ゴーヤの栄養素と効果・効能まとめ。美味しい食べ方のコツと保存方法【管理栄養士監修】

池上淳子

ゴーヤには健康を保つために欠かせないたくさんの栄養素が含まれています。ゴーヤの苦みが苦手な人もいるかもしれませんが、ゴーヤを積極的に食べることにより、体の様々な不調が改善に向かい、美容にも良い影響をもたらしてくれます。

 

そこでこの記事では、ゴーヤに含まれる健康と美容に効果的な栄養素、またその効能について詳しく解説していきます。ゴーヤが苦手な人でもおいしく食べられるコツや、ゴーヤを使った調理で気を付けるべきポイントについても合わせてお伝えしていきます。 

ゴーヤに含まれる栄養素

ビタミンC

ゴーヤに多く含まれる栄養素の1つにビタミンCがあります。ゴーヤ100gあたりのビタミンC含有量は76mg。これはキウイフルーツやレモン果汁よりも多い数値です。

 

ビタミンCは、コラーゲンを生成するために欠かせないものです。コラーゲンはタンパク質の一種で、人間の身体を構成するタンパク質の約30%を占め、肌の弾力やハリを生み出します。また、血管や腱、軟骨などにも多く含まれています。

 

そのため、ゴーヤを積極的に摂ることで、美容や体の内側から健康を保つことができるのです。

カリウム

ゴーヤには100gあたりのカリウム含有量は、260mg。カリウムには、血圧を正常に保つ効能や、脳卒中の予防、骨密度の向上などの効能があります。

 

カリウムは体内のナトリウムと、一定のバランスを保ちながら細胞の浸透圧や血圧を調整しています。この血圧が一定でなくなり、ナトリウムの値が高くなった状態が高血圧です。

 

カリウムは、高くなりすぎたナトリウムを下げるはたらきをして血圧を正常に保ちます。ほかにも、カリウムには脳卒中を予防したり骨密度を高めたりといった効果も期待できます。

 

一方、カリウムが不足すると、疲労を感じやすくなったり、食欲不振になったりするといわれています。カリウムには、細胞内液の浸透圧調整のほか、筋肉の収縮や神経伝達を助けるといったはたらきがあります。そのため、カリウムが不足すると筋肉や神経系に大きな影響を及ぼすことになるのです。

食物繊維

ゴーヤには水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のどちらもが豊富に含まれています。ゴーヤは、効率よく食物繊維を摂取したいと考えている人にとって最適な食品なのです。

 

水溶性食物繊維は、その名前の通り、水に溶けるという性質を持っています。腸内に含まれる水分に溶け、糖分と消化酵素の接触を防ぐゼリー状の物質となります。水溶性食物繊維の働きとして代表的なものは、血糖値の上昇抑制です。

 

もう一方の不溶性食物繊維とは、水に溶けない性質を持つ食物繊維のことを指します。腸内で水分を吸収することで食物繊維自体が膨張し、腸の動きを活発にするというはたらきがあります。腸内の便の量を増やし、排せつを促すことにより腸内環境の改善に大きな効果が期待できます。

苦味成分の効果

ゴーヤ料理

ゴーヤの特徴である苦み成分は、モモルデシンと呼ばれています。モモルデシンを摂取することにより、3つの効果を期待できます。 

食欲増進効果

ゴーヤの旬である夏は、一年のうちでも食欲が減退しやすい季節と言われています。気温や湿度が高く、ちょっとした動作で体力を消耗しやすいためです。

 

食欲が落ちると、当然ながら食事から必要な栄養素を摂取することが困難になり、健康に影響を及ぼすおそれもあります。モモルデシンは食欲を増進させる効果が期待できるため、食欲がないと感じたときにはゴーヤを食事に取り入れてみましょう。 

抗酸化作用

ゴーヤに豊富に含まれるビタミンCにも同様の作用がありますが、モモルデシンにも強い抗酸化作用があります。老化防止に役立ち、美容面だけでなく健康面にも良い効果をもたらしてくれるでしょう。

胃腸の粘膜を保護する効果

夏の時期には冷たい飲料や食べ物が食べたくなるという人もいるのではないでしょうか。エアコンの効いた環境にいることも多く、夏は意外と体が冷えやすい時期でもあります。体が冷えた状態で冷たいものを摂取すると、胃腸の粘膜はダメージを受けやすくなります。モモルデシンはこうしたダメージから粘膜を守り、損傷を防ぐ働きがあるのです。 

ゴーヤと癌(ガン)の関連

植物や動物の肉に含まれる色素成分に、カロチノイドというものがあります。

 

カロチノイドにはたくさんの種類がありますが、中でも人間の体に大切な作用を及ぼすとされているカロチノイドには、α-カロテンやβ-カロテン、クリプトキサンチンがあります。

 

