• ホーム
  • 身体を磨く
  • スクワットの正しいやり方をプロトレーナーが解説!効果を最大化させる正しいフォーム

スクワットの正しいやり方をプロトレーナーが解説!効果を最大化させる正しいフォーム

松浦晴輝
当サイトの監修・執筆者

「キングオブトレーニング」とよばれるスクワット。

SNSなどでも海外セレブが行う「30日スクワットチャレンジ」が話題となり、自身でも行ってみたことある方も多いのではないでしょうか?

 

「道具も使わなくて手軽だし、チャレンジしてみようかな?」

 

という方。ちょっと待ってください!

もしかしたら、間違ったフォームでおこなってしまっているかもしれません。

 

正しいフォームで行わないままスクワットを続けると、適切なボディメイクができず欲しいカラダが手に入らないばかりか、腰痛をはじめとしたケガの原因にもなってしまうのです!

 

正しくスクワットを行うことができれば、スクワットは現代人にこれ以上ない恩恵を与えてくれるエクササイズ(関連記事:スクワットダイエット)。

トレーニングでボディメイクを志す方でなくても、健康のためにも行っていただきたい運動です。

 

この記事では「なぜスクワットが現代人に恩恵をもたらしてくれるのか?」「正しいスクワットのやり方とは何か」をお伝えしていきます!

正しいやり方のスクワットがもたらすメリット

トレーニングする女性

まず、正しいスクワットのやり方を2つのポイントで紹介します。

 

・上半身をしっかり安定させた状態をキープしたまま行う。

・全身で一番強い力を出せる股関節を、大きく動かしながら行う。

 

つまり下半身だけではなく、上半身の動きも非常に重要です。

正しいスクワットを行うことで、猫背や肩こりの解消、腰痛からの解放といった上半身への効果、また綺麗な脚作り、美しいヒップラインといった下半身への効果と、日常生活にリンクした全身への嬉しい恩恵が得られます。それでは詳しく見ていきましょう。

メリット① 上半身:猫背や肩こり、腰痛の解消

トレーニングする女性

スクワットで重要なフォームの1つが「胸を張る」こと。

胸を張れないと日常生活の中でも猫背や肩こり、姿勢悪化を引き起こします。

デスクワークや、手元で作業をすることの多い方は、ずっとこの悩みと付き合い続けている方も多いのではないでしょうか?

 

胸を張れない状態は、胸が固い人や背中の筋力が弱い人に多い状態です。

胸が硬く動きづらいために肩が前に出てしまったり、背中が弱くて肩甲骨を出せなかったりすると、背中が丸まり、猫背などの原因となります。

そのためスクワットの際に上半身をしっかり安定させられることができれば、肩こりや猫背などの症状を軽減することにつながります。

 

またスクワットでは腰の部分を安定させることも非常に重要

重りを担いでスクワットを行う時、腰の部分が反りすぎたり丸まったりしていると、腰痛の原因となります。

逆に普段から腰痛でお悩みの方は、スクワットを正しく行うことができると腰の安定性が高まり、腰痛から解放されることにつながります。

メリット② 下半身:綺麗な脚作り、美しいヒップライン

ウエスト測る女性

スクワットは膝を動かす運動と勘違いされている方も多いのでは。スクワットは「膝の運動」ではなくて「股関節の運動」

なぜ多くの方がスクワットを膝の運動と勘違いしてしまうかというと、日常生活で膝しか動かしていない方が多いことが理由です。

 

股関節をうまく動かせず、膝ばかり動かしてしまうと股関節以外の負担が増加し、膝痛や腰痛につながります。

また膝メインで動かしていると前腿が太くなったり、ふくらはぎが太くなったり、むくみの原因になることも。

 

股関節をしっかり動かす感覚をつかんでスクワットを行うことにより、腰や膝への負担が分散され、痛みを軽減することができます。

そして股関節をメインで動かしている筋肉はお尻の筋肉。スクワットはお尻の筋肉を鍛え、綺麗なヒップライン、脚作りにも非常に効果的です。

 

