【腓腹筋の筋トレ&ストレッチ方法10選!】痛みの対処法も合わせて紹介

栗原強太
当サイトの監修・執筆者

男性であればたくましいふくらはぎ、女性であればしなやかな曲線美を描く脚を作るために欠かせない腓腹筋。

 

腓腹筋を鍛えたり、やわらかくほぐしてあげるにはどのようにすれば良いのでしょうか。

 

この記事では、腓腹筋の特徴やヒラメ筋との違い、そして筋トレ方法とストレッチ方法まで、腓腹筋にまつわる情報をまとめてお伝えします!

栗原強太
フィジーカー 栗原強太
湘南オープンメンズフィジーク172cm以下の部で5位入賞したフィジーカー。体脂肪率は1桁。複数のジムを掛け持ちして日々トレーニングに励む。

腓腹筋とは

まずはじめに、腓腹筋とはどこに位置している筋肉で、どんな役割を担っているのか、また鍛えることによってどんな見た目、メリットを享受することができるのか紹介します。

どんな筋肉か?

腓腹筋とは、人間の“第二の心臓”とも言われるふくらはぎの通称である「下腿三頭筋」(かたいかんとうきん)を構成する筋肉の1つです。

 

腓腹筋はヒラメ筋とともに、足関節の伸展や屈曲を補助する役目を担っています。

 

さらに腓腹筋は、「二関節筋」として足関節だけでなく膝関節の動きにも影響を及ぼしています。

 

それだけ多くの動作に影響を及ぼす腓腹筋は、鍛えることで、機能的にはジャンプや走力などの運動性能を高めてくれたり、疲れにくい身体に進化させてくれます。

 

また見た目的にも、ふくらはぎの引き締まった健康的な下半身をアピールすることができます。

ヒラメ筋との違い

腓腹筋とヒラメ筋は、位置関係や担う役割に至るまで、非常類似しており、一般的には区別することが難しいと言われています。

 

決定的に異なる点は、腓腹筋は膝関節と足関節の両方の動作に関与するのに対し、ヒラメ筋は足関節のみの動作にしか関与しないということです。

 

また、腓腹筋が「強く・速く」収縮する(速筋群)の割合が多く急激な運動に対応できる一方、ヒラメ筋はゆっくりと収縮する(遅筋群)の割合が多いため、身体のバランスを保ったり、歩行動作のサポートなどに長けている点が挙げられます。

腓腹筋を鍛えるメリット

ふくらはぎの筋肉

腓腹筋を鍛えることで、以下のようなメリットを得ることができます。トレーニングをする前に確認しておきましょう!

 

腓腹筋を鍛えることで、たくましいふくらはぎを作ることができます。女性であればしなやかな曲線美を描く脚を作ることができます。

 

さらには、腓腹筋が引き締まることで、下半身全体を通して引き締まった印象が得られるのです!

 

また、腓腹筋は足関節及び膝関節の動作に大きな影響を及ぼす筋肉です。下腿三頭筋(ふくらはぎ)も含めて鍛えることで、ジャンプやダッシュなどの運動機能の向上が期待できます。

 

下腿三頭筋(ふくらはぎ)は筋肉がポンプの役割となるため、鍛えることで血液の循環が促進されて、老廃物が溜まりにくく疲れにくい身体を作れるなど総合的な運動能力を高めることもできます!

腓腹筋の筋トレメニュー

次に紹介するのは、腓腹筋を鍛える筋トレメニューです。

 

今回は、各自のレベルに応じてトレーニングできるように、自重トレーニングやダンベルやマシンを活用して行うトレーニングを記載します。

 

レベルや回数、頻度に応じてトレーニングを使い分けていきましょう。

トゥレイズ

<やり方>
  1. 椅子やベンチに座り、段差や平面にかかとを乗せる ※この時かかと以外は地面から浮かせた状態にする。
  2. 両脚の足先をぐっと上にあげる。
  3. 限界のところまで上げたらゆっくりと元に戻していく。
  4. この動作を10〜20回繰り返す。
  5. インターバル。(30秒〜1分間。)
  6. 残り2セットを行う。
  7. 終了。(3セット×10〜20回を目安。)

 

トゥレイズを行う時は、ふくらはぎへの刺激を意識しながら行いましょう。

 

また今回は座って行うやり方についてお伝えしましたが、トゥレイズは立って行った方が腓腹筋に直接刺激を与えることができます。慣れてきたら立って行ったり、段差を活用してトレーニング効率を高めましょう!

