整骨院・接骨院で健康保険は使えますか?
整骨院・接骨院の施術に、健康保険は使えますか?
使えるのは、骨折、脱臼、打撲、捻挫(いわゆる肉ばなれを含む)の施術を受けた場合です。厚生労働省のページと協会けんぽの「柔道整復師のかかり方」のページの両方に、整骨院や接骨院でこれらの施術を受けた場合に保険の対象になると書かれています(2026年10月29日にライフジャパンが確認)。
協会けんぽのページでは、給付の範囲が「急性などの外傷性の打撲」「捻挫」「挫傷(肉離れなど)」「骨折」「脱臼」と一覧で示されています。原因がはっきりしない痛みではなく、けがとして起きた負傷が対象になるという整理です。
このページが説明しているのは、整骨院・接骨院などの柔道整復師の施術です。はり・きゅうやマッサージの保険の扱いは別で、厚生労働省のページでは医師の同意書または診断書が必要な施術として別に説明されています。
保険が使える場合と使えない場合は、どう分かれますか?
分かれ目は、外傷性の負傷かどうかと、仕事や他の治療との関係です。協会けんぽのページに書かれている内容を表にまとめます。
| 区分 | 協会けんぽのページの記載 |
|---|---|
| 使える | 急性などの外傷性の打撲、捻挫、挫傷(肉離れなど)、骨折、脱臼 |
| 条件つき | 骨折・脱臼は、応急処置を除き医師の同意が必要 |
| 使えない | 単なる肩こり、筋肉疲労 |
| 使えない | 慰安目的のあん摩・マッサージ代わりの利用 |
| 使えない | 病気(神経痛・リウマチ・五十肩・関節炎・ヘルニアなど)からくる痛み・こり |
| 使えない | 脳疾患後遺症などの慢性病、過去の交通事故等による後遺症 |
| 使えない | 症状の改善の見られない長期の治療 |
| 使えない | 医師の同意のない骨折や脱臼の治療(応急処置を除く) |
| 使えない | 仕事中や通勤途上におきた負傷 |
| 使えない | 「ついで」の受診、保険医療機関で同じ負傷等の治療中の場合 |
表の要点は、使えるのは外傷性の負傷に限られ、肩こりや慰安、病気による痛み、仕事中のけがは対象外ということです。「ついでに他の部分も」「家族に付き添ったついでに」といった受診も、協会けんぽのページでは対象外に挙げられています。
骨折と脱臼で、医師の同意が必要なのはなぜですか?
骨折と脱臼は、緊急の場合を除き、あらかじめ医師の同意を得ることが必要です。厚生労働省のページと協会けんぽのページの両方に、この条件が書かれています。
応急処置は同意の対象から外れます。協会けんぽのページには、骨折・脱臼について医師の同意が必要だが応急処置を除くと書かれています。同意のない骨折や脱臼の治療は、保険が使えない場合の一つとして挙げられています。
打撲、捻挫、挫傷(肉離れなど)の施術には、このページの説明では医師の同意は条件に入っていません。
仕事中のけがや交通事故のときは、どうなりますか?
仕事中や通勤途上のけがは、健康保険を使えません。協会けんぽのページには、負傷原因が労働災害に該当する場合や、通勤途上に負った負傷は健康保険が使えないと書かれています。外傷性の負傷でない場合も同じです。
そのため、施術所では「何が原因で負傷したのか」をきちんと話すことが勧められています。交通事故などの第三者行為に該当する場合は、協会けんぽへ連絡するよう書かれています。過去の交通事故等による後遺症は、対象外の項目にも挙げられています。
窓口では、いくら払い、何に署名しますか?
多くの施術所では、患者は自己負担分だけを窓口で払い、残りを施術所が保険者に請求します。この方法が受領委任です。
厚生労働省のページによれば、療養費は本来、いったん全額を支払ってから保険者に請求する償還払いが原則です。柔道整復では、例外として受領委任が認められています。窓口での自己負担額は10円未満を四捨五入すると同じページに書かれています。
受領委任では、柔道整復師が患者に代わって保険請求を行うため、施術を受けるときに必要書類へ患者本人の署名が必要です。協会けんぽのページには、療養費支給申請書の委任欄は、傷病名・日数・金額を確認してから記入するよう書かれています。白紙のままサインをしたり、印鑑を預けたりすることは、誤請求につながるおそれがあるため避けるよう案内されています。
領収証は、必ずもらったほうがよいですか?
必ずもらいます。協会けんぽのページに「領収証は必ずもらいましょう」と書かれています。
金額に相違があれば協会けんぽに連絡します。領収証は医療費控除を受けるときにも必要なので、保管します。
協会けんぽから、施術について問い合わせが来ることはありますか?
あります。協会けんぽのページには、必要と判断した場合に、電話や文書で負傷の原因、治療日、治療内容などを照会することがあると書かれています。受診の記録と領収証を保管し、照会があれば本人が回答書に記入します。
また、次のような場合は、施術の必要性を個別に確認するため、受領委任から償還払いに変更されることがあります。
- 保険者が施術の内容や回数などを繰り返し照会しても、回答しない患者
- 複数の施術所で同じ部位の施術を重複して受けている患者
- 長期かつ頻回な施術を継続して受けている患者
- 前月までの連続する12か月の間に、通算して8月以上かつ9部位以上の施術を受けている患者(令和9年1月から)
償還払いになると、窓口でいったん全額を支払い、あとから保険者に請求します。
施術が長引いても、保険で通い続けられますか?
症状の改善が見られない長期の治療は、保険の対象外に挙げられています。協会けんぽのページには、長期間治療を受けても快方に向かわない場合は内科的な要因も考えられるため、一度医師の診断を受けるよう書かれています。
病気(神経痛・リウマチ・五十肩・関節炎・ヘルニアなど)からくる痛みも対象外です。通っても楽にならない痛みは、整骨院で続けるより先に医療機関で原因を調べます。
申請は、どこに出しますか?
協会けんぽの加入者は、療養費支給申請書を加入している協会けんぽの支部に提出します。協会けんぽのページに、申請書と提出先が書かれています。受領委任の場合は、施術所が患者に代わって請求手続きをします。
協会けんぽ以外の健康保険組合や国民健康保険などの加入者は、加入先の保険者の案内を確認してください。
この記事で確認した内容と確認日
ライフジャパンは2026年10月29日に、厚生労働省の「柔道整復師等の施術にかかる療養費の取扱いについて」のページと、協会けんぽの「柔道整復師のかかり方」のページを確認しました。
確認した内容は、保険の対象になる負傷の範囲、骨折・脱臼の医師の同意、保険が使えない場合、受領委任と署名、領収証、償還払いに変更される場合、申請書と提出先です。2つのページとも更新日の表示はありませんでした。
個別の負傷が保険の対象になるかは、施術所や加入している保険者の判断になります。協会けんぽ以外の保険者の取扱いと、施術料金の算定の細目は確認していません。迷ったときは、加入している保険者に問い合わせてください。
確認した公式資料
- 厚生労働省「柔道整復師等の施術にかかる療養費の取扱いについて」 https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/jyuudou/index.html
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「柔道整復師のかかり方」 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/benefit/judo_therapist/index.html