健康やボディメイクのために、筋トレをしている人は多いと思います。
しかし、筋トレをしている人にとって、お酒は可能な限り飲まない方がいいってご存知でしたか?
避けた方が良いと漠然と思っていても、その理由を詳しく説明できる人はごくわずかなのではないでしょうか。
今回は、パーソナルトレーナーの立場から、お酒が筋トレに及ぼす影響と、
どうしても飲み会が避けられない時の居酒屋の食べ物・飲み物で乗り切る方法についてお伝えします!
目次
アルコールが筋肉に良くないと言える理由は主に2つ。
・アルコールが他の栄養素の吸収を阻害するため
・コルチゾールが筋肉の成長に悪影響を及ぼすため
アルコールは、体にとってはある種の毒物。
体は一刻も早くこの物質を出したいと反応します。
そのときに、脂肪や炭水化物、タンパク質を取っているとしたら、これらの栄養素は体中でいわば吸収の順番待ちをしている状態。
順番待ちをしている列にアルコールが割り込んで入ってくるようなものなのです。
アルコールの分解を優先した結果、吸収できなかった栄養素は上手く吸収されずに脂肪に変わったり、排出されてしまいます。
ビタミンやミネラルなども同じです。
さらに、ビタミンやミネラルなどの栄養素やタンパク質は、アルコールを分解するためにも使われます。
本来筋肉の材料になる予定だった材料が、アルコールの分解のために使われてしまう。
これでは、本来つくはずだった筋肉がつかない。
しかもビタミンやミネラルといった補酵素となる材料が少なくなってしまうと、肌や皮膚、脳の状態にも悪影響を及ぼしてしまいます。
アルコールが体に入ると、コルチゾールというストレスホルモンが分泌されます。
コルチゾールは筋肉を分解して、脂肪をつけてしまうホルモンです。
もちろん、コルチゾールそのものが悪者というわけではありません。コルチゾールは体がストレスと戦ったり、代謝に関わるなど体にとっては必要なホルモンです。
ただ、アルコールの摂取によって過剰にコルチゾールが分泌されてしまうことは、筋肉を分解してしまうことにつながります。
せっかく筋トレでつけた筋肉を減らしてしまわないためにも、アルコールはできるだけ摂らない方がいいと言えます。
アルコールは筋トレにとってよくない…とわかっていても、仕事や付き合いで飲まなければならない場面ではどうすれば良いのか。
そういうときは、蒸留酒を選びましょう。焼酎やウイスキー、ウォッカなどが蒸留酒です。
これらのアルコールには糖質が含まれていません。アルコールに加えて糖質も取ってしまうというリスクを避けられます。
飲み方はハイボールやショット、ストレートなど糖質が追加されない飲み方がベストです。
逆に一番避けたほうがよい飲み物はビールや日本酒、それからワインです。
特にビールは非常に糖質が多く筋トレの敵と言っても過言ではありません。
また、甘いサワーやカクテルなども避けた方がいいでしょう。
たとえウイスキーや焼酎、ウォッカなどの蒸留酒を使っていても、糖質が追加されているためアルコールと糖質のダブルパンチになってしまいます。
同様の理由でカクテルにも注意が必要。
例えばブルドッグや、モスコミュールもジュースや甘いものが入っているので不必要に太る理由になってしまいます。
アルコールによって筋肉が脂肪になるだけでなく糖質によって太るというダブルパンチは絶対避けたほうがいいでしょう。
ノンアルコールで飲み会をしのぐ場合には、烏龍茶、緑茶、炭酸水、お水などを飲むようにしてください。
意外な落とし穴となるのがノンアルコールビールです。
ノンアルコールビールの中には糖質がたくさん含まれてるものも少なくないのです。
また、同様に糖分が多いため野菜ジュースを含むジュース類も避けたほうがいいでしょう。
加工された野菜や果物からはビタミンやミネラルなどが期待ほど取れない一方、人工甘味料や果糖を摂りすぎる可能性があります。
ミキサーなどでその場でつくったホームメイドの野菜ジュースや果物ジュースはこの限りではありませんが、居酒屋で既成品のジュースを注文することも避けたほうがいいでしょう。
居酒屋は筋トレにも健康にもあまり良くないメニューが多いイメージがありますが、意外にも食べられるものは結構あります。
動物性タンパク質が摂れ、油分や脂質が少ないものでしたら大丈夫。