つま先を持ち上げる時にお尻が後ろに引かないようにしましょう。お尻が後ろにひけてしまうと、筋肉への負荷が抜けてしまうので気をつけましょう。

スタンディングカーフレイズ

<やり方>
  1. 段差に両脚の1/3ほどを乗せる。※身体を安定させるために手すりやテーブルなど掴みましょう。
  2. 両脚は肩幅より少し狭くする。
  3. 段差に乗っているかかとを少しずつ上げていく。※この時少し前傾姿勢となることが理想的。
  4. かかとが最大の高さまで上がったら、ゆっくりと下ろしていく。
  5. この動作を10〜30回繰り返す。
  6. この動作を8〜10回ほど繰り返す。
  7. インターバル。(30秒〜1分間。)
  8. 残り2セットを行う。
  9. 終了。(3セット×10〜30回を目安。)

 

スタンディングカーフレイズを行うポイントは、両脚に同じ負荷をかけるように意識して脚を上げることです。

 

最初のうちは平面でトレーニングしたり、動作をゆっくり行い、慣れてきたら段差を活用したり、ダンベルなどで負荷をかけていきましょう!

シーテッドカーフレイズ

<やり方>
  1. 膝ほどの高さの椅子やベンチを用意する。
  2. 椅子に深く座り、両脚が床に対して垂直に着くようにする。
  3. 姿勢を保ちながら、かかとを徐々に上げていき、ふくらはぎを刺激していく。
  4. かかとを上げきったところで約1〜2秒間キープする。
  5. キープ終了後、息を吐きながら、ゆっくりとかかとをおろしていく。
  6. この動作を30〜50回繰り返す。
  7. インターバル。(30秒間〜1分間。)
  8. 終了。(30〜50回×3セット。)

 

トレーニングを行う際は、なるべくかかとを地面につけずに、高く上げることを意識して取り組みましょう!

 

トレーニングに慣れてきたら、ダンベルやケトルベルなどを膝の上に置いて負荷をプラスすることで効果を高めることができます。

椅子に深く座ると踵を上下運動させづらくなるため、椅子には浅く座りましょう。足裏の母子球を床に押し当てることを意識して踵を上下させましょう。

ドンキーカーフレイズ

<やり方>
  1. 椅子やフラットベンチを用意する。
  2. 椅子などに両手をついて、四つん這いのような姿勢をつくる。
  3. 両手は肩幅ほどに、両脚は肩幅より広めにひらく。
  4. お尻付近を真上に持ち上げるイメージでかかとを上げていく。
  5. かかとを最大に上げたら、その位置で約1〜2秒キープする。
  6. キープ終了後は、ゆっくりと元の位置に戻していく。
  7. この動作を30回繰り返す。
  8. インターバル。(30秒〜1分間。)
  9.  残り2セットをおこなう。
  10.  終了。(30回×3セット。)

 

ドンキーカーフレイズを行うコツは、全体的にゆっくりとした動作で行い、ふくらはぎへの刺激を意識してトレーニングをすることです。

 

このトレーニングは、筋トレの仕上げや追い込みに最適なため、回数は調整しながら行ってください。

レッグプレスカーフレイズ

<やり方>
  1. マシンの重量(ウエイト)を調整して、マシンにしっかりと座る。
  2. 両脚の位置をプレートにセットして、サイドにあるバーを軽く握る。
  3. つま先部分に力を入れて、力強く持ち上げる。
  4. ゆっくりと元に戻していく。
  5. この動作を10回繰り返す。
  6. インターバル。(1分間。)
  7. 残り2セットを行う。
  8. 終了。(3セット×10回を目安。)

 

このトレーニングのコツは、膝はできるだけ曲げず、つま先部分を意識して取り組むことです。

 

マシンを使うメニューになるため、膝関節や脚関節などに違和感を感じる場合は、怪我につながるため無理には行わないようにしてください。

腓腹筋のストレッチメニュー

次に紹介するのは、腓腹筋をケアするストレッチメニューです。

 

トレーニングを継続的に行うだけでは、理想的な腓腹筋にはならないため、このタイミングでストレッチ方法もしっかり覚えておきましょう。

下半身ストレッチ

<やり方>
  1. 地面(マットなど)の上に、膝までついて座る。※膝から頭までを一直線に維持する。
  2. 両手を地面について四つん這いの姿勢をつくる。
  3. 両膝を浮かせて、両手・両脚でバランスをとる。
  4. ゆっくりと膝を伸ばしていき、かかとからお尻までを一直線にする。
  5. ふくらはぎ(腓腹筋)付近の筋肉が刺激されている箇所で止め、約10〜20秒キープする。
  6. キープ終了後、ゆっくりと元に戻していく。
  7. 脚の先を内側・外側に向けて、それぞれ1回ずつおこなう。
  8. 終了。(通常10〜20秒×内側10〜20秒×外側10〜20秒。)

