3.5カ月のランニングで10キロ減量に成功したサラリーマンの話

易 成
当サイトの監修・執筆者

この記事の位置づけ

この記事ではごく一般的なサラリーマンの私が、3.5カ月のランニングで実際に10キロのダイエットに成功した実体験をご紹介します。

ランニングのダイエット効果は専門医師が認めていますし、ランニングダイエットの成功体験もインターネット上で数多く出回っています。しかし、多くの記事ではデータが乏しくランニングのダイエット効果が不確かであったり、タイムを目指すマラソンランナー向けに書かれているためにランニング初心者では真似できないといった問題点があります。そこで本記事では理系大学院卒の私が、定量的な検討を加えながら、ランニング初心者にも分かり安いノウハウをご紹介したいと思います。

後述する数字を見ると、真似するのが難しいと感じる点もあるかもしれません。しかし、人一倍面倒くさがりの私でも無理なく楽しみながらできたので、この記事がこれからランニングを始める方やダイエット中の方のお役に立てると幸いです。

自己紹介

体重計に乗る女性の足元

まずは、私がランニングを始めたきっかけをご理解頂くために、簡単な自己紹介をさせて下さい。

学生時代にランニングを始める

私は大学院1年生だった2014年夏、Myrevoランニングライターの倉本さんと翌年春に開催される横浜マラソンでフルマラソンを4時間以内に走るためにランニングを始めました。

今年でランニング歴5年目になります。

いきなりフルマラソンかよと思われるかもしれませんが、就職活動でする話のネタ作りのためでした。

当時の私は修論研究しかしていなかったため、学生時代に打ち込んだことのエピソードでフルマラソンの話をすることで、他の就活生との差別化を図ろうとしたのです。

 

結果、8か月間の練習の末に3時間55分で目標を達成した話を面接でしたところ、大うけし第一志望の企業から内定を勝ち取ることが出来ました。

詳細は本筋と逸れるため割愛させて頂きますが、約50km/月走っていました。なお、この時の体重は約62kgで、ランニングで体重が大きく増減することはなかったです。

社会人になって2年間で10キロ増量

社会人あるあるですが、私は2016年度に就社してから運動不足と暴飲暴食により2年間で10キロ増量しました。

その間もランニングは続けていましたが、営業部署特有の飲み会と外食ランチの多さのためにピーク時の体重は72kgになっていました。

 

太ったことで一番嫌だったことは周りからのコメントでした。

同期からは「アゴなくなったね」とか「お腹出てきたね」と弄られ、妻からは「いびきが煩くて眠れない」と苦情を言われました。

太ると喉に脂肪がつくため、気道が圧迫されて鼾をかくそうです。

太ると喉に脂肪がつきやすくなりいびきをかく

今年度に入り、周りの人達を見返そうと思い、10月末に出場する2度目の横浜マラソンの練習も兼ねて本格的にランニングを再開しました。

ランニングのダイエット効果

男性の足元

ここでは実測データを眺めながら、ランニングで私の体重がどのように変わっていったかについて考察します。

①累積ランニング距離と体重の関係

累積ランニング距離と体重の関係

図1. 累積ランニング距離と体重の関係

※2018年6/1~2018年9/15の測定データです

※体重はランニング直後に測定しました

※ランニング累積距離はスマホアプリ「Runtastic」で測定しました

1から、走行距離が延びるにつれ確実に体重が減っていくのが分かります。

減り方はランニング初期が顕著で、5kg減量するまでに3週間かかり、約120km走っています。

その後ペースは落ちるものの、リバウンドすることなく減り続け、10kg減量するまでに3カ月半かかり、約820km走っています。

まとめのテキスト

ここで数字の妥当性を確かめるために単純なカロリー計算をしてみます。

体脂肪を1kg落とすには、7,200kcal消費する必要があるといわれています。

ランニングによるカロリー消費量は体重×距離で計算できます。私の体重は変動しているため、便宜のためダイエット前後の平均を取って64kgとしましょう。

そうすると、ランニングによる体脂肪削減量は以下の式で計算できます。

 

体脂肪削減量(kg)60kg×819km÷7,200kcal/kg7.3kg

 

実際には、後述する食事制限の効果もあるので、この数字は妥当な値だと思います。

 

なお、参考までに図2に月間走行距離を載せます。

6月から月間200km以上(113km15日~20日走る)を継続して走っているのが分かります。

 

正直、フルマラソン経験者でもこの頻度で走るのは難しいです。

参考までに、日本最大級のランニングポータルサイト「ランネット」を運営する㈱アールビーズ社の調べによると、フルマラソン完走者の上位3%に当たる、サブ33時間切り)達成者の練習量がこれ位だそうです。

 

以上から、ランニングで痩せるのは簡単なことではありませんが、根気強く頑張れば確実に痩せられます。

健康的にダイエットをしたい方は是非チャレンジして見て下さい。

 

また、先述したデータはあくまで【私の場合】ですので、無理のない範囲でランニングを楽しみながらやって見て下さい。

1週間に3日~4日、時速8km7.5/km)のペースで30分~40分走ればダイエット効果が出ると言っている専門医師もいるようです。

このペースでも最低月間48km稼げるので、ランニング初心者の方はこのペースを目指してみて下さい。

まとめのテキスト

ランニング統計

図2.月間走行距離

②ランニング累積距離とペースの関係

ランニング累積距離とペースの関係

図3.ランニング累積距離とのペースの比較

図2では参考までに、ランニングペースの変動を示しました。

走る日の天候や体調によって偏りはありますが、初め1km走るのに6分かかっていたのが4分前半までペースを早めることが出来ました。

ランナーの間では良くペースを表現する時にキロ〇分という言い方をよくします。

 

因みに、最後のプロットではキロ417秒(約時速14km)で14.3km走っており、仮に同じペースで3倍の距離を走った場合、フルマラソンを3時間0分台で走る計算となります。

どうやって月間200km以上ものランニングを続けることが出来たのか

走る人

ここでは私がどうやって月間200km以上ものランニングを続けることが出来たのかについてポイントをかいつまんで紹介します。

勤務地からの帰宅ランによる習慣化

ランニングルート

図4.帰宅ランのルート

ポイントは【習慣化】です。皆さんは普段習慣的にやっていることはありますか?

