限度額適用認定証とは何ですか?マイナ保険証を使えば事前申請は不要で、使わない場合や住民税非課税の人は協会けんぽの支部に申請して窓口の支払いを自己負担限度額までにします
限度額適用認定証とは、何ですか?
入院や手術などで医療費が高額になるときに、医療機関の窓口での支払いを自己負担限度額までに抑えるための証明書です。協会けんぽのページには、限度額適用認定証をこの目的の証明書として説明しています(2026年10月27日にライフジャパンが確認)。
高額療養費は、本来は窓口で3割を支払ったあとに加入先の健康保険へ申請して、上限を超えた分を払い戻してもらう制度です。厚生労働省の「高額療養費制度を利用される皆さまへ」には、平成24年4月1日からは入院だけでなく外来でも、認定証などを提示すれば月ごとの上限額を超える分を窓口で支払う必要がなくなったと書かれています。
自己負担限度額の金額そのものは所得区分で決まります。2026年8月からの金額はライフジャパンの記事「高額療養費の自己負担限度額は2026年8月からいくらになりますか?」(/iryohi/kogaku-ryoyohi-2026-8/)にまとめています。
窓口で限度額までの支払いにするには、何が必要ですか?
マイナ保険証を利用するか、事前に限度額適用認定証を入手するかのどちらかです。厚生労働省のページには、この取扱いを受けるにはマイナ保険証をご利用いただくか、事前に認定証を入手していただく必要があると書かれています。
認定証の交付手続きの問い合わせ先は、加入している保険者によって変わります。厚生労働省のページでは、健康保険組合、協会けんぽ、市区町村(国民健康保険・後期高齢者医療制度)のいずれかに問い合わせると案内されています。保険者がどこかは、マイナ保険証の利用登録をしている人はマイナポータルで確認でき、利用登録をしていない人は資格確認書で確認できると書かれています。
| 窓口での方法 | 事前の申請 | 協会けんぽのページでの位置づけ |
|---|---|---|
| マイナ保険証を使う | 認定証の申請は不要 | 方法①。オンライン資格確認を導入している医療機関で、マイナ保険証を提出し「限度額情報の表示」に同意する |
| 限度額適用認定証を使う | 事前に申請して認定証の交付を受ける | 方法②。オンライン資格確認を導入していない医療機関で受診する場合や、協会けんぽにマイナンバーが登録されていない場合に使う |
表のとおり、協会けんぽの加入者はマイナ保険証を使えるかどうかで認定証の要否が分かれます。協会けんぽの申請書ページには、方法②の場合は資格確認書と併せて認定証を窓口に提出すると書かれています。
マイナ保険証を使えば、認定証の事前申請は要りませんか?
協会けんぽの加入者は、オンライン資格確認を導入している医療機関でマイナ保険証を使う場合、認定証の申請が不要です。協会けんぽの「限度額適用認定証」のページには、マイナ保険証(健康保険証利用登録をしたマイナンバーカード)を使う場合は認定証の申請は不要だが、オンライン資格確認を導入している医療機関である必要があると書かれています。
窓口での操作は、マイナ保険証を提出して「限度額情報の表示」に同意するだけです。協会けんぽの申請書ページには、この方法が健康保険証でも利用できる旨も書かれています。
次の2つの場合は、マイナ保険証があっても認定証が必要になります。協会けんぽのページには、いずれも医療費を支払う前に申請しておく必要があると書かれています。
- オンライン資格確認を導入していない医療機関を受診する場合は、認定証を事前に申請して窓口に出します。
- 協会けんぽにマイナンバーが登録されていない場合は、限度額情報を医療機関が確認できないため、認定証を事前に申請して窓口に出します。
マイナ保険証を使わない人は、どこに申請しますか?
協会けんぽの加入者は、加入している協会けんぽの支部に申請します。協会けんぽの「健康保険限度額適用認定申請書」のページには、紙の申請書は加入している支部へ郵送し、支部は「資格情報のお知らせ」または「マイナポータル(健康保険証>資格情報)」で確認できると書かれています。
電子申請も用意されています。同じページには、電子申請が推奨されていて、記載漏れを防ぐシステムチェックがあること、郵送の手間や費用が省けること、処理状況をスマートフォンやパソコンで確認できることが利点として書かれています。電子申請では提出先を選ぶ必要がありません。社会保険労務士が代行する場合だけ、支部の指定が必要です。
申請書は、手書き用、手書き用の記入例、入力用(PDF)の3種類が用意されています。入力用はAdobe Readerで開く必要があると書かれています。被保険者の記号・番号を記入した場合は、マイナンバーの記入は不要です。
協会けんぽ以外の加入者の申請先は、協会けんぽのページからは分かりません。厚生労働省のページの案内どおり、健康保険組合や市区町村(国民健康保険・後期高齢者医療制度)など、自分の保険者に問い合わせます。
認定証の有効期間と、受け付けられない月はありますか?
協会けんぽの認定証は、申請書を受け付けた日の属する月の1日から最長1年間有効です。協会けんぽの「限度額適用認定証」のページには、資格取得月に申請する場合は資格取得日から有効になり、申請書を受け付けた月より前の月の認定証は交付されないと書かれています。
2026年8月以降に交付される認定証は、有効期限が最長で2027年7月31日までです。協会けんぽの申請書ページには、2027年8月に高額療養費の制度改正に伴う所得区分の見直しが予定されているためと書かれていて、必要な場合は2027年8月以降に改めて申請します。
入院が決まった月の前に申請書を出せなかった場合でも、さかのぼって認定証は発行されません。入院や高額な外来の予定が決まったら、月が変わる前に申請します。
認定証の対象にならない費用はありますか?
