マラソン大会を1週間後に控えたあなた。
調整も積み重ね、準備にも気を抜けない状況になってきましたよね。
この記事では、パフォーマンスを最大限にUPするため、準備で気をつけるべきポイントを、シーンごとにご紹介します。
目次
レース前の合言葉=「特別なことはしない」。
今までにやっていない新たなメニューは取り入れず、食べ慣れていないものも食べないことが基本です。
レース前は本番のペースを意識するため、負荷のかかる練習をしたくなるもの。
「ここまで走ることができたら、本番でも大丈夫だ」と思う自信も大切ですが、1週間前に力を出し切ってしまうと、本番に響いてしまいます。
フルマラソンでは、当日3週間前~2週間前あたりが最も「しんどい時期」。
2~3週間前までは練習量や質をどんどん上げていき、そこからはある程度負荷をかけながらも、少しずつ練習量を落としていくことが基本です。
1週間前からは、「出し切る」というよりも、体調を万全にするために「余裕を残す」ことが大切。
1週間前~当日までのおすすめの流れが、こちらの3ステップです。
ある程度の負荷をかけながらも、しっかり力を溜めるイメージで、10km前後の距離を、本番のペースを意識して走る。
多少速い動きを入れることがおすすめ。
本番と同じ位~1kmあたり15~30秒速いペースで5km前後走り、筋肉・心肺に刺激を入れる。
ゆっくりジョギングでつなぎ本番を迎える。
会場までの移動を含め、体は日々の疲労を蓄積しています。なので前日には走らずに散歩等を行い、足を休めてあげてOK。走るとしても、30~40分のジョギング等軽めにしましょう。
3~4日前に5km前後のトレーニングのみだと物足りない気もしますが、本番の状態を考えると3~4日前の練習では欲張らないことが正解。
目標タイムにもよりますが、レースペース位~15~30秒くらい速いペースで、気持ちよくスピードに乗って走ることで、心配や筋肉に刺激が入ります。
その後ゆったりクールダウンして終えるのがおすすめです。
市民ランナーの方であれば、サブ3目標で週1~2回、3時間台・サブ4目標で週3~4日、は完全に走らない日を作る方がベター。
仕事などで日中1日中活動しているのであればそのための疲労回復の時間を設ける必要があるためです。
いざ練習時に、コンディションの良い方が当日もパフォーマンスを上げやすくなります。
「疲れている」と感じる時ってありますよね。そんな疲労回復には大きく2通りの方法があります。
1つは、完全に休むこと。
もう1つは、体を動かすことで疲労を抜く方法です。
動いた方が意外と疲労が抜けることも多くあります。たとえばインターバル走の翌日、気持ちよいと感じるペースでジョギングを行うのもおすすめです。その時の場所を足場の柔らかい所とすれば、負担も軽くおさえることができます。
大会前は焦って、炭水化物を意識的に多めに食べてしまったりする方も多くいらっしゃいますが、気をつけるべきポイントは3つ。
食事の量も基本的には変えないことがおすすめ。
人によって食べる量にも違いがあるため、レースに向けた練習の中で、「明日は長い距離を走る練習だから、お茶碗2杯食べてみよう」などご自身の反応を見つけてみるのが一番よいでしょう。
食事は基本3食とってOK。
2~3日前から炭水化物、糖質を多めに食べましょう。間食には大福や餅、バナナなど好きなものを食べるのもおすすめ。
そのほか、
・生野菜
・生ものや刺身
・脂身の多い肉類
・パスタ、ラーメン、チャーハンなど油分の多い炭水化物
など、胃腸に負担のかかりそうな食べ物は避けた方がベター。
炭水化物ならお米、うどんやお餅など胃に負担のかかりにくい食事がおすすめです。消化のよいものをしっかり食べましょう。
レース中にお腹が空くとつらい一方、レーススタート時には食べ物はお腹に残っていてほしくない。
そこで丁度良いのが、カステラです。
糖質、卵も入っているカステラは、エネルギーに変わりやすいのです。カステラはご飯の代わりにはなりませんが、レース前の補食としては最適といえるでしょう。
空腹時って体力が持つかな・・・?など心配になりますよね。
でもレース前日にしっかり食事をとっても当日朝お腹が空いているということは、体の状態が良い状態である証拠。機能が働き、ちゃんと消化ができていると思ってよいでしょう。
もし食べた物が残っていると、体調や消化機能が落ちている可能性があります。
「空腹」=悪いわけではありません。
体内に蓄えられた糖質はそんなにすぐ減らないので、意識的に空腹時を作る必要もありません。
カーボローディングとは、運動エネルギーとなるグリコーゲンを筋肉中に多く溜める、栄養摂取法のひとつ。
アスリートやスポーツ選手も食事法としてとりいれています。レース1週間前の夜から3日前の昼まで糖質を抜き、3日前の夜からレースまでは糖質を増やす方法や、レース3日前から炭水化物を多めに取るといったやり方があります。
ただし、一般的に人が体内に蓄えられるエネルギーは2000キロカロリー、体重やトレーニング状況にもよりますが、25~30km地点まではその蓄えたエネルギーで走れるといわれています。
残りの距離はそのため、補給食やジェルを持って走る方も多いですよね。
広く知られているカーボローディングですが、見よう見まねでストイックに行ってしまうと危険です。
糖質を抜く=集中力低下や免疫力の低下を引き起こすリスクがあります。
また、糖質を一気に増やすと胃腸がびっくりしてしまい、処理機能がうまく働かない危険があります。胃が重たいままでレースに出ると、お手洗いが近くなることも。
もしカーボローディングを行うのであれば、
・お米の量を普段より「若干だけ」増やす・減らすに留める
・2日間でしっかり食事をとり、レース中の補給を準備
この2点がおすすめ。やりすぎるとパフォーマンスが低下する可能性もあるので注意しましょう。
大会が近付いてくると、興奮して前日寝られないなんて状況も。
そんな時は「寝られなくてもいいや」と思うのがコツ。
1日ぐらい寝られなくても、タイムが何分も遅くなるわけではありません。
その日まで十分な睡眠が取れていたのであれば、寝られなくても仕方がないと割り切りましょう。
また起きる時間は、9時開始のレースであれば、4~5時間前の5時が目安。朝食を食べる前に15~20分ほど少し歩き、レース3時間前の6時には食事をとります。
レース中のお手洗いを不安に思う人も多くいます。
「お手洗いに行きたくなるから水を飲みたくない」という人もいますが、脱水になってしまう可能性が高く危険です。
当日は、朝起きてからレース直前まで、こまめに水分をとりましょう。
ひとくちずつでよいので、体を水分でいっぱいにするイメージがおすすめ。
運動中は体から汗など水分が出やすくなっている状態なので、そこまで気にしない方がパフォーマンスを保つことができます。
いかがでしたか?
マラソンには、初めて出られる方や久しぶりに参加する方、日頃の成果を発揮したい方など様々かと思います。
どんな方にも共通して言えることは、「いつも通り」の質を上げれば、当日を安心して迎えられるということ。
マラソンは身体に大きな負担のかかるスポーツだけに、完走を目指して体調を整えて臨んでくださいね。
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