

BCAAは筋肉の合成を活発にする」、「筋肉の分解を起こりにくくする」、などといった作用があり、筋トレの努力を成果に結びつけてくれます。

 

さらに、BCAAは摂取量や飲み方に気をつけることで、その力を十分に体感できるようになります。

 

今回は、BCAAを最大限に活用するための摂取量や摂取タイミングについてご紹介します!

佐藤樹里(管理栄養士)
管理栄養士。アスドリファクトリー代表。フィットネスジムでの運動・栄養指導経験後、約1年海外移住をし、現地のレストランでシェフと共に働く。現在はスポーツイベント開催、アスリートへの栄養講座、栄養個別サポートを通算1000人以上に行う。

BCAAはメリット多数の必須アミノ酸!

BCAA

まずは、BCAAの概要について知っておきましょう。

 

BCAAは「Branched Chain Amino Acids」の略称で、日本語では「分岐鎖アミノ酸」と呼ばれています。

 

BCAA「バリン・ロイシン・イソロイシン」という、3種の「必須アミノ酸」で構成されています。

 

必須アミノ酸は体内で十分な量を作ることができない9種類のアミノ酸です。必須アミノ酸は食事・サプリなどから摂る必要があります。

 

アミノ酸には、体内である程度の量を作ることができる11種類の「非必須アミノ酸」も存在します。

 

基本的に非必須アミノ酸は必須アミノ酸ほど意識して摂取する必要はありませんが、中には消費量が多くなりやすい「条件下必須アミノ酸」(グルタミン・アルギニン)も存在します。

 

これら合計20種類のアミノ酸が全て揃うことで筋肉の材料となるタンパク質を合成することができます。

 

BCAAは筋肉の素材として欠かせない栄養素なのです。

筋肉の合成促進と分解抑制をする

さらに、材料としての役割以外にも、BCAAには様々なメリットがあります。

 

BCAAの代表的な効果として、筋肉の合成促進と分解抑制が挙げられます。

 

BCAAは筋肉の合成を促すシグナルを送る「mTOR」というシグナル伝達経路の動きを活性化し、筋肉が作られやすい体内環境を生み出します。

 

また、タンパク質を分解して筋肉を減少させる「ユビキチン・プロテアソーム系」の働きを阻害して筋肉を守るように働きます。

 

上記のような作用は、特にロイシンの働きによるところが大きいです。

筋肉のエネルギーとしても働く

BCAAが影響を及ぼすのは筋肉量だけではありません、

 

BCAA筋肉のエネルギーとしても働きます。

 

激しい運動などにより体内の「グリコーゲン」(糖質由来の、筋肉などに貯蔵されるエネルギー源)が不足すると、BCAAがその代わりを務めます。

 

運動中にBCAAを飲むとエネルギーが補給されて持久力が上がり、運動を続けることができます。

集中力のアップにも貢献 

集中力のアップにもBCAAは貢献します。

 

BCAAは同じく必須アミノ酸の「トリプトファン」が脳に入るのを防ぎます。

 

トリプトファンは脳内で「セロトニン」に変化し、これが精神的な疲労をもたらすと言われています。

 

BCAAはこのセロトニンの生成の防止に貢献し、集中して物事に取り組めるようにしてくれます。

 

筋肉痛の軽減やグリコーゲンの回復などにも関わり、体のリカバリーを進めるようにも働きます。

ダイエットもサポート

さらに、BCAAは満腹ホルモンである「レプチン」の感受性を上げることもできるので、食べ過ぎを防いでダイエットをサポートしてくれます。

 

<BCAAの詳しい効果はこちらもCHECK!>

BCAAは効果なし?筋トレ・ダイエット・疲労回復への効果や副作用の有無を徹底解説!

