今回の記事は私が代表を務めるMorning Running Clubの走るカメラマン遠藤さんが撮影された写真とともに、2018年11月25日に開催された富士山マラソンの魅力を振り返って行きます。
ランナー視点での写真はとても貴重です。遠藤さんによる富士山マラソンのレポートを是非お楽しみください。
※走るカメラマン遠藤さんご自身のお写真
―以下の文章は遠藤さんより―
目次
初めて出たのは2017年の大会なのですが、SNSで見かけた友達の投稿で「富士山マラソンを走りました!」というものを見つけたのがエントリーのきっかけです。
日頃からマラソン大会の情報収拾はしているのですが、富士山を見ながら走れる大会があるなんて、知りませんでした。
世界遺産にもなった富士山を見ながら走れるなんて、絶対自分も走りたい!と思ってエントリーしました。
完走メダルが富士山の形をしているのも素敵だと感じ、ぜひ手に入れたいと思いましたね。
また、制限時間が6時間で、自分の走力ならカメラを持って写真を撮りながら走っても、制限時間内の完走ができるというのも魅力でした。
第7回である2018年は天候にも恵まれて、最高の景色を見ながら走ることができました。
富士山マラソンの出走者数のデータは下記の通りです。
[出走者数] 8064人
[完走者数] 7202人
[完走率]89.3%
海外からのランナーは1500人以上がエントリーしているそうです。
参加者の8人に1人以上は外国人ということで、マラソン大会の中では外国人の方の参加率がとても高い大会になっています。
「富士山」という日本の象徴を見ながら走りたいと思って来てくれているのかもしれませんね。
また、この富士山マラソンは、公式で更衣室が用意されていません!
宿泊しているホテルで着替えを済ませておくのがおすすめです。
近所のお土産やさんの中には更衣室を提供してくださっているところもありましたが、あくまでご厚意なのでアテにせず、自分で着替えてからいくのがいいでしょう。
※富士山マラソンのHPよりスクリーンショットの画像
河口湖と西湖をぐるりと巡るコースになっています。
前半はあまり高低差もなく、富士山が見えることもあって楽しく走ることができます。
しかし、中間地点で最大の難所、高低差約70mの上り坂があります。1.3kmで約70mを上がるキツい上り坂です。
東京マラソンで最大の高低差は、12m。大阪マラソンで最大の高低差は、17mだと言われています。
この数字を比較すると、いかに富士山マラソンの高低差が大きなものかわかると思います。
また標高が高く寒暖差が大きいので、気温の面でのキツさを感じることがあります。
朝は非常に寒く(8時頃の大会からの放送で0℃と言っていました)、ポンチョを着込んで走る人がほとんど。
走り始める頃になると陽も出て来るので、半袖半ズボンで走ることができます。しかし、その後、西湖にまで来ると再び気温が下がって来ます。
これから走ろうという方は、気温差の対策をしっかりとしてから臨んだ方がいいと思います。
ここからは富士山マラソン大会2018のコースを私が撮影した写真とともにご紹介します。
スタート地点では、皆さまおもいおもいの顔でスタートの合図を待っています。
この写真だけでも人がたくさんいるのは見て取れるかと思うのですが、この写真では見えない、角を曲がったところにまで人がギッチリ並んでいます。
また、外国人ランナーの多さにもびっくりしました。
私は2018年はマラソン大会に11大会出たのですが、こんなに外国人の方を見る大会といえば東京マラソンくらいのものです。
コンパクトデジタルカメラを持っている方の数も多く、「みんな富士山の魅力をカメラにおさめたいんだな」と思いました。
写真の上の方に”MCC”というロゴが見えると思うのですが、”Marathon Challenge Cup”の略で、大会新記録を出した方に賞金が出ます。この富士山マラソンでは、今大会では2時間39分47秒出した方が、30万円の賞金がもらえたのだとか。
スタート前は霧が出ていて富士山が見えるかどうか不安でした。
スタートして1kmくらいの間、富士山の姿が見えない道が続きます。1kmを少し過ぎたところに急な曲がり角があり、その先からランナーの人たちの歓声が聞こえました。
「おおー!」とか「すごーい!」などといった声が聞こえて、一体何事だろう?と思ってみんなの見ている方を振り向くと、晴れ渡った空の中でそびえ立つ富士山の姿を見つけることができました。
青い空なの中で、白い雪化粧をした富士山は美しく、この景色を見れたことが本当に嬉しくて、「これからいい天気で富士山を見ながら走れるんだ!」と期待感いっぱいで再び歩を進めることができました。
