目標を達成するために、好きなことにとことんのめり込んだ経験はありますか?
恐らく、高校や大学時代に部活動で全国規模の大会に出場し、入賞された経験がある方は自信を持って「はい!」と答えるでしょう。
一方で、私のような帰宅部だった方はそう聞かれると返答に困ると思います。
社会人になってから好きなことをやろうと思っても、日々忙しい業務に追われてなかなか思うようにはいかないものです。
この記事では、私がサラリーマンとして働きながら、5カ月間でフルマラソン(42.195km)を3時間10分台で完走するためにやったことをご紹介します。
本記事を通して、少しでも多くの方にマラソンというスポーツの魅力をお伝えし、マラソンに挑戦することで人生を更に充実させて頂きたいと思っております。
目次
左は3年前に初フルで参加した横浜マラソン2015の結果、右は私が2018年の10月に参加した横浜マラソン2018の結果です。
マラソン大会の結果は、RUNNETというサイトでいつでも閲覧できる上(氏名だけで検索できます)、ご自身で上図のような完走証を簡単にダウンロードできます。
結果を振り返る前に、マラソン初心者のために、グロスタイムとネットタイムの違いについてご説明します。
グロスタイムとは、スタートのピストルが鳴ってからゴールするまでにかかる見かけ上の時間のことで、陸上競技における公式記録として扱われます。
一方、ネットタイムとは、スタート地点を通過してからゴールするまでにかかる時間のことで、本当の意味での記録です。
ただし、あくまで参考記録としての扱いです。数万人が参加するような大きな大会では、整列からスタート地点に立つまでに時間がかかるため、ネットタイムが設けられています。
因みに、横浜マラソンは、東京マラソンと大阪マラソンに次いで、全国で3番目に規模が大きい大会です。
プロのマラソン選手はグロスタイムを気にしますが、我々市民ランナーは、ネットタイムを気にすれば良いです。
因みに、マラソン大会の整列位置はアルファベット順にブロックで区切られており、過去に参加した大会のタイムで決まります。
私が初フルで参加した横浜マラソン2018では、Eブロックだったのですが、横浜マラソン2018では前回の結果が反映されBブロックでした。
上記を踏まえつつ結果の振り返りをしていきましょう。
これからはネットタイムを前提に話を進めていきます。
結論から申し上げますと、自己ベストを36分41秒縮め、3時間18分50秒で完走することができました。
完走者の中での順位で言うと、「2015年:6852位/21561」⇒「2018年:783位/24651人」なので、2015年の上位32%⇒2018年は上位3.2%です。
100人のテストで例えると、いきなり30位から3位に急成長を遂げたようなものです。
因みに、私は中学高校の6年間を通しても、最高で4位でした。(笑)
なお、この順位はグロスタイムを基準にしているので、実際はもっと上記にランクインしていると思います。
因みに、一般的にサブ4(4時間切り)で上位20%、サブ3.5(3時間半切り)で上位10%、サブ3(3時間切り)で上位3%、サブ2.5(2時間半切り)で上位0.2%と言われています。
表1横浜マラソン2018大会情報(横浜マラソン2018HPより参照)
参考までに完走率を表1に示します。
92%もの人がフルマラソンを完走しています。
フルマラソン完走って聞くとすごい気がしますが、意外に多くの人が完走していますね。
残念ながらリタイアしてしまった2,128人は、本当にお気の毒です。
折角頑張ったのに、完走メダルも記録賞も貰えないのだから。
しかも、横浜マラソン2018に参加した大多数は台風で中止になった横浜マラソン2017の参加予定者なので、完走すれば2年分のメダルを貰えるという、マラソン大会の中でも類を見ない特別な大会なのです。
私の友人にも一人リタイアしてしまった人がいて、非常に悔しがっていました。