この3種類のカロチノイドのなかで、特に活発に作用するのがβ-カロテンです。β-カロテンが多く含まれる食べ物はシソ(含有量11000μg)や、モロヘイヤ(含有量10000μg)、にんじん(含有量8600μg)などですが、ゴーヤにも微量(含有量210μg)含まれています。

 

β-カロテンは体内に摂取されると、必要に応じてビタミンAに変換され、さまざまな作用を発揮します。

<ビタミンAとは>

脂溶性ビタミンの1つであり、肌を健康に保つ、細胞の発育を促進するなどの美容に関する働きを持つことが特徴です。また、粘膜からの細菌の侵入を防いだり、視覚の暗順応に関わったりといった大切な役割も担っています。

 

β-カロテンのはたらきはこのビタミンA作用だけではありません。細胞の酸化を引き起こす活性酸素を排出しやすくする抗酸化作用もあります。抗酸化作用によって老化を防止することができ、外見の若さを保つことができるほか、加齢に伴う疾患にかかりにくくなることも期待できます。

 

さらに、β-カロテンを十分に摂取することで、肺がんの発症リスクを低下させることができるとの研究もあります。

その他のゴーヤの効能

鉄分による貧血・頭痛予防

ゴーヤには100gあたり0.4mgの鉄が含まれています。

 

成人の体内にはおよそ4gの鉄があると言われており、その70%ほどがヘモグロビンと呼ばれる物質に含まれています。鉄分が不足と、赤血球に含まれるヘモグロビンの生成量が低下し鉄欠乏性貧血になります。

 

鉄欠乏性貧血になると、酸素を体のすみずみまで運搬する赤血球が足りなくなるため、全身が酸素不足状態に陥ります。疲れやすくなる、頭痛がするといった症状が見られることもあるでしょう。

 

また、酸素不足を補うために心臓を動かそうとするため、動悸や息切れといった日常生活に支障が出るような症状を引き起こすこともあります。これらの不調を改善する上で、ゴーヤはとても役に立つ食材なのです。

カルシウムで骨を丈夫に

ゴーヤには100gあたり14mgのカルシウムが含まれています。

 

カルシウムは、歯や骨だけにとどまらず、体液や筋肉など体のさまざまな組織を維持する上で欠かせない栄養素です。

 

そんなカルシウムには、3つの効能があります。

 

1つ目は、骨を丈夫にすることです。成人するまでの期間には、骨はカルシウムを吸収しながら少しずつ成長していきます。しかし、カルシウムが十分に含まれていることによって丈夫な骨を維持することが可能になります。カルシウムが不足すると、骨を壊して蓄えていたカルシウムを体内に補うため、骨がもろくなる骨粗しょう症を引き起こす可能性が高くなります。

 

2つ目は、精神を安定させるというものです。カルシウムは、神経の興奮や緊張を和らげます。3つ目の効能は、基礎代謝を高めて体温を上げることです。

葉酸が妊娠初期の胎児の栄養に

ゴーヤには葉酸も含まれています。

ゴーヤには100gあたり72μgの葉酸が含まれています。

 

葉酸は、ビタミンB群の一種で、水に溶けやすい性質を持つ水溶性ビタミンです。葉酸という名前は、ほうれん草や小松菜など、緑色をした葉野菜に特に多く含まれることから付けられました。

 

葉酸のはたらきには、胎児の正常な発育を促すというものがあります。葉酸は胎児期に発症する神経管閉鎖障害という神経管の発育不全のリスクを軽減することが分かっているため、特に妊娠初期の女性に有効な栄養素です。

 

また、葉酸はDNARNAなどの核酸を生成する際にも大切なはたらきをします。これらの核酸は赤血球やタンパク質を作り出すときに欠かせないものです。赤血球は全身のすみずみまで新鮮な酸素を運搬するために重要な役割を果たしています。

 

また、タンパク質は筋肉や内臓といった、体のさまざまな組織を構成する物質です。葉酸は、生命の維持に関わる重要な栄養素と言えるでしょう。

体内の葉酸が不足すると、巨赤芽球性貧血という極めて悪性度の高い貧血にかかる可能性があります。

 

葉酸はビタミンB12と結合して血液を作り出す働きがあるため、ビタミンB12と葉酸のどちらが欠乏しても巨赤芽球性貧血にかかりやすくなります。さらに、心筋梗塞や脳卒中といった、命に係わる循環器系の疾患にかかりやすくなるとも言われています。 

ゴーヤの旬・収穫時期

ゴツゴツとした独特な見た目と強い苦みが特徴のゴーヤは、夏に旬を迎える野菜1つです。成長するにしたがってツルが長く伸びていき、たくさんの実をつけることから、窓からの日差しや熱気を遮る緑のカーテンとしてゴーヤを見かけることもあるでしょう。

 

