胸と首の筋肉の緊張が猫背の原因の1つとされていることをご存知でしょうか?
胸や首の筋肉の緊張が猫背につながるのを不思議に思う方も多いかもしれませんが、
背中へのアプローチだけでは猫背の改善には繋がりにくいことがあるのです。
この記事では猫背を改善するための背中のストレッチとトレーニングはもちろん、
胸、首のストレッチとトレーニングも合わせてご紹介します。
猫背を改善することによって、
胃腸の問題がなくなる、
呼吸が楽になり集中力や睡眠の質が上がる、
すっきりとした上半身が手に入るなどのメリットがあります。
ぜひ一緒に取り組んでいきましょう!
目次
パソコンやスマホの操作、家事、読書、勉強…。これら私たちの日常生活における多くの作業は、ずっと手が前にある状態かつ基本的に下を向いて行うものばかりです。
現代人である私たちは自然と猫背になりやすい生活をしているといえます。
首が前に出た状態や首が真っ直ぐになっている状態、最近はよく「スマホ首」や「ストレートネック」という言葉も使われていますが、これらも猫背の原因になると言われています。
人間の頭は約5kgほど(体重比で8%と言われています)あります。
5kgといえば、お米1袋分。そんな重さのものが前に反り出ていれば、当然それを支える首への負担も大きくなり、背中も丸まっていくわけです。
下半身が原因によるおこる猫背は次の5つのステップから引き起こされます。
1.前ももの筋肉が緊張して硬くなる。
2.硬くなった筋肉により繋がっている骨盤が前に倒される。
3.前に倒れた骨盤のバランスを、腰を反ることで取ろうとする。
4.腰が反った状態になると、上半身のバランスが悪くなる。
5.バランスを正す為に、反ってしまった腰椎(≒腰の位置にあたる背骨)の上についている胸椎(≒胸の位置にあたる背骨)を丸めるようになる。
これが猫背になった状態です。
腰が反ったいわゆる「反り腰」という状態になり、胸椎(≒胸の位置にあたる背骨)でカバーしようとしてしまうのです。
猫背の原因について触れたところで、具体的に猫背をどう直していけばいいのか?解決策をご紹介します。
猫背になってしまった身体は、胸の筋肉が緊張していて、背中の筋肉が緩んでいる状態です。
まずはこの胸と背中の2か所の筋肉をほぐして猫背の改善を目指しましょう!
1.立ち上がり壁に肘を押し付ける。
2.その状態で肩関節が90°、肘関節も90°になるように曲げる。
3.壁に肘を押し付けたまま片方の肘から反対側に体の向きにグーっと胸を張りだす。肩甲骨を寄せるようなイメージ。
*少なくとも30秒以上は行うこと!10秒ほどで伸びたと思いやめてしまう人が多いが、それでは伸びが不十分です。
*痛みがはしるほどやらないこと!
筋肉は、急激に伸ばすと縮んでしまう伸張反射という特性がありあす。
その反応を起こさないため、じわじわと伸ばすことが大切です。
自宅で簡単に出来るチューブを使ったトレーニングです。
日本ではまだ広まっていませんが、海外では有名なトレーニングの一つ。
使用するチューブは、通販やスポーツショップで、負荷別のセットになったものが2000円程度で買うことができます。
チューブの硬さは「がんばらなくて伸ばせる程度」が目安。
1.チューブを肩幅くらいで握り、腕を胸の前あたりに上げる。
2.チューブを左右に引っ張り、肩甲骨を寄せながら、チューブを胸に当てる。
このトレーニングは相反抑制により反対側の胸の筋肉を緩める効果もあります。
さらに、よく女性がウエディングドレスなど背中が開いたドレスを着る時に綺麗な肩甲骨を出したい!という時にも言われる「天使の羽」(綺麗な肩甲骨)を作るのにも役立つトレーニングと言われています。
猫背によって、内臓にも問題が生じる場合があります。
背中が丸まることで、内臓が圧迫されますから、呼吸器系がうまく機能しなくなってしまいます。
しっかり息を吸って吐いて、肺を膨らませることができなくなってしまうのです。
さらには、消化器系もうまく働かなくなります。
胃腸などを圧迫しますから、消化不良を起こしてしまうのです。
内臓が圧迫されると、ぽっこりお腹になると皆さんよく聞くと思いますが、これは胃下垂(※1)が原因です。
(※1.背中の筋肉や腹横筋が少ないと、内臓を正しい位置にしっかり納められず、異常に垂れ下がって消化不良を起こしやすい体になってしまいます。つまり、しっかりと栄養素を吸収できずに身体は危険信号を出しているということですから、いくら食べても太らないといった状態になります。)
道具を使わないで、自分の体だけで行うトレーニングとして、プローンエクスタナルローテーション(うつ伏せ外旋)を紹介します。
1.おでこ、手足の甲を地面につけて、うつ伏せになる。
2.首と腰をリラックスさせた状態で、みぞおちの裏あたりから上体を軽く起き上がらせる。
3.肩甲骨を寄せるイメージで、肘を外向きにねじる。
これを行うことによって、背中の中心の筋肉が鍛えられるので、胸が張り、姿勢が良くなります。
*首を上げないこと。首を上げてしまうと、僧帽筋の上にある肩から首にかけての筋肉を使ってしまうことを防ぎます。
*腰を使わないこと。腰を使わせないためにおしりをぎゅっとひきしめた状態を保ちましょう。こうすることで、背中の筋肉のみを鍛えることができます。
猫背の原因の1つである首のトレーニング「チンタック」。
頭が前に出た状態を治すことができ、顎を引いた状態を保つことになるので、顎のきれいなラインを作ることができ、たるみの解消効果が期待できます。
1.まず、立った状態で壁に背をつける。
2.人差し指をアゴの前にあてる。
3.指からアゴが離れるように、顎をひき、3~5秒キープする
動作した時に、顎の下〜奥を使っている感覚。
反対に首の裏は伸びている感覚があるとうまくできています。
ストレッチやバンドプルアパート、チンタックなどの簡単なエクササイズを続けることで猫背の改善はできますが、
もし、エクササイズの実施の際強い違和感や痛みがある場合は、病院に行き診断を受けましょう。
ここまで、猫背になることで生じる問題や、その改善方法について触れてきました。
痩せているのに背中や腕のお肉が気になる方、呼吸が浅く、お腹のトラブルが多い方!
ご紹介した改善法にトライして、猫背からくる上記の体のお悩みを解決しましょう!