マラソンの本番2週間前になると、自分の体の状態が万全かどうか?が不安になる方も多いです。中にはモチベーションが上がらずに悩んでいる人もいるでしょう。
「残り2週間で、どんな練習や体調管理をするのが正解なのでしょうか?」この記事では、マラソン2週間前の練習法やコンディションの調整のやり方を解説していきます。
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この記事を書いた人 倉本 岳
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参加者3000名を超える都内最大級のランニングチーム「Morning Running Club(通称モニラン会)」の代表。フルマラソンの自己ベストは3時間26分。 |
目次
フルマラソンの2週間前~本番までの練習で、急な能力アップを狙う事はやめましょう。
フルマラソンの2週間前~本番は「調整期」と呼ばれる時期に当たります。
「調整期」は疲れを抜いて本番へのコンディションを整えていくための期間です。
フルマラソン当日をベストな体調で迎えるためにも、能力アップを狙ったハードな練習やトレーニングはフルマラソンの本番2週間前までに終えて、この期間はフルマラソン本番に疲れや痛みを残さないように体を整えるための練習を行うことが大切です。
実際にフルマラソン2週間前から本番までの練習プランを、「フルマラソンの完走を目指すビギナーランナー用」と、「サブ4/サブ3.5/サブ3等を目指す中上級者向け」に分けて解説します。
フルマラソンがはじめての方や、タイムではなく完走を目指す方は、フルマラソン2週間前からは「走るスピード」を維持しつつも「走る距離」を減らしていきましょう。
ランニングの体への負荷は、「①走る距離」と「②走るスピード」の2つで決まります。
走る距離を維持したまま走るスピードを落とすことでも負荷は減りますが、地面に足がつく回数は減らないため下半身の疲労は抜けにくくなります。
そのため、スピードを落とすよりも距離を少なくしていくことで本番へ向けた調整をしていきましょう。
例えば、フルマラソン2週間前までに週に2回、各10キロのランニングを行っている方は、2週間前の週はその距離を7キロに縮め、1週間前は5キロに縮めていくような練習法が好ましいです。
<2週間前からの練習プラン例>
〜2週間前まで | 2週間前 | 1週間前 | |
月 | 休み | 休み | 休み |
火 | 10km走 | 7km走 | 5km走 |
水 | 休み | 休み | 休み |
木 | 休み | 休み | 休み |
金 | 10km走 | 7km走 | 5km走 |
土 | 休み | 休み | 休み |
日 | 休み | 休み | マラソン本番 |
フルマラソンでサブ4、サブ3.5、サブ3などのレベルを目指す中上級者のランナーは、フルマラソン2週間前からは「ジョグ」や「ミドル走」、「スピード走」を行いコンディションを調整していきましょう。
<練習の種類>
目的 | 距離 | ペース | |
インターバル走 | 筋肉や心肺に強い負荷をかける。 | 1km×5〜10本 |
目標ペース−15〜30秒/km
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ロング走 | フルマラソンに向けた足作り。 | 20〜30km |
目標ペース−5〜15秒/km
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ミドル走 | レースペースに体を慣れさせる。 | 10〜15km | 目標ペース |
スピード走 | 筋肉・心肺に刺激を入れる。 | 5km |
目標ペース−15〜30秒/km
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ジョグ | 疲労を抜き調子を整える。 | 5km |
ゆっくり心地よいペース
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具体的には、次のような練習の組み合わせをすると良いでしょう。
<2週間前からの練習プラン例>
距離 | ペース | |
14日前 | 10kmミドル走 | 目標ペース |
11日前 | 5kmスピード走 |
目標ペース−15〜30秒/km
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9日前 | 5kmジョグ | 心地よいペース |
7日前 | 10kmミドル走 | 目標ペース |
4日前 | 5kmスピード走 |
目標ペース−15〜30秒/km
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前日 | 5kmジョグ | 心地よいペース |
マラソン本番 |
上記のプランをベースにご自身の状態に合わせてアレンジしてください。
その際は、サブ3を目指す方であれば完全に走らない休息日を週に1〜2日、サブ4、サブ3.5を目指す方は休息日を週に3〜4日は作るようにしましょう。
フルマラソンのトレーニングとして筋トレを行っている方は、フルマラソン2週間前はまだ筋トレを続けてもokです。
ランニングでは、フォームを安定させるために体幹の筋力が重要です。筋トレといっても、ダンベルやバーベルを使って行うアウターマッスルを鍛えるトレーニングではなく、インナーマッスルつまり体幹部を鍛えるトレーニングを行いましょう。
