アメリカ・カリフォルニアに本拠地を置くパーソナルフィットネストレーナーの資格認定団体の全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会【NESTA(ネスタ)】。
今回は、その日本拠点となる「NESTA JAPAN」の教育部門代表を務めるスコット・ゲインズさんにインタビューを行いました。日本のパーソナルトレーナー業界の現場から「NESTA JAPAN」の今後の展望まで、お話を伺っていきたいと思います。
NESTA JAPAN 教育部門代表スコット・ゲインズ
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NESTA USA上級副社長兼NESTA JAPAN教育部門代表、Biomechanics・Anatomy・PhysiologyのスペシャリストとしてA.T.Still UniversityおよびConcordia Universityにて現在でも教鞭に立ち、将来の健康産業に関わる人材を育成している。その他、NESTAと契約を結ぶオリンピックアスリート、ゴルフプロ、メジャーリーガー、NFL、NBAの選手のトレーニングプログラムを担当。NESTA設立時から教育部門を担当し、NESTAの教育部門の所長から現在は上級副社長およびNESTA JAPANの教育部門代表として日本のNESTAプログラムに関わる。 |
インタビュアー倉本岳
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MYREVO編集長。参加者3000名を超える都内最大級のランニングチーム「Morning Running Club(通称モニラン会)」の代表。フルマラソンの自己ベストは3時間26分。 |
目次
―以下、スコット・ゲインズさん―
1つが、怪我の予防や処置、復帰までの足がかりを助ける「アスレチックトレーナー」、2つ目がチームや個人に対して運動プログラムを作成、指導する「パーソナルトレーナー」です。
日本ではこういったトレーナーの概念がほとんど浸透しておらず、アメリカに対して日本のトレーナー業界は15年ほど遅れていると感じます。
特に日本でも、パーソナルトレーナーとして独立開業を志す方も増えていますが、独立開業後に食べていけないと意味がないですよね。
日本は、プロのパーソナルトレーナーとしてしっかりとお金をもらい、生計を立てていくための教育が不足しているように感じます。
パーソナルトレーナーにはトレーニングについての知識はもちろんですが、知識をお客様に合わせて伝える「指導力」が欠かせません。
日本のトレーナーはとても勤勉ですが、知識が豊富である反面、お客様にその知識を「伝える技術」が不足しています。「NESTA」の展開する世界80カ国それぞれのパーソナルトレーナーと比較してもこの傾向は顕著です。
これは日本の教育の構造上、学校で実践の場面が少なく、学生は実践力を磨き切れないことが要因です。
独立開業はもちろん、フィットネスジムなどのトレーナー業界への就職、転職ともに、現場では即戦力となるトレーナーが求められます。しかし現象は、企業と学生のギャップは広がっているように感じます。
―以下、スコット・ゲインズさん―
日本では、先のようなパーソナルトレーナーの現状を変えるために、パーソナルトレーナーがプロとして生計を立てるための教育をしています。
パーソナルトレーナーの人材育成、資格発行を通じて、パーソナルトレーナーとしての「トレーニングの知識」はもちろん、ビジネスとして「お客様をどのように獲得するか」、またそのお客様に「どうやって自分たちの持っている知識を伝えるか」の伝え方を指導しています。
―以下、スコット・ゲインズさん―
例えば、消防、警察、自衛隊の方などです。
消防の方は毎日トレーニングをされるので、効果の高いトレーニングをしたいという思いから、警察、自衛隊の方は、ご自身の体のメンテナンスのためにより専門の知見を得たいとの思いからいらっしゃることが多いです。
他にも、鍼灸の従業員やビューティーサロンの方などもいらっしゃいます。ちょうど昨日も、ビューティーサロンの方から2件お電話があったところです。
「サロンでダイエット&ビューティーに取り組みたいが、運動の指導ができないので資格を取得したい。」というご相談でした。
―以下、スコット・ゲインズさん―
ビジネスへの活用という方向ですと、セカンドキャリアとしてパーソナルトレーナーを目指されているプロスポーツ選手の方や、タレントさんも多いですよ。
タレントさんは現在も複数名の方が、「NESTA」のコースをご受講されています。
名前を出して良い方であれば、お笑い芸人の「小島よしお」さんは、すでに「NESTA」の資格を取得され、それを前面に出してトレーニング系のお仕事にも幅を広げられています。
「NESTA」の資格を持っている事が、「パーソナルトレーニングの知識があり、指導ができる」と言うブランディング、裏付けになっているようです。
―以下、スコット・ゲインズさん―
そのような事は、アメリカでは考えられません。
私は、その方にいくら実績や誇れるスタイルがあったとしても、それだけではスキルの証明には不十分だと思います。
人の体の特徴はそれぞれ違います。自分のトレーニング法が他の人にも最適なわけではありません。
そして、パーソナルトレーナーとして必要な要素は、お客様との関わり方から、解剖学や体の機能、トレーニングのシステムの理解、知識の伝え方まで多岐に渡ります。これらを体系的に学んでいるパーソナルトレーナーかどうかは、とても重要なことです。
パーソナルトレーナーを見るときは、そのトレーナーの実績や誇れるスタイルだけでなく、どういった資格を保有しているかまで注目するのをおすすめします。
それが良いパーソナルトレーナーを見極めるコツでしょう。
―以下、スコット・ゲインズさん―
これらは、「NESTA」の資格取得者が常にお客様に品質の高いサービスを届けていただくためのサポートです。
また、相談窓口も設けています。例えば、フィットネスジムを独立開業する場合に窓口に連絡をいただければ、資金に応じた開業の方法のアドバイスを行います。
開業の際には、トレーニング器具を揃える必要がありますので、メーカー各社の良いところや悪いところ、また、資金がない場合にマシンを導入せずに提供できるサービス内容などを伝えています。
もちろん、相談だけでなく、具体的な講座も用意しています。
独立する前段階としてセールスの仕方を教える「フィットネスセールスディレクター講座」や、独立せずとも、企業内で昇進してマネージャーになった場合、パーソナルトレーナーのマネジメント法を学ぶ「クラブマネジメントスペシャリスト講座」などです。
講座を通じて、資格取得後のパーソナルトレーナー自身のキャリアサポートも提供しています。
―以下、スコット・ゲインズさん―
実は、まだ世に出せていない資格が20個以上もある状況なんです。よりお客様のニーズに合わせたサービスを提供していきたいですね。
また、一人でも多くのトレーナーを育てるのが私たち協会の使命です。なので、講座の充実はもちろんですが、フィットネス業界外の方、日本全国の方がパーソナルトレーナーになりたいなと思うようなサービスを作っていきたいと思います。
トレーニングの指導法だけでなく、パーソナルトレーナーとしてのキャリアの歩み方にまで取り組みの幅を広げて活動をされているのが印象的でした。
これからパーソナルトレーナーとしての資格取得を考えている方、既存事業の拡大にフィットネス方面を考えている方は、ぜひ「NESTA JAPAN」のホームページおよびYouTubeチャンネルをクリックしてみてください。
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