筋トレで効率よく筋肉を鍛えるためには、鍛える部位とその順番が大切です。この記事では、筋トレの正しい順番やその理由についてご紹介していきます。
ヨガや有酸素運動など、他の運動と筋トレを組み合わせる場合のおすすめの順番もまとめたので、ぜひ参考にして下さい!
目次
鍛える部位の順番を決めるときに注目すべきなのは、「筋肉の大きさ」です。
筋トレの成果を高めるためには、まず大きい筋肉を鍛え、後に小さい筋肉を鍛える種目を行いましょう。
なぜ大きい筋肉から鍛えると良いのか、その理由を説明していきます。
先に大きい筋肉を鍛える種目を行う理由は主に2つあります。
これらの理由から、大きい筋肉を先に鍛えた方が良いというわけです。
具体的に大きい筋肉とは、下記の部位の筋肉などが挙げられます。
全身を鍛える場合は、まず下半身のトレーニングを行いましょう。
下半身の筋肉は全体の70%を占めると言われ、大きな筋肉も下半身に集中しています。
次に上半身ですが、胸、背中、肩などの部位の順番はそれほど気にする必要はありませんが、ほとんどの種目で補助的に使う腹筋や前腕は必ず最後に鍛えるようにしましょう。
ただ、筋肉を効率よく鍛えるには、全身を一度に鍛えるより、分けて鍛える分割法の方がおすすめです。
一日に鍛える部位を限定してトレーニングし、何日かに分けて全身を鍛える方法。それぞれの部位の種目やセット数を増やすことが出来る。
それでは、部位ごとに鍛える場合にはどういった順番でトレーニングを行えばよいのか、解説していきます。
分割法で部位ごとにトレーニングする場合も、全身を鍛えるときと同じです。
その部位のなかで大きい筋肉から鍛えていくのが基本です。
ここからは、それぞれの部位で具体的にどの順番で鍛えていけば良いかご紹介します。
腕を構成する筋肉は大きく分けると3つで、大きい順に並べると下記のようになります。
これらの筋肉を鍛えるには、肘関節を動かすトレーニングが有効です。順番は、大きい上腕を先に鍛え、最後に前腕の種目を行うのが基本となります。
腕の筋トレでは、まず上腕三頭筋と上腕二頭筋から鍛えていきましょう。
この2つの筋肉は、片方の筋肉を使っているとき、もう片方の筋肉は使われづらいので、どちらを先に鍛えても大丈夫です。
ただし、1つの筋肉に複数の種目を行う場合は、より重い重量を扱うことのできるナローベンチプレスや、逆手懸垂といった種目を最初に行うことをおすすめします。
前腕が疲れると、上腕のトレーニングに支障が出てしまうので、前腕は必ず最後に鍛えるようにしましょう。
前腕の種目は、特に順番を意識せずに行って問題ありませんが、注意点として、前腕のトレーニングはやり過ぎないようにしましょう。
前腕は腕のトレーニング以外でも補助で使いますので、翌日以降の別部位のトレーニングにも影響が出てしまいます。
胸のトレーニングでは、基本的に大胸筋だけを意識すればOKです。
小胸筋などの小さい筋肉もありますが、大胸筋を鍛えるときに一緒に鍛えられますし、逆にそういった小さい筋肉のみを狙って鍛えるのは難しいです。
なので、胸のトレーニングではどの順番でどういう種目を行うのがおすすめかをご紹介します。
大胸筋を鍛えるときは、まずコンパウンド種目で大胸筋全体に強い負荷をかけましょう。
複数の関節を同時に動かし、多くの筋肉を動員して行うトレーニング。重い重量を扱うことができ、代表的な胸の種目はベンチプレス。
これらのコンパウンド種目では、胸以外にも肩や腕の筋肉も使われます。
そのため、手幅を広くしたり、肩を前に出さないように意識して、しっかり大胸筋に負荷がかかるようにしましょう。
コンパウンド種目で重い重量でトレーニングした後は、アイソレーション種目で大胸筋のみを狙って追い込むのがおすすめです。
1つの関節のみを動かして行うトレーニング種目。特定の部位を狙って鍛えることができ、胸の種目ではフライ系がこれにあたる。
また、大胸筋は上部、中部、下部に分かれているので、先に大胸筋全体を使う種目を行い、その後にインクライン系やデクライン系の種目で上部や下部を個別に狙うのもおすすめです。
背中の筋肉は大きく分けると、広背筋、僧帽筋、脊柱起立筋の3つになります。
背中の場合も、まず背中全体を使う高負荷のトレーニングを行い、それから、これら3つの筋肉をそれぞれ鍛える種目をやると良いでしょう。
まずは背中全体を鍛えることのできるコンパウンド種目を行いましょう。
デッドリフトは非常に負荷の高いトレーニングなので、最初にやるようにしましょう。
また、適切なフォームで行わないと腰に負荷がかかってしまうので、まずは軽い重量で練習することをおすすめします。
懸垂とベントオーバーローイングは、どちらを先にやっても大丈夫ですが、広背筋をより鍛えたい場合は懸垂を先に、僧帽筋をメインで鍛えたい場合はベントオーバーローイングを先に行うのがおすすめです。
背中全体を高負荷で鍛えた後は、それぞれの筋肉を個別に鍛えられる種目で追い込みましょう。
優先順位は特に無いので、どの部位から鍛えても構いません。
