「筋トレにはブロッコリーが良い!」と言う噂を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、その噂は本当です。
ブロッコリーは、スーパーで気軽に買えるスーパーフードと言ってもいいでしょう。
そこでこの記事では、筋トレをする全ての人に味方をしてくれる、ブロッコリーの栄養や筋肉への効果、筋トレ時の食べ方などを詳しく紹介していきます。
佐藤樹里(管理栄養士)
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管理栄養士。アスドリファクトリー代表。フィットネスジムでの運動・栄養指導経験後、約1年海外移住をし、現地のレストランでシェフと共に働く。現在はスポーツイベント開催、アスリートへの栄養講座、栄養個別サポートを通算1000人以上に行う。 |
目次
筋トレにおいて、ブロッコリーが勧められるのはどういった理由があるのでしょうか?
その理由には下記の3つの点が深く関わっています。
その理由について詳しく解説していきましょう。
ブロッコリーには、筋肉の生成をサポートしてくれる成分が含まれています。
ブロッコリーには男性ホルモンであるテストステロンの分泌を増強する成分が含まれており、 この成分が筋肉の成長をサポート。
テストステロンの働きにより男性らしい筋肉を作りやすい体質にしてくれます。
また、女性ホルモンを抑える作用もあり、筋肉の発達を抑える役割があるエストロゲンという物質の分泌が減ります。
これにより、女性らしい体を作る機能が抑えられ、より男性らしい体を作りやすくなるのです。
その他にも、筋トレ後の筋肉のリカバリーに効果的な、ビタミンやタンパク質などの成分が多く含まれており、ボディビルダーはブロッコリーを好んで食事メニューに取り込んでいます。
ブロッコリーには、筋肉の成長をサポートするだけでなく、骨を強化してくれるカルシウムも豊富に含まれています。
一見、筋トレには骨の強化というのは関係ないように思いますが、 骨にも筋肉を動かす能力があるので、あなどってはいけません。
ブロッコリーは、カルシウムだけでなくマグネシウムも豊富に含まれています。
骨を強化する作用があるカルシウムですが、カルシウムだけを取りすぎてしまうと高血圧になる可能性があります。
しかし、マグネシウムを一緒に摂取することでそのリスクを抑えられます。
ブロッコリーにはカルシウム、マグネシウムの両方が豊富に含まれているため、健康を損なわずにしっかりと骨を強化してくれるのです 。
ブロッコリーは調理がとても簡単です。
トレーニングを行った後は、しっかりと栄養補給をしなければなりません。
ハードにトレーニングを行っている人ほど、 栄養補給のタイミングは多いはずです。
しかし、そのような状況で、素早く調理を行えない食材だと、栄養補給が面倒に感じてしまうでしょう。
ブロッコリーの場合は、適度な大きさに切って茹でたりレンジでチンするだけで食べられます。
栄養補給をこまめに行わなければいけない状況では、ブロッコリーの調理の手軽さは非常に有効になるでしょう。
また携帯性もよく、タッパーに入れるだけで手軽に持ち運べるのも良い点です。
ブロッコリーに含まれる成分が、どのような働きをするのか詳しく見ていきましょう。
ブロッコリーには下記のような成分が含まれています。
どのような働きをするのか順番に見ていきましょう。
カルシウムは骨を作り出すのに必要な成分です。
カルシウムは骨の主成分で、カルシウムが足りなければ骨粗しょう症になってしまい、ちょっとしたことで骨折するようになってしまいます。
また、ブロッコリーにはマグネシウムも豊富に含まれています。
マグネシウムには、 タンパク質からエネルギーを作る作用があったり、 血圧を維持する役割もあります。
どちらの成分も、体作りには必要不可欠なので、この2点が揃っているブロッコリーはトレーニングを行う際の食事には最適です。
ビタミンCは、ブロッコリーに豊富に含まれ、コラーゲンを生成するのに使われます。
