「O脚を治したい…。」「スポーツで俊敏な動きができるようになりたい…。」
そんなお悩み、内転筋の筋トレで解決できるかもしれません!
内転筋は、内ももの筋肉群の総称です。
ここを鍛える事で、股関節を内側に引き寄せる筋力が上がりO脚解消や美脚に繋がったり、俊敏な動きに安定感が出てきたりするのです。
今回は、パーソナルトレーナーの立場から、内転筋の筋肉の解説や、内転筋の筋トレで得られる効果。
そして、具体的な内転筋のトレーニングのやり方をお伝えします。
山本 耕一郎(パーソナルトレーナー)
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アメリカンフットボール全国制覇の経験と、3か月で25kgの減量を実践した経験を活かし、数多くのクライアントのダイエットを成功させる。早稲田大学出身。 |
目次
内転筋とは開いた脚を付け根から内側に閉じる時にはたらく筋肉群のことです。
この動作を専門的には「股関節内転」と呼びます。
なので「内転筋」という名前が付いているのです。
皆さんがイメージする「内もも」の筋肉はこの「内転筋」を指しています。
内転筋を鍛えるとは、内ももを鍛えることだと思ってください。
内転筋群は、5つの筋肉からなっています。
<内転筋群を成す5つの筋肉>
それぞれの筋肉の特徴は次のようになっています。
この5つの筋肉は主に股を閉じる動き、股関節の曲げ伸ばしの際に使われます。
1つ1つの詳しい説明はこちらです。
内転筋群の最上部に位置する筋肉です。
太ももを内側にひねる動きや、膝をあげて股関節を曲げる動作の際に使われます。
長内転筋大内転筋と共同して動くインナーマッスル(体の奥に位置する筋肉のこと)です。
足を伸ばしたまま、振り子のように内側に振る動きや、膝をあげて股関節を曲げる動作の際に使われます。
長内転筋は内転筋群の前側に位置する筋肉です。
短内転筋と同様に、足を伸ばしたまま、振り子のように内側に振る動きや、膝をあげて股関節を曲げる動作の際に使われます。
大内転筋は内転筋群の中で最も大きい筋肉です。
そのため、5つの筋肉の中で最も強い力を出すことができます。脚を内側に閉じる動作など股関節の動きに全般的に関わります。
薄筋は細長い筋肉で、他の4つの筋肉と異なり二関節筋(二つの関節をまたぐ筋肉のこと)です。
他の内転筋群の筋肉と同様に、足を伸ばしたまま、振り子のように内側に振る動きや、膝をあげて股関節を曲げる動作の際に使われます。
内転筋群のトレーニング・筋トレで得られる効果はいくつかあります。
今回は、私が大事だと感じる効果の中から3つご紹介いたします。
記事の後半では具体的なトレーニング・筋トレの方法をご紹介するので、ここで内転筋を鍛えることで得たいメリットがあるかどうかどうかを見極めてみてください。
内転筋の筋トレは、O脚改善の効果が期待できます。
気をつけの姿勢をした時に、膝と膝の間が埋まらない状態のこと。原因の1つとして、股関節を内側に持ってくる動作の際に働く内転筋群が弱いことが考えられます。
内転筋群が弱い方は、O脚の改善をするために内転筋群のトレーニングがおすすめです。
具体的なO脚改善のための内転筋群のトレーニングメニューは記事の後半でご紹介します。
内転筋群は骨盤に付着している筋肉群であり、主に片足でバランスをとる際などに働きます。
そのため、内転筋群を鍛えて機能を向上させることは骨盤を安定させるのに有効です。
内転筋群をトレーニングし骨盤が安定すると、姿勢不良の改善や、腰痛の改善の効果も期待できます。
また、ダンサー、バレエをする方は内転筋を使えているかどうかでパフォーマンスが大きく変わります。こういった競技の上達の際にも、内転筋のトレーニングは有効かもしれません。