私が横浜マラソン2018を、目標タイム3時間20分切りで完走するために、大会前の5か月間でやった練習法をご紹介します。
私の練習は大きく、前半の3か月間の“リハビリ期間”と、後半2か月間の“本格練習期間”に分けることができます。
前半はランニング初心者向けの内容に対し、後半はランニング上級者向けの内容となっております。
本題に入る前に、私が“リハビリ期間”を設けた背景について、簡単にご説明します。
練習を開始した当初、私は社会人になってからの2年間の不摂生により激太りしており、フルマラソン完走すら怪しい状態でした。
そんな状態でいきなりハードな練習を行えば、怪我をするのは目に見えています。
実際、私は2年前に出場した板橋cityマラソンで、大会直前に過度の練習でひざを痛めてしまいました。
結果、最後の12kmを歩く羽目になり、4時間42分46秒という惨憺たる成績に終りました。
この教訓を生かし、重くなった体を軽くすることを最優先にリハビリを開始しました。
私は、職場からの帰宅(13.5km)を電車からランニングに切り替えた結果、3.5カ月で10㎏の減量に成功しました。
詳細は、私がMyrevoで執筆した1本目の記事、“3.5カ月のランニングで10キロ減量に成功したサラリーマンの話”でご紹介しておりますので、ご興味がある方は是非読んで見て下さい。
ポイントは、無理せず走り続けることです。
無理してペースを上げることはせず、自分が心地良いと感じる、5分30秒/km~6分/kmで走りました。
その代り【完全に止まらない】ことを強く意識しました。
赤信号でも立ち止まらず足踏みを行うことで、リズムを乱すことなく走り続けることができました。
また、少しでも渇きと尿意を感じたら、迷わずコンビニに寄って休憩をしたことで、一度も体調を崩さず走り続けることができました。
ランニング初心者が直面する最大の試練の一つが、ひざの故障です。
私もリハビリ開始時は、左ひざに痛みを抱えていました。
ランニングの着地時にひざにかかる負荷は、体重の3倍と言われています。
成人男性であれば、200㎏近い負荷が常にひざにかかってくるので、対策を練らずにランニングを続けると確実に故障します。
ここでは、私がとった対策法をご紹介します。
ずばり【スクワット】です。
私は、走り始める前に必ずスクワットを100回以上行いました。
スクワットを行うことでひざは確実に逞しくなり、負荷に耐えられるようになります。
また、ランニング後に、熱いシャワーと冷たいシャワーを交互にひざに当てることで、疲労回復を早めることができます。
ひざ回りの血管が膨張・収縮することで、血行が良くなるためです。是非試して見て下さい。
私が3カ月間のリハビリ期間を終えた後に、タイムを縮めるためにやったことを、項目毎にご紹介します。
マラソンでタイムを延ばすには、スタミナやスピードをつけるためのランニングも大事ですが、後半で失速しないフォームを維持するための筋トレも非常に大事です。
※写真は横浜マラソン40キロ過ぎの様子
文字通り、いざという時にダッシュできるように速く走る練習です。この練習は、大会本番の最後の1kmの追い込みで役に立ちました。
具体的には、週1回13.5kmの帰宅ランで、目標タイムのペースより20秒/km速いペースで走りました。
私の場合、42.195kmを3時間20分以内で走るためには、4分44秒/km以内で走る必要があるので、4分24秒以内/kmで走りました。
因みに、ランニング記録はスマホアプリで簡単に取れます。私はRuntasticというアプリを愛用しています。
Long Slow Distanceの略で、長い距離をゆっくり走る練習です。
長時間のランニングに慣れるための練習です。
フルマラソンは、現世界記録保持者でも2時間以上かかります。
つまり、2時間以上走れないようでは話にならないのです。私は、本番前の2カ月間で、2時間を超えるランニングを2回/月×2カ月=4回続けました。
この練習のポイントは、ペースではなく走行時間に拘ることです。
