後期高齢者医療制度の窓口負担は1割・2割・3割のどれになりますか?2割は課税所得28万円以上かつ年金収入等が単身200万円以上(複数世帯320万円以上)、3割は課税所得145万円以上で、毎年8月1日に判定されます
後期高齢者医療制度の窓口負担割合は、1割・2割・3割のどれで決まりますか?
同じ世帯の被保険者の住民税課税所得と、年金収入で決まります。神奈川県後期高齢者医療広域連合の「負担割合について」のページに、令和4年10月1日からの判定基準として、次の3区分が書かれています。ライフジャパンが2026年10月19日に確認しました。
| 負担割合 | 区分 | 判定の条件 |
|---|---|---|
| 3割 | 現役並み所得者 | 同じ世帯の被保険者に、住民税課税所得145万円以上の人がいる |
| 2割 | 一定以上所得のある方 | 3割に当たらず、住民税課税所得28万円以上の被保険者がいる世帯で、収入の条件を満たす |
| 1割 | 一般・住民税非課税 | 3割にも2割にも当たらない人、および住民税非課税世帯の人 |
表のとおり、3割の判定が先に行われ、3割に当たらない人について2割の条件が確認されます。負担割合は、被保険者本人ではなく世帯の所得をもとに決まります。このページに書かれているのは、後期高齢者医療制度の被保険者(原則75歳以上)の負担割合です。
窓口負担が2割になるのは、どんな人ですか?
課税所得が28万円以上で、年金収入とその他の合計所得金額が基準以上の人です。厚生労働省の資料には、課税所得が28万円以上かつ「年金収入+その他の合計所得金額」が200万円以上(複数世帯の場合は320万円以上)の人が2割負担の対象だと書かれています。
| 世帯の区分 | 2割になる収入の条件(課税所得28万円以上の被保険者がいる世帯) |
|---|---|
| 被保険者が1人の世帯 | 年金収入+その他の合計所得金額が200万円以上 |
| 被保険者が2人以上の世帯 | 年金収入+その他の合計所得金額の世帯合計が320万円以上 |
表の条件は、神奈川県後期高齢者医療広域連合のページの記載です。同じページに、用語の意味が次のとおり書かれています。
- 住民税課税所得は、総所得金額等から各種所得控除を差し引いた額です。
- 年金収入は、公的年金控除等を差し引く前の金額です。遺族年金と障害年金は含まれません。
- その他の合計所得金額は、事業収入や給与収入から必要経費や給与所得控除等を差し引いた後の金額です。
厚生労働省の「後期高齢者医療制度に関するお知らせ」(令和4年9月発行)に、令和4年10月1日の導入時点で2割負担の対象者は約370万人、被保険者全体(約1,815万人)に占める割合は約20%だったと書かれています。令和4年9月30日までの2割の区分は存在せず、現役並み所得者が3割、それ以外は1割でした。
窓口負担が3割になるのは、どんな人ですか?
同じ世帯の被保険者に、住民税課税所得145万円以上の人がいる場合です。神奈川県後期高齢者医療広域連合のページでは、この人を現役並み所得者と呼び、負担割合を3割としています。厚生労働省の「高額療養費制度の見直しについて」の70歳以上の表にも、課税所得145万円以上の区分が3割と書かれています。
課税所得が145万円以上でも、3割から外れる場合が2つあります。神奈川県後期高齢者医療広域連合のページの記載は次のとおりです。
- 昭和20年1月2日以降に生まれた被保険者で、本人と被保険者である世帯員の旧ただし書き所得(前年度の総所得金額等から43万円を控除した額)の合計が210万円以下の場合は、申請なしで3割から外れます。
- 基準収入額適用申請書を提出して認定された場合も、3割から外れます。市区町村で収入金額を確認できた人は申請が要りません。
基準収入額の基準は次の表のとおりです。
| 世帯の区分 | 3割から外れる収入の基準 |
|---|---|
| 被保険者が1人の世帯 | 被保険者の収入が383万円未満 |
| 被保険者が2人以上の世帯 | 被保険者の収入の合計が520万円未満 |
| 被保険者が1人で、同じ世帯に70〜74歳の人がいる世帯 | 被保険者と70〜74歳の人の収入の合計が520万円未満 |
表の収入は、必要経費や各種控除を差し引く前の収入金額で、所得金額とは別の数字です。厚生労働省の「高額療養費制度の見直しについて」の70歳以上の表にも、収入の合計額が520万円未満(1人世帯の場合は383万円未満)の場合を含むという注記があります。
負担割合は、いつ判定され、いつ見直されますか?
毎年8月1日を基準日として、所得等をもとに判定されます。神奈川県後期高齢者医療広域連合の「負担割合について」に、毎年8月1日に見直しを行うと書かれています。同じページには、令和7年8月1日から令和8年7月31日までは、令和7年度の住民税課税所得で判定されると書かれています。
判定のもとになる数字は、前年の収入をもとに決まる住民税の課税所得です。
同じページには、修正申告等により負担割合が1割から3割に遡って変更になった場合、一部負担金の差額(2割分)を後日、広域連合から請求すると書かれています。負担割合は、神奈川県後期高齢者医療広域連合のページによれば、資格確認書に記載されます。自分の負担割合は、加入している都道府県の後期高齢者医療広域連合か、住んでいる市区町村の窓口で確認できます。
2割の人の負担を抑える配慮措置は、まだ続いていますか?
