こんにちはMyrevoランニングライターの易です。
私は前回まで、5ヶ月間でフルマラソンを3時間10分台で完走するための練習法および大会1週間前の過ごし方をレポートしてきました。
本記事では、私の次なる目標である“東京マラソンでサブ3達成”を実現するために、今行っている練習法をレポートして参ります。
サブ3、つまりフルマラソンを2時間台で完走出来る人の割合は、一般的にフルマラソン完走者の3%程度だと言われています。
実際の大会を例に見てみましょう。例えば、2018年12月2日に開催された、第13回湘南国際マラソンでのサブ3達成者数は以下の通りです。
|
男子 |
完走者数 |
14,103人 |
サブ3達成者数 |
294人 |
割合 |
2.08% |
|
女子 |
完走者数 |
2,954人 |
サブ3達成者数 |
4人 |
割合 |
0.135% |
男子では完走者数の3%以下、女子に至っては0.2%以下の狭き門です。
市民ランナーにとって、サブ3は最高の栄誉なのです。(陸上経験者以外でサブ3以上を目指すとなるとかなりしんどいです)私はゴルフをしないので感覚が分からないのですが、フルマラソンでのサブ3はゴルフのスコアでいうと80切りと同程度の難しさらしいです。1)
そんなサブ3を、サブ3.5を達成した横浜マラソンからたった4ヶ月後の東京マラソンでやってのけようというのが、今回の私の挑戦です。
現時点での私の自己ベストは、横浜マラソンから約1ヶ月後(12月)の大会で記録した3時間10分53秒なので、後10分ちょっとタイムを短縮する必要があります。因みに私のマラソン師匠(自己ベスト、第4回埼玉国際マラソンにて、2時間47分27秒)でもサブ3.5からサブ3まで1年以上かかったとのことです。
サブ3を達成するには、4分15秒/kmのハイペースを3時間弱持続するスタミナが求められます。
私が高校生の時の体育の体力測定で、2kmの池を一周するというものがありました。若気の至りだった私はペース配分など微塵も考えず、前半で飛ばし過ぎてスタミナ切れした上、過呼吸となり胃袋の中身を盛大にぶちまけた挙句、保健室で夕方まで寝て過ごしたという苦い過去があります。
そのお陰で高校の同期からは10年以上経った今でも弄られています。(笑)高校の時の自己ベストが8分30秒/2kmだったので、サブ3をするには当時の自己ベストでもって2kmの池を21周ちょっと回るスタミナが必要なのです。
トム・クルーズのミッションインポッシブルよりも無謀な挑戦だと思います。マラソンを始めて4年目の1年前の私からしてみても、考えられない程高い目標でした。私の最初の記事「3.5カ月のランニングで10キロ減量に成功したサラリーマンの話」をお読みになった方はお分かり頂けると思いますが、1年前の私は今よりも10kg以上太っており、サブ3どころかサブ4ですら厳しい状態でしたから。(笑)
少し脱線してしまったので話を戻しますと、サブ3を達成するにはスタミナとスピードの両立が大切です。次章でもう少し詳しくお話しましょう。
現在、私がサブ3を達成するために行っている練習法について紹介します。
サブ3達成者の多くは最低でも月間250kmは走っているというデータがあります。2)
走った距離が如実に成果に現れるということですね。図2は昨年1年間の私のランニングログですが、6月からほぼ毎月250km以上走っているのが分かります。
12月に至っては、338km走っています。走る距離も大事ですが、走った日数も大事みたいです。データによると、サブ3達成者は最低でも月間20回は走っています。私も12月は丁度20回走っているので、ギリギリ合格ですね。先に断っておきますが、私は決して時間を持て余したニートではなく、毎日出社する真面目な会社員です。(笑)
私がどうやってフルタイムで働きながらこんなに走ることができるか疑問に感じた方、特別に秘訣を教えましょう。
ずばり、時間を決めて走ることです。
私は基本的に平日夜に練習を行っています。普通のサラリーマンだとそうなってしまいます。私が大事にしていることは、夕食の2時間後を目安に1時間みっちり走ることです。食後2時間後に走る理由は、質の高い練習を行うためです。腹が減っては仕事が出来ぬ。実際、同じ距離を食前と食後で走ってみたのですが、圧倒的に食後の方がタイムは良かったです。
