男性ホルモンの1種として有名なテストステロンには様々な効果があり、筋肉の発達にも作用します。
今回はテストステロンがもたらす効果や不足している際の問題点、テストステロンを分泌させる方法をご紹介します!
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佐藤樹里(管理栄養士)
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管理栄養士。アスドリファクトリー代表。フィットネスジムでの運動・栄養指導経験後、約1年海外移住をし、現地のレストランでシェフと共に働く。現在はスポーツイベント開催、アスリートへの栄養講座、栄養個別サポートを通算1000人以上に行う。 |
目次
テストステロンとは何なのか、簡単にご説明します。
テストステロンは精巣や副腎から分泌される、コレステロールを材料とする男性ホルモンです。
女性の卵巣や脂肪、副腎からも分泌されますが、その量は男性と比べると少量です。
テストステロンは筋肉や健康に対する様々な効果を持っており、特に重要視されるホルモンの一つです。
テストステロンは体にもたらす効果は多岐にわたります。
テストステロンにはどのような効果があるか、具体的に見ていきましょう。
代表的な効果が、筋肉量の増大です。
テストステロンには筋繊維の細胞核を増やすことでタンパク質の合成反応を向上させる「筋サテライト細胞」の活動をアクティブにする働きがあります。
テストステロンの分泌を促すことで、筋肉が太く大きくなりやすくなります!
骨格を強くする作用もあるので、たくましい肉体を手に入れたい方には必須のホルモンです!
テストステロンはメンタル面にも影響を及ぼします。
テストステロンは脳の神経伝達物質である「ドーパミン」を分泌させる働きがあると考えられています。
このドーパミンにはやる気や幸福感をアップさせる効果があり、物事をポジティブに捉えられるようになります。
テストステロンを出すことで、筋トレや仕事などに対して積極的になれる可能性があります!
テストステロンはやる気だけでなく、記憶力や集中力などの機能を高めてくれます。
テストステロンの量が多い状態であれば、目の前の課題を効率的に解決できるかもしれません!
テストステロンの分泌量は20代でピークを迎え、年齢を経るごとに下がっていきます。テストステロンが減るとどのようなトラブルが起こるのか、解説していきます。
テストステロンが減ると、筋肉が思うように発達しなくなってきます。
高齢者が若者よりも筋肉を大きくさせることが難しいのは、加齢によりテストステロン値が下がっていることが関係しています。
順調に筋肥大をさせたい場合は、しっかりとテストステロンを出すことが大切になります。
テストステロンの低下はうつとも関係していると考えられています。
テストステロンの値が下がると、意欲が削がれてチャレンジ精神が無くなってしまい、結果的にうつになってしまう可能性が高くなると言われています。
「やる気がなくなる」、「気分が落ち込む」というようなことが増えたら、テストステロンが減っていることを疑ってみてください。
加齢やストレスの影響でテストステロン値が著しく低下すると、LOH症候群(加齢性腺機能低下症)になる恐れがあります。
男性更年期障害とも言われるこの状態に陥れば、倦怠感や不安感、手足の冷えやめまいなどの様々な症状に悩まされます。
LOH症候群は甚大な健康被害をもたらす可能性があります。
テストステロンを適度に分泌させて発症を防ぎましょう。
ここまではテストステロンの効果や不足時の問題点についてお伝えしてきました。
では、実際にテストステロンの量を増やすにはどのようなことに気をつければ良いのでしょうか。
ここからはテストステロンレベルを上げる方法をご紹介します!
テストステロンを効率的に増やす方法の1つは筋トレです。
筋肉に物理的なストレスがかかることにより、脳がテストステロンを分泌させる指示を出します。
そしてこの反応は、与えられたストレスが大きなほど強くなります。
体に占める割合が大きい下半身の筋肉を鍛えるスクワットや、比較的重い重量でもこなせるベンチプレスのような種目を行うと、テストステロンをより多く分泌できます。
無理は禁物ですが、時には負荷の高いトレーニングを行ってテストステロンを発生させましょう!
<筋トレとテストステロンの関係についてもっと知りたい方はこちらをご覧ください!>
栄養補給もおろそかにしてはいけません。
テストステロンの分泌を促す栄養素を摂ることでも体内に十分な量のテストステロンを発生させることができます。
特に亜鉛とビタミン Dはおすすめです。
亜鉛は様々なホルモンの材料となるほか、タンパク質の合成を行う酵素の活動をサポートする栄養素です。
牡蠣や牛肉、卵黄などから摂取できます。
ビタミンDにはテストステロン値を上昇させる効果があると言われている(*1)だけでなく、筋タンパク合成に関わるシグナル伝達経路である「mTOR」の働きを活発にする効果があると考えられています。
ビタミンDは鮭やイワシなどの魚介類に多く含まれます。
どちらもテストステロンの分泌、そして筋肉の合成に大切なものです。
食事での摂取が難しい方はサプリメントを使ってみても良いでしょう!