飲み方の基本は「少しずつ飲む」こと

このように、BCAAを飲むことで得られるメリットは実に多いです。

 

ただし、BCAAを飲む時に大事なのが、「少しずつ飲む」ということです。

 

BCAAは消化の必要が無いアミノ酸のサプリメントなので、吸収が非常に早いです。(30分程度)

 

そのため、腸内での濃度が一気に上がります。

 

そうなると、急上昇した濃度を調整しようとして水分(体液)が腸へと送られることになります。

 

腸の水分量が増加すると、下痢につながってしまいます。こうして引き起こされるのを、浸透圧性の下痢と呼びます。

 

下痢を防ぐために、一気飲みを避けて少しずつ体内にBCAAを入れていくようにするのがポイントです!

筋肉をつけたい人は飲み方に要注意

BCAAは筋トレやダイエットをする人、集中力を高めたいときなど様々な嬉しい効果を発揮します。

 

ただし、トレーニングをして筋肉をつけたい人は飲み方にさらなる注意が必要です。

 

気をつけなければいけないのが、BCAAだけでは必須アミノ酸全てを補給できず、筋肉の材料として不十分であるということです。

筋肉の材料全ては満たさない

BCAAは筋肉の合成を促しますが、材料を満たすわけではありません。

 

材料となる他のアミノ酸が足りなければ、体は筋肉からアミノ酸を取り出して筋合成に必要な不足分をカバーしようとします。

 

この時に筋肉が分解されて、かえって筋肉が減ってしまうことも十分あり得ます。

 

BCAAを筋肉増量の目的で使用するのなら、あらかじめアミノ酸を体内に取り込んでおくべきなのです。

プロテインを先に飲もう

そのため、タンパク質を補給できるプロテインを先に飲んでおき、後からBCAAを飲むようにすると良いでしょう。

 

タンパク質は全てのアミノ酸を含んでおり、体内で分解されることで必要とされるアミノ酸を揃えることができます。

 

筋肉を増やしたい場合は、アミノ酸を個別で色々摂ることを考えるよりもタンパク質量(体重1kgにつき2g)を確保する方が先決です。

 

まずプロテインを購入して、余裕があればBCAAの利用を検討するようにすると良いでしょう!

 

<プロテインとの併用法はこちらをCHECK!>

BCAAとプロテインの違いは?両者の比較や併用法〜他のアミノ酸サプリとの違いまで

EAAに置き換えるのも効果的

なお、9種類の必須アミノ酸を全て含有する「EAA」というサプリメントも存在します。

 

EAABCAAと同様の作用を持ちつつ他の必須アミノ酸も補給できる優秀なサプリです。

 

値段は高価ですが、経済的に余裕があればEAAの購入をおすすめします。もちろん、プロテインと組み合わせればBCAAでも十分に筋肥大を望めます!

 

<BCAAとEAAの違いはこちらをCHECK!>

BCAAとEAAの違いや使い分け方法とは?筋トレに必要な2つの栄養素を徹底比較

BCAAの摂取量はどのくらいが良い?

BCAAはうまく使えば実に効果的なサプリですが、どのくらいの量を摂るのが良いのでしょうか。

おすすめは5~10g程度!

1回の摂取量としては5~10gを目安にして、体重が軽い方は少なめに、体重が重い方は多めに摂るというように考えると良いかと思います。

摂取量の上限はあるの?

摂取量の上限は、「国立研究開発法人 医療基盤・健康・栄養研究所」の開示情報をバリン・ロイシン・イソロイシンそれぞれに確認したところ、「短期間、適切に摂取する場合、安全性が示唆されている」との記載でした。(※1.2,3

 

なので、使っているサプリメントの容量を守って使用すれば安全と考えてよいでしょう。

 

また、摂取量を調べてみるとBCAA(分岐鎖アミノ酸)の食事摂取量と結腸直腸癌のリスクの研究論文も見つけることができました。

<ハーバード大学公衆衛生学部の研究報告より>

食事によるBCAAの摂取量が多いほど、大腸がんのリスクが高くなるという証拠は見つかりませんでした。(※4

 

このように、現段階ではBCAAの摂取量とリスクについては大きな心配はなさそうです。

過剰摂取だと寝られない!?