ゴーヤの原産地は熱帯アジアですが、中国から日本に伝えられ、沖縄県を中心とした南西諸島や南九州で特に多く生産されています。なお、ゴーヤは比較的簡単に栽培が可能であるほか、食用以外に緑のカーテンなどにも利用できることから日本全国で栽培されており、家庭菜園でも人気のある野菜です。

 

主に夏に収穫されるため、夏野菜の定番として思い浮かべる人も多いでしょう。「ゴーヤ」という名前は実は沖縄県の方言で、本州では「にがうり」「ツルレイシ」などとよばれます。

 

一般的に販売されているゴーヤは濃い緑色をしていますが、これは熟す前の実です。熟してくると緑色から黄色、さらにオレンジ色に変化していき、皮が端からぱっくりと割れて開きます。ゴーヤの中には鮮やかな赤色をした果肉があり、さらに内側にはたくさんの種子が詰まっています。

新鮮なゴーヤの選び方

さまざまな栄養素を豊富に含むゴーヤですが、新鮮なものであればあるほど栄養素も多く含まれています。できるだけ新鮮なゴーヤを選ぶためには、どのようなポイントに注目したらよいのでしょうか。3つのポイントを紹介します。

鮮やかな緑色を選ぶ

1点目は、鮮やかな緑色をしていることです。目で見てすぐにわかることなので、購入する時点でしっかりと確認しましょう。一部が黄色やオレンジ色に変色しているものなどはすでに熟し始めているため、傷むのも早くなります。できるだけ新鮮でみずみずしいゴーヤを選ぶためには、全体の色合いをチェックすることが大切です。

ずっしりとした重みのあるモノを選ぶ

2点目は、手に取ったときにずっしりとした重みを感じられることです。重いということは、しっかりと実が詰まっているということなので、新鮮であることのサインとなります。

イボにツヤがあるモノを選ぶ

ひとつひとつのイボにツヤがあることです。ゴーヤが傷んでくるのは末端であるイボからであることがほとんどです。細かいポイントではありますが、イボにツヤがあることをチェックして選ぶようにしましょう。

 

黒ずんだり潰れたりといった明らかな傷みがあるものは、重いものの下敷きになっていたり、長時間おかれたままになっていたりした場合には、黒ずみや潰れが現れることがあります。しっかりと手に取って確かめることが大切です。

ゴーヤの美味しい食べ方

ゴーヤの苦み成分は健康に良いことは上述の通りですが、この苦みが苦手という人も多いのではないでしょうか。そんな人でもゴーヤをおいしく食べるコツがあります。

薄くスライスする

まずは、なるべく薄くスライスすることです。こうすることで苦みが抑えられ、食べやすくなるでしょう。また、この苦み成分は水溶性であるため、スライスしたあとに塩もみをしたり熱湯にさっとくぐらせたりすることで苦みを軽減することができます。

さらに、調理の際に菜種油やゴマ油などの植物油で炒めることにより、コクが出るほか、抗酸化作用や老化防止作用が高まるといった効果も期待できます。

塩もみで苦味を抑える

ゴーヤの苦味を抑えるには「塩もみ」が有効です。ゴーヤの苦味成分であるモモルデシンは、塩もみをして放置することで水分と一緒に抜けていきます。

 

また、ゴーヤの苦味を和らげるために「下茹で」をする方法もあります。ゴーヤの下茹は、水溶性の栄養素まで流れ出ていってしまうため、苦味を抑える際は「塩もみ」がおすすめです。

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種は固く調理にむかない

種子は固くてあまり食べることはありませんが、果肉は苦みがなく食べやすいです。ゴーヤの実も果肉も、それぞれ栄養素が豊富に含まれているので、上手に調理をすることでおいしく効率よく栄養を摂取することができます。

ゴーヤの保存方法

せっかく新鮮なゴーヤを買うことができたとしても、間違った保存方法により傷ませてしまっては意味がありません。ゴーヤをおいしく食べられるように適切な保存方法を理解しておくことが重要です。 

生での保存

まずは、最も早く傷み始めるワタの部分を取り除きます。ワタはほとんど苦みがなく、甘みがあるため、てんぷらなどにするとおいしく食べることができます。

 

ワタを取ったゴーヤは、5mm6mmの薄さにスライスし、冷水にさらしておきます。5分ほどさらしたら、キッチンペーパーなどでしっかりと水気を拭き取り、調理に利用します。

冷凍保存

もし冷凍する場合には、ひとつひとつをバラバラにして冷凍庫に入れます。冷凍したゴーヤを使用する際には、凍ったまま調理しましょう。解凍してから使うと水が出て食感や風味が損なわれることがあります。

まとめ

ゴーヤにはたくさんの栄養素が含まれており、美容面でも健康面でも良い影響をもたらしてくれるはずです。夏特有の体調不良にも効果を期待できるでしょう。

 

積極的にゴーヤ料理に取り入れ、健康的な生活を送っていきましょう。

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