雑誌やテレビなど様々なメディアで取り上げられてる筋膜リリースは、全身の筋肉の痛みやコリ、姿勢を矯正するといった体の健康を向上させる効果が期待できるほか、身体の可動域を広げて日常生活やトレーニングのパフォーマンスを向上させたい場合にも効果的です!
この記事では部位ごとの筋膜リリースの具体的なやり方や、期待できる効果について詳しく解説します。
目次
長時間同じ姿勢で過ごしている、体に負担のかかる姿勢や動きを続ける、また、怪我が原因で部分的に負担がかかることで体のバランスがとれなくなると、筋膜の可動域が狭くなることが特徴です。
結果的に筋膜がよじれ、筋肉と皮膚の間のなめらかさがなくなります。
筋膜がよじれることで、本来はなめらかな状態であるエラスチンとコラーゲンの繊維が部分的に集中することで粘りが生じ、ほどけにくくなることがあるのです。
筋膜は全身に張り巡らされており、様々な筋膜や筋肉の動きが悪くなるほか、痛みを感じたり筋力や柔軟性が低下したり、トレーニングや運動のパフォーマンス、日常生活での動作の低下を引き起こします。
筋膜リリースは自分で筋肉が硬いと感じる部分を少しずつリリースする事であり、部分的に集中したエラスチンとコラーゲンの繊維を解く方法です。
ただし、解くまでには時間がかかるため、痛みを感じない程度に無理をせずゆっくり行いましょう。最初は20~30秒程度から始めて、40秒以上行うことを目標にします。
自分で筋膜リリースを行うことで体のバランスが良くなり、体が軽いと感じられるようにもなるでしょう。
継続して行うことで体を健康な状態に維持できるようになり、可動域が広くなるのでセルフコンディショニングとして行う方法も有効です!
<筋膜リリースの詳しい効果はこちら!>
筋膜リリースは具体的にどのように行えばよいのか、部位ごとに紹介します。
細かな筋肉の部位ごとにやり方が異なる理由は、どの部分の筋膜をリリースしているのかをイメージしながら実施することが重要であるためです。
図を交えて、やり方と期待できる効果についても解説します!
首のコリを実感している人は、首の付け根と頭の後ろに広がる後頭下筋群(こうとうかきん)が硬直していることが原因です。
後頭下筋群が伸縮しないことによって、顎を引く時に痛みがあったり、うまく顎を引けなかったりといったケースもあります。首の筋膜リリースの方法は、タオルを使って行います。
1日5セット程度行いますが、首に痛みがある場合や筋膜リリースをしていて痛みを感じた場合は中止しましょう。
首の筋膜リリースをすることでストレートネックが解消され、首のコリや眼精疲労の予防にもつながります。
肩周辺の筋肉の伸ばしたり曲げたりする可動域が狭いと、僧帽筋・肩甲挙筋(けんこうきょきん)のトレーニングを行っても十分な効果を得られません。
紹介するストレッチは、なで肩の人やいかり肩の人、一般的な体型であっても肩がこる人など、どのタイプの人でも行える筋膜リリースです。
肩こりの予防に効果的であり、長時間同じ姿勢で過ごしている人や肩こり解消にもつながります。
背中(胸椎)の筋膜リリースには、フォームローラーを使用します。
フォームローラーは大きく動かさないように、3cm程度の前後の運動で圧迫します。
また、お尻を持ち上げた状態で行うことが重要です。フォームローラーは体重をかけて稼働させると表面の筋肉にしかアプローチできないので、筋膜リリースをする際には細かな動きを意識しましょう!
