ランニングで股関節を上手に使い痛みなく走る方法!2つのポイントを知ろう!

倉本 岳

股関節はランニングの際に最も重要だと言われるほど、ランニングに重要な影響を及ぼす部位です。

 

股関節を上手に使ってランニングをしないと、思うように走るペースを上げることができなかったり、ランニング中に股関節の痛みを感じてしまいます。

 

そこでこの記事では、股関節を上手に使った走り方と、股関節に痛みを生じてしまう方向けの対処法をまとめます。

この記事を書いた人  倉本 岳
参加者3000名を超える都内最大級のランニングチーム「Morning Running Club(通称モニラン会)」の代表。フルマラソンの自己ベストは3時間26分。

そもそも股関節とは

股関節

ランニングと股関節の関係を知る上で、股関節のことを最低限は理解しておきましょう。

 

股関節は太ももの付け根と骨盤をつなぐ関節です。そのため股関節の動きは、骨盤周辺のお尻の筋肉(大臀筋)、腰の筋肉(腸腰筋)、太ももの筋肉(大腿四頭筋、ハムストリングス、内転筋)の影響を大きく受けます。

大臀筋(お尻の筋肉)

腸腰筋

ハムストリングとは

倉本アイコン
股関節を上手に使ってランニングをする、またはランニング中に股関節が痛む方は、これらの筋肉にアプローチしなければなりません。

ランニングで股関節が痛む理由

では、ランニングで股関節が痛むのは具体的にどのような理由なのでしょうか。ここでは理由を詳しく見ていきます。

 

<このようなお悩みの方は注目>

体幹の筋力が弱いから

体幹トレをするランナー

ランニング中に股関節がうまく使えない、股関節に痛みを生じてしまう、それらの方は体幹の筋力が弱い場合があります。

 

体幹は体の芯の部分、背骨の周りを支える筋肉です。

 

体幹の筋力が弱いとランニング中に体幹の筋肉だけでは姿勢を支えきれなくなり、背骨から太ももの付け根へと伸びる股関節周辺の腰の筋肉(腸腰筋)への負担が大きくなってしまいます。

腸腰筋

腸腰筋への負担が大きいと、腸腰筋がつながっている股関節への負担も増えるため、体幹の筋肉の弱さはランニング中の股関節の痛みを引き起こしてしまうのです。

お尻や太ももが硬いから

柔軟をするランナー

ランニング中に股関節がうまく使えない、または股関節に痛みを生じてしまう場合、お尻や太ももの筋肉の柔軟性にも目を向ける必要があります。

倉本アイコン
ランニングの着地の衝撃はお尻の筋肉が吸収しています。お尻の筋肉が固い、あるいは筋力が少ないと着地の衝撃をお尻で支えきれず体が沈みこんでしまいます。

体が沈み込んでしまうと沈んだ体を持ち上げようと太ももの筋肉に負担がかかります。

 

この時、太ももの柔軟性や筋力が弱いと、太ももでも負荷を受けきれずに、股関節へ負担がかかり痛みを生じてしまうのです。

股関節を上手に使った走り方とは

ランニングをする人

股関節まわりの筋力や柔軟性は、ランニングのフォームの中でも足を開く動作の際にとても重要です。

 

股関節が固いと歩幅は狭くなり、歩幅が狭いと着地の際に膝が曲がってきます。

 

膝が曲がった状態で着地をすると、重心が下にかかり、着地のたびに前に進む推進力にブレーキがかかります。これではランニングのペースが思うように上がりません。

 

股関節を上手に使った走り方とは、股関節の柔軟性が確保され、股関節を軸に振り子のように足を大きく開いて走ることのできるフォームなのです。

股関節を上手く使うためのエクササイズ

ランニング前のストレッチをする人

ここでは前の章でご紹介した、股関節を上手に使ったランニングフォームを実践するためのエクササイズをご紹介します。

 

股関節を意識して足を上手に回して走りたい方はぜひ取り組んでみてください。

 

<こんな気持ちの方におすすめ>

ランニング前のストレッチ

股関節をうまく使って走るために、ランニングの前は股関節周辺のストレッチを行いましょう。

 

ここでは、以前にランニングコーチの森川さんに教えてもらったストレッチを3つご紹介します。ランニングの前はこのストレッチを行うように心がけてください。

森川さんアイコン
プロランニングコーチ森川千明
元スターツ陸上部、UNIQLO陸上部。主な成績は、1500メートル全日本実業団3位、日本歴代9位記録保持。2018年函館マラソン、初フル大会新優勝2°46’37など。現在はプロランニングコーチとして活動。

おすすめストレッチ1

股関節から太ももの内側にかけて付いてる太ももの内転筋をほぐすためのストレッチです。

 森川さんストレッチ見本森川さんストレッチ見本

<やり方>
  1. 背筋を伸ばして直立する。
  2. 太ももを持ち上げて外側に大きく回しながら前へ進む。
  3. 反対側の足も同様に行う。
  4. 20mほど進んだら終了する。

 

<参考動画>

おすすめストレッチ2

股関節の前側から背骨に伸びる腸腰筋をしっかり伸ばすためのストレッチです。

森川さんストレッチ見本

<やり方>
  1. 脚を大きく前後に開く。
  2. 後ろのお尻に力を入れながら後ろの脚の方の腕を斜めに伸ばす。
  3. 伸ばしながら深呼吸をして、左右の脚をそれぞれ伸ばす。
  4. 左右それぞれ20回ほど行う。

