ダンベルのトレーニングの1つにダンベルを活用したデッドリフトである「ダンベルデッドリフト」という種目があります。
これはスクワット、ベンチプレスとともにBig 3といわれる負荷の高い種目です。正しく効果的なやり方で行えば引き締め効果が高い一方、やり方を間違えると怪我をする恐れがあります。
この記事ではダンベルデッドリフトの正しいやり方と適正な負荷のかけ方を詳しく紹介します!
目次
ダンベルデッドリフトとは、背中からハムストリングスにかけて背部全体鍛えられるトレーニングです。
大筋群である広背筋やハムストリングスを鍛えられることから、筋トレ初心者だけではなく上級者からも支持されています。
まずは、ダンベルデッドリフトの効果やメリットについて詳しく解説します。
ダンベルデッドリフトは、スクワット、ベンチプレスとともに「BIG3」と称されており、筋トレの中でも負荷が高いメニューとして評判です。
ダンベルデッドリフトの効果やメリットは主に下記の通りです。
ダンベルデッドリフトは、広背筋や僧帽筋、脊柱起立筋などの背中を中心とした大きな筋肉を鍛えられることができます。
背面全体の筋肉に刺激を与えられるので、ダイエット目的の女性にも最適なトレーニングです。
さらには、ヒップアップや引き締まった太もも、無駄な脂肪がつきにくい逞しい身体を作り上げられます。
デットリフトには、ダンベルデッドリフトとバーベルデッドリフトがあります。
どちらも鍛える筋肉は同じですが、トレーニング効果や負荷に大きな違いがあります。
両者の違いを理解して、目的に応じたトレーニングをしましょう。
項目 |
特徴 |
バーベルデッドリフト |
|
ダンベルデッドリフト |
|
バーベルデッドリフトもダンベルデッドリフトも大きな負荷をかけられるトレーニングですが、ダンベルデッドリフトは、細かい負荷調節や運動方向によって可動域改善の効果にも期待でき、全身の筋肉をバランス良く鍛えられます。
ダンベルデッドリフトでは、背中から下半身にかけてさまざまな筋肉を鍛えられます。
トレーニングには「意識性の原則」という理論があるように、鍛えている部位を意識することでより効果的な筋トレになります。
ダンベルデッドリフトで鍛えられるのは主に「広背筋」と「脊柱起立筋」です。
広背筋は脇の後ろから背中に広がっている筋肉で、腕の動作に大きな影響を与えています。
懸垂をイメージしていただくとわかりやすいですが、腕を伸ばした状態から身体に引き寄せるときに働きます。
脊柱起立筋は、背中を覆いつくしているとても大きな筋肉です。
脊柱を両端から支えているように位置しており、姿勢の安定化にとても重要な働きをします。日常生活で頻繁に使われることから、持久力が求められる筋肉です。
ダンベルデッドリフトは「ハムストリングス」や「大臀筋」も鍛えられます。
ハムストリングスとは、太もも裏側の大きな筋肉で、「大腿二頭筋」「半腱様筋」「半膜様筋」の総称です。
主に、脚を蹴り出すときに使われる筋肉で、股関節の可動性に大きな影響を与えています。
大臀筋とは、一般的にお尻の筋肉と呼ばれている部分です。
「アスリートはお尻が命」と言われているように、股関節の動的安定性にとても需要な役割を担っています。
「早くムキムキになりたいから、最初から高負荷でやりたい!」という方も多いようですが、自分のレベルに合った重量設定をしましょう。
なぜなら、自分に見合った重量を無理しておこなうと、怪我のリスクも高くなるからです。
「少し重いと感じる重量」や「ギリギリ10回できるくらいの重量」という目安も良いですが、本格的にトレーニングをしたい方は自分の体重に合わせた重量設定をしましょう。
ダンベルデッドリフトの正しいフォームや注意点について解説します。ダンベルデッドリフトは筋トレのなかでも負荷が大きいので、正しいフォームを学ばないと怪我をするリスクもあります。
まずは、正しいフォームを習得してから、実践編としてダンベルを用いたトレーニングをしましょう。
まずは、ダンベルデッドリフトの【フォーム編】と【実践編】に分けて解説します。
項目 |
解説 |
手順 |
|
項目 |
解説 |
手順 |
|
ダンベルデッドリフトは、広背筋や菱形筋を鍛える「ベント・オーバー・ローイング」と動作が似ていることから誤った解釈でトレーニングしてしまう方も多いようです。
ダンベルデッドリフトをするときは下記の項目に気をつけましょう。
肘を曲げて腕の力だけでダンベルを持ち上げてしまうと、広背筋や菱形筋を鍛える「ベント・オーバー・ローイング」になってしまいます。
ダンベルデッドリフトは身体を起こす動作に合わせてダンベルを持ちあげます。
つまり、腕の力だけでダンベルを引き寄せるのではなく、肘や肩の角度を固定したまま上半身の上下運動で持ち上げるように意識しましょう。
また、ダンベルデッドリフトは全身に疲労が溜まるトレーニングなので、実施頻度は3日に1回程度にしましょう。
ダンベルデッドリフトは筋トレのなかでも強度が高いので、注意しないと怪我をするリスクも高まります。
下記では、フォームや呼吸の注意点について詳しく解説します。
フォーム編の手順2〜4でも解説しているように、ダンベルデッドリフトの実施中は太もも裏(ハムストリングス)と広背筋が緊張していることを確認しましょう。
