最近よく聞く「腹筋女子」というワード。一度は耳にした事があるのではないでしょうか。
引き締まった腹筋・くびれは、健康的でありセクシーな女性らしい印象を与えてくれます。
「水着やタイトなニットを綺麗に着こなしたい!」と憧れている女子も多いですよね。
しかし現実は、他の部分が痩せていても下腹部がぽっこりと出てしまっている…なんて悩みがあったりと、下腹部は女性にとって非常にデリケートで脂肪がつきやすい部分でもあります。
そこでこの記事では、ぽっこりお腹になってしまう理由や、お腹痩せのための腹筋の鍛え方をご紹介します。
パーソナルトレーナー斎藤 裕香
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元ライザップのトレーナーであり、現在は表参道 plat-gym所属のパーソナルトレーナー。自身の経験を元に、男女問わずしっかり食べて生涯リバウンドしない、健康的な体をサポートしている。 |
目次
ぽっこりお腹が気になる…という方、これにはお腹の筋肉である腹筋が大きく関わっていることを知っていますか?
なぜ腹筋がぽっこりお腹に関係しているのでしょうか。腹筋と体の関係を見てみましょう!
腹筋は、内臓を正しい位置に固定する働きがあります。
お腹の周りには骨などの硬く固定されたものがないため、筋肉がその役割を果たします。
運動不足などで腹筋が緩んでしまうと、内臓を周りからホールドし、支える事が出来ず、お腹が前に出てきてしまうのです。
なかなか腹部が引き締らず、ぽっこりお腹になっている人の原因の一つが、便秘である可能性です。
実は便秘と腹筋は大きな関わりを持っています。
腹筋は腸に溜まった便を運んだり、押し出したりする働きを持っています。しかし腹筋が緩んでしまいこの働きが低下してしまうと、便が腸に溜まってぽっこりお腹を引き起こすのです。
「腹筋」とは大まかに腹直筋、腹斜筋(内・外)、腹横筋という3つの筋肉から構成されています。
これらの筋肉はそれぞれ腹部での役割や、筋肉のつき方が異なっているため、鍛え方もそれぞれです。
あなたの望む体型に近づくためにはどの筋肉にアプローチすれば効率的なのかを考えながらトレーニングをするのがオススメです。
ここではまず、それぞれの筋肉の種類と役割をご紹介します。
お腹の前側にある筋肉で、みぞおち部分から下腹部まで縦に伸びている筋肉です。
腹筋が割れると見えてくる「シックスパッド」と言われる部分です。
腹斜筋は、外腹斜筋と内腹斜筋に分かれます。
外腹斜筋は腹部の全体を覆う表層筋に対して、内腹斜筋は深層に位置するインナーマッスルです。
これらは脇周辺から内側に伸びており、コルセットのようになっています。普段あまり使わない筋肉のため、脂肪がつきやすい部分でもあります。
脇腹の内層にある薄い筋肉で、深部に位置しています。
腹横筋はお腹を覆うベルトのように巻きついている筋肉で、くびれにかなり影響してきます。
また、臓器などの内部にも影響を与えており、この筋肉が緩んでくるとぽっこりとしたお腹になりやすい部分です。
腹筋を鍛える事で筋肉が引き締まり、痩せて見えるのはもちろんのこと、そのほかにも様々な効果を期待する事ができます。
具体的にどのような効果があるのか説明していきます、
お腹の周りの筋肉を鍛える事で余分な脂肪が落とされる上、コルセットのようにお腹を締めてくれるのでくびれが出来ます。
鍛える筋肉の部位によって腹部の見え方は異なってくるので、「くびれ重視」の場合はお腹の側面にある筋肉を鍛えるようにしましょう。
腹部の筋肉を鍛えることで、腸が正しい位置に固定され働きが良くなったり、腸に溜まった便を押し出す事が出来るようになります。
便秘が解消されると、体のむくみが解消されたり、肌が綺麗になるといった効果も期待出来るので、良い事ばかりですね!
