市町村の歯周疾患検診は何歳から受けられて、いくらかかりますか?対象は20歳・30歳・40歳・50歳・60歳・70歳で、自己負担は柏市と西宮市で500円、文京区は無料と市区町村ごとに違い、検診の費用は医療費控除の対象外です
歯周疾患検診とは何ですか?
市町村が健康増進法に基づく健康増進事業として、努力義務で実施する歯の検診です。厚生労働省医政局歯科保健課の資料「歯科口腔保健の推進に向けた取組等について」(2025年3月10日)の「各ライフステージにおける歯科健診の制度」には、歯周疾患検診の根拠法は健康増進法、実施主体は市町村、対象は20歳・30歳・40歳・50歳・60歳・70歳と書かれています。同じ資料に、「歯周病検診マニュアル2015」を参考に実施すること、令和6年度から20歳と30歳を追加したことも書かれています。
自治体によって名前が違い、柏市は「歯周病検診」、西宮市は「歯周疾患検診(節目歯科検診)」、文京区は「歯周疾患検診」と呼んでいます。努力義務なので、実施するかどうかと内容は市町村が決めます。厚生労働省の同じ資料には、歯周疾患検診を実施している市町村は全国で81.6%(令和4年度の地域保健・健康増進事業報告)にとどまると書かれています。住んでいる市町村が実施しているかは、市町村の公式ページで確認します。ライフジャパンが2026年10月5日に確認しました。
何歳から何歳まで受けられますか?
国の資料では20歳・30歳・40歳・50歳・60歳・70歳の6区分です。令和6年度から20歳と30歳が追加される前は、40歳・50歳・60歳・70歳の4区分でした。厚生労働省の資料には、追加の理由として、20代から30代は原則として歯科健診制度の対象になっておらず、近年、若年者の歯周病の罹患率が増加傾向にあることが挙げられています。
| 区分 | 対象年齢 |
|---|---|
| 令和5年度まで | 40歳・50歳・60歳・70歳 |
| 令和6年度から(国の資料) | 20歳・30歳・40歳・50歳・60歳・70歳 |
| 西宮市(令和8年度) | 20歳・30歳・40歳・50歳・60歳・70歳(令和8年から20歳・30歳が対象) |
| 文京区(令和8年度) | 20歳・25歳・30歳・35歳・40歳・45歳・50歳・55歳・60歳・65歳・70歳・76歳・81歳 |
表の要点は、国の資料の6区分が基準で、市区町村はこれに上乗せや追加の時期の違いを設けられることです。西宮市の公式ページには「令和8年から20歳、30歳も対象になりました」と書かれ、国の追加(令和6年度)と市の追加の時期は同じではありません。文京区は5歳刻みで、76歳と81歳も対象です。令和5年度までの4区分は、厚生労働省の資料の追加の記述からライフジャパンが整理したものです。
年齢の数え方も自治体で違います。西宮市は令和8年3月31日時点の年齢で、20歳は2005年4月1日から2006年3月31日生まれです。柏市は令和8年度に満20歳になる人を対象とし、20歳は平成18年4月1日から平成19年3月31日生まれと書かれています。同じ「20歳」でも自治体によって対象の生年月日が1年ずれるため、受診券の案内で確認します。
検診では何を調べますか?
問診と口腔内検査です。厚生労働省のe-ヘルスネットには、問診で自覚症状の有無、定期受診の状況、歯みがきの習慣、全身疾患、喫煙習慣などを確認すると書かれています。口腔内検査は、健康な歯・むし歯・詰め物や冠をかぶせた歯の数と抜かれた歯の数、指定されている6本の歯を調べるプロービング検査、プラーク付着状況の3項目です。
結果は「異常なし」「要指導」「要精密検査」の3区分で判定されます。要精密検査になった場合は、全部の歯のプロービング検査やエックス線検査などで歯周組織の状態を詳しく調べる必要があると書かれています。自治体の案内も同じ流れです。柏市は「問診」「歯周ポケット測定」「むし歯のチェック」、西宮市は「むし歯のチェック、歯周疾患(歯周病)のチェック、結果説明および歯周病予防の保健指導」、文京区は「歯周病の検査、むし歯の検査、その他、口の中の検査」と歯周病に関する歯科保健指導を実施すると書いています。
自己負担はいくらですか?