このようにスクワットは上半身・体幹・下半身全てにおいて現代人が足りない動きを補う役割も果たしてくれます。これがキングオブトレーニングと言われる所以です。

正しいスクワットのやり方「エラー別改善法」

それでは、スクワットの正しいやり方を具体的にみていきましょう。

スクワットで起こりがちな間違い(=エラー)ごとに、身体のどの部位に問題があるかをお話しします。

 

<エラー1>スクワットの際に上半身が安定しない

トレーニングする男性

スクワットでしゃがむ時、背中が丸まってしまう、体がやたら前に倒れてしまうといった「上半身エラー」。

原因と対策をご紹介します。

 

胸を張れず背中が丸まってしまう

「胸を張れない」というのは、

・背中の筋力が弱い

・胸が硬くて張れず、胸椎の伸展ができていない

上記のような状態です。

 

対策ポイントは、胸の抑制と背中の活性運動。トレーニング前もしくは普段から意識して行うことが重要です。

胸を張れる動きを出す=胸椎の動きを出すこと。そのため、スクワットの前に胸のストレッチやマッサージを行うことをお勧めします。

普段かたまってしまっている胸を動かしやすくすることにより、正しく綺麗な姿勢でスクワットができます。

 

また普段から背中のトレーニングをすることも大事なポイント。

基本的に、トレーニングで肩甲骨を寄せるといった動作が簡単にできるぐらいの背中の筋肉は必要です。

また背中のアクチベーションドリル=活性運動することも非常に有効です。

肩甲骨を寄せるような運動をスクワット前、または普段から行うことで、普段動かせていない筋肉に刺激を与え、胸を張りやすくすることにつながります。

 

上半身が前に倒れる

脚の関節が硬いため、代わりに上半身を前に倒すことによって全身のバランスを取ろうとしている状態です。

脚関節においては、ふくらはぎの硬さをとり柔らかくすることが大事です。

有効なのはストレッチや、フロスバンド等で圧を加えた状態でのモビリティエクササイズ。また、ポールを使った圧迫を超えたマッサージなどもおすすめ。

<エラー2>スクワットの際に腰が反る・丸まる

スクワットをする際に腰が反りすぎる・腰が丸まってしまう方も多く見られます。各原因を見ていきましょう。

スクワットの図

 

腰が反りすぎる

胸椎の動きが出てなくて胸を張れない、だけど胸を何とか張ろうとし、代わりに腰を反って「胸を張ったつもり」になってしまうことが原因の1つ。

もう1つは、お腹に力が入っておらず、腹圧が高くないことです。

腹圧が脱けてしまう方は、呼吸を見直しましょう。非常に簡単かつ有効なのは、「ブレイシング」と言われる呼吸法です。

【ブレイシング】

1鼻から空気を吸い、お腹を膨らませる

2 その状態でお腹を殴られる時をイメージし、お腹に力を入れる

3 そのまま口から”ゆっくり”空気を吐きながら動作をする

4 動作が終わり、息を吐き切ってからまたしっかり鼻から吸う

 

腰が丸まる

スクワットで下降する時に腰が丸まってしまうのは、バットウィンクとも言われる現象。

もも裏やお尻の筋肉が硬い人に起こります。

股関節をまっすぐにしてくれる股関節伸展筋群の筋肉が硬く、うまく動作していないことが原因です。

 

対策としては、トレーニング前に、もも裏やお尻のモビリティエクササイズかストレッチ、ポールでのマッサージを行い、もも裏を柔らかく動かせる状態にすることがおすすめです。

フロスバンドやポール等で圧を加えてのエクササイズやマッサージ、簡単なモビリティエクササイズをすることによって、バットウィンクも防げるようになります。

 

<エラー3>スクワットの際の膝と股関節の動かし方

股関節と膝のエラーも多く見られます。

膝が内側に入ってしまう、また膝が動作の最初から大きく前に出てしまい、股関節がほぼ曲がっていないというエラーです。順に見ていきましょう。

 

