冬は市民ランナーにとってはマラソンの季節。
これからフルマラソンを控えてらっしゃるという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、
・上り坂、下り坂
・カーブや折り返し地点
・追い風や向かい風
などの障害を乗り越えるためのポイント、トレーニング方法についてお伝えします。
フルマラソンでさらなるタイムを狙いたい方、
これから初めてのフルマラソンを走るという方もぜひ参考にしてみてくださいね。
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初めてフルマラソンを走る方は、こちらの記事もチェック!
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目次
上り坂は、道の面に対してどうしても体が垂直になりやすいです。
体が垂直になると、上からの重力が働いて後ろに引っ張られるようになってしまいます。
体を前に倒して、重心を前に置きましょう。
上り坂では、歩幅は大きくすると、一歩あたりのダメージが大きくなってしまうので、気持ちいつもより歩幅を狭めるようにしてください。
フォームにもよりますが、上り坂では、腕は少し前に出してコンパクトに振りましょう。
腕振りに関して「肘を引く」という表現をすることがありますが、上り坂においては肘を引きすぎると体重が後ろに下がってしまいます。
また「イーブンペースがいい」と言われますが、上り坂ではイーブンペースでなくてもOK。
前からの負荷がかかるため、ペースが落ちるのは当然です。
ペースが落ちる場所でイーブンである=ペースが上がっているのといっしょですから、上り坂でおなじペースを維持しようとすれば余計な体力を使ってしまいます。
下り坂の場合は勝手に加速してしまうので、自然と体が後ろにそってブレーキをかけようとします。
これは、太ももをはじめとした体の前側の筋肉で、力を吸収してブレーキをかけようとしている状態なので、膝へのダメージが大きくなってしまいます。
下り坂は、地面に対して体が垂直になるように、少し体を前傾させて走ると、膝へのダメージを軽減することができます。
もちろん、体を垂直にするとスピードが出やすくなってしまいますので、歩幅を小刻みにして、足が体の真下につくようなイメージで走りましょう。
こうして歩幅を狭めることで、膝へのダメージを軽減することができます。
下り坂は、どうしても早くなってしまうのは仕方ありませんので、こちらもイーブンペースを無理に維持しようとする必要あありません。
上り坂、下り坂での意識についてお話しましたが、
こうした意識を持った上で、実際の道で走ってみるのが一番の練習になります。
練習の中で上りと下りのコースを入れてフォームを意識しながら、練習してみましょう。
そのうち、「今までは下りで太ももの前が張ったけど、今日は大丈夫だな!」など、感覚が掴めて来ますよ。
股関節周りがしっかりしていて柔軟性があり、上下動が少ない走り方の方が、アップダウンに対応できる気がします。
お尻周りなどの大きな筋肉で支えることができているためです。
「フラットな道が続くレースだとタイムが出るけど、アップダウンが多いと思うようにタイムがでない」なんて人は、股関節の使い方を練習するといいかもしれません。
上りについては、筋肉質な選手よりも、体が軽い方がいいですね。
単純に、その重さのものを高いところに上げなければいけないので、体が重ければそれだけ体力を使ってしまいます。
私の場合ですが、ずっとフラットな道が続くよりも、上り坂、下り坂がたまにあった方が、違う筋肉を使うことができてリズムを作りやすいと感じます。
極端な上り、下りは別ですが、途中にちょっとした坂を乗り越える時には、切り替えのタイミングと考えるのもいいかもしれません。
肉体的にも違う筋肉を使うことができ、精神的にも「ちょっとここでフォームを意識しよう」と気持ちを切り替えることができるタイミングとして使ってみましょう。
向かい風のフォームは、上り坂と同じ考え方をすればOKです。
前に進みにくく、体が垂直になってしまいやすいです。すると、前に走ろうとしても上に力が逃げてしまいます。
風に体を預けるイメージで、しっかりと体を前傾させましょう。
また、これも上り坂と同じく、向かい風の時にペースが落ちるのは当たり前ですので、「1km5秒落ちたな」とか、「10秒落ちたな」ということに一喜一憂しないようにしてください。
向かい風があると言うことは、必ず追い風があるはずなので、とにかく前傾を意識するということが全てです。
追い風は、後ろからのサポートになります。
後ろから押されて怖いぐらいの風というのはあまりないかと思いますので、こちらは下り坂とは違い、「体をそらさないように」と意識する必要はありません。
とにかくリラックスすること。筋力は使わずにそのペースを維持しよう、というイメージでいるのがいいのではないでしょうか。
急なカーブや折り返しでは、インを攻めるか、大回りするかの2択があります。
最短距離であるインを攻めて曲がると、90°やほぼ180°を曲がることになるため、ブレーキをかけて一瞬止まるような動きになってしまいます。
こうすると、今までのリズムがちょっと崩れてしまいます。
急な減速をして、また加速をしなければいけないので、体には少しダメージがあるかもしれないですね。
急に体にブレーキをかけることで、足がつってしまったりすることもあります。
大回りをすれば、ゆるやかに減速はするものの、止まることなく走り続けられます。
歩幅を少しずつ狭めて減速して曲がり、また徐々に歩幅を戻してペースを戻す。
急な減加速はないですが、その代わりに距離は少しだけ長くなります。
トータル的にみるとダメージの大きな距離が短い方をとるか?