脊柱起立筋は姿勢を保つ役割があり、他のトレーニングでも補助的に使われるため、オーバーワークに気を付けましょう。
特に、デッドリフトを行った場合は脊柱起立筋の種目はやらなくても良いくらいです。
下半身には大きい筋肉が多く、主要な筋肉だけでも6つあり、大きい順に並べると下記のようになります。
下半身の筋肉でも、特に大きい太ももとお尻の筋肉を先に鍛えていきましょう。
下半身のトレーニングでは、最初に下半身全体を鍛えられる種目や、太もも、お尻のトレーニングを行いましょう。
スクワットやレッグプレスなど下半身全体を鍛えられる負荷の高い種目を最初にもってきたいです。
この中では、ヒップスラストやワイドクスワットはコンパウンド種目で負荷が高いので、なるべく先に行いましょう。
下半身の中では比較的小さい下腿三頭筋や腸腰筋を鍛える種目は最後のほうに入れていきましょう。
どちらも鍛える場合は、大きい下腿三頭筋を先に、小さい腸腰筋を後に鍛えていきましょう。
ふくらはぎは第二の心臓と言われており、血流に影響を与えるので、積極的に鍛えましょう。
腸腰筋は脚のトレーニングだけでなく、腹筋を鍛えるときにも一緒に鍛えられるので、下半身のトレーニングではなく、腹筋のトレーニングのときに行うのもおすすめです。
ここからは、筋トレとそれ以外の運動をする場合にどんな順番で行うと良いか解説していきます。
まずはストレッチと筋トレの順番についてですが、ストレッチには動的ストレッチと静的ストレッチの2種類あり、これらを使い分けるのが大事になってきます。
ラジオ体操が有名で、体を動かしながら行うストレッチ。
筋トレの前に行うことで、体が温まり、関節の可動域も広くなるので筋トレの効果を高めることが出来る。
いわゆる普通のストレッチで、静止した状態でゆっくりと伸ばすストレッチ。
筋トレ後に疲れた筋肉を静的ストレッチでほぐして、筋肉が硬くなるのを防ぐことができ、疲労軽減も期待できる。
上記のように、動的ストレッチ→筋トレ→静的ストレッチの順番で行うのがおすすめです。
続いては筋トレと水泳を行う場合の順番です。
これはどういった目的で行うかによって変わってきます。
この場合は先に筋トレをしましょう。
先に水泳をしてしまうと、疲れてしまい筋トレのパフォーマンスが落ちてしまいます。
水泳は基本的に有酸素運動なので、筋トレ後に行った方がダイエット効果も高いです。
水泳の上達や、タイム短縮のために筋力を高める目的でトレーニングする場合は先に水泳の練習をしましょう。
この場合は、筋トレで力を使い切ってしまうと、水泳の練習で思うように体が動かなくなってしまうためです。
筋トレと水泳、メインとなる方を先に行うと良い、ということになります。
次は有酸素運動と筋トレを行う場合です。
筋トレと有酸素運動を組み合わせる場合はダイエット目的であることが多いと思います。
ですので、基本的に筋トレ→有酸素運動の順で行うのがおすすめです。
前章でも軽く触れましたが、筋トレをやってから有酸素運動をすると、脂肪燃焼効果が高まります。
これは、筋トレを先にすることで、代謝が上がり、成長ホルモンやアドレナリンも分泌された状態となるためです。
逆に、先に有酸素運動を行うと、筋トレする時のパフォーマンス低下や、エネルギーが枯渇して筋肉が分解されやすい状態に陥る恐れがあるので、あまりおすすめできません。
ただし、持久力を上げることを優先するならば、先に有酸素運動をするのは効果的です。
筋トレをする度にマッサージの施術を受ける方は少ないと思いますが、フォームローラーやテニスボールを使って自分で筋肉をほぐすのは手軽でやっている方も多いと思います。
こういったマッサージは基本的に筋トレの後に行うとより効果的です。
筋トレ後に筋肉をほぐすことで、血行を良くし、疲労物質の除去を早めることや、筋肉が硬くなるのを防ぐ効果があります。
先述の静的ストレッチも同じような効果があるので、組み合わせて行うことでより高い効果が期待できます。
体が硬い方は、軽くマッサージ→動的ストレッチ→筋トレ、のように筋トレの前に取り入れるのもおすすめです。
最後はヨガと筋トレの順番についてです。
ヨガは有酸素運動とも言えますが、体幹やインナーマッスルを鍛えるトレーニングとしての側面もあります。
そのため、目的やどんなヨガをやるかによって変わってきます。
脂肪燃焼効果を高めたい、体幹などを鍛えたいという場合は筋トレの後に行いましょう。
これまでにお伝えしたように、有酸素運動は筋トレ後に行うと脂肪燃焼効果が高いですし、体幹や小さい筋肉を鍛える場合も、順番は最後が良いです。
筋トレの前に有酸素運動としてヨガを行い、持久力アップを狙う場合や、筋トレのウォームアップとしてヨガで筋肉をほぐすという場合は、先にヨガを行うのもおすすめです。
筋トレの効果を高めて効率よく筋肉をつけるために、鍛える順番や、筋トレ以外の運動との併用について解説してきました。
基本は「大きい筋肉から小さい筋肉」です。
今回ご紹介した正しい筋トレの順番をぜひ覚えて理想の体を手に入れましょう!