ただし、BCAAは少しずつ飲むことが大切だと前述しました。そこでも記載したように、BCAAを一気に飲むという意味での過剰摂取には注意が必要です。

 

過剰摂取をしてしまうと浸透圧性の下痢のリスクが高まる他に、寝付きが悪くなってしまうことも考えられます。

 

BCAAは間接的にセロトニン量を減らし集中力のキープに貢献しますが、セロトニンには精神を安定させ、睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」の材料にもなり快眠をサポートするという働きもあります。

 

BCAAの摂りすぎでセロトニンが作られにくくなれば、体をリラックスさせにくくなるかもしれません。

 

過剰摂取には十分気をつけましょう!

BCAAを飲むおすすめのタイミング

BCAAはタイミングが重要視されるサプリメントです。

 

筋トレやスポーツに励む方とダイエットに励む方それぞれのおすすめタイミングを見ていきましょう!

筋トレやスポーツをするなら運動中

おすすめの摂取タイミングとしてまず挙げられるのが運動中です。

 

先述したように、BCAAの筋合成促進効果は材料であるアミノ酸が全て揃っている時に十分な力を発揮します。

 

そのため、運動前にプロテインを飲んでアミノ酸を満たしておき、運動中にBCAAを飲むことで、余計な筋分解を防ぐことが可能です。

 

運動の1時間ほど前にホエイプロテイン(吸収時間が約1時間)を飲み、運動中にBCAAを飲むことで、BCAAの筋合成効果を無駄なく活用できます。

 

BCAAは筋肉のエネルギーとしても使われます。吸収が早く、体が利用できるようになるまでそれほど時間もかからないので、この点からも運動中の摂取に向いていると考えられます。

ダイエット目的なら間食のタイミング

筋肥大よりもダイエットに主眼を置いている場合は、間食のタイミングBCAAを飲むと満腹感が生まれ、お菓子などの食べ過ぎを防止できます。

 

BCAA自体に脂肪を燃焼させる効果があるわけではありません。期待できるのは、あくまでも満腹ホルモンである「レプチン」の感受性を上げる効果です。

 

そのため、満腹感を高めて食べ過ぎを防ぐ目的で飲むタイミングを考えていきましょう。

摂取を避けるべきタイミング

逆に、BCAAの摂取にあまり向いていないのが、起床後や就寝前などです。

 

それぞれの理由をご紹介します。

起床後を避けるべき理由

起床後は体内の栄養が枯渇している状態なので、アミノ酸も不足しています。

 

そこでBCAAを飲んでしまうと、筋合成を進めるために筋肉からアミノ酸が取り出されることになってしまいます。

 

起きてすぐはプロテインやEAAのように(必須)アミノ酸をもれなく摂れるサプリを飲むのがおすすめです。

寝る前を避けるべき理由 

就寝前はBCAAの吸収速度の関係でベストタイミングとは言いがたいです。

 

BCAAは吸収が早い(アミノ酸濃度を急上昇させる)のが利点ですが、その分アミノ酸濃度の低下も早いです。

 

就寝中は栄養補給が絶たれるので、なるべくゆっくり吸収されるような栄養を摂ってアミノ酸濃度をできるだけキープすることが大切です。こうすることで就寝中の筋分解を防ぎ、合成を進めることができます。

 

就寝前はソイプロテインやカゼインプロテインのような吸収に時間がかかるプロテインを飲むのが無難です。

 

BCAAの摂取に向いているタイミングを把握し、成果につながるような使い方をしましょう!

まとめ

BCAAは便利な反面、利用法をよく理解しておかなければならないサプリメントでもあります。

 

筋トレ前にプロテインを摂取しておき5~10gBCAAをトレーニング中などに少しずつ飲んでいくことで、筋肉は順調に増えていくはずです。

 

BCAAの性質を掴んで、良きパートナーにしてください!

この記事を書いた人
佐藤樹里
管理栄養士
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