カーフレイズはふくらはぎを鍛える代表的なトレーニング種目です。
一言でカーフレイズと呼ばれていますが、「直立して行うやり方」だけでなく、「ベンチに座り膝を曲げて行うやり方」や、「腰を曲げて行うやり方」などバリエーションがとても多い種目でもあります。
カーフレイズは、やり方次第でふくらはぎにかかる負荷の強さや、ふくらはぎの中でも鍛えられる部分が変わってきます。
そこでこの記事では、カーフレイズ全9種類のやり方とそれぞれの特徴をまとめてお伝えします。
カーフレイズとは、「Calf (ふくらはぎ)」+「Raise (持ち上げる) 」という2つの言葉でできており、「ふくらはぎの力で体を持ち上げる運動」のことを指します。
<参考動画>
カーフレイズのような、体(手や足)を持ち上げて可動部に負荷を与える動作を含む種目は「レイズ系」の種目と呼ばれます。
レイズ系に分類される種目はカーフレイズの他にも、レッグレイズやサイドレイズなどの腕や下半身を持ち上げるものも含めると、全部で50種類以上あると言われています。
中でもカーフレイズは、足首を曲げ伸ばしさせて体全体を持ち上げることで、ふくらはぎの筋肉を鍛えます。
カーフレイズは大きく分けると、立って行うスタンディング(standing:立っている)系のカーフレイズと、座って行うシーテッド(seated:座っている)系のカーフレイズの2種類に分類ができます。
立って行うスタンディング系のカーフレイズは、ふくらはぎ全体をまんべんなく鍛えることができます。
一方で、座って行うシーテッド系のカーフレイズは、膝を曲げることでふくらはぎ表層の腓腹筋が緩むため、ふくらはぎの深層部に位置するヒラメ筋へ集中的に負荷を与えることができます。
系統 | 特徴 | 効果 |
スタンディング系 | 立って行う。 |
ふくらはぎ全体をまんべんなく鍛える。
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シーテッド系 | 座って行う。 |
ふくらはぎの深層部に位置するヒラメ筋に集中的な負荷を与える。
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2種類のカーフレイズを使い分けることによって、ふくらはぎを理想の形に鍛えることができるのです。
カーフレイズは、「スタンディング系」「シーテッド系」に分けた後、そこからさらに「自重・トレーニング」「フリーウェイト・トレーニング」「マシン・トレーニング」と3つに細かく分かれ、最終的には9種類のカーフレイズ種目に分けられます。
全9種類のカーフレイズの難易度と概要は下記の通りです。
<カーフレイズ全9種類の概要>
種目名 | 分類 | 難易度 | 概要 |
1.スタンディングカーフレイズ | 自重 | ★★ |
直立して行うカーフレイズ。
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2.ドンキーカーフレイズ | 自重 | ★★ |
腰を曲げて椅子に手をついた状態で行うカーフレイズ。
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3.ダンベルカーフレイズ | フリーウェイト | ★★★ |
直立して、両手にダンベルを持って行うカーフレイズ。
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4.バーベルカーフレイズ | フリーウェイト | ★★★★ |
直立して、両手でバーベルを持って行うカーフレイズ。
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5.マシンカーフレイズ | マシン | ★★★ |
マシンのパットに肩を当てて行うカーフレイズ。
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6.うつ伏せカーフレイズ | 自重 | ★ |
腕立て伏せの状態で行うカーフレイズ。
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7.シーテッドカーフレイズ | フリーウェイト | ★★ |
ベンチに座り、膝の上にダンベルを乗せて行うカーフレイズ。
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8.シーテッドマシンカーフレイズ | マシン | ★★★ |
ベンチに座り、マシンのパットに太ももを当てて行うカーフレイズ。
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9.レッグプレスカーフレイズ | マシン | ★★★★ |
レッグプレスマシンで行うカーフレイズ。
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「カーフレイズ」と言っても、これほどバリエーションが豊富なのです。カーフレイズをマスターすることで、ふくらはぎトレーニングの幅がグッと広がります。
なお、それぞれの種目の具体的なやり方は、この記事内で後ほどご紹介します。
では、カーフレイズに取り組むことで、どのような効果やメリットが得られるのでしょうか。ここでは、カーフレイズをやる上で知っておいていただきたい代表的な効果やメリットを3つご紹介いたします。
ふくらはぎのヒラメ筋と腓腹筋は、総称として下腿三頭筋(かたいさんとうきん)と呼ばれます。
腓腹筋を鍛えることでふくらはぎの厚みが増し、ヒラメ筋を鍛えることでふくらはぎの形をはっきりとさせることができます。
盛り上がった大きなふくらはぎを手に入れたい方は腓腹筋を、シルエットが美しいふくらはぎを手に入れたい方はヒラメ筋を鍛えることを意識してみましょう。
ふくらはぎの腓腹筋とヒラメ筋は、ともに足先を下に振る動き(=足関節の底屈)の際に働きます。
特に運動の際は、ヒラメ筋は姿勢を維持する役割、腓腹筋は瞬発力を発揮する役割を主に担っています。
この2つの筋肉を鍛えることで、ジャンプ力や、スプリント力(ダッシュする力)向上の効果を得ることができます。