ビタミンCには、他にも鉄分の吸収を良くしたり、ストレスを抑制したり、抗酸化作用もあるため健康的な体を維持するのには重要です。
またビタミンCは、ストレスが多い人ほど消費量が多く、たくさん摂取しなければならない栄養素です。
ここで言うストレスとは、心理的なストレスだけでなく、物理的なストレスも含みます。
そのため、トレーニングで体に物理的なストレスをかけているトレーニーの方はビタミン Cの摂取がかかせません。
ビタミンCが足りなくなってしまうと、体の免疫力が下がって風邪を引きやすくなってしまいます。
また、慢性的にビタミンCが不足してしまうとコラーゲンがうまく作れません。
コラーゲンを作れないほどビタミンCが不足してしまうと、肌荒れや、歯茎などから出血が起こる場合もあります。
一方で、ビタミンCを過剰摂取したとしても、 体に悪い影響は出ないと言われています。それは、過剰摂取したビタミンCが、尿から体の外へと排出されるからです。
タンパク質は、筋肉を作り出すのに重要な栄養素です。
野菜でタンパク質を多く含むものは、大豆などの豆類とされていますが、ブロッコリーにも多くのタンパク質が含まれています。
タンパク質は、筋肉だけでなく内臓や血管、血液、ホルモンなど様々な体のパーツを構成するのに使われています。
トレーニングを行っても、十分なタンパク質が補給されなければ、破壊された筋肉の繊維を修復できず、筋肉を大きくできません。
タンパク質の含有量だけで言うと大豆などには劣りますが、 ブロッコリーは他の栄養素も多く含んでいるため、非常に優秀な野菜と言えるでしょう。
ビタミンB6は、タンパク質からエネルギーを作り出すのに用いられます。
筋肉や血液などを作り出すのにも使用されるので、トレーニングを行っている人はたくさん摂取する必要があります。
ですので、筋トレ後にはタンパク質が必要だからといって、タンパク質ばかりを摂取するのではなく、ビタミンB6も合わせて摂取しなければなりません。
ビタミンB6が不足すると、口内炎や貧血などの症状が現れます。
日常生活でビタミン B 6を摂りすぎるという心配はほとんどありませんが、ビタミン剤を飲んでいる場合は用法用量を守って摂取するようにしてください。
ブロッコリーをトレーニングの栄養食として活かす食べ方について紹介していきます。
ブロッコリーをトレーニングに最大限に活かすには、合わせてたんぱく質も摂るのがおすすめです。
軽く茹でたブロッコリーと、湯通しした鶏胸肉やささみを、軽くドレッシングなどで和えたり塩で軽く味付けすると美味しくいただけます。
また、ブロッコリーは、つぼみの部分だけ食べてしまいがちですが、 茎にも豊富な栄養が含まれています。
茎の部分には皮が付いています。皮は少し硬いため、皮を薄く剥がして中身だけ取って茹でれば美味しく食べられますよ。(※茹でる場合はビタミンCが破壊されてしまうので、その点はご留意ください。)
ブロッコリーと鶏胸肉などを和えたものを冷蔵庫に置いておけば、いつでも栄養補給ができトレーニングのお供に最適です。
ブロッコリーを食べるタイミングはどのタイミングが最適なのでしょうか。
よく「筋トレ後30分以内にプロテインを摂取する」と言いますが、ブロッコリーの場合も同じく運動後30分以内がおすすめ。
筋トレ後30分は、 ダメージを受けた体が栄養補給をしたがるため、栄養の吸収率が普段よりも上昇します。
そのタイミングでブロッコリーを食べれば、栄養の吸収効率が上がり効率よく栄養を摂取できます。
ブロッコリーだけでなく、合わせて鶏胸肉やささみなどの低脂肪高タンパクな食材を合わせて食べるとより効果的でしょう。もちろんプロテインでもOKです。
いいブロッコリーの選び方について、紹介していきましょう。
どうせ食べるのであればブロッコリーも栄養が豊富なものを食べたいですよね。
スーパーで良いブロッコリーを見分けるためには、いくつかのポイントがあります。
これらを基準に選ぶといいでしょう。
つぼみが密になっていて盛り上がっているものは、栄養状態がよく育った証拠です。
そしてつぼみが紫色になっているものに関しては、 ポリフェノールが豊富に含まれています。