ここで、焼き鳥を頼む際は2つ注意が必要。
焼き鳥のタレは糖分が多いため、塩で楽しむこと。皮は脂が多いので頼まないこと。この2点。
卵系なら、ゆで卵やだし巻き卵もタンパク質が多いのでおすすめです。ただし、だし巻き卵は甘くないものに限ります。
おつまみの定番の枝豆は、高タンパク低カロリー。冷奴や湯豆腐なども同様の理由でおすすめです。
居酒屋でもヘルシー志向なメニューのお店が増えていますので、糖質に気を使ったドレッシングなどがあればそちらを選びましょう。
可能なら塩・胡椒とオリーブオイルだけで食べるのがカロリーも低く新鮮な栄養を摂れるためベスト。
とはいえ、ドレッシングを気にするよりもいかに糖質の少ないものを注文するかのほうが重要です。
サラダは後述するシーザーサラダ以外ならそこまで気にする必要はないでしょう。
野菜系はサラダ以外に温野菜などもいいですね。それ以外は塩分が少し気になりますが、お漬物なども糖分や油分がないので相対的におすすめできる居酒屋メニューです。
揚げ物の多くは、小麦粉やパン粉、片栗粉などの糖質の塊に油を大量に浸してできているもの。
揚げ物は炭水化物と油分が両方含まれるため、絶対に避けたほうがいいです。
ちなみに揚げ物の中で最も危険なのはフライドポテト。
じゃがいもはビタミンCが取れるという意見もありますが、炭水化物、糖質の摂りすぎになる可能性の方が高いです。
さらに、既製品のフライドポテトは一度マッシュして加熱したものに小麦粉等を使って成形し、店で再び加熱しているためビタミン等は壊れてしまっていることがほとんどです。
ピザは小麦粉の塊で炭水化物を大量に含む食べ物です。
さらに、その上にチーズや、脂質多めの具材が大量にのっていますので、筋トレをしている人にはおすすめできない食材です。
鶏肉ならばタンパク質も豊富で大丈夫だろう、と思って油断していると危険なのがこちらの2つ。
焼き鳥の皮は脂が非常に多く、手羽先も皮の脂をたくさん摂ることになるためおすすめできません。
また、糖質の多い甘辛いタレに浸かっている場合も多いので要注意です。
またシーザーサラダや、チーズのたくさんかかったサラダなどにも注意が必要です。
サラダと名前についてはいますが、クルトンという形で小さなパンが入っているため炭水化物が入っていますし、ドレッシングも高カロリーな脂質が多い場合があります。
避けた方が無難でしょう。
食べる量や飲む量をコントロールするための準備をしておきましょう。
アルコールが分解しやすいように体を準備しておく。また、あなたが幹事ならお店選びでも工夫することもできます。
食べる量・飲む量をコントロールするために飲み会に行く前にプロテインやナッツ、干し芋でもなどのお腹にたまるものを先に取っておきましょう。
空腹状態になると脳の判断力・意志力下がり、そこにアルコールが入ると自制心が極端に低下してしまいます。
これは根性の問題ではなく脳の能力としても誘惑に負けやすい状態になってしまいますので、空腹状態はまずいと言えます。
また、事前にプロテインや牛乳を摂取することをおすすめします。
アルコールによって胃が荒れるのを保護する効果が期待できます。翌日のダメージを軽減します。
プロテインや牛乳で、タンパク質を摂取した上で取って、さらにとっておきたいのは補酵素やビタミン、ミネラル。
タンパク質、ビタミン、ミネラルの3つをしっかり体の中にある状態にしておけばアルコールの分解の際に役立ちます。
それから、お店を選ぶ段階でも工夫できそうであれば、シェラスコのような赤身肉中心でサラダバーなどがついているお店なら比較的筋トレと両立可能です。
そうでなくとも唐揚げ食べ放題やピザ食べ放題のようなジャンキーな食べ物を飲み会で避けることもできます。
お酒はせっかくトレーニングでついた筋肉を分解して脂肪に変えてしまうだけでなく、筋肉を合成するための栄養素まで使ってしまいます。
とはいえ、お酒を飲まなくてはいけない場面や、居酒屋で食事を摂るのが避けられないこともありますよね。
そういった時には、今回ご紹介したノンアルコールの飲み物、それが無理なら蒸留酒を飲むようにしましょう!
居酒屋でのおつまみ選びも、油分、脂質、糖質、炭水化物に気をつけるようにすれば決して難しくはありません。
ぜひ今回ご紹介した内容を取り入れて、お酒の席を乗り切ってくださいね。