高額介護サービス費とは何ですか?介護保険の1か月の自己負担が上限(住民税課税で課税所得380万円未満の世帯は44,400円、世帯全員非課税は24,600円など)を超えた分が、申請により払い戻される制度です
高額介護サービス費とは、どんな制度ですか?
介護保険サービスの1か月の自己負担が上限額を超えたとき、超えた分が払い戻される制度です。横浜市の案内ページには、1か月の利用料(自己負担分)が上限額を超えた場合に、超えた額の一部が高額介護サービス費として払い戻されると書かれています。ライフジャパンが2026年10月20日に確認しました。
払い戻しの対象は、要介護度ごとの利用限度額の範囲内で自己負担した分です。同じ世帯に複数の要介護者がいる場合は、世帯全体の自己負担額を合算できると、横浜市のページに書かれています。岡山市のページでは、介護予防・日常生活支援総合事業のサービスの自己負担は高額総合事業サービス費という名前で、同じ月の上限と合わせて扱われると案内されています。
月額の上限額は、所得区分ごとにいくらですか?
厚生労働省の介護事業所・生活関連情報検索サイトでは、第1段階から第4段階までの区分で上限額が示されています。次の表は、そのページの内容です。
| 区分 | 対象 | 月額上限 |
|---|---|---|
| 第1段階 | 生活保護受給者等 | 15,000円(個人) |
| 第1段階 | 市町村民税世帯非課税の老齢福祉年金受給者 | 24,600円(世帯)、15,000円(個人) |
| 第2段階 | 世帯非課税で、公的年金等収入金額とその他の合計所得金額の合計が82.65万円以下 | 24,600円(世帯)、15,000円(個人) |
| 第3段階 | 世帯非課税で、第1段階と第2段階に当たらない人 | 24,600円(世帯) |
| 第4段階 | 課税所得380万円(年収約770万円)未満 | 44,400円(世帯) |
| 第4段階 | 課税所得380万円以上690万円(年収約1,160万円)未満 | 93,000円(世帯) |
| 第4段階 | 課税所得690万円(年収約1,160万円)以上 | 140,100円(世帯) |
表の「世帯」は、同じ世帯で介護サービスを使った全員の自己負担を合計した月の上限です。「個人」は、サービスを使った本人1人の月の上限です。柏市のページに、世帯は住民基本台帳上の世帯員で、介護サービスを利用した全員の負担合計の上限だと書かれています。
東京都板橋区のページでは、課税所得の3つの区分(44,400円・93,000円・140,100円)に、それぞれ「65歳以上の方がいる世帯」という条件が付いています。船橋市のページでも、課税所得380万円以上の2区分に「65歳以上の方がいる世帯」と書かれています。
第2段階の収入の基準は、2026年8月に変わりましたか?
変わりました。2026年8月から、80.9万円が82.65万円(826,500円)に引き上げられています。厚生労働省の検索サイトの第2段階の欄には82.65万円以下と書かれています。岡山市のページには、令和8年8月から15,000円(個人)の上限が使える非課税世帯の収入基準を826,500円以下とする案内があります。世田谷区のページにも、令和8年8月以降は負担段階の基準額が80.9万円から82.65万円に変わると書かれています。
柏市のページは令和4年8月3日更新で、基準を年80万円以下としています。古い基準が残っているページもあるため、基準の金額は、加入している市区町村の最新のページで確認します。
上限の計算に入らない費用は、何ですか?
福祉用具購入費、住宅改修費、施設の食費・居住費、介護保険の対象外サービスの負担は、上限の計算に入りません。東京都板橋区のページに、自己負担額に含まれないものとして次の4つが書かれています。
- 福祉用具購入費は、自己負担額に含まれません。
- 住宅改修費は、自己負担額に含まれません。
- 施設の居住費(滞在費)と食費は、自己負担額に含まれません。
- 保険給付の対象外サービスの利用者負担は、自己負担額に含まれません。
浜松市のページには、同じ4項目に加えて、要介護度ごとの支給限度額を超えて利用した分の利用者負担も対象外だと書かれています。船橋市のページには、認知症対応型の訪問支援サービスも対象外の例に挙がっています。横浜市のページには、介護保険施設の食費・部屋代などの介護保険外の利用分や日常生活費、福祉用具購入費、住宅改修費が対象外と書かれています。厚生労働省の検索サイトには「福祉用具購入費や食費・居住費等一部を除く」と書かれており、「等一部」とあるため、除外される項目の全体は自治体のページで確認します。
申請はどう進みますか?初回の申請だけで済みますか?
