「フィジーク」というボディメイクの競技があるのをご存知でしょうか。
私は2年間のトレーニングを経て、2018年の10月23日に開催された湘南オープンボディビル・フィットネス大会(=フィジークの大会)で5位入賞を果たすことができました。
この記事では、私がフィジークを始めたキッカケから、5位入賞を果たすまでに取り組んだこと。
トレーニング中で味わった挫折や、トレーニングを続けている理由についてもご紹介できればと思います。
目次
私はもともとランニングが趣味で、市民ランナーでした。
ランニングの練習の1つとしてジムに通い出したことが、筋トレを始めたきっかけでした。
ある日、ジムのトレーナーさんにフィジークの大会に誘われ、そこから筋トレに夢中になっていきました。
フィジークの大会に誘われたときは2016年の11月でした。
当時の体重は65キロくらいでしたが、トレーナーさんに大会に出るなら体重を増やしたほうが良いと言われて、その後の3ヶ月で75キロまで増やしました。
※ランナー時代の写真(2年半前)
そして、いざ大会に出るとなると、そのための筋トレをトレーナーさんに教えてもらうようになりました。
例えば、肩を鍛えるトレーニングはランナーとしての練習では取り組んでいませんでしたが、ジムのトレーナーさんに「大会に出るなら肩の筋肉も評価されるので練習をした方が良い」と言われ、トレーニングを始めました。
大会に向けたトレーニングを始めると、体の変化をすぐに感じることができました。
カットやストリエーションと呼ばれる肩の筋肉や腹筋の筋が見えてきたのです。
それまで取り組んできたマラソンでは、肺活量がついてきたとしてもそれは目に見えないためなかなか変化を実感するのは難しかったのですが、筋肉は目に見えて体に変化がありました。
マラソンは、自分が40キロ走れた、100キロ走れた、など大会での結果には達成感がありましたが、1日1日と感じられる達成感ではありませんでした。
ですが、筋トレは1日1日、体に筋肉がついてきたことや、体が絞れてきたなどの達成感があり、それが私にとっては新鮮でした。
筋肉は頑張れば頑張るほど体につきます。
目に見える達成感、そして自分の体にメリハリが付いてくるのが嬉しかったのが筋トレにハマっていった理由です。
2016年の11月にフィジークの大会に出場すると決めて、3ヶ月間をかけて体重を10キロ増やし、その後の4ヶ月間をかけて減量をしました。大会当日(2017年の7月)は67キロくらいでした。
つまり、大会に出ようと決めた時が65キロだったため、一時的に75キロまで体重を増やし、そこから大会の日までに67キロまで減量したことになります。
なぜこのようなことをしたのか?というと、筋肉量を増やすためです。
筋肉量を増やすためには、一度体重を増やして体を大きくして、そこからできるだけ筋肉量を残しながら、脂肪だけを減らしていくことでより、筋肉だけを体につけることができます。
一般的に、体重を増やす時期のことを「増量期」と呼び、できるだけ筋肉量を残しながら、脂肪だけを減らしてく期間のことを「減量期」と呼びます。
増量期、減量期の過ごし方には様々な方法がありますが、私の場合は食事で体重をコントロールします。
具体的には、増量期の食事は栄養素を考えずにともかく量を食べること。好きなものをたくさん食べることを重視しています。
一方で、減量期の食事は栄養素を考えて行います。私の場合は1回の食事のタンパク質や脂質の量などを携帯に全て記録して、計画的に行います。
トレーニングは増量期、減量期、双方を通じて重量(マシンの重りの重さ)を落とさないように意識して行います。ここで減量期が順調に進んでいるか?を確かめる指標となるのは、このマシンの重量です。
体重の減少とともに筋肉量が減ってしまうと今まで使っていた重量が持てなくなってしまいます。
そうならないために、食事の栄養素の管理が大切になってきます。
例えば、一気に炭水化物を減らした食事にすると、体重は減りますがその分筋肉量の減りも早くなってしまいます。一週間で3キロなど減量をする人よりも、1ヶ月かけて3キロを減量する人の方が、同じ3キロを減量するとしても筋肉量を保ったまま減量をすることができます。
つまり、減量期に大切なポイントは3つです。
このバランスが減量期の成否の鍵になります。
1年目の2017年7月の大会は、上位に入賞するためにかなりの努力をしたと思っています。
ですが、予選落ちという結果に終わりました。
このときの反省点は、大会前最後の1ヶ月で筋肉量をかなり減らしてしまったことです。このときは筋肉量が減っても体が絞れていることが大事だと思っていたのですが、フィジークの大会の評価は体が絞れていることはもちろん重要なのですが、体の筋肉のつき方のバランスがそれ以上に重要でした。
体が絞れているだけではダメだということです。