 

このストレッチに取り組むときは、呼吸を安定させること、脚のかかとは浮かせないことを意識して取り組みましょう。

 

姿勢がつらい方は、両手を少し前に置いてバランスを保ちながらストレッチしてください。

踵で地面を押すことで腓腹筋がよりストレッチされてきます。体が硬い方は、踵は床に完璧につけなくても大丈夫です。伸ばせる範囲で取り組みましょう!

腓腹筋ストレッチ

<やり方>
  1. 膝ほどの高さのある椅子を用意する。
  2. 椅子と向かい合って、1メートルほど離れた位置に立つ。
  3. 椅子に左脚をかける。※左脚すべてを椅子の上に乗せるのではなく、かかとの部分は椅子からはみ出るようにする。
  4. ゆっくりと体重を下方にかけていく。
  5. かかとがぶら下がるイメージで、ふくらはぎへ刺激を感じたところで約10〜20秒キープする。
  6. キープ終了後、ゆっくりと元の位置へ戻していき反対の脚も同様に行う。
  7. 終了。(左右10〜20秒×1セット。)

 

腓腹筋ストレッチのポイントは、体重を前方ではなく下にかける意識をすることです。

 

また、椅子の高さを間違えると、膝に負荷がかかり過ぎてしまうため、しっかりとした丈の椅子を用意することをおすすめします。

骨盤を立てて猫背にならないように取り組むことがポイントです。また、地面につけた足のつま先はまっすぐ正面に向けるようにしましょう。

ガストクスタント

<やり方>
  1. ゲンコツ1個分ほど両脚をあけて立つ。
  2. 左脚を大きく一歩前に踏み出す。※この時両脚とも地面にしっかりとつけたままにする。
  3. 左脚の膝を曲げつつ、右脚も前方にゆっくり倒していく。
  4. ふくらはぎ(腓腹筋)がのていることを感じた箇所で止め、10〜20秒間キープする。
  5. キープ終了後、ゆっくりと元に戻していき、右脚も同様に行う。
  6. この動作を左右2回ずつおこなう。
  7. 終了。(左右2回ずつ×2セット。)

 

ガストクスタントで大切なのは、両脚を地面につけたまま行い、腓腹筋(ふくらはぎ)が伸びていることを実感しながらストレッチを行なうことです。

両方のつま先をまっすぐにするようにしましょう。また、後ろに引いた足の膝は曲げないで伸ばしきるようにしましょう!

段差を使ったストレッチ

<やり方>
  1. 適度な段差(10cmほど)を用意する。
  2. 段差に左脚のつま先を乗せ、かかと下の段(地面など)につける。
  3. この状態を約10〜20秒キープする。
  4. 元に戻し、右脚も同様に取り組む。
  5. 終了。(左右10〜20秒×1セット。)

 

今回は、適度な段差として10cmほどと明記しましたが、段差が高すぎても低すぎてもストレッチが効果的になりません。

 

また、姿勢を前傾や後ろに倒すのではなく、かかとと頭を一直線にすることで腓腹筋への刺激を高めることができます。

膝をしっかりと伸ばしきるようにしましょう。また、つま先の位置は両足ともまっすぐにします。重心は段差に乗せている方の足にかけましょう。

チューブストレッチ

<やり方>
  1. トレーニングチューブを用意する。(タオルでもよい。)
  2. 左脚の下腿よりも足指先側にチューブを引っ掛けて、仰向けに寝っ転がる。
  3. 左脚を上へ上げていき、左脚が床と垂直になる位置まで上げる。
  4. その状態をキープしつつ、左脚の甲を上半身にゆっくりと近づけていく。
  5. この動作を約10〜20秒キープする。
  6. キープ終了後、ゆっくりと元の位置に戻していき、反対の脚も同様に行う。
  7. 終了。(左右10〜20秒×2〜3セット。)
  8. チューブストレッチを行う際は、股関節から足先までを一直線にしましょう。

 

また膝が曲がっていても腓腹筋に効果的なストレッチになりませんので、柔軟に自信のない方は、柔らかいチューブや長めのタオルを使い、姿勢を意識しながらストレッチを行うましょう。

