腹筋を割るためには、トレーニング方法の工夫から食事管理まで、様々な部分に意識を向ける必要があるのをご存知ですか。
そこでこの記事では、最短で腹筋を割るためには、どのようなことを意識して行う必要があるのかについて紹介していきます。
フィジーカー 栗原強太
|
|
湘南オープンメンズフィジーク172cm以下の部で5位入賞したフィジーカー。体脂肪率は1桁。複数のジムを掛け持ちして日々トレーニングに励む。 |
バキバキに割れた腹筋に、誰しも一度は憧れるもの。
一念発起して筋トレを始めても、一日に何回も腹筋をしたのに腹筋が全く割れない…なんて経験した方も多いのではないでしょうか?
実は、腹筋を鍛えるだけでは、腹筋は割れているようには見えるようにはならないんです。
なぜ腹筋が割れないのか、その原因を掘り下げて見ていきましょう。
腹筋は、一つの筋肉のように思われるかもしれません。ですが、腹筋は下記の4つの筋肉で構成されています。
腹筋として、まず想像する板チョコのように割れている筋肉が腹直筋です。
腹直筋は体を曲げ伸ばしする際に主に使用される筋肉で、背骨を支える役割を担っています。
立ったり座ったりする際にも使う重要な筋肉なので、腹直筋が衰えると腰痛などの原因になることもあるのです。
外腹斜筋は、腹直筋のように目立つ筋肉ではありませんが、脇腹にある筋肉で、鍛えられていると抜群にかっこいいウェスト周りを実現できます。
腹横筋や内腹斜筋は、いわゆるインナーマッスルで、表には見えない筋肉です。
腹筋がなんで割れないの?と疑問に思う方も多いと思いますが、実は腹筋は構造上始めから割れているのです。
腹直筋の横方向に走っている線は、「腱画(けんかく)」と呼ばれ、縦に走る線は「白線(はくせん)」といいます。
そして、腱画と白線は、筋肉と骨を結びつけている「腱」で、その部分は筋肉のように膨らむことはありません。
そのため、腹直筋は構造上鍛えられていなくても、腱画と白線によって筋肉が区切られているので割れているのです。
もともと腹筋が割れているのにも関わらず、なぜ腹筋が割れているように見えないのでしょうか?
それは、お腹の贅肉、つまりは皮下脂肪が多いことが1番の原因です。
腹筋が割れていても、皮下脂肪が多いと割れている腹筋を覆ってしまいます。
プロレスラーや相撲取りなどの選手は、強靭な腹筋を持っていますが、割れた腹筋を持っている人はあまりいないのも、お腹のお肉の量が主な原因です。
ですので、腹筋をしっかりと割りたい!という方は、腹筋のトレーニングだけでなく、減量もしていかなければなりません。
腹筋を割るためには、減量も重要ということがわかりましたが、お腹の脂肪は強敵です。
なぜなら、お腹の脂肪は最後に落ちると言われているからです。
実は、脂肪が落ちる順番は、肝臓から遠い所からと言われています。ですので、ダイエットを開始して、はじめに痩せはじめるのは、手首や足首など体の末端から。
そして、腕や足などが痩せ、最後に肝臓のすぐ近くにある、お腹の脂肪が減っていくのです。
太るときはこの逆で、お腹から太っていくのがとても厄介なところ。お腹の脂肪を減らすのは大変なので、時間を掛けてダイエットに励むつもりで挑んだほうがいいでしょう。
腹筋が割れるまでには、筋トレと減量の両方が必要です。
どちらも短期間で実現するのは難しいので、両方同時に行うのがいいでしょう。後で紹介する筋トレメニューと、減量のための有酸素運動、そして適切な食事制限などを行うのが重要です。
様々な方面からのアプローチを行うことで、腹筋を割りやすくなります。
実は、腹筋には割れる順番が存在します。これは、筋肉が肥大する順番というわけではなく、脂肪の落ちる順番が大きく関係しています。
1番最初に割れ目が見え始めるのは、縦の線。すなわち「白線」の部分が見えてくるでしょう。そして、次に割れ目が覗くのは、お腹の上部の「腱画」。最後に割れ目が見えてくるのが、おヘソ近くの「腱画」です。
