マラソンチャレンジ#03「はじめてのトレイルラン」

MYREVO編集部
当サイトの監修・執筆者

この記事は、挑戦を避け中途半端な人生をおくっていた石田が、自分を変えるため、5kmも走ったことのない状態から、半年間でフルマラソンサブ4(4時間未満での完走)を目指すドキュメンタリー記事である。

【前回までのマラソンチャレンジ】

東京マラソンをきっかけに出会った易さんに自分のコーチとなって欲しいと頼む。彼は僕の思いがどれほどのものなのか確かめるため、課題の達成をコーチをするための条件とする。

意気込んで課題に挑戦したが、またもや途中で諦めてしまう。易さんからの厳しい言葉に反発を覚え、自分1人の力で挑戦をやり遂げると宣言する。しかしどうにも上手くいかず、易さんに謝罪し、課題クリアのためのアドバイスをもらう。そのおかげもあり、無事に課題を達成。易さんがコーチを引き受けてくれることに。僕を導いてくれる、心強い味方ができた。

 

<主な登場人物>

石田
挑戦者 石田 悠貴(Yuki Ishida)
本企画の主人公。中学生時代は部活に打ち込んでいたが、最近では目標に向けて努力することを怠っていた。知人に誘われ観戦した東京マラソンでランナー達の姿に感化され、フルマラソンへの挑戦を決意する。
易会話アイコン2
易 成(Inari)
市民ランナー。石田にコーチを依頼され、彼の本気を確かめるために課題を与える。フルマラソンを3時間1分で走る市民ランナー。3ヶ月のランニングで10キロの減量に成功した過去を持つ。

<見逃した方へ!前回のマラソンチャレンジはこちら!>

マラソンチャレンジ#02「コーチ誕生」

 

<1話からマラソンチャレンジを見直したい方はこちら!>

マラソンチャレンジ#01 半年でサブ4を目指す挑戦の始まり

練習スタート! 

易さんが正式にコーチを引き受けてくれることになり、僕の挑戦は本格的にスタートを切った。

易さんと練習内容を話し合い、焦らず徐々に力をつけていくために、最初にクリアした課題に合わせて、週4~5回の5kmランの継続から始めることにした。

 

身体が重いのは相変わらずだけれど、頼もしいコーチができたおかげで、前向きな気持ちで走ることができる。

心の持ちようの大切さを実感する。走る辛さは同じはずなのに、不思議と気持ちは明るい。

 

易さんとこれからの練習プランを話し合っている時に、自分の身体の現状を知ることがとても大事だと言われた。

アドバイスをくれる易

練習はもちろん必要だけれど、まずは今の自分がどんな状態なのかを認識することで、適切な練習メニューを組むことができるそうだ。

でもマラソン初心者である僕は自分の身体を、どうやって知れば良いのか全くわからない。

易さんから、こんな言葉が返ってきた。

易会話アイコン2 血液検査を受けてみると良いよ!

戸惑う僕に、易さんが説明してくれた。

易会話アイコン2 マラソンを行う上でもっとも気をつけなければならないことの一つが貧血。貧血になってしまうと、パフォーマンスが落ちて思うような結果を出せない。最悪の場合、倒れてしまうこともあるんだ。

ただでさえ貧血は辛いのに、マラソン中の貧血なんて考えたくもないな・・・。

易会話アイコン2 血液検査でわかることの一つに身体のヘモグロビン値がある。ヘモグロビン値が低いと、貧血を起こしてしまう可能性が高い。ヘモグロビン値は食事などで改善できるから、自分のヘモグロビン値を把握して対策を練ることで、貧血を予防できるんだ。だから血液検査は大切!