踵を押し出すように意識して、膝を伸ばし切りましょう。

もしも腓腹筋に痛みを生じたら

腓腹筋を継続的にトレーニングすることで、必然的にその部分が損傷し、痛みを伴うことが想定されます。そこで今回は、腓腹筋に痛みが生じた際に起こる代表的な怪我と、その場合にどのような対策が行えるかを紹介します。

代表的な怪我とは

腓腹筋に痛みを生じたら以下のような怪我が想定されます。

<軽度な痛みなら「筋肉痛」>

一時的な痛みや軽度な痛みの場合は、定期的に起こる筋肉痛が該当します。筋肉痛の場合は、アイシングやストレッチなど行うことや、数日間トレーニングを控えたり、安静にすることで、筋肉が超回復を起こし、更に強靭な肉体を作り上げてくれます。

 

<軽度〜数日経っても治らない痛みなら「肉離れ」(腓腹筋断裂)>

一時的な痛みだけでなく、継続的に痛みを感じたり、内出血の跡がある、筋肉の一部に凹みが見られるなどの症状が見受けられたら、腓腹筋が肉離れを起こしている可能性が高くなります。

 

どちらの症状が該当するにしても、自身で勝手な判断をするのではなく、痛みが継続する場合は医師の診断を受け、相談しながらトレーニングを行ってください。

テーピングの方法

怪我をしてしまった場合を考慮してテーピング方法をお伝えします。

 

あくまでもテーピングは軽度の疲労から、重度な怪我につながらないようにするための一時的な処置にすぎません!

 

痛みが引かない場合や悪化する場合については、状況を見て病院に行くようにしましょう。

<やり方>
  1. テープ①をかかとからふくらはぎの真ん中を通り、ふくらはぎの上端まで貼る。
  2. テープ②は、かかとからアキレス腱までの部分をテープ①と重ねて貼り、そこからふくらはぎの内側を通って、膝の下付近まで貼る。
  3. テープ③は、テープ②と同様に、かかとからアキレス腱までの部分を重ねて貼り、そこからふくらはぎの外側を通って、膝の下(右側)まで貼る。
  4. 完成

腓腹筋のトレーニングにおすすめグッズ

最後に見ていくのは、腓腹筋のトレーニング及びストレッチに最適なグッズの紹介です。

 

トレーニングやストレッチ効果をワンランクアップさせてくれますので参考にしてみてください!

筋トレ部門「トレーニングチューブバンド」

トレーニングチューブバンド

腓腹筋を鍛えるのに欠かせないアイテムとしてピックアップするのが、トレーニング用チューブバンドです。

 

所有していても幅をとらず、コンパクトでありながら、自重トレーニングの段階から高負荷を腓腹筋に与えることができます!

 

トレーニングチューブバンドを活用することで、腓腹筋だけでなく下腿三頭筋やインナーマッスルも同時に鍛え上げることができるので、持っていて損はないアイテムでしょう!

ストレッチ部門「ストレッチマット」

ストレッチマット

腓腹筋のストレッチを行う上で必要不可欠なアイテムがストレッチマットです。

 

比較的シンプルなストレッチメニューが多いことと、大半が地面に座ったり、手をついたりするため、ストレッチマットを一つ所有しておけば、場所を選ぶことなくストレッチが行えるため、怪我の予防につながります!

まとめ

今回は、腓腹筋の鍛え方とほぐし方を紹介するとともに、腓腹筋の担う役割やヒラメ筋との違い、鍛える上でのメリット、想定される怪我やその対処法に至るまで、幅広い内容をお伝えしてきました。

 

腓腹筋はヒラメ筋と同様に区別されがちですが、鍛える上での見た目の変化やメリットがある筋肉になるため、下半身の強化や運動能力を高めたい人、見た目を変えたいと思う人は、ぜひ腓腹筋のトレーニングに汗を流しましょう!

この記事を書いた人
栗原強太
フィジーカー

MYREVOはパーソナルトレーニングジム、ヨガスタジオ、
ストレッチ、ダイエット、ランニングに関する
プロ集団が著者・監修を担当

パーソナルトレーナー

山本耕一郎

パーソナルトレーナー

斎藤裕香

パーソナルトレーナー

松浦晴輝

パーソナルトレーナー

YOKO

フィジーカー

栗原強太

ストレッチトレーナー

福原 壮顕

ヨガインストラクター

斉藤玲奈

管理栄養士

佐藤樹里

プロランニングコーチ

大角重人

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