医療費控除はいくらから受けられて、上限はいくらですか?支払った医療費から保険金等の補てん額と10万円(総所得金額等が200万円未満の人は5%)を引いた額で、最高200万円です
医療費控除はいくらから受けられて、上限はいくらですか?
実際に支払った医療費の合計額から、保険金などで補てんされる金額を引き、さらに10万円を引いた額が医療費控除の金額で、最高200万円です。国税庁のタックスアンサーNo.1120に、この計算式が書かれています。ライフジャパンが2026年10月13日に確認しました。
国税庁のタックスアンサーNo.1120には、その年の総所得金額等が200万円未満の人は、10万円ではなく総所得金額等の5%の金額を引くと書かれています。
医療費控除の金額は、所得から差し引く金額です。国税庁のページが示すのは控除される金額の計算式で、戻ってくる税金の額ではありません。
医療費控除の対象になるのは、誰の、いつの医療費ですか?
納税者本人と、生計を一にする配偶者その他の親族のために支払った医療費で、その年の1月1日から12月31日までに支払ったものです。国税庁のタックスアンサーNo.1120に書かれています。
未払いの医療費は、実際に支払った年の控除の対象になります。たとえば、年末に受けた治療の費用を翌年に支払った場合は、翌年分の医療費になります。
保険金や給付金は、どのように差し引きますか?
保険金などで補てんされる金額を、その給付の目的となった医療費から差し引きます。国税庁のタックスアンサーNo.1120には、補てんされる金額の例として、生命保険契約の入院費給付金と、健康保険の高額療養費、家族療養費、出産育児一時金が挙げられています。
差し引く額は、その給付の目的となった医療費の額が限度です。引ききれない分を他の医療費から差し引くことはないと、同じページに書かれています。
出産育児一時金の受け取り方は、ライフジャパンの「出産育児一時金はいくらもらえて、どう受け取りますか?」の記事で解説しています。高額療養費の自己負担限度額は、「高額療養費の自己負担限度額は2026年8月からいくらになりますか?」の記事で解説しています。
医療費控除の対象になる医療費と、ならない医療費は何ですか?
医師や歯科医師による診療・治療の費用や、治療に必要な医薬品の購入費は対象です。健康診断の費用は原則として対象外です。国税庁のタックスアンサーNo.1122に、対象になる例と対象にならない例が書かれています。
次の表は、国税庁のタックスアンサーNo.1122に書かれた例のうち、代表的なものを対象と対象外に分けたものです。
| 区分 | 国税庁が挙げている例 |
|---|---|
| 対象になる | 医師・歯科医師による診療や治療の費用 |
| 対象になる | 治療に必要な医薬品の購入費(風邪薬など) |
| 対象になる | 通院や入院に直接必要な交通費(公共交通機関が使えない場合のタクシー代を含む) |
| 対象になる | 診療に必要な義手、義足、松葉杖、補聴器、義歯、眼鏡などの購入費 |
| 対象にならない | 健康診断の費用(原則) |
| 対象にならない | 病気の予防や健康増進のための医薬品(ビタミン剤など) |
| 対象にならない | 自家用車のガソリン代や駐車場料金 |
| 対象にならない | 公共交通機関が使える場合のタクシー代 |
表の要点は、治療のための費用は対象になり、予防や健康増進のための費用と、自家用車の費用は対象にならないことです。
人間ドックの費用の扱いは「人間ドックや健康診断の費用は医療費控除の対象になりますか?」の記事で、歯列矯正の費用の扱いは「歯列矯正の費用は医療費控除の対象になりますか?」の記事で解説しています。
確定申告では、どの書類を添付しますか?
領収書をもとに作る「医療費控除の明細書」を、確定申告書に添付します。国税庁のタックスアンサーNo.1120に書かれています。医療保険者が交付した医療費通知がある場合は、添付すると明細書の記載を簡略化できます。
医療費通知には、次の6項目の記載が必要と、同じページに書かれています。
- 被保険者等の氏名が記載されていること。
- 療養を受けた年月が記載されていること。
- 療養を受けた者が記載されていること。
- 療養を受けた病院、診療所、薬局等の名称が記載されていること。
- 被保険者等が支払った医療費の額が記載されていること。
- 保険者等の名称が記載されていること。
インターネットで受け取った医療費通知情報は、保険者の電子署名と電子証明書が付されたものであれば利用できます。令和3年分以後の確定申告では、電磁的記録印刷書面による代替もできると、国税庁のタックスアンサーNo.1120に書かれています。
領収書は、いつまで保存しますか?
確定申告期限等から5年を経過する日までです。国税庁のタックスアンサーNo.1120には、この期間に、明細の確認のため領収書の提示または提出を求められることがあると書かれています。
医療費通知を添付した分の領収書は、この対象に含まれません。
セルフメディケーション税制とは、併用できますか?
併用できません。国税庁のタックスアンサーNo.1120には、セルフメディケーション税制は通常の医療費控除と選択して適用する仕組みで、両方を同時に使うことはできないと書かれています。
セルフメディケーション税制を使う場合は、「セルフメディケーション税制の明細書」を作成します。「医療費集計フォーム」は、セルフメディケーション税制の適用を受ける場合には利用できないと、同じページに書かれています。セルフメディケーション税制の控除額は、「セルフメディケーション税制はいくら戻りますか?」の記事で解説しています。
この記事で確認した内容と確認日
ライフジャパンは2026年10月13日に、国税庁のタックスアンサーNo.1120「医療費を支払ったとき(医療費控除)」とNo.1122「医療費控除の対象となる医療費」を確認しました。
確認した内容は、控除額の計算式と上限、対象となる人と期間、補てんされる金額、対象になる医療費とならない医療費、添付書類、領収書の保存、セルフメディケーション税制との関係です。個別の事案は、管轄の税務署または国税庁の相談窓口に確認してください。
確認した公式資料
- 国税庁タックスアンサーNo.1120「医療費を支払ったとき(医療費控除)」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1120.htm
- 国税庁タックスアンサーNo.1122「医療費控除の対象となる医療費」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1122.htm
医療費と控除
医療費と控除