正しい姿勢でトレーニングを行う事で、インナーマッスルが鍛えられ体の軸が安定していきます。
体の軸が安定すると、体全体を使った姿勢が身につきます。
自然と正しい姿勢が身につく事で、日常生活での腰への負担が軽減され腰痛改善につながります。
また腰痛は、筋肉が凝り固まっており血行が悪い時に起こる事があります。
トレーニング中にきちんと筋肉を動かす事で固まった筋肉がほぐれ、血液の循環が良くなり腰痛改善につながります。
腹部にあるインナーマッスルを鍛えると、体の軸が安定し疲れにくくなります。
また、インナーマッスルを鍛える事で、内臓が正しい位置に戻り内臓機能が向上します。
これにより、血液の流れが促進されたり、リンパの流れが良くなり基礎代謝がアップされます。
基礎代謝が向上する事で、少しの運動でも痩せ易く疲れにくい体に変化していきます。
私たちが必ず行なっている呼吸。
呼吸をしながら効率的に腹筋を使うことで、腹圧が高まり、筋肉の運動につながります。
呼吸をするだけで痩せられる方法があるのなら実践してみるしか手はないですよね!
ではどのようなことを意識すれば良いのでしょうか。ここではその方法をお伝えします。
インナーマッスルを鍛えるために行う「ドローイン」という呼吸法を紹介します。
これを繰り返し行い、体の軸にあるインナーマッスルを鍛えることができます。
呼吸は、何も道具は必要ありません。
簡単に誰でもどこでもできるので、この記事を読みながらでもスタートさせてみてください。
通勤電車の時間だけでも構いません。習慣化するよう長く継続してみてください。
気付いた時にはズボンのウエストが少し緩くなっているのを実感できるはずですよ!
実際にどのようなトレーニングを行う事が、腹筋を鍛えるのに効果的なのでしょうか。
ここでは自宅で挑戦できる簡単かつ効果的なトレーニングを3つ紹介します。
下腹部を引き締め、ぽっこりお腹を凹ませる効果があります。
※腰が反らないようにしましょう。
※骨盤が地面あたって痛い場合はタオルなどの上で行いましょう。
腹斜筋を引き締めて、美しいくびれを作ります。
※呼吸を意識しながらゆっくりと行います。
腹部の正面についた腹筋を鍛えます。
※腰が反らないように気をつけてください。
トレーニングを始めるにあたり、どのくらいの回数を、どれだけの期間続ければ効果が出るのか、非常に気になりますよね。
ここではおすすめの回数と期間をご紹介します。
普段からあまり運動習慣のない人は、毎日10回3セット程度から始めてみましょう。
重要なことは回数よりも一回の質になります。間違ったフォームでのトレーニングでは、いくら回数をこなしても、満足な効果を得る事ができません。
また、間違ったフォームでは体を痛めてしまう事もありますので、鏡などでチェックしながらトレーニングを行うようにしてください。
また、継続して行う事で体が慣れてきますので、徐々に回数を増やしていくと良いでしょう。
元々の体型などによっても個人差はあります。
何かしらの効果が感じられるようになるまでには「約2週間」トレーニングを継続してみましょう。
「2週間」きちんとトレーニングを継続する事で体の変化を感じ始める人が多いようですよ。
また、本格的な効果を感じ始めるには、「3ヶ月間」は継続してトレーニングを行いましょう。
腹筋にうっすら線が出てきたり、くびれを作るためには、数日の努力ではいけません。きちんと自分と向き合い、「3ヶ月」トレーニングを続けてみてくださいね。
テレビの通販番組や雑誌の広告で、腹筋痩せをアシストする器具を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
設備の整ったジムに通い、マシンを使いながらトレーニングできる環境ならば良いですが、自宅で一人トレーニングをする際に気軽に使えて効率的にダイエット
をアシストしてくれる道具があったら理想的ですよね。気軽に使えるトレーニングの道具や、テレビなどで紹介されている器具はダイエットに向いているのかをご紹介していきます。
腹筋ローラーとは、小さな車輪を中心に取っ手がついており、その車輪を転がして使います。
コンパクトで、自宅でも気軽に使えます。腹筋を鍛える際や引き締める際に非常に効果的な器具です。
なお、腹筋ローラーができない人は腰を痛める可能性があるため、往復はさせずに、伸ばした状態でそのまま倒れて使うのでOKです!