ダメージが少ないが距離の長い大回りを取るか?
の2択になります。
個人的には、インを攻めて距離が変わると言っても2〜3秒程度なので、トータル的に見てダメージの少ない大回りの方がおすすめです。
アウトからインの人が少ない、多少安全なところを通って、またアウトに抜けるようなやり方が体へのダメージは少ないし、スムーズに進めるのではないかと思います。
よほど急なカーブでない場合は、必要以上に減速する必要はありません。
人の密集度などを見ながら、距離の短いインコースの方を走るのがいいと思います。
河川敷などの大会では、横殴りの風を受けることがあります。
その強さの度合いにもよりますが、私は上半身だけ追い風になるように少し体を傾けます。
足だけまっすぐ進みたい方に向けて、上半身は肩を捻るようにすることで、背中に風を受けるようにして進みます。
ただし捻ることによる上半身へのダメージや、いつもと違う動きになってしまうことによる筋肉疲労もあると思いますので、無理に行うことはお勧めしません。
横浜マラソンの高速道路に見られるような、道路の傾き(バンク)。
これはなかなか対処がしにくいです。傾きに対して体を垂直にすればいいかというと、倒れてしまうのでそうもいきません。
横浜マラソン限定のテクニックなのですが、高速道路のもっとも右寄りに、中央分離帯の白い部分があります。そこに全てではないですが、平らになっている部分があります。
少し大回りになってしまうため、距離は長くなってしまいますが、足首のダメージは多少少なく感じられます。
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道路が傾いていたり、足場が悪い走りにくいコースでは、いろいろな箇所の筋力が必要になります。
足底を鍛えておくことで、こうした場所での走りをサポートしてくれます。
足底は、足の指の使い方を練習することで鍛えることができます。
人によっては、足が着いた時に指が無意識に曲がっていたり、力んでしまうという人がいます。
こうなると足の裏の筋肉が固まって、指が浮いてしまい、土踏まずが機能しづらくなってしまいます。
しっかりと足の指がつくように、トレーニングをしましょう。
これらのトレーニング方法は、基本的にはみなさん行うことをお勧めします。
・足の指をグー、チョキ、パーにして動かすトレーニング
・「タオルギャザー」フェイスタオルを足の指で寄り集めるトレーニング
・フロッグハンドでのトレーニング
フロッグハンドは、特に女性に多い扁平足、外反母趾にも効果的です。
私の知り合いのお子さんが外反母趾と戦いながらテニスをやっていたのですが、フロッグハンドについてお伝えしました。
毎晩フロッグハンドを使ってトレーニングをしていたら、一年後には外反母趾が痛くなく過ごせるようになったというメッセージをもらいました。
全ての外反母趾の方に効果を保証するものではもちろんないのですが、痛みがある状態で走るよりも痛みがない方が多くの場合はパフォーマンスは上がるので、外反母趾の方にはとてもおすすめです。
足底は唯一、地面と接しているところです。そのため、足底が使えていないと、足より上の体にも影響があります。
効果的なトレーニングで、足底を使えるように練習してみてください。
上り坂や下り坂、カーブや折り返し地点、向かい風など、走りにくいコースの乗り越え方についてお伝えしました。
ご紹介した走り方のコツの他にも、足底を鍛えることでより結果に結びつきやすくなります。
今回ご紹介した内容をぜひご参考にして頂き、フルマラソンでのタイプ向上や、完走を目指して見てくださいね!
以上、ランニングでの坂道、向かい風の対処法でした!