フルマラソンに向けた体幹トレーニングは、フルマラソン2週間前は行っておいた方が良いでしょう。具体的には、体幹トレーニングを週に2回の頻度で、次のようなスケジュールで行うことをオススメします。
<完走を目指す人の2週間前プラン>
〜2週間前まで | 2週間前 | 1週間前 | |
月 | 休み | 休み | 休み |
火 | 10km走 | 7km走 | 5km走 |
水 | 筋トレ | 筋トレ | 休み |
木 | 休み | 休み | 休み |
金 | 10km走 | 7km走 | 5km走 |
土 | 休み | 休み | 休み |
日 | 筋トレ | 筋トレ | マラソン本番 |
<サブ4以上を目指す人の2週間前プラン>
距離 | ペース | |
14日前 | 10kmミドル走 | 目標ペース |
12日前 | 筋トレ | |
11日前 | 5kmスピード走 |
目標ペース−15〜30秒/km
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9日前 | 5kmジョグ | 心地よいペース |
8日前 | 筋トレ | |
7日前 | 10kmミドル走 | 目標ペース |
4日前 | 5kmスピード走 |
目標ペース−15〜30秒/km
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前日 | 5kmジョグ | 心地よいペース |
マラソン本番 |
筋トレの内容は、次の体幹トレーニングがオススメです。下記をベースに時間や回数は、ご自身の筋力に合わせてアレンジしましょう。
この3種目は、以前ランニングコーチの木下さんに取材をした際にオススメしていただいた種目です。
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お話を伺った方 木下裕美子
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マラソンランナー・ランニングコーチ。シスメックス陸上部、SWAC選手を経てマラソンランナー、ランニングコーチとして活動。 <主な実績> 2017年大阪マラソン優勝 <ベストタイム> フルマラソン:2時間34分38秒 |
大阪マラソンで優勝されるようなトップランナーも行なっている体幹トレーニングなので、市民ランナーのみなさんもマラソン2週間〜1週間前まではぜひ取り組んでみてください!
プランクは体幹部の筋力、主に腹部を鍛えます。腹部の体幹が弱いランナーは長時間を走るフルマラソンの後半なると、疲労から体幹部で上半身を支えきれなくなり、姿勢が崩れて猫背になってしまいます。猫背になるとランニングフォームが乱れてしまうので、プランクに取り組み体幹を鍛えておきましょう。
<参考動画>
ブリッジは体幹部に加えてお尻の大臀筋も鍛えることができる種目です。お尻の筋肉は着地の際の衝撃を吸収するランニングにおいて需要な筋肉です。お尻を鍛えることで、着地の際のフォームのブレが少なくなります。
サイドブリッジはプランク同様に体幹部の筋力、主に腹部を鍛えます。腹部の中でもプランクと比べて脇腹の筋肉に刺激が入ります。脇腹の筋肉を鍛えることで、ランニングの際に上半身を左右に支える力が強くなり、ランニングフォームの安定につながります。
<参考動画>
フルマラソンの大会2週間前になると、ランニングチームのメンバーから「フルマラソンの2週間前に30キロ走やハーフマラソンに出ても良いのか?」と言う質問をよくいただきます。
日曜は静岡マラソン2週間前。
— あけキャプ👉次走未定 (@akeCap1980) February 5, 2019
セオリー通りかつ自分の経験的にも、ハーフを本気で走るのがちょうど良いんだけど、参加イベントはサブ3ペースの集団走…
25kmまでにするべきか30kmまで走り切るべきか悩むー。。
マラソン2週間前、明日20キロ走するかもうやめとくか迷ってます。
— ばるびぃ@たくや丸 (@valbie_run) February 10, 2013
結論からお伝えすると、ハーフマラソンや30km走などの負荷の強い練習は、フルマラソン2週間前は避けて、コンディション調整に努めるようにしてください。これらの練習はフルマラソンの3週間前までに行うようにしましょう。
フルマラソン2週間前にハーフマラソンや30km走などの長距離を走る練習を行うと、マラソン直前に疲労を溜めてしまうだけでなく、足底筋膜炎を引き起こしかねません。
ランニングなど足裏に体重の負荷が過度に加わることで、足底筋膜が腱の変性や微小断裂を起こして足の裏に痛みが発生した症状のこと(※参照:ザムスト(ZAMST)足底腱膜炎/Plantar fascitis)
フルマラソン2週間前に足底筋膜炎になってしまうと、足裏の痛みからマラソン本番で力を発揮できなくなってしまいます。
今朝の30km走
— ケン@投資家ランナー毎日更新67日突破 (@IEer41019274) March 15, 2020
今日は無理せず走って1km4分54秒、サブ3.5ペースまで回復しました。
24km過ぎに何故か右脚の小指が痛い。あと6kmと気にせず完走。
帰るとこうです。
ロング走は魔物ですね。
先週は足底筋膜炎になりかけましたし(^_^;) pic.twitter.com/HWehAUaMfX
足なんで痛いんやろ思ったら足底筋膜炎なってたガンガンに腫れてるだるい〜
— Kayano.T (@kayano_tea_V) March 13, 2020
朝21キロ走ったんですが、足の底が痛い感じがした💦
— のし (@eiyodansi) January 9, 2020
足底筋膜炎というやつなのか?