糖質の吸収速度を考えると本当は食後3時間がベストなのですが、それだと睡眠時間が圧迫されるので2時間を目安にしています。
1時間走にも理由があります。
ずばり、メリハリがあるからです。距離走だと、日によってかかる時間が異なるためスケジュールが立てにくいです。一方、1時間走ると最初から決めてしまえば、その1時間でベストを尽くすことに集中できるため、質の高い練習が出来ます。
また、練習の成果が見えやすいです。例えば、私が2018/10/23に行った1時間走では13.35kmしか走れませんでしたが、2019/1/7では15.06km走れました。ペースにすると、4分30秒/km⇒3分59秒/kmです。2ヶ月ちょっとで30秒/kmペースが速くなったのが分かります。
30km走については、私の前の記事「私がフルマラソンを3時間10分台で完走するために5か月間でやったこと」で紹介しているので、詳細は割愛しポイントだけ伝えます。
ずばり、回数を増やすことです。
サブ3.5を目指していた頃、30㎞走を一回しか行っていませんでした。対して、昨年12月だけで30km以上の距離を3回走りました。(内1回大会含む)3回目に至っては、32.18kmを2時間14分16秒で走っています。ペースにすると4分10秒/km。私はマラソン師匠に30kmを2時間5分(ペースにして4分10秒/km)で走ることが出来れば、サブ3は射程圏内だと言われたので、既に行けそうな気がしています。
個人的にこの好記録を出せたのは、直前に食べたすき屋の裏メニュー「キング盛り」のお陰だと思っています。
普段から人並み以上に運動していると食べても太らない上、沢山食べられるのでとても幸せです。これ、真実です。(笑)
インターバル走はスピードを鍛える練習法です。
いくらスタミナがあっても、サブ3ペース(4分15秒/km)で走れなければ話になりません。インターバルとは“間合い”や“休憩”を意味する言葉で、ランニングにおいてはスピードに緩急をつけて走ることを意味します。人によってやり方は様々ですが、私はマラソン師匠から教えて貰った下記の方法を実践しています。
※私の場合3分45秒程度、ほぼ全力疾走です
※私の場合5分30秒/kmのジョグを行う
※私の場合5~10セット行っている
インターバル走は1kmをほぼ全力疾走するので正直言ってきついです。いきなり上記の方法でインターバル走を行うと、過負荷による故障リスクが高いです。
私も始めたばかりは、インターバル期間を2分間ではなく5分間にしていました。逆に慣れてきたら、距離を1kmから2kmに増やして負荷を掛けましょう。練習頻度は1回/週が望ましいですが、1~2回/月程度でも大丈夫です。
フルマラソンを完走した後に足のどの部位が痛くなるかによって、そのランナーの走力が分かると言われています。
例えば、ランニング初心者は膝の関節やふくらはぎが痛いと言う方が多いです。一方、箱根駅伝を走るような一流ランナーはハムストリングが痛いと言います。これは彼らがハムストリングをしっかり使うフォームで走っているからです。ハムストリングは足の中で最も筋肉量が多いので、しっかり使えれば長時間疲れずに走ることが出来るのです。また、お尻の筋肉はハムストリングと繋がっているため、お尻周りも筋肉痛になるのが普通です。
ハムストリングをしっかり使うためには、普段から鍛えておく必要があります。私はランニングの前後に50回のスクワットを欠かさず行っています。スクワットを正しく行うことで、ハムストリングや股関節が柔らかくなります。私は横浜マラソンを完走した際、前腿に筋肉痛を感じました。その後、正しいフォームでスクワット行い、ハムストリングを意識した走り方で練習を行った結果、1ヶ月後の大会で初めてハムストリングに筋肉痛を感じることが出来ました。
因みに、その時の記録が冒頭で書いた自己ベストで、横浜マラソンより8分弱タイムを縮めることが出来ました。スクワットの正しいやり方は、私のスクワット師匠である松浦さん(パーソナルトレーナ)の記事をご参照下さい。余談ですが、私は一人でエレベーターに乗っている時はスクワットを行っています。自宅が16階にあるので、エレベーターに乗る度に10回位スクワットが出来ます。自宅が高層階だという方は是非試してみて下さい。(笑)
