3ヶ月でフルマラソンの完走を目指す!プロが教える練習法

大角重人
当サイトの監修・執筆者

秋、冬は市民ランナーにとってのマラソンの季節です。

週末には、各地で数多くの大会が開催されます。中には、

初めてのフルマラソンを控えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、プロランニングコーチの立場から3ヶ月でフルマラソンを完走するための具体的な練習法をお伝えします。

走る前に知っておいてほしいこと

ランニングの特徴

ランニングは、走る距離とスピードの2つの特性からなる競技です。

長い時間をかけて距離を長く走るか、もしくは短い時間で速く走るか、または両方の走り方を繰り返し行うことで、42キロを走り切るということになります。そのため、フルマラソンを走るためには、目標のペースを決めて、そのペースで42キロを走りきれるような体づくりをする必要があるのです。

フルマラソン完走に大事な3ポイント「走る・トレーニング・休むこと」

マラソントレーニングをする上で大切な事が、3つあります。それは、走ること・トレーニング・休むこと(リカバリー)です。

走った分だけ、その距離を速く走れるようになるというものではありません。走ると筋肉が疲れるので、休むことで筋肉を回復させます。回復すると、より強い筋肉になっていきますので、これを繰り返していくことで、走れる体を作り上げていく事ができます。

 

ここで言う強い筋肉とは、速くもしくは長く走れる筋肉のことです。

マラソン初心者は特に、何キロ走れたかということに着目しがちで、リカバリーしたことで筋肉が強くなったという意識を持たない人が多いと思います。

休むことを疎かにすると、走っても怪我をしやすいですし、タイムがクリアできないという方は、リカバリーが足りていないことが原因として挙げることができます。走行距離だけに捉われると、何キロ走って駄目だったから、次はじゃあより長い何キロ走って目標をクリアしよう!とゆう考え方になってしまいますから、より効率的に目標タイムをクリアするには、その走る距離とスピードをコントロールしながら、筋肉を回復させるといった繰り返しがポイントになります。

準備期がその後のトレーニングの質を左右させる

では、フルマラソンの3ヶ月前からどういうイメージで練習をしたら良いのでしょうか。

大きく分けると、①導入期(初めの1か月弱)、②鍛練期(2か月目〜本番前3週間ぐらいまで)、③調整期(本番前3週間前〜)の期間を3つに分けて練習していきます。

導入期(初めの1か月弱)の練習法

導入期のランナー

まずは、導入期について見ていきます。

今まで何かしらのトレーニングを行ってきた人もいると思うので、そういった人たちは、この期間を長く設けなくても良いです。導入期では、フルマラソンを軸にした生活を習慣化させましょう。

 

ストレッチ、走る、筋トレ、しっかり睡眠をとるといった基本的なことが挙げられます。

ただ単に「走る」だけではなくて、しっかりとリカバリーの時間を取ったり、筋トレもしっかり行うことが大切です。

次には、頑張り時の鍛練期が待ち構えていますから、導入期でしっかり準備しておく必要があります。走る習慣づけをする、慣れる期間と位置付けましょう。

 

では、実際にどのような練習をすればいいのか。初めてマラソンにチャレンジする方は、まずは走ってみることが重要です。

ジョギングを週に12回はしてみるといいと思います。

また、マラソン経験者は、急にその目標タイムで長い距離を走るのではなく、目標タイムを意識した1015キロ走に取り組んで見ることをお勧めします。

 

この時期に多くの人が陥りやすいのが、急にトレーニングを増やしてしまって怪我をしてしまうことです。

この時期に怪我をしてしまうと、頑張るべき鍛練期で長い距離を走れなくなってしまい、休まなければいけない状況になります。出来れば、急にトレーニングの量と走る距離を増やしすぎないことも頭に入れておいてほしいと思います。

 

導入期のゴールとしては、初めてフルマラソンに出る方は、10キロぐらいを継続して走れるような状態になってればOK だと思います。ランニングウォッチやアプリなどを使って、自分は何分で何キロ走れるんだなといったペースを意識できていると、なお良いですね。

また、練習を始めようと思ったけれど、ランニングには苦しいイメージがあって気が重いという方がいらっしゃれば、こちらの「ランニングを楽しく始めるためのコツ」の記事を参照してから練習を始めてみても良いかもしれません。

鍛練期(2か月目〜本番前3週間ぐらいまで)の練習法

鍛錬期のランナー

次に鍛練期を見ていきましょう。その名の通り、頑張ってトレーニングをして、体を鍛え上げていく時期です。

この期間では、ペースをより意識して走りましょう。例えば、1キロ8分で15キロ走ることができたとすると、トレーニングを継続すればだいたい5時間台ぐらいでフルマラソンが走れるといった見通しを持つことができ、より目標を意識したトレーニングを行うことが期待できます。また、長い距離を走れるように、徐々に走る距離を増やすことも必要です。

