筋トレ後の「超回復」の効果を最大化させる4つのテクニック

横井 雅史
当サイトの監修・執筆者

こんにちは、パーソナルトレーナーの横井です。

みなさん、『超回復』という言葉を聞いたことがありますか?

 

『超回復』という言葉は筋トレやスポーツ関連ではよく出てきますが、調べてみるとたくさんの情報が錯綜(さくそう)しています。

今回はこの筋トレに欠かすことができない『超回復』をシンプルをご説明します。

『超回復』を効果的に行う方法まで触れていますので、ぜひご覧ください。

『超回復』は筋肉を大きくするだけにあらず。『超回復』のメカニズム

休憩する女性

超回復とは何なのでしょう?

簡単に言うとトレーニングをして一度傷ついた筋肉を、適切な休息と栄養を取ることによってさらに強く回復することです。

例えば、元は10あった筋肉が筋トレで傷つき、回復の過程でも元の10以上に強くなることが超回復です。

 

もう少し詳しく見ていきましょう。

まず筋トレをするとします。筋トレの結果、体には2つの影響があります。

 

1つ目は筋肉に負荷がかかり乳酸が溜まった結果、成長ホルモンが分泌されます。

もう1つは筋トレをすると筋肉が傷ついて筋肉痛が起こります。

筋肉痛のメカニズムは未だはっきりとは解明されてはいませんが、現在のところ筋繊維が傷つき出血して痛みを発しているという説が有力になっています。

 

そして筋トレ後に、この傷ついた筋肉を修復するために体は筋肉の主成分であるタンパク質を合成しようとします。

このタンパク質の合成のために成長ホルモンが必要です。

また、トレーニング後は筋肉が疲労しており、エネルギーを確保するために筋肉を分解しようとします。

この分解を抑制してくれるのがインスリンというホルモンです。

そしてこのインスリンの分泌のために必要なのが糖質です。

 

筋トレ直後から48時間~72時間の間が、超回復が起きているとされる時間です。

筋肉の修復のために必要な成長ホルモンは、筋トレ後や睡眠中に多く分泌され、十分にタンパク質がある場合、筋肉を修復合成し、筋肉が以前よりも強化された形で回復します。

この回復が超回復です。

 

このように超回復は筋肉が単に成長するのではなくて一度傷ついて更に強くなるプロセスです。

つまり、筋肉をより強く傷つきにくい体にするために起こる反応。

だから超回復の結果、鍛えられた体はより怪我をしにくく疲労しにくい体に変わる効果もあるのです。

『超回復』に重要な4つの要素

水を飲む女性

超回復でポイントとなるキーワードは次の4つです。

・タンパク質

・糖質

・インスリン

・成長ホルモン

それぞれを見ていきましょう。

 

筋トレをした後にプロテインを飲むという方も多いと思います。

筋トレで傷ついた筋肉の修復に、タンパク質が大切なためです。

 

筋肉はタンパク質でできているため、プロテインでタンパク質を補うことで筋肉を修復する材料を補給しています。

しかし筋肉を成長させるためにはタンパク質だけでは不十分。というのも、筋肉はタンパク質でできていてもその中には糖質が蓄えられています。

これをグリコーゲンといます。

 

筋トレをするとエネルギーを捻出するために筋肉の中に蓄えられている糖質のグリコーゲンを使います。

筋トレ後はそのグリコーゲンが筋肉の中にない状態になっているため糖質も補給しなければいけません。

つまり筋トレ後は、プロテインだけではなくて糖質も摂取する必要があります。

 

そしてこの糖質を取ることで身体の中でインスリンというホルモンが分泌されます。

インスリンは血糖値を下げるために膵臓から出るホルモンです。

人は食事をすると血糖値が上がります。その血糖値を下げるためにインスリンが分泌され、血液の中の糖や栄養を筋肉や体に取り込む働きがあります。

 

筋トレ後は筋肉が分解されやすくなっています。

筋トレ後に糖質を摂取しインスリンを分泌させることで、筋肉の分解を防ぐことができます。

 

最後のポイントは成長ホルモンです。

成長ホルモンはその名の通り成長させるホルモンですが、体の傷ついた部分を修復させる役割も持っています。

よく成長ホルモンの分泌には睡眠が重要だと言われます。

 

これは成長ホルモンを寝てる間に多く分泌させることで体の修復を促して、疲労回復や傷ついた細胞を修復されることで、肌荒れを改善するなどの効果を最大化させられるからです。

この成長ホルモンは超回復においても大きく関わっています。

 

筋トレの負荷をなるべくギリギリの重さ、限界の重さにすることによって筋肉に負荷がかかり、乳酸が溜まります。

その乳酸をためることが成長ホルモンの分泌を促進してくれます

この成長ホルモンがタンパク質を合成する役割を持っており、筋肉を修復するために必要なホルモンなのです。

『超回復』の効果を高めるために筋トレ前後にやっておくべき4つのこと

休憩する女性

超回復の効果を高める、適切なプロテインや糖質の摂取、休息の方法について順を追って説明します。

トレーニング2時間前までの炭水化物の摂取がおすすめ!