ダンベルデッドリフトはダンベルを上下運動させるので、背中やお尻に力が入っていないと、重力に逆らえずに腰を反ってしまうことになります。
腰だけでダンベルの重さを支えることになると腰痛の原因にもなります。
「太もも裏や広背筋の力の入れ方がわからない」という方は、パートナーに背中や太もも裏を触ってもらうことで、自然と意識を傾けられます。
ダンベルを持ち上げるときにグッと歯を食いしばることから、息を止めてしまう方は多いです。
息を止めることで一瞬のパワーは引き出せますが、血圧が一気に上がってしまいます。
心臓や血管に負担がかかり、ハードなトレーニングを繰り返していると失神するケースもあるので、ダンベルデッドリフトの実践中は必ず自然な呼吸を心がけましょう。
ダンベルデッドリフトをおこなうときに、現在または過去に腰の怪我をしたことがないか確認しましょう。
既往歴(※病歴のこと)がある方は高負荷でおこなうと腰を痛めやすくなります。
また、筋トレ中に腰が痛くなったときはすぐにやめましょう。ダンベルを持ち上げるときも下ろすときも腰に負担がかかるので、注意してください。
何度もお伝えしているように、ダンベルデッドリフトはベンチプレスやスクワットと同じくらい強度の高いトレーニングです。
いきな高負荷のトレーニングをおこなうと腰や膝を痛めやすくなるので、必ず段階的に負荷をあげていきましょう。
筋トレは「適切な負荷×適切な回数」で効果が得られます。
つまり、闇雲にトレーニングするだけでは理想的な身体にはなりません。限界を感じながらも無理をして続けてしまうと、フォームを崩して怪我をしやすくなります。
また、実践中はダンベルをしっかり握っておかないとダンベルが足の甲やつま先に落下して骨折するケースも考えられます。
ダンベルはしっかりと握り、休憩するときはゆっくり置くようにしましょう。
初めてダンベルデッドリフトをおこなう方は、自分の体重×0.5〜0.8の重量がおすすめです。
体重が60kgの場合、60kg×0.5=30kg(片手15kgずつ)を1セット15回程度にしましょう。
体重によってダンベルの重さを決めるのはあくまでも参考程度にとどめていただき、自分の筋力に見合った重量から始めましょう。
そのためには前述したように正しいフォームでできるかが重要になってきます。
「ダンベルデッドリフトに慣れてきたから強度をあげたい!」という方は下記の応用メニューにチャレンジしてみましょう。
スモウダンベルデッドリフトは、ワイドスタンスダンベルデッドリフトとも呼ばれており、大腿四頭筋や大臀筋、内転筋が鍛えられます。
項目 |
解説 |
手順 |
|
ポイント |
|
注意点 |
膝や足首、腰に痛みを感じたら中止 |
スモウダンベルデッドリフトのコツは、上半身を直立状態のままおこなうことです。
反動をつけてしまうと腰に負担がかかってしまうので、胸を張って上体を保つことを意識しましょう。
また、足幅が変わっても膝とつま先は常に同じ方向にしてください。
特に膝が内側に入ってしまうと靭帯に過度なストレスが加わるので怪我につながります。
ルーマニアンダンベルデッドリフトは、普通のダンベルデッドリフトと比べてあまり膝を曲げないことが特徴で、
膝の3〜6cm下あたりまでダンベルを下ろします。背筋や脊柱起立筋、大臀筋を集中的に鍛えられます。
項目 |
解説 |
手順 |
|
ポイント |
|
注意点 |
膝や足首、腰に痛みを感じたら中止 |
ルーマニアンダンベルデッドリフトは膝の角度を変えずに股関節の屈曲を頼りにします。
手順2〜4ではお尻を後ろに突き出して、太ももの裏(ハムストリングス)を緊張させましょう。
また、背中が丸まってしまうことが懸念されるので肩甲骨を寄せて姿勢を正すことも大切です。
ダンベルデッドリフトをおこなうときに、トレーニングベルトやパワーグリップがあると効果的なトレーニングができます。
トレーニングベルトは、腰を締め付けることで腹圧を高め、より強い力を発揮しやすくなります。
また、ダンベルデッドリフトは腰に負担がかかりやすいので、腰を保護する目的としても重宝されています。
パワーグリップは手首の剛性を高めるグローブです。
ダンベルデッドリフトでは握力がなくなり、「十分に追い込めなかった」という方も多いようです。
パワーグリップを使うことで、手首を保護しながら追い込めます。
トレーニングベルトやパワーグリップは、ダンベルデッドリフトだけではなくバーベルスクワットやベンチプレスなどの種目にも活用できるので、本格的な筋トレをおこなう方におすすめです。
今回は、ダンベルデッドリフトの正しいフォームや応用トレーニングについてご紹介しました。ダンベルデッドリフトはスクワット、ベンチプレスとともに「BIG3」と称されており、とても負荷の高い筋トレメニューです。
実践するときは正しいフォームを身につけること優先しましょう。腰に負担がかかりやすいので、まずは軽量のダンベルから始めてください。
【参考】
また、トレーニング初心者の方にとっては、パーソナルジムを利用することもオススメです。プロのトレーナーによる指導を受けることで、自己流のエクササイズで陥りがちな失敗や挫折などを回避することができます。おすすめのパーソナルジムについては、下記の通りです。