花ランニングしてて足の底が痛くなった人とかいらっしゃいますか?😅
フルマラソン2週間前の食事は、バランスの良い食事を心がけるだけでOKです。食事の量も特に変える必要はありません。具体的には次の3点を意識してください。
また、フルマラソン1週間前からカーボローディングを行う人もいるでしょう。
体内にランニングのエネルギーとなる糖質を多く蓄えることができるやり方として一般的に知られていますが、カーボローディングに慣れていない人は無理に行わないほうが良いでしょう。
カーボローディングは体質によって合う合わないがありますし、糖質を抜くことによって集中力や免疫力の低下を招くリスクもあります。
そのため、フルマラソン中のエネルギー切れが心配な方は、補給食やジェルを持ってマラソンに参加するといった対策をおすすめします。
フルマラソン2週間前からは、練習や食事だけでなく体のケアも欠かせません。体調管理の方法を見直すことで、次のような足裏の違和感や体全体の疲労感を和らげることができます。
大阪マラソン2週間前だというのに足裏のダメージがなかなか抜けない。
— まめた*2/16泉州国際フル (@Bordershota) November 12, 2017
まともな練習ができんよー。
。゚(゚´Д`゚)゚。
焦るけど焦るな。
焦るけど焦るな!!
篠山ABCマラソン2週間前。練習不足は否めないけど、とりあえずガチ練習は今日まで。あとは疲労抜きと調整しよ。
— ΞたけもんΞ (@takemon16) February 17, 2019
フルマラソンの2週間前になると、これまでの練習の疲労から足裏に違和感を感じる人も多いです。足裏は「ふくらはぎ」から「太もも」へとつながっているため、足裏の疲労をほっておくと、ふくらはぎや太ももの故障にもつながりかねません。
そこで、フルマラソン2週間前からはランニング後に足裏のケアとして「タオルギャザー」を行いましょう。足裏をほぐすことで、フルマラソン当日へ向けて下半身の疲労回復を促すことができます。
<参考動画>
フルマラソンまで残り2週間を切って、どうしても体全体の疲労が抜けないという方は、サプリメントを活用するのも1つの手です。
ランニング後の疲労回復用のサプリメントとして有名なのが大塚製薬のアミノバリューです。
アミノバリューには必須アミノ酸のBCAAが含まれています。BCAAとは筋肉を修復する材料となる、アミノ酸のうちの3種類(バリン、ロイシン、イソロイシン)の総称です。
ランニング後にBCAAを含むサプリメントを摂取することで、筋肉の修復が促されて疲労が回復しやすくなると言われています。
ここまでフルマラソン2週間前の練習法や食事、体調管理のやり方をお伝えしてきましたが、どうしてもそれを実行に移すモチベーションが湧いて来ないという方もいますよね。フルマラソン2週間前になって、モチベーションの維持に苦しむランナーは意外と多いものです。
マラソン本番2週間前なのにモチベーションが上がってこないが久しぶりに走ってくる
— yousaac (@yousaac) November 15, 2009
でも正直、松本マラソン2週間前にして、モチベがだださがり。
— しん~松本クロスカントリー~ (@hktymoemoe) September 14, 2018
大会へモチベーションが上がらない場合は、まずはフルマラソンに参加する目標を今一度確認し直してみてください。
例えば、「フルマラソンで歩かずに完走したい!」「サブ4を達成したい!」などの目標を掲げていたとします。
フルマラソンの2週間前から、走力を劇的に伸ばす事は難しいです。そのため、ご自身の今の体の状態から、これらの目標の達成が難しいと感じている場合は、どうしてもモチベーションが上がってこないかもしれません。
フルマラソンの大会当日のコースを確認してみることで、モチベーションが上がってくる場合もあります。
参加する大会のホームページには、当日のコースの写真や、高低差、景色の見所などが紹介されていることが多いです。また、当日のコースの動画を掲載している大会もあるでしょう。
これらを確認することで、「5キロ地点には上り坂がある!」「15キロ地点では橋を渡るんだ!」などと、フルマラソン当日のイメージをより明確にすることができます。
この記事では、フルマラソン2週間前から意識していただきたいことをまとめてお伝えしました。
フルマラソンは何度参加しても、ゴールの瞬間はとても嬉しく達成感を味わえるものです。フルマラソンまでの残り2週間、今できる最高の準備をして当日ゴールの瞬間を迎えていただきたいと思います。
また、フルマラソンまで残り一週間を切ったらこちらの記事もチェックしてみてください。
記事の内容が少しでも参考になれば幸いです。