市町村ごとに決まり、国が一律の金額を定めているわけではありません。ライフジャパンが2026年10月5日に確認した3つの自治体の公式ページの金額は次のとおりです。
| 自治体 | 自己負担額 | 免除・無料 |
|---|---|---|
| 柏市(令和8年度) | 500円 | 市民税非課税世帯(世帯全員が均等割も所得割もかからない)に属する人、生活保護を受給している人、中国残留邦人等支援給付の受給者は事前申請で免除 |
| 西宮市(令和8年度) | 20歳・30歳・40歳・50歳・60歳は500円 | 70歳は無料(全額公費負担)。生活保護受給者と市県民税非課税世帯の人は事前申請で無料 |
| 文京区(令和8年度) | 無料 | 検診後の精密検査や治療が必要な場合は受診者の負担 |
表の要点は、同じ検診でも500円の自治体と無料の自治体があり、年齢や世帯の状況で免除されることです。免除には事前の申請が必要で、柏市は受診の14日前までに「柏市成人健診等自己負担金免除申請書」を健康増進課に提出し、受診当日に成人健診等自己負担金免除証を医療機関に出さないと免除されないと書かれています。西宮市も検診日の2週間前までの申請が必要で、受診後の申請はできません。
検診は検査と結果説明が中心で、治療は含まれません。西宮市の公式ページには、口内の清掃(歯石除去等)を含め治療をする場合は別途料金がかかると書かれています。柏市の公式ページには、検診の結果、治療が必要になった場合に、歯周病検診と同日に治療を受けることはできないと書かれています。
どうやって受けますか?
対象者に届く受診券を持って、市町村が指定する歯科医療機関で受けます。柏市は対象者へ受診券(ハガキ)を個人通知し、事前に予約のうえ、受診券を持って受診するよう書いています。受診期間は令和8年5月1日から令和9年1月31日です。西宮市は令和8年1月末ごろに受診券を送付し、有効期限は令和8年12月31日です。市内の委託医療機関に電話で予約し、受診券と本人確認書類(運転免許証・マイナ保険証等)を持参します。委託医療機関でない医療機関では受診できません。
文京区は指定歯科医療機関へ申し込み、受診券とマイナ保険証または資格確認書を持参します。実施期間は令和8年7月1日から令和9年1月30日です。柏市の公式ページには、有効期間の終了間際は混み合って予約が取りにくい場合があると書かれています。受診券が届いたら早めに予約するのが確実です。
検診の費用は医療費控除の対象になりますか?
対象外と考えます。国税庁のタックスアンサーNo.1122(令和8年4月1日現在法令等)は、医療費控除の対象になる医療費を「医師または歯科医師による診療または治療の対価」とし、ただし健康診断の費用は原則として含まれないと書いています。歯周疾患検診の費用を個別に取り上げた国税庁の資料は、ライフジャパンが確認した範囲では見つかりませんでした。検診は病気の治療ではなく、歯周病などがないかを調べるものなので、この記載に当てはめて対象外と整理しています。
一方、検診で歯周病やむし歯が見つかり、歯科医師の治療を受けた場合の治療費は対象です。国税庁のタックスアンサーNo.1128(令和8年4月1日現在法令等)は、歯科医師による診療または治療の対価で、病状などに応じて一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額が対象になると書いています。人間ドックなどの健康診断費用が、重大な疾病が見つかり引き続き治療した場合に対象になる扱いは、同じ記事シリーズの別の記事で国税庁の質疑応答事例に基づいて説明しています。歯周疾患検診の500円がこの扱いの対象になるかは、国税庁の資料に例がなく、金額も小さいため、領収書は保管しつつ、申告に含めるかは所轄税務署に確認します。
| 費用 | 医療費控除 |
|---|---|
| 歯周疾患検診の自己負担(500円など) | 対象外と整理(健康診断の費用は原則含まれない) |
| 検診で見つかった歯周病・むし歯の治療費 | 対象(歯科医師による診療または治療の対価) |
| 治療のための通院で使った交通機関の運賃 | 対象(自家用車のガソリン代や駐車場代は対象外) |
表の要点は、検診そのものは対象外でも、検診をきっかけに始めた治療は対象になることです。通院費は国税庁のタックスアンサーNo.1128に、治療のための通院費は医療費控除の対象になる一方で、自家用車で通院したときのガソリン代や駐車場代は対象にならないと書かれています。医療費控除は1年間の医療費の合計から保険金などの補填額と10万円を引いて計算するため、治療が高額になった年にまとめて申告します。
会社の健診や協会けんぽの健診との関係は何ですか?