まず、トレーニング2時間前までにエネルギー源となる炭水化物を摂ることをおすすめします。

というのは空腹の状態でトレーニングをしてしまうと、エネルギーが体の中に少ないため筋肉を分解してエネルギーにしてしまう可能性があるのです。

筋肉の分解を避けるためにトレーニングの2時間前までに炭水化物、ご飯やパスタなどを摂取してエネルギーを蓄えましょう。

トレーニング後は素早くプロテインなどでタンパク質の摂取を!

プロテインを飲む女性

そして、トレーニング後はタンパク質が必要です。

効率よくタンパク質を摂取するにはプロテインがおすすめです。

特に筋トレ後は40分から遅くても1時間以内のことを俗にゴールデンタイムと呼び、タンパク質を摂取する一番いい時間とされています。

というのも、体は筋トレによって筋疲労をし、修復のためにタンパク質を必要としています。

そのため、筋トレ直後のタイミングに栄養を送り込むことで、効率よく体の中に栄養を取り込むことができます。

 

またタンパク質は、筋トレ直後だけでなくその後24時間から48時間はなるべくこまめにとることをおすすめします。

24時間から48時間は合成分解と言って、筋肉を壊すもしくは作るという作業が活発に行われている時間です。この時間で適切にタンパク質を摂取することによって筋肉の合成を促進させて筋肉の修復ともしくは筋肥大が期待できます。

トレーニング後は糖質も欠かせない!

次に糖質です。

糖質も筋トレ後に摂ることをおすすめします。糖質の種類は高 GI、つまり高糖質なものをとるとより良いでしょう。

高GI 値というのはグリセミックインデックスというもので、食べたもので血糖値がどれだけ上がるのかという値です。血糖値が素早く上がるものを高 GI、血糖値が緩やかに上がるものを低 GI と言います。

高 GI の代表的な食べ物としては白米やうどん、パンなどの炭水化物、和菓子などです。

逆に低 GI は玄米やブランなどの未精製な炭水化物や穀物後は SOYJOY などです。

そしてこの高GI食品を取ることでインスリンをすばやく分泌し、栄養を筋肉に取り込むことができます。ですから、高 GI の糖質を摂ることをおすすめします。

 

また糖質を摂取する上での注意点は、なるべく脂質の少ないものを選択することです。

私のお勧めは和菓子です。というのも和菓子の多くは低脂肪高糖質で脂質が少ないにもかかわらず糖質が豊富で効果的にトレーニング後に糖分を摂取できるからです。ちなみに私が好きでよく食べるのは、塩豆大福です。他には羊羹なども低脂肪高糖質の和菓子です。

トレーニング後は十分な睡眠をとろう!

寝る女性

最後に休み方です。

これは十分な睡眠をとることが一番大切です。人の体は寝ているときに修復が行われます。

つまり、睡眠時間が短い、もしくは質が悪いと十分に体の中で修復が行われません。翌日疲労が抜け抜けず、倦怠感などが起こる場合があります。

タンパク質の合成を促し超回復の効率を高めるためにも睡眠はとても大切です。睡眠がしっかり確保されないと筋肉は成長しないばかりか逆に弱くなってしまいます。

 

睡眠の質を上げるためには、就寝前に交感神経が優位になってしまわないように寝る前のスマホやタブレットどの見すぎでブルーライトを浴びてしまうことを避けましょう。

また夜遅くの飲酒もしくは食事によって、消化にエネルギーを送り込むために交感神経が優位になってしまうこともあります。

超回復の効率を上げるためにも、トレーニングをした日は特に早寝早起きを心がけてください。

超回復の効果を高めるためにできることから始めよう!

超回復のメカニズムとそのプロセスで必要な4つのキーワード、タンパク質・糖質・インスリン・成長ホルモンについて説明してきました。

体つくりのために行うトレーニングも、トレーニング単体ではなく規則正しい生活リズムや適切な栄養摂取があればより効果を高めることができます。

超回復を効率的に行うために、今回ご紹介したものの中でできることからぜひ取り入れてみてくださいね!

この記事を書いた人
横井 雅史
パーソナルトレーナー

MYREVOはパーソナルトレーニングジム、ヨガスタジオ、
ストレッチ、ダイエット、ランニングに関する
プロ集団が著者・監修を担当

パーソナルトレーナー

山本耕一郎

パーソナルトレーナー

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パーソナルトレーナー

YOKO

フィジーカー

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