続いていません。令和7年9月30日で終了しました。神奈川県後期高齢者医療広域連合の「窓口負担割合が2割となる方への配慮措置について」に、令和4年10月1日に設けられた配慮措置が令和7年9月30日で終了したと書かれています。
配慮措置の内容は、厚生労働省の資料に次のように書かれています。
- 期間は令和4年10月1日から令和7年9月30日までです。
- 対象は2割負担の人の外来医療で、入院の医療費は対象外です。
- 1割負担の場合と比べた1か月の負担増を、最大3,000円に抑えます。
- 窓口負担の上限は、「6,000円+(医療費-30,000円)×0.1」または18,000円のいずれか低い額です。
厚生労働省の資料に、1か月の外来医療費の全体額が50,000円の場合の例があります。1割負担なら5,000円、2割負担なら10,000円で、負担増は5,000円です。負担増の上限は3,000円なので、差額の2,000円が払い戻しの対象でした。
配慮措置が終了した令和7年10月以降の外来は、通常の高額療養費の外来上限が適用されます。神奈川県後期高齢者医療広域連合のページには、配慮措置の終了後の外来上限額の金額そのものは書かれていません。金額は厚生労働省の資料で確認しました。
2割の人の外来の自己負担限度額は、いくらですか?
75歳以上の一般区分の外来(個人ごと)の月額上限は、令和8年7月までが18,000円、令和8年8月からが22,000円です。厚生労働省の「高額療養費制度の見直しについて(令和8年8月診療分から)」の比較表に、現行の外来特例が18,000円(年14.4万円)、令和8年8月からが22,000円(年21.6万円)と書かれています。
厚生労働省の配慮措置の資料にも、通常の高額療養費制度における2割負担の人の外来の自己負担上限額が18,000円だと書かれています。外来の上限は、年収約370万円以下(課税所得145万円未満)の一般区分に当たる1割・2割の人に適用されます。
| 区分(75歳以上) | 外来(個人ごと)の月額上限 令和8年8月〜 | 年間上限 |
|---|---|---|
| 課税所得145万円未満の一般区分(1割・2割) | 22,000円 | 216,000円 |
| 住民税非課税 | 11,000円 | 96,000円 |
| 住民税非課税(所得が一定以下) | 8,000円 | 記載なし |
表は厚生労働省の同じ資料の、令和8年8月から令和9年7月までの70歳以上の表の数字です。年間上限は、8月から翌年7月までの1年が単位です。1割の人と2割の人で外来の月額上限の数字は同じで、窓口で払う割合が違います。
ライフジャパンが厚生労働省の上限額を使って置いた試算があります。公式資料に載っている金額ではありません。1か月の外来医療費の全体額が150,000円の2割の人は、窓口負担が30,000円です。令和8年8月以降は外来の月額上限が22,000円なので、窓口で払うのは22,000円まで、差額の8,000円は払い戻しの対象になります。同じ月の1割の人は窓口負担が15,000円で、上限に届きません。
世帯単位の上限(外来と入院の合算)は、一般区分で61,500円です。厚生労働省の同じ資料の令和8年8月から令和9年7月の表に書かれています。3割の現役並み所得者は、課税所得の区分ごとに別の上限額が決まっています。区分ごとの金額と計算式は、ライフジャパンの高額療養費の記事にまとめています。
令和8年8月以降の負担割合は、どう確認すればよいですか?
届いた資格確認書で、負担割合を確認します。厚生労働省の「高額療養費制度の見直しについて」の令和8年8月から令和9年7月までの表にも、2割の条件は課税所得28万円以上かつ年金収入+その他の合計所得金額200万円以上(複数世帯は320万円以上)、3割は課税所得145万円以上と、これまでと同じ数字で書かれています。
確認した資料に書かれていないものは、次のとおりです。
- 令和8年度の住民税課税所得で、自分の世帯がどの区分に当たるかという個別の判定結果。
- 判定の結果に対する不服の申し立ての手続き。
- 都道府県ごとの広域連合のページ独自の運用の違い。
個別の判定は、加入している都道府県の後期高齢者医療広域連合が行います。ライフジャパンは神奈川県の広域連合のページを確認しました。他の都道府県の広域連合のページは確認していません。
この記事で確認した内容と確認日
ライフジャパンは2026年10月19日に、厚生労働省の「後期高齢者医療制度に関するお知らせ(医療機関・薬局等のみなさまへ)」、厚生労働省の「高額療養費制度の見直しについて(令和8年8月診療分から)」、神奈川県後期高齢者医療広域連合の「負担割合について」と「窓口負担割合が2割となる方への配慮措置について」を確認しました。
確認した内容は、1割・2割・3割の判定条件、2割の収入基準、3割から外れる場合の基準、判定の基準日、配慮措置の内容と終了日、75歳以上の外来の月額上限と年間上限、配慮措置の元の計算式です。外来医療費150,000円の例の金額は、ライフジャパンの試算です。自分の負担割合や上限額は、加入している後期高齢者医療広域連合に確かめてください。
確認した公式資料
- 厚生労働省「後期高齢者医療制度に関するお知らせ(一定以上の所得のある方の医療費の窓口負担割合が変わります・医療機関・薬局等のみなさまへ)」 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000981142.pdf
- 厚生労働省「高額療養費制度の見直しについて(令和8年8月診療分から)」 https://www.mhlw.go.jp/content/001726232.pdf
- 神奈川県後期高齢者医療広域連合「負担割合について」 https://www.union.kanagawa.lg.jp/1000007/1001531.html
- 神奈川県後期高齢者医療広域連合「窓口負担割合が2割となる方への配慮措置について」 https://www.union.kanagawa.lg.jp/1000010/1001754.html
医療費と控除