ダイエットには筋トレとしてスクワットが効果的だと聞いて興味を持つ方も多いでしょう。
しかし、どんなスクワットを何回やればよいのか、具体的な方法を知らない人が多いのも事実です。
そこで今回は、スクワットダイエットを実践する時にそのダイエット効果と正しいやり方について解説します。
パーソナルトレーナー斎藤 裕香
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元ライザップのトレーナーであり、現在は表参道 plat-gym所属のパーソナルトレーナー。自身の経験を元に、男女問わずしっかり食べて生涯リバウンドしない、健康的な体をサポートしている。 |
目次
スクワットは筋トレの中でもカロリー消費が他の筋トレに比べて高く、基礎代謝の向上に有効なことが知られています。
基礎代謝が上がることで、ダイエットに嬉しいたくさんの効果があります。まずはスクワットのダイエット効果について説明しましょう。
そもそもダイエットのポイントは次の2点です。
スクワットは他の筋トレに比べて、一度に背中の筋肉や、下半身の複数の筋肉を刺激をすることができます。
そのため、体の筋肉を全体に鍛えて基礎代謝量を効率的に高めていくことが可能でき、痩せやすい体を作ってくれます。
スクワットは一度に複数の筋肉を使える運動強度の高いトレーニングです。
そのため、他の筋トレと比べて高い消費カロリーが期待できます。
消費カロリーが見込めるのかを、国が定めているトレーニングの強度の指標であるMETs(メッツ)を指標を使って計算してみます。ここでは参考に、スクワットと腹筋の消費カロリーの違いを比較してみましょう。
「消費カロリー(kcal) =METs(メッツ)× 体重kg × 運動時間 × 1.05」を使います。
※各運動のMETs(メッツ)は国が定めている数値を用いる。
仮に1時間スクワットと腹筋を続けたとします。それぞれのカロリーは次の通りです。
5.0メッツ×体重60kg×運動時間(1時間)×1.05=約315(kcal)
3.8メッツ×体重60kg×運動時間(1時間)×1.05=約240(kcal)
上記から、スクワットは腹筋の約1.3倍のカロリーを消費できることがわかります。
ただし、1キロの脂肪を燃焼するのに約7000kcalが必要です。
あくまでも脂肪を落として体重を減らすためには食事での摂取カロリーに気をつけることが一番大切です。
脂肪を落とすためには筋トレでのカロリー消費だけに頼りすぎないことは心に留めておきましょう。
スクワットは複数の筋肉を鍛えられるので、他の筋トレよりも早く見た目に効果が現れていきます。
それではスクワットに取り組むことに、スタイルはどのように変わるのでしょうか?ここでは、各部位の筋肉の特徴や効果の程度について説明します。
お尻(大臀筋)と太ももの前側(大腿四頭筋)、太ももの裏(ハムストリングス)、ふくらはぎ(ひふく筋・ヒラメ筋)、背中(脊柱起立筋)。
それぞれがスタイルに及ぼす変化を見ていきましょう!
まずスクワットで鍛えられるのは、お尻(大臀筋)です。
筋肉として大きな部分を占めるので、この箇所を鍛えることでお尻全体を引き締めてヒップアップ効果を狙えます。
スクワットで鍛えられる筋肉で大きな割合を占めるのが太ももです。太ももは前側に大腿四頭筋、太ももの裏側にはハムストリングスという大きくて複数に分かれている筋肉があります。
スクワットはこれらを意識的に鍛えることができるので、他の部位よりも筋トレ効果が出やすく太もも痩せの効果があります。
スクワットではふくらはぎも多少でありますが鍛えることができます。(もちろん、太もものトレーニング比重が大きいのは変わりませんので、積極的に鍛えるには、レッグカールなど別のトレーニングが必要です。)
ふくらはぎもスクワットで多少の引き締め効果が期待できます。
スクワットは正しいフォームで行うと姿勢を維持するために全体の筋肉を使います。
その際に、特に鍛えれるのが背中の脊柱起立筋です。
スクワットでは、背中の引き締め効果が期待できます。
ただし、フォームが正しくないと背中を痛めることもあるので、注意が必要です。スクワットの正しい手順や方法を守って行いましょう。
そのため次の章では、正しいスクワットダイエットのやり方について紹介します。
スクワットはダイエット効果を期待できるとすでにお伝えしましたが、いざスクワットに取り組もう!と思っても間違ったフォームで行うと効果が半減してしまいます。効果を減らすことなくダイエットを目指すなら正しいスクワットのフォームを覚えましょう。
正しいやり方は、まずスクワットのフォームで上半身を安定させることです。
背中をしっかりと伸ばして、背中を反ったり背中を丸めないようにします。上体の姿勢が悪いと背中の筋肉や腰に負担がかかり傷める原因になるからです。
また、膝の位置についてもポイントを押さえます。膝先を前に出し過ぎないようにして、膝を内側に入れないことです。つま先は軽く開きましょう。
さらに、股関節をしっかり曲げること。膝や股関節を曲げずに、腰だけを曲げてトレーニングしたつもりになってしまう人もいるので気を付けましょう。
以上のポイントを抑えて、最初は全身がわかる鏡の前で行えるとベストです。取り組んでみてください!