 

例えば、「1日2回歯を磨く」は習慣です。恐らく、殆どの方は毎日朝と晩に歯を磨いていると思います。

私は、「平日に職場から家までの13kmをランニングして帰る」ことを習慣化しました。つまり、私にとって「13kmのランニング」は「歯磨き」と同じ概念なのです。

まとめテキスト

もう少し詳しく説明しましょう。

私は今年6月から、職場から家に帰る方法を「電車」から「ランニング」に替えました。

 

それまでもランニングを4年間続けていたのですが、10km以上の距離を3日連続で走ったことはありませんでした。

これは図2からも分かります。6月以前の私にとって、ランニングは「トレーニング」だったため、気分が乗らないときは後回しにしがちでした。

しかし、6月からは「帰宅」ですので、残業で疲れていようが飲み会で遅くなろうが、家に帰らなければなりません。図4は実際の帰宅ランのルートです。

ちゃんと13kmあります。(笑)

 

帰宅ランといっても、着替えとかどうするのかと気になる方もいらっしゃると思うので、少し説明を加えます。

私の場合、朝はスーツで出勤し、終業後に会社のロッカーでランニングの格好に着替えてから帰りました。スーツと革靴はリュックサックに詰め込んで背負って帰りました。

ただし、これをやるには会社にロッカー環境があることと、周りの人がランニングの格好で退社するのを許容してくれることが前提となります。

もし、このような環境が無いようであれば、会社の近くのランニングステーション(以下、ランステ)を活用することをお勧めします。

 

東京であれば、会社の本社があるような駅の近くには大概ランステがあります。

ランステには、ロッカーとシャワーが完備されており、月数千円払うだけでロッカーとシャワーを借りることが出来ます。

オンとオフをはっけり分ける

平日と休日のスケジュール概要

図5.平日と休日のスケジュール概要

図5に私の大体のスケジュールを示しました。

仕事の終わりは残業時間に左右されますが、遅くても8時前には仕事を終えて1時間のランニングをして、9時前には家に着いています。また、休日は出勤する必要がないため、基本的にランニングは行っていません。

このように平日は走り休日は休むという具合に、オンとオフをはっきり分けることもランニングを続ける上では大事なことです。

ランニングの食欲抑制効果

ランニングだけで本当に10kgも痩せられるのかと怪訝に思われる方もいらっしゃると思いますので、ここで少し「食事制限」についてお話しします。

「食事制限」と書きましたが、私は意識して「食事制限」を行った訳ではありません。

 

夕食をとる時間の前にランニングを行ったことで、食欲が抑制された結果、食べる量が減ったということです。

 

これは私が特異体質という訳ではなく、科学的にもランニングがグレニンという食欲刺激ホルモンの分泌を抑えることが分かっているらしいです。

私は5日間、ランニング後に全く夕食をとらなかったこともありました。

ただし、走る前は必ずバナナ1本を牛乳と一緒に食べていました。色々試しましたが、この組み合わせが一番空腹感を抑えられたので、是非試してみて下さい。

まとめのテキスト

ランニングが食欲を抑制するとはいえ、夜に全く食べないのは我慢が必要です。

我慢が出来なくなった時、食べ過ぎによるリバウンドのリスクがあります。そうならないように、ここでも私はオンとオフを活用しました。

平日夜食べない代わりに、土日は思う存分食べました。

また、平日昼はこれまでよりもおかずを2品増やして、しっかり食べました。

お昼は社食でとっていますが、人一倍食べているのに日に日に痩せて行く私を、同僚達は怪訝そうに見ていました。(笑)

まとめのテキスト

ダイエット以外のランニングの効果

3人の女性

ランニングには様々な効果があると言われていますが、ここでは私が実際にダイエット以外でメリットだと感じた効果を表にまとめました。

健康面、人間関係面、金銭面で分けました。私にしか当てはまらない部分もあると思いますが、参考にしてみて下さい。

健康面、人間関係面、金銭面の効果

まとめ

私の体験談からランニングダイエットの定量的な分析とそのやり方、ダイエット以外のランニングの効果について述べてきました。

ダイエットには個人差がありますし、ランニングの効果に対する見方は人それぞれだと思いますので、参考程度にお読み頂けると幸いです。

 

私がこの記事を通して一番伝えたいことは、【ランニングは素晴らしい】ということです。私はランニングを通して、人生が大きく好転したと思っております。この記事を通して、少しでも多くの人にランニングの魅力を伝え、ランニングを始めるきっかけになれば嬉しいです。

 

また、ランニングに限らずですが、何事も継続することが大切です。

継続することはしんどいことですが、やり方や考え方を工夫して【習慣化】と【オンとオフの区別】をすることで、一見大変なことでも続けることが出来ます。

継続して頑張れば必ずいいことがおきますので、自分を信じて頑張ってみて下さい。

 

以上、長文になりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。

皆様の今後の発展と益々のご活躍を心より祈っております。

この記事を書いた人
易 成
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