膝が内側に入る

トレーニングする男性

原因としては、前もも・外もも・股関節の筋肉が硬い場合と、股関節を外側に向ける、主にお尻の筋肉が弱い場合があります。

 

対策としては、しっかりと前もも・外もも・股関節の筋肉を、ポールを使ってのマッサージやアクティブストレッチ等でしっかりほぐし、股関節を外側に開くこと。

そして尻の筋肉を、しっかり活性化させてあげることが必要です。

前もも・内もも・股関節を意識してほぐすことで、しっかり膝を外側に向けながらスクワットを行うことができます。

 

股関節をしっかり曲げられない

こちらはそもそも股関節の動かし方が全くわからない方に多く見られるエラー。

対策としては、単純なエクササイズの一つである「ヒップヒンジ」を行うこと。

 

「ヒップレンジ」とは、股関節を「ヒンジ」つまりドアの蝶番のように曲げる動作を指します。

このエクササイズをしっかり習得してからスクワットに入ることによって、股関節をメインに使った動作をスムーズに行うことができます。

 

このヒップヒンジというエクササイズは、背中のトレーニングやスクワット等他のトレーニングと並び、デッドリフトの際に非常に重要とされる動きです。

スクワットの時のみといわず日常的に是非行うことをお勧めします。 

やり方と共に知っておきたい「モビリティファースト」の概念

トレーニングする男女

スクワットにおけるどのエラーの改善法においても一番大事なのは、動かない部分を動かしてあげる「モビリティファースト」という概念です。

 

人体の各関節には大きく2つの役割があります。

「モビリティ」と「スタビリティ」=「動作性」と「安定性」という役割です。この概念のうち、「モビリティ=動作性」からしっかり確保しようというのが、「モビリティファースト」です。

 

身体を美しく効率よく変化させるためには、安定させるべき関節を安定させるように頑張るのではなく、まずは動いてない関節からしっかり動かしてあげることが非常に重要です。

まずは動作をさせてから、エラーを直していくというのが一番のポイントです。

 

たとえばスクワットで腰が反れてしまう方の場合、胸椎が動いてないから腰がそれてしまいます。

この場合は、腰の動きの「安定性」を先に確保するのではなく、胸椎の「動作性」を確保し、胸椎をしっかり動かせるよう、胸が張るようにしてからスクワットを行いましょう。

 

まずは動作をさせてから調整することによって、結果的に腰椎の安定性が高まります。

先に腰を安定させるように頑張るのではなく、動かない部分を動かせるようにすること。そして大小の動作を防ぐことがまず大事です。動かない部分を動かしてあげる。

硬い部分をほぐして動かしてあげる。これが、スクワットのエラー改善に向けて重要な概念です。

 

「モビリティ」と「スタビリティ」はこちらの「筋トレの効率性を高める関節のモビリティとスタビリティとは」の記事で詳しく解説しておりますので、興味をお持ちの方はぜひご覧ください。

 いかがでしたか?

キングオブトレーニングと言われるスクワット。

その名の通り、現代社会で働く方、若い方にとってもキングオブトレーニングであるということを具体的に解説してきました。

 

スクワットが正しくできる=日常生活において肩こりや腰痛、姿勢不良を防ぐ1つの指標となります。

健康やボディメイクのためにも、是非役立ててみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人
松浦晴輝
パーソナルトレーナー

MYREVOはパーソナルトレーニングジム、ヨガスタジオ、
ストレッチ、ダイエット、ランニングに関する
プロ集団が著者・監修を担当

パーソナルトレーナー

山本耕一郎

パーソナルトレーナー

斎藤裕香

パーソナルトレーナー

松浦晴輝

パーソナルトレーナー

YOKO

フィジーカー

栗原強太

ストレッチトレーナー

福原 壮顕

ヨガインストラクター

斉藤玲奈

管理栄養士

佐藤樹里

プロランニングコーチ

大角重人

監修者一覧