 

<参考動画>

おすすめストレッチ3

太ももを持ち上げる際に、腸腰筋を、膝を沈みこませる際に太ももの裏のハムストリングス、お尻の大臀筋が伸びるストレッチです。

 森川さんストレッチ見本

森川さんストレッチ見本

<やり方>
  1. 背筋を伸ばして直立する。
  2. 片方の足を前に大きく踏み出す。
  3. グッと膝を落として踏み込みながら前に進む。
  4. 左右交互に足を踏み出して20mほど進んだら終了。

 

<参考動画>

体幹の筋トレ

先に述べたように、体幹の筋力は股関節に負担をかけない走り方をする上で非常に重要です。ここでは、ランナーにお勧めの体幹トレーニングのやり方をご紹介します。

倉本アイコン
股関節への負担を軽減するためにも、体幹の筋力強化に取り組みましょう!

おすすめ体幹トレ1

プランクは姿勢をキープすることで体幹を全体的に鍛えることができる代表的な体幹トレーニングです。プランクを継続的に行うことで、ランニングフォームが安定して股関節への負担が少ない走り方ができるようになります。

プランク

<やり方>
  1. うつ伏せになる。
  2. 肘を肩下にして、前腕を床につけ足を伸ばす。
  3. 体を持ち上げて、頭からつま先が一直線になるようにする。
  4. 1分間姿勢をキープする。

 

<参考動画>

おすすめ体幹トレ2

内腿を寝ながら鍛えるサイドレッグリフト

体幹と、太ももの内側の内転筋、お尻の大臀筋を鍛えるトレーニングです。慣れるまで体側を床につけた「サイドレッグリフト」と呼ばれる状態で行い、慣れてきたら体側も床から浮かせる「サイドレッグレイズ」に取り組んでみましょう。

<やり方>
  1. 体側を床につけて、横向きに寝転がる。
  2. 床に手をつきバランスをとる。
  3. 両足をまっすぐに伸ばして、上側の足を限界まで持ち上げる。(このとき余裕がある方は体側を床から浮かせる。)
  4. 持ち上げたらゆっくり足を下ろし、足の上げ下ろしを繰り返す。
  5. 30回ほど行ったら足を組み替えて同様に行う。

 

<参考動画>

おすすめ体幹トレ3

サイドエルボーブリッジ

この種目は、体幹の筋力と脇腹の腹斜筋を鍛える体幹トレーニングです。

<やり方>
  1. 体を真っ直ぐにして、横向きに寝転がる。
  2. 肘から先を床に付いて体を持ち上げる。
  3. 反対側の腕は真っ直ぐ天井へ向かって伸ばす。
  4. つま先から頭頂までが一直線になるように意識して1分間姿勢をキープする。
  5. 反対側も同様に行う。

 

<参考動画>

ランニングと股関節のQ&A

トレーナー

ここでは、実際にランニングチームの練習の際に、参加者からいただいたこのある股関節に関する悩みに回答します。読者の方もご自身のケースに当てはまるようでしたら、参考にされてください。

Q.5kmほど走ると股関節が痛みます

私が代表を務めるモーニングランニングクラブでは、基本的には皇居1周をベースに活動しています。

 

参加者の中には、1周の5キロを過ぎたあたりから股関節の痛みを感じると言う方がいらっしゃいます。

倉本アイコン
ある程度の距離を走ると股関節が痛くなると言う方は、先ほどご紹介した体幹の筋力や股関節周辺のストレッチ以外にも肩甲骨周りのストレッチを行うように意識してください。

人間の体は、肩→胸→腰→股関節とつながっています。

 

ランニングは肩の肩甲骨を軸に腕を振ることで、その動きが背骨から腰の骨盤と連動して伝わり、足を前に出す推進力になります。

 

しかし、肩甲骨が固いとこの連動がうまく生み出されずに、下半身に一層の負担がかかります。そのためランニングを続けていくうちに、下半身に負担が溜まり股関節の痛みにつながっている場合があります。

 

肩甲骨周りをしっかりほぐしてランニングに取り組むようにしましょう。

 

<オススメのストレッチ>

Q.走り始めから股関節が痛みます

走り始めから股関節の痛みを感じる方は、私のランニングチームでは走るのをやめるように伝えています。

 

走り始めから痛みを感じる場合、変形性関節炎という症状であったり、股関節周辺の筋肉が極端に硬くなってしまっている可能性があります。

 

この状態でランニングを行うと、ヘルニアやぎっくり腰などより重い症状になってしまうリスクがあります。

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走り始めから股関節が痛む場合は、走るのをやめ休息をとりましょう。休息をとっても痛みが引かない場合は病院などを受信し、症状が悪化しないように努めてください。

まとめ

この記事では、ランニングにおける股関節のお悩みに付いて解説しました。

 

股関節の痛みは、体幹の筋肉の不足と、股関節周辺の筋肉の硬さからきます。ここでご紹介したエクササイズに取り組み、股関節を上手に使い、痛みのないランニングフォームを見につけてくださいね。

この記事を書いた人
倉本 岳
ランニングクラブ代表