圧迫する時には若干の痛みを感じる場合がありますが、我慢できないほどの痛みでなければ続けて行います。肩こりや猫背の解消、呼吸が浅く十分に酸素を取り込めていない人に効果的です。
背中の広背筋の筋膜リリースは、自分の肩の柔軟性に適した方法で無理をしないように行うことが重要です。
呼吸を止めないように、力を抜いてリラックスすることが大切です。
また、上半身を前に倒した際には骨盤を折りたたむイメージで行いましょう。
骨盤の歪みが矯正される効果や、血行を促進して新陳代謝を向上させる、肩の可動域を広げる効果も期待できます。
脇の下は、前鋸筋(ぜんきょきん)の筋膜リリースをしましょう。前鋸筋の筋膜リリースは、フォームローラーを使って行います。
痛みが強く圧迫できない場合には、肘をついた状態で行っても問題はありません。広背筋の筋膜リリースと同時に行えば、肩周りの筋肉を動かしやすくなるでしょう。
大胸筋の筋膜リリースも、フォームローラーを使って行います。
手先を動かすだけではなく、腕の付け根から大きくゆっくり動かすことがポイントです。
パソコンやスマートフォンを操作するなど、腕を前に動かす動作が多い現代人は猫背の人が非常に多いです。大胸筋の筋膜リリースで、猫背を矯正する効果が期待できます。
体の中でも、最大の筋肉は足の筋肉であり、足の筋肉のなかでもハムストリングは非常に大きな筋肉で全身を支えるための役割を果たします。
臀部とハムストリングスの筋膜リリースを行えば、スピーディーに動けることや体を安定し支えることにつながります。
大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)・腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)の筋膜リリースも、フォームローラーを使用して行うと効果的です。
大腿筋膜張筋・腸脛靭帯は足の付け根からおへその斜め下までの位置に存在します。鍛えることによって、下半身の可動域を広げ上半身を安定させることに効果が期待できます。
何度か行っていて慣れたら、足を横に倒してフォームローラーの位置を変更して行いましょう。
フォームローラーを使って、片足ずつ筋膜リリースを行います。ただし、強い痛みを感じる場合には無理して行わないように注意しましょう。
まず、フォームローラーを当てるエリアを確認します。膝側はA、関節側がBと設定してから行うことがポイントです。
スクワットと筋膜リリースといった2つのトレーニングを組み合わせることで、冷えやむくみを軽減する効果が期待できます。
腓腹筋(ひふくきん)・ヒラメ筋といったふくらはぎまわりの筋肉の筋膜リリースの方法を紹介します。まずは、足を前に出した状態で床に座りましょう。
足全体の血行が促進されリンパの流れが良くなることで、むくみの解消に効果が期待できます。
腓骨筋はすねの外側にある筋肉であり、つま先を外側に動かす役割を果たします。腓骨筋がこっていると足首の痛みやつまずきやすくなるなど、動きの低下につながるため注意が必要です。
体重を掛けて、重なっている筋膜をはがすように行うことが重要です。足首の安定と柔軟性を向上させるために、腓骨筋の筋膜リリースを行いましょう。
足の裏は、足底筋膜(そくていきんまく)の筋肉をリリースします。
足底筋膜に沿ってボールを縦の方向にローリングさせて、1~2分ほど行います。足先からふくらはぎまでの血行が促進されて、ふくらはぎのむくみ解消に効果が期待できる方法です。
筋膜リリースはいつ行えば良いのか、どの程度行えば良いのか分からないという人も多いのではないでしょうか。そこで、筋膜リリースをするのに効果的なタイミングや回数について解説します。
筋膜リリースは、運動前のウォーミングアップにも効果的です。筋膜リリースをして筋肉の柔軟性を向上させた後、ストレッチやランニングで体を温めると、下半身の痩せにも効果が期待できるでしょう。
運動後に筋膜リリースをすると、よりスムーズな疲労回復効果が期待できます。
アスリートだけではなく運動不足解消のウォーキングやランニング程度であっても、リカバリーすることは重要です。
適度な休息やストレッチ、水分補給やダメージを受けた筋肉の復元させることが大切であり、筋膜リリースで筋肉の柔軟性を向上させるためにも、運動した後にの適度な筋膜リリースを行いましょう。
スポーツをしない人は、自宅に帰ってすぐに行うよりも入浴後に体が温まった状態で筋膜リリースをしたほうが筋肉がほぐれやすいでしょう。
そのため、入浴後にリラックスしながらゆっくりと行う方法も有効です。
筋膜リリースは毎日行うことがベストですが、最初のうちは痛みを感じる場合もあるため、週に3回程度でも問題ありません。より高い効果を得られるように、徐々に回数を増やしましょう。
筋膜リリースは、部位ごとのやり方次第で効果が変わることが特徴です。自分は不調を感じる場所を中心に、12の部位別に正しい方法をチェックして、筋膜リリースを取り入れましょう。