下腹についてしまった贅肉って落ちにくいですよね。腹筋が割れる順番も、ダイエットの際に落ちにくい部分が、最も遅く割れるのです。
お腹の脂肪を落とすことが、腹筋を割るためのポイントということをおさえておきましょう。
腹筋がしっかりと割れて見える状態になるには、体脂肪率が大きく関わってきます。
腹筋が割れる体脂肪率というのには、ある程度の傾向があり、その体脂肪率には男女で異なります。
うっすら割れているのが実感できる程度なら、男性であれば、15~18%程度を目安とし、女性であれば17~19%程度を目安とすればいいでしょう。
もちろん、腹筋がどの程度鍛えられているかなどにも大きく影響されるので、上記の体脂肪率になったからといって腹筋が割れるとは限りません。
確実に腹筋を割りたいのであれば、男女ともに10%代前半を目指しましょう。
腹筋が割れるまでの期間には、個人差が大きく影響します。
ここまでで説明したように、体脂肪率が大きく影響するので、一概にどのくらいの期間で割れるというのは断定が難しいのです。
もちろん、腹筋のトレーニングの回数が、2日に1回鍛えている人と週1回の人では、筋肉の成長スピードは全く違います。
トレーニング頻度によって差はありますが、筋肉が肥大し始めるのは、トレーニングを始めてから3ヶ月以降と言われることもあります。
ですので、少なくとも腹筋を割るためにトレーニングに励むのであれば、3ヶ月以上はトレーニングを続ける心づもりでいましょう。
腹筋が割れている人の食事の特徴を端的に伝えると「低脂肪・高タンパク」ということが言えます。
低脂肪は、その名の通り油分の少ない食事を指し、高タンパクは、タンパク質を多く含んだ食事を指します。
いくらトレーニングを行っても、脂肪分の多い食事を摂っていては、なかなかお腹周りの脂肪は落ちてくれません。
そのため、脂肪分や油分ができるだけ少ない食事を摂る必要があります。脂分の多いお肉や揚げ物などは控えるようにしましょう。
そして、高タンパクな食材は、トレーニングで痛めつけられた筋肉の再生を促してくれます。ですので、高タンパクな食事を摂ることで、筋肉の付きがよくなります。
「低脂肪・高タンパク」な食材の代表は、「鶏ムネ肉」や「ささみ」など。鶏ムネ肉やささみを中心にして、野菜などをバランスよく食べるのが理想です。
もちろんプロテインなども有効なので、うまく取り入れるとより効果が期待できます。
腹筋を割るためには、腹筋を大きくしなければなりません。
筋肉を大きくするためには、短い時間で高い負荷を掛けるトレーニングが1番効果的です。何回もこなせるような負荷で腹筋を行っても、腹筋の持久力が上がるばかりで、大きくはなりません。
ですので、しっかりと腹筋に負荷を集中させて、短時間で筋肉を疲弊させるトレーニングを行うようにしましょう。
トレーニングを行う前に、腹筋の正しいフォームを確認しておきましょう。
腹筋(腹直筋)を鍛えるには、腹筋を収縮させる必要があります。
最も一般的な腹筋トレーニングである「クランチ」では、背中を丸めるのを意識するのが最も大切です。
よくあるフォームの失敗としては、首を曲げているだけで、背中が丸まっていないという失敗。背中を曲げなければ、腹筋には負荷は掛からないので注意して行いましょう。
ただし過度に背中を丸めすぎると腰を痛めるリスクがあるので、そこは気をつけましょう。
ノーマルクランチは、最もシンプルな腹筋トレーニングですが、かなりのトレーニング効果が期待できます。
先程述べたように、フォームが間違っていると負荷が腹筋にいかないので、フォームを意識して行ってください。
上記を繰り返し、回数は20回×3セット程度を目標としましょう。動作はゆっくりと行うのが重要です。
<参考動画>
体育の授業などでおなじみのシットアップですが、正しいフォームを知っている方は少ないのではないでしょうか。
ノーマルクランチに比べて、腰を痛める可能性があるので、しっかりフォームを意識しましょう。