急な切り返しが必要なスポーツを行う場合は、内転筋群を適切に鍛える事でパフォーマンスの向上が期待できます。
例えばサッカーやバスケットボールでは、安定的にフェイントなどのステップを切り出せるようになると考えられます。
ステップを鋭敏に踏みたいという競技者の方にとって内転筋のトレーニングは欠かせません。
ここからは、具体的に内転筋のトレーニング方法を3つご紹介いたします。
ジムのマシンを使って取り組むメニュー、マシンを使わずに自宅でも取り組めるものを合わせてご紹介します。
また、O脚改善や美脚作りに効果的な内転筋群のストレッチも後の章でご紹介します。
股をゆっくり開いて、ゆっくり1~2秒かけて閉じていきましょう。この動作で内転筋群全体を鍛えることが出来ます。
この際に以下の2点を注意してみましょう。
15回3セットするのがおすすめです。
これらを20回3セットやってみましょう。
番外編としてオフィスで簡単にできる内転筋群のトレーニングをご紹介します。
やり方は、股にノートや手帳、スマホ、ペットボトルなどを挟んで座るだけ。
挟んだままデスクワークに取り組んでみてください。
これなら周りの人に気付かれず、こっそり内転筋の筋トレに取り組めますよ。
内転筋を鍛える方法は、筋肉をつけるだけではありません。
内転筋の柔軟性を高めることも、内転筋の動きをよくするためには重要です。
そこでここからは、O脚改善や美脚作りに効果的な内転筋群のストレッチをご紹介します。
どのストレッチもテレビを見ながらなど、ながらで簡単にできるストレッチなのでぜひ挑戦してみてくださいね。
内転筋群は骨盤の真下の位置にある筋肉です。
そのため、内転筋群の柔軟性は、骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)という、骨盤のインナーの筋肉にも影響を及ぼします。
下記の図のように骨盤の底にある筋肉。
インナーユニットと呼ばれる、体の奥にある運動の土台となる筋肉の1つで、内転筋群と同様に複数の筋肉の総称。
内転筋群の柔軟性を高めることは、骨盤の傾きを改善するのに効果があります。
骨盤の傾きは、猫背や、反り腰、腰痛などの原因になるため、内転筋群のストレッチに取り組み柔軟性を高めることで、それらの改善効果が期待できます。
1回の目安は、20回です。取り組んで見ましょう。
1回の目安は、30~60秒取り組んで見ましょう。
毎日、30~60秒を目安に取り組んで見ましょう。
1回の目安は、30~60秒取り組んで見ましょう。
ここまで内転筋の鍛え方をお伝えしてきました。
後半にストレッチをご紹介しましたが、内転筋はトレーニング・筋トレだけでなく、合わせてストレッチにも取り組むようにしましょう。
特に、筋肉は鍛えることで硬くなるという性質があります。
すでに内転筋が硬い方は、筋トレやトレーニングからではなく、ストレッチから始めてみても良いくらいだと思います。
また、トレーニングや筋トレをする際は、1つの筋肉だけでなく、全身の筋肉を満遍なく鍛えなければいけません。特段の理由がない限り、全身を鍛えていきましょう。
内転筋が弱く、O脚に悩んでいる方へ。
「内転筋を鍛える=O脚が必ず治る」ではなく、「O脚である=内転筋のトレーニングの必要性が考えられる」と捉えていただくと良いと思います。
今回は、O脚の改善などに有効な内転筋群のトレーニングについてご説明をさせていただきました。
しかし、体に現れる現象はしっかりと見ないとわからない場合が多いです。
あくまで自分の状況と照らし合わせながらトレーニングに取り組んでみてください。
もちろん内転筋のトレーニングやストレッチはO脚改善の最も有効な手段のひとつです。出来れば怪我をしないように、専門家に聞きながら内転筋のトレーニングに取り組んでみてくださいね。