また、足がつる状態は、腓腹筋が痙攣していることが原因となっている場合が多いです。足をつってしまった場合は、ふくらはぎ特に腓腹筋を伸ばしてあげましょう。
ふくらはぎの筋肉であるヒラメ筋と腓腹筋は、別名「第二の心臓」と呼ばれ、下半身の末端の毛細血管に血液を循環させるポンプの役割を担っています。
ふくらはぎの筋力が衰えると、ふくらはぎのポンプの役割が弱まり血流や、老廃物がうまく循環しなくなってしまいます。
そのため、ふくらはぎの筋力の衰えはむくみや、末端冷え性などを引き起こします。
ふくらはぎを鍛えることで、むくみや冷えを防ぎ健康な体を手に入れることができるのです。
ここからは、カーフレイズ全9種類の具体的なやり方をご紹介します。トレーニングの分類(自重/フリーウェイト/マシン)と、難易度(★の数が多いほど難易度「高」)をつけていますので、取り組む種目を選ぶ際の参考にしてください。
スタンディングカーフレイズは最も一般的なカーフレイズです。床で行うところから始めて、慣れてきたらつま先を段差に乗せて、かかとを浮かせた状態で取り組んでみましょう。
<参考動画>
腰を曲げて行うカーフレイズです。前かがみになる際に腰を引きすぎないように注意が必要です。また、負荷が足りないと感じる方は、腰の上に誰かに乗ってもらうことで負荷を調整してみましょう。(※この場合難易度は★★★☆)
<参考動画>
両手にダンベルを持って行う、スタンディングカーフレイズです。ふくらはぎは日常生活で体重の重さを支えているため、腕や肩のトレーニングよりは重めのダンベルで取り組むことができます。
<参考動画>
両手にバーベルを持って行う、スタンディングカーフレイズです。バーベルを用いることでダンベルよりもさらに強い負荷をふくらはぎにかけることができます。
<参考動画>
マシンを用いて行うカーフレイズです。マシンで重い負荷をプラスすることで高負荷のトレーニングを行うことができます。
うつ伏せカーフレイズは、負荷が弱く初心者にオススメのカーフレイズです。スタンディングカーフレイズがきつい方は、うつ伏せの姿勢から取り組み始めると良いでしょう。
<参考動画>
↑画像はスワイプできます。
ベンチに座り、膝を曲げて行うカーフレイズです。膝にダンベルを置くことで、負荷を調整することができます。
<参考動画>
シーテッドカーフレイズ用のマシンを用いて行うカーフレイズです。パッドを膝上においてヒラメ筋に強い負荷をかけることができます。
<参考動画>
レッグプレスマシンを用いたカーフレイズです。カーフレイズ用のマシンがジムにない場合はレッグプレスマシンを用いることで、ふくらはぎに強い負荷を与えることができます。
<参考動画>
ここまでご紹介した9種類のカーフレイズですが、効果的に行うためにコツを抑えておきましょう。カーフレイズに取り組む際は次の5つのポイントに意識して取り組むことで、効果を高めることができます。
つま先立ちになることで、足首の可動域が広がりよりふくらはぎをしっかりと動かせるようになります。
また足幅を大きく広げてしまうと、足首を上下に動かしづらくなり、ふくらはぎの動きに鈍くなってしまうため、足幅は拳一個分が理想です。
トレーニングの際の呼吸は、筋肉に力を入れるときに「吐く」ことが基本です。
ふくらはぎは足先を下方に振る動き(底屈動作)の際に、力が入ります。そのため、かかとを持ち上げる際に息を吐くようにしましょう。
ふくらはぎは足首を動かす際に働くため、体重を支える役割も担い、筋肉の耐久性が高いという特徴があります。
そのため、ふくらはぎに効果的に負荷をかけるためには、動きをトップの位置を止める、通常の種目よりも反復回数を増やすなどの工夫をすることが大切です。
ここまでカーフレイズの特徴や正しいやり方、取り組んでいただく際のコツなどをご紹介しました。
ここでは、これまでご紹介したこと以外にカーフレイズについてのよく出る質問について回答していきたいと思います。
カーフレイズは「ヒラメ筋」と「腓腹筋」以外に「アキレス健」へも負荷を与えてしまうことがあります。
そのため、カーフレイズに取り組む前に、ふくらはぎの「ヒラメ筋」と「腓腹筋」、そして「アキレス健」が動きやすくなるようなストレッチに取り組んであげましょう。
カーフレイズ前後のオススメはこちらの「アキレス腱伸ばし」です。
トレーニング前のストレッチは、トレーニングで負荷がかかる筋肉や腱に軽い刺激を入れてウォーミングアップをさせる必要があります。そのため、カーフレイズ前に行う場合は、「4」の行程の際に足首を軽く動かしましょう。
<参考動画>
バランスディスクは、体幹に効果的なトレーニングアイテムとして知られています。
バランスディスクの上でスタンディングカーフレイズを行うと、ふくらはぎに加えて体幹を鍛えることにもつながります。また、足場が不安定な状態でカーフレイズを行うことができるため、ふくらはぎの筋肉をバランスよくつける効果も期待できます。
やり方は下記の動画をご参照ください。
<参考動画>
<バランスディスクの商品例>
今回ご紹介した、「カーフレイズ」はふくらはぎの下腿三頭筋を鍛えるレイズ系の種目であり、スタンディング系やシーテッド系など多くのバリエーションがあるトレーニングです。
特にふくらはぎにはヒラメ筋と腓腹筋の2種類の筋肉があり、どちらを重点的に鍛えるか?でふくらはぎの見た目も変わってきます。
今回ご紹介した9種類の中から、ご自身の体の状態とトレーニングの目的に沿う種目を選び、ぜひ自宅やジムなどで試してみてください!
<今回の記事でトレーニング動画を実践してくれた講師陣のご紹介>
ストレッチトレーナー山崎 友佳
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e-stretch代官山店で担当顧客数・指名獲得数店舗1位のトレーナー。保有資格:T-Fit認定パーソナルトレーナー NESTA-PFT全米エクササイズトレーナー ピラティストレーナー |
フィジーカー 栗原 強太
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湘南オープンメンズフィジーク172cm以下の部で5位入賞したフィジーカー。体脂肪率は1桁。複数のジムを掛け持ちして日々トレーニングに励む。 |