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効率的な走りの鍵は上半身!マラソンでおすすめのランニングフォーム

木下裕美子
当サイトの監修・執筆者

ランニングといえば走る競技。そのため、下半身の方が注目されがちです。

ですが、実は上半身のフォームも大切なんです。

 

「腕の振り方が大切だって聞いたことがあるけれど、いまいちコツがわからない…」

「レース後半になると肩がこって痛みが…」

こんな風に感じたことがある人は、ご自分の上半身の使い方を見直してみましょう。

この記事では、上半身のフォームや正しい腕振りの方法について、ランニングコーチがお伝えします。

効率の良いフォームに大切な上半身と下半身の連動

フォームを意識するランナー

ランニングは、地面につくのが足なため、足の使い方を気にしがち。

しかし、実は上半身も大切なんです。

上半身と下半身は連動していて、上半身を上手に使うことができると、足の負担を減らすことができます

 

全身の筋肉が連動していないと、上半身は上半身だけ、腕は腕だけ、下半身は下半身だけで頑張ってしまいます。

体の筋肉同士が協同作業が行えなくなってしまう状態になります。

 

そのためランニングでは、上半身の使い方や、柔軟性、筋力、腕振りなどが大切になってきます。

腕を振るのではなく「胸の動き」に腕がついてくる

 加速するランナー

マラソンの指導などでよく「腕を振る」ようにと言われますよね。

これを知って腕を前後に一生懸命動かそうとしてしまう事が多いのですが、腕を振る事自体が目的ではありません

 

腕を振るのではなく、体の胸の中心から捻る形で動かす(胸椎を回旋させる)と、それに基づいて腕もついてきます。腕が振れることで骨盤も動き、推進力が出やすいのです。

骨盤を前に向けたまま、胸椎を軸に体を左右に回旋させるイメージです。

 

<胸椎の位置>

胸椎の構造

ただし、肩周りの筋肉が固まってしまっている方は、肩が上がってしまったり、猫背になってしまい、うまく体が連動せずに動かない場合があります。

肩が凝っていると、胸椎の回旋もうまくいかないのです。

 

また、人によってはリラックスしようとしてお腹周辺の力まで抜けてしまい、猫背になってしまうこともあり得ます。

姿勢はキープしながら、肩から先の力を抜くイメージで行いましょう。

肘を引くと体が後傾してしまう

腕を振る際に「肘を引く」という意識でやられている方もいらっしゃると思います。

ただ、腕を引こうとして力を入れてしまうと、疲れて肩が上がった状態だった場合には、体が反ってしまい背後に引っ張られてしまいますので、あまりおすすめできません。

マラソンの後半疲れてきたあたりで姿勢を意識せずに「肘を引いて腕をふらなきゃ!」と思っていると逆効果になっている方もいらっしゃるかもしれません。

肘を後ろに引こうとして、体が後ろに反って、推進力を殺してしまっている可能性があります。

 

背筋を伸ばし肩と首の距離が近づかない(肩がすくまない)ことを意識しながら、肘を固定せずにおへその前の太鼓をリズミカルに叩くイメージで振ると、結果として肘が引っ張られていくという感覚です。

正しい「腕振り」の方法

胸椎を意識するランナー

ここまでの「胸椎の回旋によって腕がついてくる」というお話は感覚的に掴むのは難しいかもしれません。

感覚は人それぞれなので、動きづくりを通じて意識づけをしていく必要があります。

正しい腕振りの方法は、下記の通り。

 

<正しい腕振りの方法> 

1.拳をギュッと握らず、軽く握る。

2.肘の角度は90度を意識するが、固定はしない(動いてもOK)

3.振り子のようにリズミカルに動かす。

*あくまで腕に力が入らないように行いましょう。

胸椎の柔軟性が大切

肩甲骨の柔軟性が大切!とはよく言われますよね。

それと同じくらい大切なのが胸椎の柔軟性です。

 

上半身の動きの根本になるのは胸椎なので、肩甲骨が柔らかいのに、胸椎の動きが硬かったら、連動性のある動きにはできません

それでは、胸椎、肩のおすすめストレッチを紹介します。

胸椎のストレッチ

1.椅子に座って背筋を伸ばす

2.両手を前に出して、片方の腕を肘を伸ばしたまま前に、反対の腕の肘を曲げて後ろに、両手が離れるようにして回旋させる

(この時、骨盤が一緒に動かないようにおへそは前向き、腰の位置をキープ)

背筋を伸ばすランナー

3.伸びた位置で、深呼吸を2回行う

深呼吸をするランナー

*右と左、3セットずつ行いましょう。

 

ポイントは、呼吸を止めないように行なうこと。

呼吸を止めてしまうと自分の意思とは関係なく、筋肉に「もうこれ以上伸ばせない!」という指令が行ってしまいます。

胸椎を動かす事が目的なので、深呼吸をして、リラックスして行なうことをおすすめします。

マラソン大会直前などに行っても効果的です。

肩のストレッチ

1.肩に両手を当てる。

肩に手を当てるランナー

2.円を描くように腕をグルグル回す。

腕を回すランナー

肩こりになっている人は、前には動かせるけれど、後ろには動かせない場合が多いです。

鏡や写真で自分の横から見た動きを確認してみて、後ろまで動いているかどうか確認してみましょう。

 

マラソン大会のスタート直前などに行なっても効果的なストレッチ です。

狭い場所でも行えるため、友達と参加しているランナーの人は、おたがいにどれくらい後ろまで回せているかチェックし合うのもいいかもしれませんね。

リラックスした方が体が早く動く

 リラックスした状態で走るランナー

体に力が入ってしまい、筋肉が動きにくくなって固まってしまうと、全身の連動性が失われてしまいます。

けれど、速く走ろう、レース後半にキツくなってきたけどがんばろうとすると、どうしても力が入ってしまうこともありますよね。

 

先程の肩回しストレッチ に関しても、

ためしに「速く回してください」と言うと、力が入ってしまい逆に遅くなってしまいます。

逆に、「リラックスして回してください」と言うと、そちらの方が速く回すことができるんです。

 

人間の癖として、「速くしたい!」と思うと力むようになってしまっているので、なるべく末端の力を抜いてリラックスして走ることがおすすめです。

レース中のおすすめリラックス法

40kmずっと腕を振っていると疲れてきてしまい、力んでしまうことにもつながってしまいます。

 

時々、腕を下ろしてリラックスさせてあげましょう

一回あたり5秒〜10秒くらい腕を下ろしてあげるといいですよ。

 

給水のたびに行なうなどタイミング決めてもいいですし、思い出した時に行うのでも構いません。(その場合は、「身体がキツい」「疲れてきた」と感じたらやるといいです。) 

上半身の使い方を把握してタイム向上を目指そう

上半身のフォームはあまり重要視されないことが多いですが、上半身が効率よく動くことができれば下半身も動くことができます。

その逆も同じですので、ぜひご自身の上半身のフォームや柔軟性を確認してみてください。

また今回のストレッチや、脱力方法を試して、ぜひレースでの結果につなげてくださいね。

 

以上「ランニングのフォームで大切なのは上半身!正しい腕振りの方法」でした!

この記事を書いた人
木下裕美子
マラソンランナー・ランニングコーチ

MYREVOはパーソナルトレーニングジム、ヨガスタジオ、
ストレッチ、ダイエット、ランニングに関する
プロ集団が著者・監修を担当

パーソナルトレーナー

山本耕一郎

パーソナルトレーナー

斎藤裕香

パーソナルトレーナー

松浦晴輝

パーソナルトレーナー

YOKO

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福原 壮顕

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プロランニングコーチ

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