ブロッコリーは鮮度も重要なので、鮮度を維持しやすい茎がしっかり残っているものを選ぶのがいいでしょう。
これらの点について満たしているブロッコリーであれば、豊富な栄養が含まれており鮮度も十分保たれています。
ブロッコリーは生の状態のままだと、徐々にビタミンCが失われていきます。
そうならないためにも、冷凍保存がおすすめです。
冷凍保存するだけではなく、下茹でをした状態で保存するブランチングという保存方法がベストな方法。
ブロッコリーを茹でる際には、硬めに茹でるのがポイントです。
じっくりとブロッコリーを茹でてしまうと、水溶性の栄養素であるビタミンCなどが流れ出てしまいますので、短い時間で茹であげるのが栄養素を逃さないためにも重要です。
茹でるのが面倒という方には、電子レンジでの調理もおすすめ。
電子レンジでの調理はタッパーなどに入れ、一株当たり600Wで3分程度加熱するとちょうどいいぐらいに茹で上がります。
電子レンジの調理であれば、 水溶性の栄養素も流れないため、最大限ブロッコリーの栄養を摂取できます。
ブロッコリーの加熱が終わったら粗熱を取って、タッパーやビニール袋などに入れて冷凍しておくといつでも使えて大変便利です。
ブロッコリーと合わせて食べると良い食材には、どういったものがあるのでしょうか。
ブロッコリーは、豊富な栄養を含むため、 ブロッコリーに含まれる栄養素と合わせると吸収が促進される栄養素を持った食材と組み合わせるのが最適です。
ブロッコリーの持っているビタミンB6の栄養素は、 タンパク質からエネルギーを作り出してくれます。そのため、 鶏胸肉やささみ、油の少ない白身魚などと組み合わせると効果的です。
また、 ダイエットしながらトレーニングを行う場合は、便秘になりやすい場合があります。
そういった場合は食物繊維が豊富に含まれたレタスなどの生野菜などを一緒に食べると便秘になりにくくなります。
ブロッコリー自体がとても優秀な野菜なので、あまり組み合わせには神経質にならなくても問題ありませんが、上記の食材と組み合わせるととても効果的です。
ブロッコリーをたくさん食べられるおすすめの料理について紹介していきます。
家庭で作れるものと市販のお弁当の両方を紹介しますので、自分に合ったものを選択して食べてみてください。
手作りで簡単なブロッコリーを使ったレシピはたくさんあります。
中でも、サバ缶を使ったレシピが最高です。
ブロッコリーを一口サイズに切って、フライパンで炒め、最後にサバ缶を入れるだけの簡単レシピ。
サバ缶には初めから味が付いているので、特に味付けも必要ありません。
冷蔵庫にブロッコリーを常備しておけばいつでも調理できるので、トレーニング後に素早く食べられます。
お好みでチーズなどを乗せると、さらに美味しく食べられます。
地域は限定されてしまいますが、ブロッコリーをたくさん食べられるお弁当も販売されています。
東京・渋谷にある「宅配弁当 京香」では、 ご飯の代わりにブロッコリーを詰め込んだお弁当が注文できます。
トレーニングジムで有名なゴールドジムの会員向けに作ったお弁当とのことで、 なんと無料でご飯からブロッコリーに変更が可能です。
東京近郊にお住まいの方は、一度注文してみてはどうでしょうか。
最後に、 ブロッコリー以外で筋トレにおすすめの食材を紹介します。
筋トレに最適な食材は、低脂肪高タンパクなものが基本です。
他には、 腸の環境を整える乳酸菌や食物繊維を含む食材もおすすめです。
反対に脂肪分の多いものやジャンクフードは避けるようにしましょう。
食べたもので体が作られていくので、トレーニングをしていてもしていなくても、上記のような食材を中心に食べていると健康的な体が作られていきます。
ブロッコリーは、野菜の中でも栄養が豊富な食材です。
スーパーで気軽に買えるのが特徴ですが、健康的な効果がたくさんあり、トレーニングする人全ての味方になってくれるでしょう。
ただし、栄養が豊富だからといって、ブロッコリーを食べ過ぎてしまうのもあまり良くありません。バランスの良い食事を心がけてください。
食事もしっかりとって、理想の体を手に入れましょう。
<参考文献>