そうだったのか・・。

ヘモグロビン値なんて、今までの人生で気にしたことなんてなかったぞ。 

 

血液検査を受けたことがない僕は早速MYREVOの運営サイドに相談した。

すると、都内にクリニックを開業している、医師の青木由佳先生を紹介してくれた。

 

青木先生にアポを取り、血液検査をしてもらうことに。

血液検査デビュー 

血液検査当日。初めての経験ということもあリ、少し緊張してしまう。

クリニックへ到着。問診票を書いて待っていると、奥から青木先生が。

青木先生
青木 由佳(Yuka Aoki)
「ゆかスキンクリニック」院長。血液検査がきっかけで石田と知り合い、彼に様々なアドバイスを送る。

優しい笑顔が印象的な先生で、少しほっとする。怖そうな先生じゃなくてよかった・・。

 

ご挨拶をした後、いよいよ血液検査へ。

どれくらいかかるのかな?痛いのかな?不安がこみ上げる。

しかし、いざ血液検査が始まるとそんな不安は消えてしまった。針が少しちくっとしただけで、あっという間に終わってしまった。

リラックスできる空間でスムーズに採血。結果がわかるのは1週間後とのこと。楽しみ!

  

採血の後に食生活について質問を受ける。

 診断をする青木先生

青木先生 少し糖質が多いですねー。

青木先生が一言。

ご飯やパンを食べることが多いので心当たりがありすぎる。もう少し食事に気を遣わねばと実感。

検査を終え青木先生に今回の挑戦について話していると、あることに気がつく。

先生の白衣の下からのぞくのは紛れもなく、ランニングシューズ!

ランニングシューズを履く青木先生 

青木先生 実は私もよく走ってるの。

まさか先生もランナーだったとは。しかも仕事着の下にウェアを用意しているなんて、すさまじい意識の高さ。

衝撃の事実に驚いていると、先生からあるお誘いが。

 トレランに誘う青木先生

青木先生 今度高尾山でトレイルランをするんだけど、一緒にやりませんか?

トレイルランとは、舗装されていない山道を走ることである。ランニングを始めて間もない僕にはなかなか高いハードルだ。これまでの僕ならやんわりお断りしていただろう。

 

しかし、今の僕は違う。自分を変えるチャンスは一つ残らずつかむ。 

是非ご一緒させてください、と二つ返事で答える。次の壁はトレイルラン。望むところだ。

高尾山トレイルラン

時刻は午前8時半。高尾山口駅に降り立ち、山の空気を感じながら深呼吸をする。

いつもはビル街の中で作業をしているので、自然に触れるとリフレッシュできる。

 

駅周辺の景色を楽しんでいると、青木先生が到着。ジャージ姿の自分とは対照的に、模範的なトレイルランナーの装備に身を固めている。 

先生と談笑しながら高尾山の入り口へと進む。風が気持ち良い。天候に恵まれて、絶好のトレイルラン日和だ。

 

山に入るのも久しぶりだった僕はうきうきした気分で高尾山へ足を踏み入れた。のだが・・

 

登り始めると高揚感は不安へと一転した。普段のランニングとは違い、一歩進むにも一苦労。

スタートして5分もたたないうちに僕の額は汗でにじんでいた。

 

階段を上る時にもまるでスクワットをしているかのような負荷がかかる。舗装された道路と違い足場が不安定なため、思うようなペースで走れない。

苦しそうに走る石田

約3km先の山頂にたどり着ける自信がなくなっていく。

 

動きが鈍くなっていく僕とは対照的に、青木先生は軽快に山道を駆けていく。

 

疲れている様子はみじんもない。どこからそんなエネルギーが出てくるのだろうか。青木先生の走りを見て、さらに落ち込む。自分にはトレイルランはまだ早かったのかもしれない、と後悔がよぎる。

 飴をくれる青木さん

青木先生アイコン 大丈夫?これ食べて体力を回復させようか!

苦しそうな僕を心配した青木先生が、グミを差し入れてくれる。

 

このグミはパワーグミといって、運動中のエネルギーになってくれるグミらしい。確かに、パワーが少し戻ってきた気がする。

 

青木先生、ありがとうございます!