 

鍛錬期には、本番と同じぐらいのペースで長い距離(15キロ~30キロ)を走れると良いでしょう。また、短い距離(5キロ~10キロ)を、本番より速いペースで走るトレーニングも取り入れてみましょう。これら長い距離のトレーニング、短い距離を速くのトレーニング、を週に各1回ずつ繰り返していくことで、長く速く走れる体を作っていけます。

 

また、この時期にハーフマラソンに出てみるというのも1つの手段です。

特に、初めてフルマラソンに出る方は、ゼッケンはどこにつければいいのか、よくわからないチップが入っていたけど何これ?といった、そもそものマラソンとはどういうものか?というのを確認しておくいい機会になります。普段の練習では、一人で黙々と走っているかもしれませんが、大人数一緒に走るってどういう感じなんだろう?といった感覚もわかります。

初めてマラソンに出ると、前半のペースが早すぎて、後半ペースダウンをしてしまうといった失敗も見られますので、一度ハーフマラソンで感覚をつかんでおくことをお勧めします。

 

この鍛練期では、もちろん頑張ってハードなトレーニングをするので、その分疲労が溜まり、怪我をしてしまう可能性が高くなります。

また、寒い時期になってくると、免疫力も低下して風邪をひくなどの体調不良に陥りやすかったりもするの、そういう部分もケアしましょう。

初めての方でも、週に2回のトレーニングを目指すと良いですね。中級クラス以上の方でも、週に3~4回トレーニングすれば十分だと思います。

他の日をしっかりとリカバリーする日にすることで、疲労回復や免疫力低下による体調不良を防ぐことに繋がります。

調整期(本番前3週間前〜)の練習法

調整期のランナー

次は、調整期です。

頑張ってトレーニングする時期はだいたい3週間前までで結構です。調整期からは、徐々に疲れを抜いていって、本番元気な状態でスタートラインに立つことが理想です。体に疲れ・痛みがない、風邪を引いてない状態で本番が迎えられるように、調整していきましょう。

 

前述したように、走る距離とスピードが競技特性なので、この両方を増やすもしくは一方を増やすことが負荷を高めることになるので、この時期には逆に負荷を減らしてあげることが必要です。つまり、走る距離を徐々に減らし、走るスピードを維持しましょう。

 

走る距離を減らさずにスピードを落とすと、疲労は減りますが、地面に足がついている時間が長くなり、悪いフォームになりやすいので、注意しましょう。例えば、週末に20キロ〜30キロの長い距離を走るけれども、2週間前には15 キロまで減らし、1週間前には810キロぐらい走って、本番を迎えるとよいと思います。

負荷が減ると筋力が落ちやすくなるので、そういう意味でも、スピードを維持したトレーニングが必要になってきます。筋トレも1週間前ぐらいまではやっておくと良いですね。

 

また、ストレッチも効果的です。ストレッチで筋力が刺激され、筋力が落ちにくくなりますから、特にランニングで重要になってくる体幹部や肩関節・股関節周りは継続的にストレッチを行うと良いと思います。

加えて、活動量自体が減るのでは体重が増えてしまはないように注意が必要です。単純に消費カロリーが減るので、今までと同じ量のエネルギーを摂取しないようにしましょう。重いものを運ぶよりも、軽いもの運んだ方が楽という感覚と同じですね。

 

本番1週間前〜2週間前には、本番と同じ時間に外に出て走ってみると、気温の感じ方もわかると思います。

本番前日に天気予報を見て、明日は○度だから、ウェアは何にしようかな?と考えてもわかりません。本番走る前には、何をどのくらい食べておけばいいのかなども、本番を想定した準備を一度やっておくと、本番もスムーズに行くと思います。

いかがでしたか?

ウォームアップをするランナー

こちらのマラソンランナーが見ている世界という記事でも紹介されていますが、フルマラソンはあなたの世界観を大きく広げてくれると思います。

ぜひ、今回ご紹介した練習法をご参考に、フルマラソン完走を目指して見てくださいね!

この記事を書いた人
大角重人
プロランニングコーチ

MYREVOはパーソナルトレーニングジム、ヨガスタジオ、
ストレッチ、ダイエット、ランニングに関する
プロ集団が著者・監修を担当

パーソナルトレーナー

山本耕一郎

パーソナルトレーナー

斎藤裕香

パーソナルトレーナー

松浦晴輝

パーソナルトレーナー

YOKO

フィジーカー

栗原強太

ストレッチトレーナー

福原 壮顕

ヨガインストラクター

斉藤玲奈

管理栄養士

佐藤樹里

プロランニングコーチ

大角重人

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