取り組むスクワットの強度が高いほど消費カロリーは大きくなりますが、とにかく激しい動きであればよい訳でもありません。
ダイエットに効果のあるスクワットをするには、その人に合った強度でトレーニングをすることが大切です。
そこでここからは、負荷が強くダイエット効果の高いおすすめのスクワットを5種類ご紹介します。
まずは、それぞれに数回取り組んでみて、今の自分の体力にあった種目を見つけてください!
シングル・レッグ・スクワットは自重で、誰でもできる基本的なスクワットトレーニングです。
後は上記を繰り返して10回1セットとして必要なセット数こなします。
ワイドスクワットは、通常のノーマルスクワットよりさらに強度を上げたい時に行います。
ノーマルスクワットとほとんど同じ方法で、続けやすいのがポイントです。
姿勢を安定させるために少し背中に力を入れて、背筋を伸ばしましょう。
ジャンピング・スクワット
ジャンピング・スクワットはノーマルスクワッとの動作にジャンプを取り入れて強度を上げたトレーニングです。
通常のスクワット動作だけでは鍛えられない腹側面や膝周り、ふくらはぎの筋肉も同時に鍛えられます。
ポイントは、姿勢や背筋が曲がっていないかを確認して、2回目・3回目と繰り返すことです。
ジャンプ時に姿勢が崩れて、そのままスクワットをしてしまうと正しくないフォームで行うことになるので気をつけましょう。
スプリットスタンススクワットは、前後に開いたポジションを取るスクワットトレーニングです。
バーベルやダンベルなどを加えてダンベルスプリットやバーベルスプリットにすることができるなど、幅広いメニューができるスクワットです。
トレーニング強度を上げたいときは、回数を増やすだけでなく、ダンベルやバーベルを加えてスプリットスタンススクワットをすると良いでしょう。
バーベルが重過ぎて状態が上がらないときは、おもりを外したバーだけ握ってスクワットするのもトレーニングとして有効です。
スクワットは基本的に下半身を鍛える動きですが、ノーマル・ワイドスクワットにバーベルを加えることで、バーベル・フロント・スクワットにして鍛えられる部位を増やしてトレーニング強度も上げることができます。
特に大腿四頭筋への負荷が大きく、バーベルスクワットと比べて姿勢が安定しやすい(後ろに反らしにくい姿勢が作れる)のが特徴です。
一連の動きの中で、バーベルだけを先に持ち上げようとする(上体を反らす)と腰や他の筋肉を傷めるので注意が必要です。
通常の不可に加えてバーベルの不可を加えられるので、慣れてきたら重くするなどしてトレーニング負荷に対する慣れを防ぐこともできます。
ここまでスクワットのダイエット効果やトレーニング方法5種類を解説しました。では、実際にこれからを始める時にどのくらいの回数を何セット行うのが理想なのでしょうか。
次の章では、具体的なスクワットダイエットの取り組み方についてご紹介します。
スクワットダイエットの効果ややり方を実践すればスクワットの大きな効果を得られます。
しかし、スクワットに取り組みたいと思っても効果的な期間や回数は一般にもあまり知られていません。
そこで、スクワットダイエットを行う際の回数や期間をこちらではまとめたいと思います。
1週間スクワットダイエットに挑戦した人を調べてみると、以外にも短期間で効果が現れているのが分かります。
ある人は、毎日50回のスクワットと腹筋をすることで少し割れたことを実感できるレベルまで到達しています。
5分程度の時間を毎日行っただけで1週間で2kg減や太ももが数センチ痩せた女性もいます。スクワットを初めて行う方も多いので、1週間で10回×3セットから始める人が多いです。
1ヶ月スクワットダイエットはアメリカで流行しているダイエット方法・期間です。
1日10~15回程度の続けやすい回数から初めて段々と数を増やし60回程度にし、1ヶ月でお尻の引き締めを実感する方もいて、実際の数値では太ももやヒップが2~3センチ減る結果に。
1日の回数を毎日増やすという方法もあるそうで、5回ずつ増やし最終的に一日200回以上に到達し、ヒップアップや太もも周りが5センチ落ちたケースもあります。