この状態を繰り返し、回数は20回×3セットを目標としましょう。
<腹筋で腰を痛めてしまったという方にはこちらもおすすめ!>
ここまでに解説したトレーニングとは異なり、下腹部に効くトレーニング方法です。クランチやシットアップと組み合わせて行うことで、腹筋全体を鍛えられます。
上記を繰り返して行います。負荷は高めなので、10回×3セット程度を目安に行うといいでしょう。
こちらも下腹部を鍛えるトレーニングです。
しかし、V字クランチほど負荷が高くないので、トレーニングを始めたばかりの人は、このレッグレイズからはじめるのがいいでしょう。
これを繰り返します。勢いをつけずに行うのが重要です。回数は15回×3セットを目安に行うといいでしょう。
<参考動画>
バイシクルクランチは、腹直筋よりも腹斜筋を重視したトレーニングです。
ここまで紹介したトレーニングと組み合わせて行えば、よりスッキリとした切れのある腹筋を手に入れられます。
上記を繰り返し、左右1セットで1回とします。回数は20回×3セットを目安に行いましょう。
<参考動画>
ここまでは、本格的に腹筋を鍛えるトレーニングを紹介しましたが、一見腹筋トレーニングに見えない筋トレメニューでも腹筋を鍛えられるのではないか?という質問をいただくことがあります。
そこで、よく質問をいただく腕立て伏せとプランクについて解説します。
腕立て伏せを行えば腹筋は鍛えられますが、腹筋を肥大させるには負荷が弱いと言わざるを得ません。
腕立て伏せでは、重量は自分の体重よりも軽い負荷しか掛けられません。ですので、腹筋に強く効かせるには、足りないのが実情です。
ウェイトトレーニングでベンチプレスを行うのであれば、自分の体重よりも重い負荷を掛けられるので、ある程度の効果は期待できます。
腹筋を始めとした、体幹全体の筋肉を鍛えられるプランクですが、腹筋を割るのには効果的なのでしょうか?
結論から言うと、プランクだけで腹筋を割るのは難しいでしょう。
プランクは、静止するタイプの「アイソメトリックトレーニング」の一種で、筋肉の可動域が少ないです。
そして、負荷が一定で軽く、これらの2点が、筋肉が肥大するには向いていません。
プランクではウェストを引き締められても、バキバキに割れた腹筋を作りだすのには向いていないので注意しましょう。
たしかに、ウェイトトレーニングのような高重量を扱うトレーニングを行う方の中には、腹筋は割れているけれど、腹筋の直接的なトレーニングはしていないという方もいます。
これは、そもそも腹筋が体の中心の筋肉であり、他の筋肉を使う際にも力が逃げないように収縮することが関わっているためです。
かなり重量を用いたトレーニングでなければこの効果で腹筋を割るのは難しいと思っておきましょう。
腹筋を割るためには2つのポイントを押さえる必要がありました。
お腹周りの贅肉を減らすには、運動と食事制限の両方からのアプローチが必要です。腹筋を鍛えることと、減量は同時に行っていきましょう。
効果が出るまで時間は掛かりますが、時間を掛ければ結果は必ず付いてきますので、毎日のルーティーンになるまで続けてみてくださいね!
【参考】
また、トレーニング初心者の方にとっては、パーソナルジムを利用することもオススメです。プロのトレーナーによる指導を受けることで、自己流のエクササイズで陥りがちな失敗や挫折などを回避することができます。おすすめのパーソナルジムについては、下記の通りです。
<今回の記事でトレーニング動画を実践してくれた講師陣のご紹介>
パーソナルトレーナー斎藤 裕香
|
|
元ライザップのトレーナーであり、現在は表参道 plat-gym所属のパーソナルトレーナー。自身の経験を元に、男女問わずしっかり食べて生涯リバウンドしない、健康的な体をサポートしている。 |
フィジーカー 栗原 強太
|
|
湘南オープンメンズフィジーク172cm以下の部で5位入賞したフィジーカー。体脂肪率は1桁。複数のジムを掛け持ちして日々トレーニングに励む。 |