フォームの乱れはタイムに大きく響いてきます。
疲労によるフォームの乱れは筋トレでカバーできますが、そもそも体幹がしっかりしていないと片方の足や脇腹が痛くなったりします。そこで私は筋トレの合間にヨガのポーズを取り入れることにしました。また、筋トレやランニングの最中はヨガの呼吸法の基本である鼻呼吸を意識することで、肺活量を鍛えることが出来ました。体幹を鍛えるヨガのポーズの詳細は、シュミッツ茂仁香さん(ヨガインストラクター)が書いた記事をご参照下さい。
ランニング中、上半身はほぼ動かさないため、放っておくと身体は硬直してフォームに悪影響を及ぼします。
ランニング中に曲げている腕の関節が固くなり、肩が凝るといった経験をされた方は多いと思います。私はそれを防ぐため、ランニング中は上半身の脱力を意識しています。具体的には、時折腕をだらりと垂らしたり(腕の振り方を変えてみてもいいですね)、肩をあげてからストンと落としたりしています。
やってみると分かりますが、かなり効果があります。また、これは私流のやり方ですが、上半身をマシュマロや水といった柔らかいものだとイメージして走ると自然と脱力出来ます。逆に下半身は時折力を入れましょう。時折お尻を引き締めるのがお勧めです。
ネガティブスピリットとは、前半よりも後半のタイムが速い状態を指します。要は前半で体力を温存し、後半でダッシュすることです。マラソンでいい記録を出すためには、ネガティブスピリットは必須条件だと言っても過言ではないと思います。
現に、フルマラソンの世界記録過去10回において、7回はネガティブスピリットによって達成されています。Qちゃんこと高橋尚子さんも、最強市民ランナーの川内勇優輝選手もネガティブスピリットで記録を更新しています。私は普段の1時間走の練習においても、後半の2kmは必ず全力を出し切って終わるようにしています。
(撮影:遠藤晃)
東京マラソンはご存知の通り、日本で最も大規模の大会です。
私が走る予定の2019年の東京マラソンのフルマラソン一般枠は定員27,320人に対し、330,271人の応募があったため、約12.1倍の抽選となりました。これだけ高倍率だと、なかなか当たりません。私も5回目の抽選で初めて当選しました。近年の健康志向によるマラソンブームや、昨年日本記録(当時)を16年ぶりに更新した設楽選手といったエリート選手の活躍もあり、東京マラソンは非常に世間の注目度の高い大会と言えるでしょう。そんな市民ランナーなら誰でも一度は出たいと思っている大会で、市民ランナーの夢であるサブ3に挑戦出来る訳ですから、俄然練習に熱が入ります。
因みに東京マラソンは、アボット・ワールドマラソンメジャーズと呼ばれる世界6大大会(東京、ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨークシティ)の一つです。この6大会全てを完走した者には特別なメダルが授与されます。これを達成した日本人は100人弱しかいないと言われています。タイムの制限があったり、うん十万円コストがかかったりとかなりハードルが高いためです。私のマラソン師匠は6大会中3大会を制覇しています。東京マラソンの詳細は、ランナーカメラマンこと遠藤さんが撮影した写真をまとめた記事をご参照下さい。
※東京マラソンのHPよりスクリーンショットの画像
東京マラソンのコースを見ればお分かり頂けるともいますが、序盤10kmが下りになっており、その後も登りが殆ど無いフラットなコースとなっているため、構造的に非常にタイムが出やすいのです。
東京マラソンは2017年に今のコースに変更されています。これは、記録を狙う海外有力選手を招待し易くするためだとも言われています。凄い選手が揃って参加した方が大会は盛り上がり、経済効果が高まりますよね。2018年に7回もフルマラソン(内東京マラソン含む)に出場した私のマラソン師匠も、東京マラソンは最も走り安い大会だと言っていました。
いかがでしたでしょうか。ここまで東京マラソンでサブ3を達成するための練習方についてレポートして来ました。この記事を書いている間にも本番まで刻々と時間が進んでいるので、気を緩めずに練習に励み、次回の記事更新で皆さまに良い報告が出来れば幸いです。