1日100回以上行っていた女性は、尻下の太もものサイズがダウンしたことを実感しているなど太ももの引き締めにしっかり効果が出ているのが分かります。
スクワットダイエットを毎日行う場合の仮メニューを考えて見ましょう。まず、10回3セットの30回を基本として、一週間のメニューを決めます。
回数は慣れてきたら増やすのもよし、初めから少し多めにするなど、トレーニング経験なども踏まえて決めましょう。
3日坊主にならないメニューなら4~5日続けることで段々と続けることに慣れてきます。できるだけ自分で曜日ごとにメニューを考えてみましょう。
ちなみに、強度の高いトレーニングをした場合、次の日や前の日はノーマルスクワット30回程度にして、筋肉を休める必要があります。筋肉の超回復には2~3日程度かかるので、筋組織を破壊してから治るまでの間、同じ部位に強度の高いトレーニングを続けすぎないことに注意です。
それを守らないと、筋肉を壊し続けて、逆に筋量が減ってしまいます。その点さえ守っていれば、誰でも体の調子や回数の調整をしてスケジュールを組むことができます。
では、メニューをこなしている途中に、筋肉痛になったらどうすれば良いのでしょうか。そこで次の章では、筋肉痛時の対処方法やトレーニングの考え方を紹介します。
スクワットで筋肉痛になりやすい体の部位は、当然ながら一番負荷のかかりやすい太ももです。
筋肉痛は筋組織の破壊から炎症に繋がる症状なので、スクワットで筋肉に最も負荷のかかる太ももの内・外・側面がなりやすいです。(フォームが悪いと一部にだけ負担がかかりすぎてそこが筋肉痛になりやすいです。)
筋肉痛になってしまった時は、無理せず回復を待つ必要があります。なぜなら、炎症状態では、痛みに反応して痛くない方の筋肉で支えようとしてしまうため、偏って筋肉が付いたり、今度は他の部位を傷めたり、けがの原因になります。
たとえ筋肉痛でもトレーニングを毎日したい方は、腕立てや腹筋などの上半身を鍛えるトレーニングを行うことで、下半身を休めつつ無理なくトレーニングができるのでおすすめです。他にも、5種類の中で紹介したシングル・レッグ・スクワットなら、右足が痛くても左足(痛くない筋肉)だけでトレーニングができます。
このように、トレーニング方法を変えて、痛くない筋肉や異なる部位を鍛えるメニューを代わりに入れる方法などがあります。体の調子と相談しながら休みを入れることも前提に柔軟なメニューにしておけば、休んでしまった後の罪悪感もなく続けられるでしょう。
筋肉痛時のトレーニングが分かったら今度は食事についても考えて見ましょう。筋肉は食事から作られるものですが、取り過ぎるとカロリーオーバーになって、ダイエットになりません。食事について次に取り上げましょう。
ダイエットで何といっても欠かせないのが、食事のカロリーを抑えることです。ここでは、ダイエットの効果的な食事について説明します。
まず野菜とおにぎりだけのような炭水化物に偏ったカロリー制限を行うと失敗しやすいので注意をしましょう。
実際、野菜とおにぎりだけでダイエットを始めて失敗する女性は多いです。体重が減ったとしても筋肉量まで減ってしまうため、基礎代謝が減り痩せにくい体になってしまうため、すぐに体重の減りが止まってしまうのです。
ですので、食事は低カロリー高タンパクの食事に置き換えることが必要です。
例えば、プロテインやHMBのサプリメントを利用することで、低カロリーで高タンパクの食事に代替することができます。
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今回は、スクワットのダイエット効果について、カロリー消費の具体的な比較やさまざまな種類のトレーニング方法などを紹介しました。
ダイエットで有効なスクワットを1週間のプログラムで、短期間にダイエット効果を発揮することも確認できましたね。
これからスクワットダイエットを考えている方は、1週間のトレーニングメニューを考えて実践してみるのがおすすめです。ぜひ取り組んでみてください!