体が絞れていても体の筋肉のつき方のバランスが良くない人はフィジークの大会で高い評価は得られないですし、体の筋肉のつき方のバランスが良くても体が絞れていない人も同様にフィジークの大会で高い評価を得られないのです。
1年目のフィジークの大会の予選落ちという結果は大きな挫折でした。
私はいけると感じてのぞんだフィジークの大会だっただけに予選落ちという結果は、翌年フィジークの大会に出る気持ちすら折ってしまいました。
そこから筋トレは楽しいので続けていたのですが、フィジークの大会にもう一度出ようと気持ちが乗るまではかなりの時間が必要でした。本格的に大会へ向けたトレーニングを再開するまでには、1年ほどかかりました。
今年の大会が2018年の10月23日でしたので、本格的に大会へ向けたトレーニングを再開したのは2018年の7月でした。
今年の減量で一番大事にした事は、ストレスを溜めないことです。
1年目の大会の際に、最後の1ヶ月にかなりストレスがかかってしまい、それが予選落ちという結果に繋がったと自分の中では思っていました。例えば最後の1ヶ月、追い込みをかけようと、食事を厳しく制限する、体を絞ろうと焦って有酸素運動を激しく行ったことなどが原因で周りの人に「強太くん細くなったね!」と言われるほどに筋肉量が減ってしまいました。
この反省を踏まえてストレスをかけないために行ったことは3つです。
・有酸素運動のやり方を変えました。
・食事の味付けを工夫して楽しめるようにしました。
・ジムには1日1回までしかいかないとあえて制限をつけました。
1年目の2017年のフィジークの大会のときは、有酸素運動はどれだけ汗をかくのか?が大事だという考え方で激しいランニングなどを行っていました。ですが、2018年の大会は汗をどれくらいかくか?はもちろん気にはしていたのですが、それよりも精神面の負担を軽くすることに目を向けました。
具体的にはランニングマシーンで激しいランニングをすること、ウォーキングのマシンで傾斜をつけて歩く、この2つの有酸素運動があるとします。それぞれ精神面の負担を比較するとランニングの方が負担は大きいです。ですが、それぞれのトレーニングの消費カロリーは大きく違いはなかったりします。
体を絞るという点においては、消費カロリーが大切なので、今年のフィジークの大会前のトレーニングではランニングは行わずに、ウォーキングのマシンで傾斜つけて歩くトレーニングに絞り精神面の負担を軽くしました。こちらの方が、身体面の負担もランニングよりは軽いためトレーニングを継続して行うという面でも1年目より効果的だったと思っています。
食事面では主に食事の味付けを変えました。1年目の減量期の食事は馬鹿の1つ覚えではないですが、塩コショウでの味付けの一辺倒でした。
なぜそのようにしていたか?というと、焼肉のタレなどにも炭水化物が多く入っているため、その炭水化物までもげずりたいと考えていたからです。
しかし、そこまで食事の内容に制限をかけると食事自体がかなりのストレスになりました。なので、今年のフィジークの大会へ向けた減量では調味料は自由に使い、食事の味を楽しめるように取り組み方を変えました。
これより、相当食事のストレスは緩和され、トレーニングにも精神面で大きくプラスに働きました。
1年目のフィジークの大会の際は、大会直前の1ヶ月は焦って1日に2回ジムに行くこともありました。ですが、一度1日に2回ジムへ行くことを始めると、その後も1日に2回はジムにいかないと大会で結果を出せないのではないか?というプレッシャーを感じてしまうようになってしまいました。
また、1日に2回ジムへ足を運びトレーニングを行うと、1回1回のトレーニングが雑になり、トレーニングの質が下がってしまったと思っています。もちろん1日に2回トレーニングを行うこと自体は体の負担も大きく、トレーニングをモチベーション高く行うには大きなデメリットでした。
なので、今年の大会ではジムは1日に1回までとルールを作りました。1日に1回までとルールを作ったことでストレスは相当減り、そのおかげで減量がスムーズに取り組むことができたように思います。
ここからはフィジークの大会直前、主に大会2週間前からの追い込みのトレーニング内容をご紹介します。
フィジークの大会2週間前からは、タンニング(日焼け)が足りなかったので、それまでは週2〜3で通っていた日焼けサロンの量を増やして、週4で通いガンガン体を焼きました。焼きが足りないと感じたのはあくまで自分の感覚です。
フィジークの大会では筋肉量や体の筋肉のつき方のバランスはもちろん重要ですが、日焼け具合もとても重要です。1年目の大会の時、自分ではかなり日焼けをさせて体が黒いと思っていましたが、会場のライトにあたると他の選手と比べて肌が白く見えてしまいました。体が白く見えてしまうと、審査員から見た際に筋肉のメリハリがぼやけてしまい高い評価を得られない可能性が高くなります。
