腹筋運動で痛みを生じる場合、痛みが最も出やすい箇所が腰になります。
腹筋をしていたら腰を痛めてしまった…そういった方へ向けて、腹筋で腰に痛みが出る理由と、痛みを生じづらい腹筋のフォームをご紹介します。
目次
腹筋で腰が痛くなる理由は大きく分けて2つあります。
1つ目は、腹筋の動作(腰を丸める動作)自体に腰が耐えられないケース。
2つ目は、腹筋の際に腰が反れてしまって痛みが出ているケースです。
1つ目のケースは、腰を動かさずにお腹を鍛える種目(プランク、マウンテンクライム、シザーズなど)から始めて、徐々に腰を動かすトレーニングに移行することで改善される場合が多いです。ただどうしても痛い場合は、病院で原因を探すことをお勧めします。
二つ目のケースは次の3つの対処法が効果的です。
これら3つの方法により、痛みが出ないようにできます。ここからは、この3つの対処法で痛みを予防・改善する方法を詳しくご紹介します。
床での腹筋運動をする際には大事なポイントがあります。それは腰を地面に押し付けながら実施するということです。
このポイントを押さえずに間違ったフォームで腹筋を行い、腰が反れて腰を痛める方がとても多いのです。このようなケースがもっとも起こりやすい代表的な種目が、レッグレイズです。
レッグレイズは、お腹の下を引き締めるのに効果的な腹筋運動で、次の手順で行います。
この種目で足を下げる際に腰が反ってしまい、腰に痛みを感じてしまう方がとても多いです。そこで、この種目を痛みを出さずにするテクニック、代わりの種目をご案内いたします。
ここで私のお客様の例をお話しします。ジムに長年通っているけど、レッグレイズは腰の痛みを我慢しながらやっていらっしゃったというお客様です。こちらのお客様は、腰が痛くなる原因は腰が弱いから、とお考えでした。そこで腰を反らして体を動かすレッグレイズをして、改善をはかっていたとのことでした。しかし、痛みが生じている腰は被害者であり、腰を痛くしている犯人は別にいるのです。被害者をいくら叩いても=鍛えても、根本的な原因を解決していることにはなりません。
原因を特定するために、レッグレイズのフォームを見てみると、案の定、足を下げる際に思い切り腰を反らして行なっていました。そのせいで痛みが発生していたのです。こちらの方の場合、腰痛を起こしている真犯人は、間違ったレッグレイズのフォームにあったのです。
間違ったレッグレイズのフォームを見直すために、まずは正しい腹筋のフォームの確認を行いました。
正しい腹筋のフォームができているかを確認するためには、仰向けになり、万歳をした状態で、呼吸をします。このとき床と腰の間に隙間ができるため、隙間を埋めるように、腰を床に押し付けます。そして、息を吐くタイミングで床と腰の隙間を埋めたまま体を起こします。この運動を10から15回、2セット最初に実施していただきます。
このように、腹筋を使い腰を地面に押し付けることで、腰を反らせないようにする意識を養っていただいたのです。
腹筋で痛みが出る場合は、ここで紹介した正しい腹筋のフォームができているかどうかを見直しましょう。腹筋の際に、腰と床に隙間がてきている場合は痛みが生じてしまう可能性が高いのでフォームの改善の必要があります。
腹筋のフォームを見直した上で、レッグレイズに挑戦です。
ここでのやり方は、簡単な方法で足をゆっくりと下ろしていただくだけです。レッグレイズをされる方の多くが、足を下げる時は早いスピードで下げ、上げる時は勢いを付けて足を上げています。こうしてしまうと、足を下げる時に腰が思いっきり反れ、腰に負担がかかってしまいます。
ですので、足を下げる時に、お腹の下の伸びを感じながら、ゆっくりと下げていただきます。そして腰が反れる直前に足をストップさせて、足ではなくお尻を上げるイメージで、元の姿勢に戻っていただきます。こうすることで腰の痛みを発生させず効率よくお腹の下を鍛えることができるのです。こちらのお客様はすっきりとした美しい腹筋が手に入っただけでなく、腰痛も改善されました。
お客様の痛みを改善した方法をまとめます。
<お客様へ行った方法のまとめ>
たったこれだけで、痛みを発生させずに、引き締まった下腹を作り上げることができます。
下腹部の腹筋を鍛えたいけれど腰の痛みが出てしまう方、または、腰の痛みが出づらい腹筋の方法を知りたい方へ向けて、レッグレイズ の代替種目をご案内します。
レッグレイズの足を曲げたバージョンの種目だと考えてください。
<リバースクランチのやり方>
この種目を10〜15回、2〜3セットやっていただくとお腹の下が引き締まります。ベンチの上で手をベンチに引っ掛けてやることでより実施しやすくなりますよ。
シザーズは腰を動かさずに下腹部を鍛えることができる種目です。
腰を動かす時点で腰が痛くなってしまうという方にもオススメです。
<シザーズのやり方>
初心者の方はまず30秒を動かし続けてみてください。それを2〜3セット実施しましょう。
慣れてきた方は、1〜2分ほどに時間を伸ばしてやってみましょう。
腹筋による腰の痛みは腰を反らすことからきていました。そこで、腰を反らす原因である筋肉を緩めるストレッチの方法をご紹介します。
反り腰を引き起こす原因となるメインの筋肉は前腿、股関節、外腿です。これらの筋肉を、ストレッチやポールを使ってのマッサージでほぐすことで、反りにくい腰を手に入れることができます。腹筋による腰の痛みを抱えた方だけでなく、こちらは反り腰やぽっこりお腹に悩む方にも大変有効なアプローチです。ストレッチやマッサージで、筋肉を緩め、綺麗なスタイル、腰痛に悩まない体を手に入れましょう!
痛みにより、今まで我慢、もしくは諦めてしまっていた腹筋のトレーニング。今回ご紹介した通り、少しの工夫を取り入れたり、代わりの種目をすることによって改善が期待できます。
痛みの原因を突き止め、痛みのない生活を送ってくださいね。