ただ、一人で走る場合どうしてもペースが上がりがちになるので、ランニング仲間と綺麗な景色を眺めながら走ることをお勧めします。
誰かと楽しくおしゃべりしながら走ることで、自然とゆっくりペースになりますし、時間が経つのも早く感じます。
お勧めのランニングスポットは、みなとみらいと豊洲です。景色が最高ですし、ランナーが沢山いるのでおのずとモチベーションも上がります。
本番と同程度のスピードで30km走る練習です。
42.195km走る必要はないのかと疑問に思われる方もいらっしゃると思いますが、30kmで十分だという根拠があります。
私の知り合いの医者ランナーによると、30kmのランニングで人体に蓄えられるアミノ酸が枯渇するそうです。
つまり、30km走ればフルマラソンと同じ極限状態を体験できるということです。
不足したアミノ酸を補うために、ランナー達はサプリメントを服用するのです。
私は大会の3週間前の3連休に30kmランを2回行いました。
ただし、本番直前にやると故障の原因になるので、本番1カ月前位のタイミングで行うことをお勧めします。
練習場所は、皇居がお勧めです。
理由は、1周5kmと決まっているためペース配分がしやすい点と、信号が無いため続けて走れる点です。
また、皇居はランナーの聖地とも言われており、様々なランナーを間近に見ることができるので、勉強にもなります。
因みに、私はこの練習で3時間30分切りを確信したので、30kmランは自信付けにもなると思います。
※写真は出勤前に自宅で腹筋に取り組む様子
ランニングのフォームを整えるために私が行った筋トレメニューをご紹介します。
私は夜にランニングを行うため、朝の出勤前の20分間を筋トレに充てました。
具体的には、2カ月間6時に起床してから8時に出勤するまで、以下のメニューを毎日欠かさず行いました。
『筋トレメニュー』
①スクワット100回⇒②腹筋5種類×100回ずつ※⇒③背筋100回⇒④腕立て伏せ100回
※5種類の腹筋:i)ひざ挙げ腹筋、ii)足伸ばし腹筋、iii)足挙げ腹筋、iV)あぐら腹筋、V)バイシクルクランチ
なお、各々の腹筋の合間にクランプを50秒間挟んでおります。
そしてこちらのお二方は、筋トレと腹筋の神髄を直伝して下さった方々です。
栗原さんは、Myrevoで“自宅・ジム別!筋トレ初心者が無理なくできる筋トレメニュー!”というタイトルで執筆なさっているので、バイシクルクランチ、プランク、背筋、腹筋のやり方は是非この記事をご参照下さい。
釼持さんは2カ月のライザップで14kgの減量とシックスパッドを手に入れた強者です。
腹筋メニューは釼持さんのご指導を参考に編み出しました。
私は上記の筋トレメニューを2カ月間続けた結果、栗原さんや釼持さんのような腹筋を手に入れました。(笑)
ポイントは、細分化して回数を稼ぐことです。
いきなり100回をぶっ通しでやるのは厳しいので、25回×4セット⇒50回×2セット⇒100回×1セットのようにやり方を変えていきました。
このやり方は、筋トレにかける時間を変えずに負荷を増やすことができるので、時間の無いサラリーマンにお勧めです。
余談になりますが、私は隙間時間も有効活用して筋トレに励みました。
例えば、満員電車で行うつま先立ち、デスクワークの眠気覚ましに行う腿挙げ腹筋、カラオケの待ち時間に行う足挙げ腹筋といった具合です。
マラソンでは、足のどこで着地するかが重要です。
アフリカ勢のトップアスリートはフォアフット走法といって、つま先で着地することで、驚異的なスピードを生み出していると言われております。
満員電車でのつま先立ちは、フォアフット走法の良い練習だと思います。
両足つま先立ちに慣れたら、片足ずつのつま先立ちにシフトすることをお勧めします。
※電車内での練習は人目があるので、実際はあまりお勧めはしません。(笑)
今回は私が横浜マラソンへ向けた行った具体的な練習をご紹介しました。
今後はサブ3(フルマラソンを2時間台で完走すること)を目標にさらなるレベルアップへ向けて取り組みたいと思います!