なので、大会では会場のライトに負けない肌を作るのも勝つためには必要です。
大会8日前からの5日間(大会3日前まで)は、カーボローディング(グリコーゲンローディング)を行いました。カーボローディングとは、炭水化物をカットして身体の炭水化物を枯渇させ、そのあとにカーボ(炭水化物)を入れることで体、筋肉を爆発的に張らせることです。
大会3日前までの食事(カーボカット)の内容は主に、鶏胸肉、ささみ、牛もも肉を焼いたもの。鯖みそ煮缶。マグロの刺し身。サーモンの刺し身。アーモンドをとっていました。
なぜ8日前から行ったのかは、大会8日前の自分の体を見て、絞りが甘いと感じたためです。5日間カーボ(炭水化物)をカットして体の絞りを早めることができたように感じます。
またこの時期は体脂肪率を測るのを辞めて、体重と鏡でみた自分の姿だけを絞り具合の指標としました。
体脂肪を測らなかった理由は、1年目の大会の際に体脂肪率にこだわり過ぎて、体脂肪率が落ちないことでかなりのストレスを感じてしまったためです。
実は、カーボローディングは賭けでもあり、この方法をやらない人もいます。
なぜなら、カーボアップ時に取り込んだ炭水化物により、体がむくむ、大会当日までにカーボアップが間に合わず、筋肉が爆発的に張らない可能性があるのです。
よく聞くのが、大会の翌日に体が張ってきたという声です。実際に、大会の次の日がベストコンディションになってしまう選手も沢山います。
大会当日にベストコンディションにもっていくのはなかなか難しいため、カーボローディングは自分の体や皮膚感を見ながら慎重に行う必要があるのです。
カーボカット後から大会当日まではカーボアップです。
カーボ(炭水化物)が枯渇した身体に今度は炭水化物を沢山取り込むことで体を爆発的に張らせる必要があります。
8時
牛もも肉150g
はちみつ餅2つ
大福2つ
11時半
串団子つぶあん3本
豆大福小2つ
干し芋30g
3時
サーモンづくし握り7貫
串団子3本
19時半
サーモン握り5貫
レーズン100g
*フィジークの大会前日の食事(カーボアップ)を具体的にご紹介します。*
6時
干し芋80g
米200g
牛もも肉150g
9時20分
レーズン100g
13時
はちみつ餅2
くるみ大福小1
栗粒大福小1
17時
レーズン100g
19時半
はちみつ餅2
レーズン60g
また、大会前日は岩盤浴に行き水抜きをしました。
水抜きとは、体の余計な水分を抜き、皮膚感をパリパリにさせることです。
実は、サウナや岩盤浴での水抜きは良くないという説もあるが実施しました。
なぜサウナではなく岩盤浴で水抜きを行ったかというと、去年はサウナで水抜きを行ったのですが、水は抜けたものの、サウナの中でじっとしていると肌もピリピリするし、精神的にも辛かったのです。
岩盤浴は肌がピリピリすることもなく、寝っ転がっていられます。
リラックスしながら水が抜けていくため、精神的にもストレスを感じないため岩盤浴を選びました。
朝は5時に起床。起床後朝食をとりました。
<朝食の内容>
牛もも肉150g
はちみつ餅(もちに蜂蜜をかけたもの)2つ
水50ml
<大会当日の流れ>
8時に家を出発。
電車にて会場の最寄り駅まで向かいました。9時に会場到着。
9時30分から選手受付。
9時30分から控室にてウィダーインゼリーをちびちび飲みながら、大福1個とスニッカーズ(小)1個を食べる。
10時から開会式。開会式後からウォーミングアップとパンプアップを開始。
11時から1次審査(予選)
1次審査終了後、結果が出るまで控室で待機。27人から12人に絞られました。
結果発表後、予選を通過したので、ウィダーインゼリーをちびちび飲みながら、スニッカーズ1本、大福2個を食べる。
13時からパンプアップを開始
13時30分から2次審査(決勝)
2次審査終了後は表彰式・ポーズダウンまで控室で待ち。
なぜスニッカーズや大福、ウィダーインゼリーを間食でとったか?というと、炭水化物をとって体を張らせて筋肉のメリハリをより強調するためです。体を張らせるためには炭水化物はもちろん、脂質と水分も必要なので、この3つを大会の待ち時間に食すようにしていました。
今回の大会を終えて、アウトライン(張り出した肩、盛り上がった胸、逆三角形の背中)が重要だと改めて感じました。
今回の大会の上位3人はこのバランスがとても良かったです。
しかし、5位入賞という結果をいただけたことで改めて何かを目標に減量して結果が出るのは、嬉しいと感じました。
特にポーズダウン(ポージングをする)しながら順位が呼ばれていくときは気持ちいいですね。
何よりも、去年の大会から一生懸命筋トレをして、その結果が大会にあらわれるのが一番嬉しいと同時に、今年は同じジムに通っている人が自分よりも順位が上だったので、それは悔しかったです。
さらなる高みを目指して、今後もトレーニングを頑張りたいと思います!