別の制度なので、会社の健診を受けていても市町村の歯周疾患検診は対象の年に受けられます。厚生労働省の「各ライフステージにおける歯科健診の制度」には、職場に関する歯科健診として、労働安全衛生法に基づき事業者が実施義務を負う歯科特殊健診が載っています。対象は塩酸・硫酸・硝酸等を取り扱う労働者です。一般の会社員向けの歯科健診は、この一覧に載っていません。
厚生労働省は、就労世代に歯科健診を届けるため、歯科健診を実施していない事業所や自治体等に実施を支援する「就労世代の歯科健康診査等推進事業」を進めています。会社や健康保険組合が独自に歯科健診を行っている場合は、その案内を確認します。協会けんぽの生活習慣病予防健診には歯科の検診が含まれません。協会けんぽの健診の内容は、同じ記事シリーズの「協会けんぽの健診は2026年度から何が変わりましたか」の記事で説明しています。
2026年10月の時点で何を確認すればよいですか?
今年度の対象の年齢か、受診券が届いているか、受診期間の終わりがいつかの3つです。柏市は令和9年1月31日、西宮市は令和8年12月31日、文京区は令和9年1月30日が受診期間の終わりです。年度の後半は予約が混み合う場合があるため、対象の年齢で受診券が手元にあるのに受けていない人は、早めに歯科医療機関へ予約します。
対象の年齢に当たるのに受診券が届いていない人は、市町村の健康増進担当課に問い合わせます。20歳・30歳が対象かどうかは、市町村が追加の時期を決めるため、国の資料の6区分とは別に、住んでいる市町村の公式ページで確認します。自己負担の免除を受けたい人は、受診の14日前など自治体が定める期限までに申請します。
この記事で確認した内容と確認日
ライフジャパンは2026年10月5日に、厚生労働省医政局歯科保健課の「歯科口腔保健の推進に向けた取組等について」(2025年3月10日)、厚生労働省e-ヘルスネットの「歯周疾患検診・歯周病検診」、柏市の「歯周病検診」(2026年7月31日更新)、西宮市の「歯周疾患検診(節目歯科検診)」(2026年8月13日更新)、文京区の「歯周疾患検診」(2026年8月18日更新)、国税庁のタックスアンサーNo.1122とNo.1128(いずれも令和8年4月1日現在法令等)を確認しました。
令和5年度までの対象年齢の4区分と、歯周疾患検診の自己負担が医療費控除の対象外であるという整理は、ライフジャパンが厚生労働省と国税庁の記載から導いたもので、資料に直接書かれた文言ではありません。自己負担額、対象の年齢と生年月日、受診期間は市町村ごとに違い、年度ごとに変わるため、受診前に住んでいる市町村の公式ページと受診券の案内で確認してください。
確認した公式資料
- 厚生労働省 医政局歯科保健課「歯科口腔保健の推進に向けた取組等について」(2025年3月10日) https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001448512.pdf
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯周疾患検診・歯周病検診」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth/h-03-002.html
- 柏市「歯周病検診」(2026年7月31日更新) https://www.city.kashiwa.lg.jp/kenkozoshin/hokennenkin/kenshin/shishubyokenshin.html
- 西宮市「歯周疾患検診(節目歯科検診)」(2026年8月13日更新) https://www.nishi.or.jp/kenko/hokenjojoho/seijin/SHISHUU.html
- 文京区「歯周疾患検診」(2026年8月18日更新) https://www.city.bunkyo.lg.jp/hoken/kenko/shika/shishu.html
- 国税庁 タックスアンサーNo.1122「医療費控除の対象となる医療費」(令和8年4月1日現在法令等) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1122.htm
- 国税庁 タックスアンサーNo.1128「医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」(令和8年4月1日現在法令等) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1128.htm