こちらは、今大会最大の難所、70mの急勾配です。
約1.3kmの間に、70mを上ることになるということで、本当にキツい戦いが予想されました。私の場合は、無理せず、ペースを落として走りました。
周りの方々も本当にキツそうな顔をして走っていたのを覚えています。
コースの反対側には、すでに西湖をクリアして折り返して来たAブロックの選手たちが走っていて、眩しく見えました。
私は富士山マラソンは2回目だったので、次にくるアップダウンなどがわかっているので、気持ち的にはだいぶ楽でした。
初参加の時のときは、写真を撮り過ぎたこともあり、第5関門は時間制限30分前に通過したのですが、今年はだいぶ余裕を持って走りきることができました。
難所である70mの急勾配の途中には、「山梨縣高等學校應援連盟」という団体の応援団の方が、ハイタッチをしてくれました。
学ランを着こんで、応援のパフォーマンスを見せ続けてくれる姿に、本当に勇気付けられました。
大会冊子によると約4時間もの間、応援のパフォーマンスや、沿道でのハイタッチをし続けてくれていたのだとか。
最大難所の坂を乗り越えると、今度は「文化洞トンネル」を通ります。今大会でいちばん長いトンネルで、164mあります。
河口湖と西湖の2つの中間地点にあるため、一つの目印となっている場所です。
行きは22km〜23km走ったところでたどり着くので、この大会の折り返し地点だと感じながら走る人も多いのではないでしょうか。
「ここを抜けると、いよいよ西湖だ!」という思いで164mを駆け抜けました。
西湖の方に行くと、富士山があまり見えなくなるのですが、代わりに美しい紅葉に癒されながら走ることができます。
マラソンもできて富士山も見られて、さらにこんなにいい紅葉が見られる、嬉しいサプライズプレゼントをもらったような気持ちになれます。
紅葉がきれいすぎて、カメラの設定を何度もいじりながら、一番きれいに見えるように撮影をしました。
西湖の後半は30km〜34km地点になるのですが、夢中になってカメラを持ちながら走っていたせいでバテてきてしまいました(笑)
けれど、ここをクリアしたらあとはまた下り坂だ!と気持ちを奮い立たせました。
西湖を一周して折り返してくると、先ほどの70mの急勾配を今度は下っていきます。
写真では収まりきらなかったのですが、この下り坂の向こうには河口湖が見えます。
朝スタートした河口湖が見えることや、先ほどハイタッチした応援団の方と再会することによって、「ああ、戻ってきたんだ」と感じて元気になれます。
写真右側には少し隠れてしまったのですが、35km地点の看板があります。これを見ると、「あと約7km!」という気持ちで自分を奮い立たせることができますよ。
ゴール地点の写真です。
前にいるランナーは最大難所の勾配をクリアして、嬉しさのあまりガッツポーズをしたり、バンザイしたりしていました。
START / FINISHと書いてあるように、ゴール地点とスタート地点が同じです。
なので、ゴールした!やった!という気持ちとともに「戻ってきた!」という嬉しさがあります。
去年、この大会に出た時にはカメラを持って5時間半というタイムでしたが、今年は同じ条件で5時間を切ることができました。
約30分のタイム短縮に、嬉しい気持ちで胸がいっぱいになりました。
ゴールする頃は夕方なのですが、その時間になると河口湖はかなり気温が下がってきます。そんな時には、ゴール地点の豚汁が体を温めてくれます。
これが、第7回富士山マラソン2018の完走メダル。
まず、金魚が2尾書かれた和風なデザインが素晴らしいと感じました。
この完走メダル、下部が厚く重みがある作りになっていて、縦においても倒れないんです。富士山に見立てて飾っておけるなんて素敵ですよね。
・天気がよければ世界遺産である富士山を見ながら走ることができること。
・都内から電車を使って最短で2時間15分でつける気軽さ。
・富士山をモチーフにした完走メダルが魅力的。
・「第一期エントリー」という早い段階でのエントリーなら、前日受付が不要になる。
以上のことから、このマラソン大会はみなさんにオススメできる大会です。
70mの急勾配という難所は、かなりキツいものがありますが、逆に「あの勾配を乗り越えたんだ!」という経験が他の大会での自信につながります。
富士山マラソン2019に参加したい!という方は、エントリーしてみてくださいね!
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