腹筋ベルトは、腹部にベルトのように巻き付けたり、腹筋に直接貼って電気刺激を与えてくれる器具です。
腹部に装着し電源を入れるだけで、勝手に腹筋が刺激されて筋トレができるというものになっており、EMS(Electrical Muscle Stimulation)と言われています。
「このベルトを装着するだけで痩せるのか」というと、なかなかそうはいかないようです。
筋肉を鍛える目的で作られている器具になるので、筋肉を大きくする効果は得られるかもしれませんが、脂肪を燃焼し痩せるというような効果を得るのは難しいようです。
痩せる効果を高めるために、しっかりと運動をしながら使いましょう!
ダイエットを行う際に、必ずと言って良い程注意しなければならない食事です。
当たり前ですが、カロリーの過剰摂取はダイエットの努力を台無しにしてしまいます。
しかし、自分の食事の何に注意すべきかわらなかったり、普通の量しか摂取していないのに全然効果が現れなかったりなど悩んでいることはありませんか?
実は食事と言っても注意するポイントは量・カロリーだけではありません!
積極的に摂取すべきもの・過剰摂取に注意した方がいいものがあります。そして食べる順番にもダイエットへの近道があるのです。
ぜひこの章でご自分の食事方法がダイエットに適しているのかチェックしてみてくださいね。
炭水化物は血糖値を上昇させます。
この血糖値を下げようとして体内からインスリンという糖を脂肪に変える働きがあるホルモンが分泌されます。
余分な脂肪を作らないためにも炭水化物の摂りすぎには注意しましょう。
タンパク質は筋肉を作る材料になるため非常に重要です。
プロテインなどを活用しトレーニング後は意識して摂取しましょう。
また、水分は基礎代謝を上げ、脂肪の燃焼を助けてくれます。喉の渇きを感じていなくてもこまめに飲むようしましょう。
日本農芸化学会で発表された論文によると、食事の際、炭水化物ではなく、野菜から食べるように心がけましょう。
食べる順序に気をつけることで、血糖値の上昇が抑えられ、肥満の発症リスクを下げることができると言われています。(※1)
血糖値とは血液中のブドウ糖の量をさし、炭水化物を摂取した際に量が増えます。
このブドウ糖は、すい臓から分泌されるインスリンと結合することで、肝臓や筋肉へ蓄積されるグリコーゲンへという物質に変換されます。
しかしこの時、肝臓や筋肉に蓄えられる量は一定量と決まっており、余ってしまったグリコーゲンは体脂肪へと変換されてしまいます。
つまり、血糖値が上昇すると、肝臓や筋肉に貯めておけない程のグリコーゲンを作ってしまい、それが体脂肪になってしまうのです。
体脂肪が増えることで、お腹周りはたるみ、太ったように見えてしまいます。
野菜に含まれる水溶性食物繊維が、糖質の消化吸収を遅らせ、食後の血糖上昇を抑制します。(※1)
また徳島文理大学の研究によると、タンパク質や脂質を炭水化物の前に摂取することによって、血糖値の上昇が抑制されると報告されています。(※2)
これらのことから、次の順番で食事を摂ると良いでしょう。
この順番で食べ進めることで、血糖値の上昇を抑える事ができ、余計な体脂肪を作り出さずに済むのです。
覚える際は、「イタリアンやフレンチのコースで食べる順番!」と思えば覚えやすいかもしれませんね!
「風邪をひいて咳を繰り返していたら、腹筋の筋肉痛になった。」なんて人がいるかもしれません。
咳は体の中の遺物を外に出すための動きで、腹式呼吸をすることになります。そのため、腹部の筋肉を使うことになるのです。
一回の咳で消費するカロリーは2キロカロリーといわれています。
何度も咳を繰り返すことで確実にカロリー消費ができるのは間違えありません。
しかしダイエットとしてはワザと咳をするのはやめましょう。風邪をひいてしまった際などに、苦しいけれど今カロリー消費できている!と少しポジティブに考える程度が良いですね。
いかがでしたか?女性にとって非常に脂肪がつきやすい下腹部ですが、自宅でも簡単にトレーニングができるのはとても嬉しいですね。
特別なマシンがなくても、あなたのやる気さえあれば、テレビを見ながらでも始められるので、ぜひ試してみてくださいね!