脂質もテストステロンの分泌に対して大きな役割を担います。
先ほどもお伝えしましたが、脂質の一つであるコレステロールはテストステロンの材料となります。
体内の脂質の量が少ないと十分にテストステロンが作られません。
脂質の摂取量を増やすとより多くのテストステロンが作られるようになります。
摂りすぎは肥満や動脈硬化などの健康リスクにつながりますが、ある程度の脂質を摂取することはテストステロンの増加に不可欠です。
肉や魚、卵などを食べて最低限の脂質を確保しましょう!
テストステロンの産生を助ける食材として、玉ねぎもおすすめです。
玉ねぎはテストステロンのような性ホルモンの分泌を促進させる性腺刺激ホルモンの一種、「黄体形成ホルモン」を増やすとされています(*2)。
テストステロンを分泌する副腎を酸化から守る効果もあると考えられており、あらゆる方面からテストステロン値の向上をサポートします。
普段の食生活の中に玉ねぎを意識的に取り入れてみましょう!
テストステロン量の増大を目的として製造されたサプリメントも存在し、それらは「テストステロンブースター」と呼ばれています。
テストステロンブースターには亜鉛やマグネシウムなどのミネラルや、テストステロン増加に良いとされるハーブの「トンカットアリ」や「フェヌグリーク」、天然物質の「シラジット」などが含まれています。
トンカットアリとフェヌグリークはエキスの形で含有されることも多く、エキス状になったものはそれぞれ「LJ100」、「テストフェン」という名称で表記されています。
実際の商品をいくつかご紹介するので、気になるものがあればぜひ公式ウェブサイトから詳しい情報を手に入れてください!
写真出典:MYPROTEIN
お手頃価格で手に入れられるテストステロンブースター。フェヌグリークエキスのテストフェンが含まれるサプリメントです!
値段 | 2,990円 |
内容量 | 60錠 |
販売元 | マイプロテイン |
テストステロンブースター含有量 | テストフェン100mg(1食分1錠あたり) |
HP | https://www.myprotein.jp/sports-nutrition/testofen-capsules/11447791.html?affil=thggpsad&switchcurrency=JPY&shippingcountry=JP&variation=11447792&thg_ppc_campaign=71700000048437895&product_id=11447792&gclid=EAIaIQobChMIwpvlzoPP4wIVk4RwCh344AVjEAQYBCABEgIGsvD_BwE&gclsrc=aw.ds |
写真出典:GOLD’S GYMania
含有されている成分が豊富で、テストフェン、トンカットアリが一気に摂れるサプリメントです!
値段 | 6,480円(税込) |
内容量 | 300錠 |
販売元 | GOLD’S GYM |
テストステロンブースター含有量 | テストフェン600mg、トンカットアリエキス末100mgほか(10粒あたり) |
HP | https://www.ggmania.jp/products/detail/30 |
写真出典:バルクスポーツ
飲みやすいカプセルタイプのテストステロンブースターです!トンカットアリのエキス「LJ100」が摂取可能!
値段 | 5,696円(税抜) |
内容量 | 80カプセル |
販売元 | バルクスポーツ |
テストステロンブースター含有量 | LJ100(トンカットアリエキス)100mg(1カプセルあたり) |
HP | https://www.bulksports.com/assist_supplement/lj100/ |
テストステロンブースターには他にも多様な商品がありますが、中にはドーピングの対象となるものもあるので、大会などに出場される方は十分注意して使用してください。
テストステロンには数多くのメリットがあり、筋肥大や健康維持を望む方には無視できないホルモンです。
テストステロンが不足してしまうと思わぬ不調が起こりかねません。
トレーニングや食事、サプリメントなどを駆使してテストステロンの分泌量を増やし、その効果を享受してください!
岡田 隆、竹並 恵理(2018) 「筋肉をつくる食事・栄養パーフェクト事典」ナツメ社.
山本 義徳(2017)「 アスリートのための最新栄養学(上)(下)」
Aging Male. 2017 Mar;20(1):9-16. doi: 10.1080/13685538.2016.1271783. Epub 2017 Jan 11.
(*2) Testosterone in Males as Enhanced by Onion (Allium Cepa L.).
Biomolecules. 2019 Feb 21;9(2). pii: E75. doi: 10.3390/biom9020075.