走り続けていると、少しずつ変化が起こるようになる。山道に慣れてきたのか、ペースを落とさず走れるようになってきた。

 

通常のランニングでは使わないような筋肉が刺激され、自分の身体が目覚めていくような感覚になる。

それだけじゃない。緑豊かな山の中を走って行くうちに、自然と日常的にふれあっていた少年時代の記憶が蘇ってきた。

 

都会暮らしでしばらく忘れていた、澄んだ空気に包まれて走っていると、あの頃に戻ったようで楽しくなってきた。疲れが取れたわけではないけれど、

足取りがほんの少し軽くなる。自分は今、トレイルランの醍醐味を全身で味わっているんだ!

やっとの思いで山頂に到着。

山頂についた石田

いつもよりも少ない距離だったが、疲労感は倍以上。

息を整えるのに時間がかかる。そんな苦労の末にたどりついた山頂から見る景色は、本当に素晴らしかった。

山頂で叫ぶ石田

テンションが上がって、思わず「よっしゃー!」叫んでしまう。

今までに味わったことが無いような達成感、高揚感を噛みしめる。

青木先生アイコン これがあるからトレイルはやめられないんだよね。

青木先生の言葉にも納得。使う体力はとてつもないが、すでにトレイルランにはまりそうになっている自分がいる。この爽快感は、一度はまったらクセになる!

練習と同じくらい大切な「休息」

トレイルランで充実した一日を過ごした翌日、恐れていたことが起きてしまった。

そう、筋肉痛である。腰、お尻、ふくらはぎ・・・。下半身のあらゆるところが猛烈に痛い。

トレイルランで気持ちが燃えていた僕はもっと練習に取り組もうと思っていたが、さすがにこの痛みでは走れない。ケガが怖いので、思い切ってこの日はオフにすることにした。

 

激しい運動の後に起こる筋肉痛。易さんはどう対処しているのだろう。

易さんに相談すると、自分にも同じような経験があるといい、こうアドバイスしてくれた。

筋肉痛にアドバイスする易 

易会話アイコン2 筋肉痛がひどい時はしっかりと休む。休息を取るのも練習のうち。

身体が本調子じゃない時に無理をして練習しても、身体を壊すことになり逆効果である。しっかりと身体を休めて、回復させてから練習を再開した方が上達につながると教えてくれた。

 

頭ではわかっているけれど、焦りと熱い気持ちでいっぱいになっている自分は、少しでも練習がしたいと易さんに訴える。

すると易さんは、僕の目をまっすぐ見つめてこう言った。

易会話アイコン2 休むことも立派な練習。焦らず、一歩ずつ強くなっていけば良い。

僕の思いを受け止めてくれた上で、優しく諭すように伝えてくれた。

易さんの言葉を受けて、「休む」ということを練習の中で意識的に取り入れることにした。

変化の兆し 

適度に休息を挟みながら、5kmランニングを続けていた。練習を続けた甲斐もあり、少しずつ走れるようになってきた。

そんなある日、「彼」から久しぶりに連絡が来た。

 

待ち合わせ場所のカフェに行くと、藤田君がすでにコーヒーを飲んでいた。僕の顔を見るなり、「なんかやせたね」と笑う藤田君。 

藤田 敦也 (Atsuya Fujita)         
石田の大学時代の友人。インターンや就活に加え、フィットネスインストラクターやモデル業を精力的こなしている。

自分では気がつかなかったけれど、ランニングを続けるうちに見た目も変化していたらしい。体力的にだけではなく、肉体的にも洗練されていたのか。

良いじゃん。なんか生き生きしてるよ。

嬉しそうな藤田君を見て、こっちまでなんだか嬉しくなってしまう。

まだ挑戦は始まったばかりだけれど、身体が変わり始めていることを感じ、わくわくしてきた。

北海道マラソンまでに、どんな自分になっているのだろうか。楽しみでしょうがない。

 

<石田の挑戦の裏で、青木先生や易コーチはどう思っていたのか!?もう1つの物語はこちら!>

マラソンチャレンジ#03「もう1つの物語 トレランへ行こう!」
この記事を書いた人
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