対象になる人に自治体から申請書が届き、それを返送または窓口に提出します。初回の申請だけで以後が自動になるかどうかは、自治体によって書き方が違います。ライフジャパンが確認した結果は次の表のとおりです。
| 自治体 | 案内が届く時期 | 初回申請後の扱い |
|---|---|---|
| 千葉県柏市(令和4年8月3日更新) | 上限額を超えると見込まれる人に送付 | 初回のみ申請すれば、その後は自動的に支給 |
| 千葉県船橋市(令和8年1月5日更新) | サービスを使った月の約2か月後 | 一度申請すれば、再度の申請は不要 |
| 東京都板橋区(令和8年4月1日更新) | サービス利用の概ね3か月後 | ページに記載なし |
| 東京都世田谷区(令和8年8月1日更新) | サービス利用のおおむね3か月後 | ページに記載なし |
| 神奈川県横浜市(令和8年10月8日更新) | 約4か月後(遅れる場合もある) | ページに記載なし |
表の「ページに記載なし」は、自治体のページに初回申請後の扱いが書かれていないという意味です。自動で支給されるかどうかは、そのページからは分かりません。
申請の方法も、自治体のページに次のとおり書かれています。
- 板橋区は、申請書に同封の返信用封筒で郵送するか、区役所北館2階の介護保険課の窓口に提出します。
- 世田谷区は、申請書を介護保険課へ返送するか、マイナポータルの「ぴったりサービス」から電子申請します。
- 横浜市は、電子申請、郵送、区役所保険年金課での申請から選びます。案内が届かない場合は、区役所保険年金課に問い合わせます。
- 岡山市は、窓口に申請書を提出するか、市のサイトから申請書をダウンロードして郵送します。
世田谷区のページには、支給額が300円未満の場合は申請書が送られず、希望する場合は介護保険課保険給付係に連絡すると書かれています。浜松市のページには、介護保険料に滞納がある場合は給付が制限され、支払いができない場合があると書かれています。
申請の期限(時効)は、いつまでですか?
世田谷区と横浜市は、高額介護サービス費の期限を2年(総合事業分は5年)と案内しています。横浜市のページには、高額介護サービス費は2年(総合事業分は5年)で時効となり、申請できなくなると書かれています。世田谷区のページには、申請書を送付してから2年以内(総合事業は5年以内)に返送がない場合は支払いができないと書かれ、根拠として介護保険法第200条と地方自治法第236条第1項が挙げられています。世田谷区のページでは「時効」ではなく「期限」と表記されています。
2年を数え始める日は、2つのページで書き方が違います。世田谷区のページは申請書を送付した時点を起点にしています。横浜市のページには起算点の記載がありません。柏市、板橋区、船橋市、浜松市、岡山市のページには、時効や期限の記載が見つかりませんでした。期限は、住んでいる市区町村の介護保険の担当課に確認します。
高額医療・高額介護合算療養費制度とは、何が違いますか?
高額介護サービス費は、介護保険だけの自己負担について月ごとの上限を決める制度です。高額医療・高額介護合算療養費制度は、医療保険と介護保険の自己負担を年間で合計し、基準額を超えた分を支給する別の制度です。
| 項目 | 高額介護サービス費 | 高額医療・高額介護合算療養費 |
|---|---|---|
| 対象 | 介護保険の自己負担 | 医療保険と介護保険の自己負担の合計 |
| 計算の単位 | 1か月 | 毎年8月1日から翌年7月31日の1年間 |
| 窓口 | 市区町村の介護保険の担当課 | 加入している医療保険 |
表の右側の内容は、ライフジャパンが2026年10月8日に確認し、記事「高額医療・高額介護合算療養費制度とは何ですか?」にまとめた内容です。その記事には、高額介護サービス費として支給された分は、合算の対象から除かれると書かれています。
自分の上限額は、どう確認すればよいですか?
世帯の所得状況で区分が決まるため、区分の判定は、住んでいる市区町村の介護保険の担当課が行います。柏市のページには、高額介護サービス費の問い合わせ先として、高齢者支援課の介護サービス係が書かれています。板橋区は介護保険課の給付係、世田谷区は介護保険課の保険給付係、岡山市は介護保険課の資格給付係、横浜市は区役所の保険年金課を窓口としています。
確認した資料に書かれていないものは、次のとおりです。
- 個別の世帯がどの区分に当たるかという判定結果。
- 申請書が届く時期が、自治体のページの案内より遅れた場合の扱い。
- 時効の起算点について、柏市・板橋区・船橋市・浜松市・岡山市の考え方。
この記事で確認した内容と確認日
ライフジャパンは2026年10月20日に、厚生労働省の介護事業所・生活関連情報検索「サービスにかかる利用料」、東京都板橋区(令和8年4月1日更新)、千葉県柏市(令和4年8月3日更新)、千葉県船橋市(令和8年1月5日更新)、静岡県浜松市(令和7年3月11日更新)、岡山市(令和8年5月12日更新)、横浜市(令和8年10月8日更新)、東京都世田谷区(令和8年8月1日更新)のページを確認しました。
確認した内容は、所得区分ごとの月額上限、第2段階の収入基準の変更、上限の計算に入らない費用、申請の流れ、初回申請後の扱いの自治体差、2年の期限です。自分の区分や上限額、申請の期限は、住んでいる市区町村の介護保険の担当課に確かめてください。
確認した公式資料
- 厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索「サービスにかかる利用料」 https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/fee.html
- 東京都板橋区「高額介護(予防)サービス費」 https://www.city.itabashi.tokyo.jp/kenko/kaigo/futan/1003673.html
- 千葉県柏市「高額介護サービス費」 https://www.city.kashiwa.lg.jp/kourei/kaigo/kaigohoken/service/kogaku.html
- 千葉県船橋市「高額介護サービス費」 https://www.city.funabashi.lg.jp/kenkou/kaigo/004/p010101.html
- 静岡県浜松市「高額介護(介護予防)サービス費」 https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/kaigo/care/20230313hutankougaku.html
- 岡山市「高額介護サービス費の支給について」 https://www.city.okayama.jp/shisei/0000033654.html
- 横浜市「高額介護サービス費の払戻し」 https://www.city.yokohama.lg.jp/faq/kukyoku/kenko/kaigo-hoken/20211015143433820.html
- 東京都世田谷区「高額介護(介護予防・総合事業)サービス費の申請について」 https://www.city.setagaya.lg.jp/02061/online_tetsuzuki/2236.html