間違った呼吸、していませんか?
自分の呼吸が気になるとか、問題があるという実感を持ったことはありますか?
情報の移り変わりなど、スピードの速い現代社会では、自然な呼吸を忘れがちです。
スマホのブルーライトや、ネットの普及によるトレンドの変化の早さ、人間関係におけるストレスなど。
日常生活で刺激を受けすぎると、筋肉が緊張し呼吸が制限されてしまいます。
乱れた呼吸の習慣は肉体や精神状態だけでなく、健康状態にも悪影響を及ぼしかねません。
生まれたときは、誰もが自然で無理のない呼吸をしています。
たいてい、5歳までは眠っているときも、遊んでいるときも自然な呼吸をしているといわれています。
しかし、現代社会ではさまざまなストレスに対応しなくてはいけません。
環境汚染、仕事や学校のストレス、身体の不調、精神的な負担などの要因が、質の悪い呼吸を引き起こしてしまいます。
目次
質の良い呼吸とは、無理をせず自然体な呼吸です。
☆質の良い呼吸のポイント☆
まずは、吐くことから始めます。
息を吐くことで、よどんだ空気が出ていきます。
吐き切ることで自然と吸う呼吸が入りやすいのでできるだけ吐き切りましょう。
どれだけ息を吐けるかで、どれだけ吸えるかが決まります!
そして、 呼吸の仕方を意図的に変える必要はなく、呼吸のリズムを妨げでいる悪い呼吸をやめることが重要。
悪い呼吸とは、例えば緊張で呼吸が速くなってしまう。または、物事に集中し過ぎて無呼吸になっている状態などです。呼吸が速くなる場合は、それだけ心拍数も上がるので心臓に負担がかかります。常にそのような呼吸になっていると、心臓もハードワークな状態を続けることになるのです。
無呼吸の場合は血中の酸素が減っていくので、パフォーマンスが下がるなど様々な悪影響があります。
質の良い呼吸をするには、頑張って呼吸をしようとする必要はありません。
最初のステップは、自分の呼吸に意識を向けて呼吸を認識すること!
「息をとめている、速くなっていると気づいたときは、落ち着いて穏やかに息を吐く。」
いわば、息をしっかり吐き出すというのは酸素がなくなるので、水の中で息ができない状態と近いです。そのような状態になると、自然と息を吸いたくなりますよね。つまり、しっかり吐ければ、自然と吸うことはできますよ。
そのため、質の良い呼吸をするには、吐くことだけを意識してくれれば良いのです。
質の良い、自然な呼吸が行えていると、
・ストレスを減らす
・緊張を和らげる
・パフォーマンス向上
・姿勢改善
・痛みの緩和
などの効果が期待されます。
吸う呼吸は交感神経に作用して、吐く呼吸は副交感神経に作用します。
交感神経は人間のアクティブ(≒興奮)状態において活発化する神経。一方で、副交感神経は人間のリラックス(≒落ち着き)状態において作用します。
吸う呼吸と、吐く呼吸がしっかり行えていると、交感神経と副交感神経のバランスが整います。そのため、自律神経(≒自律神経とは交感神経と副交感神経の総称)が整うためストレスが軽減されます。
緊張も上記のストレスと原理は同じ。
ここでいう緊張とは、精神的な緊張はもちろん、肉体的な筋肉の緊張も含みます。
呼吸は酸素を体に出し入れする動き。呼吸の質が良くなると、体の酸素の循環、ひいては血の巡りがよくなります。血の巡りが良くなると筋肉の緊張・凝りが緩和されます。
運動するときにパフォーマンスもそうですし、仕事や勉強でのパフォーマンスも呼吸により高めることができます。これは、先ほどの血の巡りが良くなることと関係があり、血の巡りが良くなり脳への酸素がしっかり行き届くことにより集中が高まるのです。呼吸が安定している人は、間の取り方が上手で、プレゼンなども上手な印象があります。お勤めの方はお仕事でプレゼンを見る機会があれば、プレゼンターの呼吸に注目してみても面白いと思います。
姿勢も呼吸と密接に関わっています。
これは呼吸によってインナーマッスルが動くことが大きく関わっています。
上記の図のように、呼吸はインナーマッスルを通じて背骨や、骨盤に強く影響を与えます。
また、図示はされていませんが、内臓とも距離が近いため内臓へも強く影響を与えます。
例えば猫背の方。
猫背は、自然な呼吸が入りづらい体勢です。そのため、しっかり息が吐けない、それゆえにしっかり吸えないという悪循環から悪い呼吸の癖に繋がります。
そのため、質の良い呼吸を取ろうと試みると、猫背になっていることに気づく、自然と意識を姿勢に向けるようになります。そうすると、呼吸の質も自然と高まってくる。このような好循環が築けていくのです。
グッと、強い痛みが走ったとき呼吸はどうなると思いますか?
みなさん息を止めてしまいますよね。他にも熱とか出たときなどみなさま呼吸が乱れますよね。
体だけでなく、心が辛いとき。何か心理的に動揺するようなことがあった際に過呼吸になるなど。
精神的、肉体的な双方の痛み、つまり体のSOSと呼吸は密接に関わっているのです。
精神的、肉体的な痛みを感じたときは、まず呼吸から整えに行くように意識することが大切です。
生きる知恵として、呼吸を活用してみてくださいね。
生まれたときは「産声をあげる」、亡くなる時は「息を引き取る」と表現されるように、呼吸は人生に多大な影響を及ぼします。
実際、人間の呼吸は1日約2万回。1年間で700万回以上と言われています。
通常の呼吸は1分間に8~18回ほどですが、悪い呼吸の習慣がある人だと1分間に30回以上呼吸をしている人もいます。
毎日何千、何万回と呼吸をしているので、今回ご紹介した呼吸の効果や仕組みをぜひ生活に活用していただければと思います。
「呼吸は命を与え、維持してくれる動作」
どんな瞬間こうしているときにも、呼吸があってこその生活だと認識してみて下さい。
行動が活発であれば、呼吸のスピードが上がり、休憩をすれば呼吸は遅くなります。
呼吸は完全に私たちの行動と密接しています。
質の良い呼吸に近づいていきましょう。
以上、質の良い呼吸のもたらす5つのメリットでした。