差額ベッド代などの保険外負担と、入院時の食事代は、限度額の対象外です。協会けんぽの「健康保険限度額適用認定申請書」のページには、対象は1か月(1日から月末まで)の医療費で、保険外負担(差額ベッド代など)や入院時の食事負担額は対象外だと書かれています。
同じ月に入院と外来など複数の受診があるときは、窓口の支払いが限度額を超えて、高額療養費の申請が別に必要になることがあります。協会けんぽのページにこの点が書かれています。
入院時の食事代の金額は、ライフジャパンの記事「入院時の食事代(標準負担額)はいくらですか?」(/kurashi/nyuin-shokuji-hyojun-futan/)で整理しています。
住民税非課税の人は、どの認定証が必要ですか?
住民税非課税などの低所得者は、「限度額適用・標準負担額減額認定証」を申請します。協会けんぽの「限度額適用認定証」のページには、低所得者に該当する場合は、マイナ保険証を使う場合でも、この認定証の申請が必要だと書かれています。
申請書は通常の認定の申請書とは別様式です。協会けんぽの「健康保険限度額適用認定申請書」のページには、70歳未満で区分が「ウ」または「エ」の人と、70歳以上75歳未満で区分が「一般」かつ住民税非課税などの低所得者は、「健康保険限度額適用・標準負担額減額認定申請書」を提出すると書かれています。「健康保険限度額適用認定申請書」では申請できません。
この申請書のページには、添付書類として次のものが書かれています。
- 市区町村民税が非課税の人(70歳未満の低所得者、70歳以上の低所得者II)は、マイナンバー情報照会を希望する場合は原則不要で、希望しない場合は被保険者の(非)課税証明書を添えます。
- 被保険者・被扶養者の全員に所得がない人(70歳以上の低所得者I)は、マイナンバー情報照会を希望する場合は原則不要で、希望しない場合は被保険者および被扶養者の(非)課税証明書を添えます。
- 協会けんぽにマイナンバーが収録されていない場合や、照会で情報を取得できない場合は、書類の提出が必要になることがあります。
- 申請月以前の1年間で入院が90日を超えている人は、入院期間が分かる領収書などを添えます。
この認定証は、入院時の食事代の減額にも使います。電子申請では、マイナンバーが記載された画像はアップロードできません。有効期間は、この申請書のページでは申請月の初日から最初に到来する7月31日までと書かれていて、通常の認定証の「最長1年間」の書き方とは異なります。自分の認定証の有効期間は、交付された認定証で確認します。
70歳以上の人は、申請が必要ですか?
70歳以上75歳未満の人は、所得区分によって申請が不要な場合があります。協会けんぽの「健康保険限度額適用認定申請書」のページには、標準報酬月額が26万円以下の人と83万円以上の人は、高齢受給者証を医療機関で提示すれば自己負担限度額までの支払いになり、申請書の提出が不要だと書かれています。
それ以外の区分には、70歳以上75歳未満の人向けの「限度額適用認定申請書」があります。協会けんぽの「限度額適用認定証」のページには、70歳以上75歳未満の区分が「現役並みIII」「現役並みII」「現役並みI」「一般」「低所得II」「低所得I」に分かれていて、区分ごとに医療機関で提示するものが表で示されていると書かれています。
自分の区分で医療機関に何を提示するかは、協会けんぽの「限度額適用認定証」のページの表で確認するか、加入している協会けんぽの支部に問い合わせてください。
後から払い戻してもらう方法もありますか?
あります。認定証もマイナ保険証も使わずに窓口で3割を支払った場合でも、加入している健康保険に申請して、上限を超えた分の払い戻しを受けられます。厚生労働省のページには、高額療養費の時効(請求できる期限)に関する記載はなく、詳しくは加入している保険者に問い合わせるよう案内されています。
2026年10月27日にライフジャパンが確認した協会けんぽのページにも、払い戻しの申請期限の記載はありませんでした。高額療養費の払い戻しは、窓口で支払った金額を一度立て替えることになるため、入院や手術の予定が分かっている場合は、マイナ保険証を使うか認定証を事前に入手するほうが、立て替えが不要になります。
この記事で確認した内容と確認日
ライフジャパンは2026年10月27日に、協会けんぽの「限度額適用認定証」「健康保険限度額適用認定申請書」「健康保険限度額適用・標準負担額減額認定申請書」のページと、厚生労働省の「高額療養費制度を利用される皆さまへ」(更新日2026年7月31日の記載)を確認しました。
確認した内容は、マイナ保険証を使う場合の認定証の要否、認定証が必要になる場合、協会けんぽへの申請方法、有効期間、住民税非課税の人の別様式の申請、70歳以上の扱いです。協会けんぽの「限度額適用認定証」のページには更新日の記載がありませんでした。
協会けんぽ以外の保険者(健康保険組合、国民健康保険、後期高齢者医療)の手続きと、各人の所得区分の判定は確認していません。自分の申請先と必要な認定証は、加入している保険者に確かめてください。
確認した公式資料
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「限度額適用認定証」 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/benefit/high_cost_medical_expenses/001/index.html
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「健康保険限度額適用認定申請書」 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/application_form/benefit/004/index.html
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「健康保険限度額適用・標準負担額減額認定申請書」 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/application_form/benefit/005/index.html
- 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html