腹筋って、どうやったら鍛えられるのか?普通の腹筋運動で十分だと思っていたけど、クランチが良いと聞いて詳しく知りたい。
クランチという言葉をあまり耳にしたことがなく、どのようなトレーニングなのか上手くイメージできない人もいるかもしれません。
そこでこの記事では、クランチを初めて実践するという方に腹筋を鍛えるクランチのやり方やコツ、注意点などを解説します。
フィジーカー 栗原強太
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湘南オープンメンズフィジーク172cm以下の部で5位入賞したフィジーカー。体脂肪率は1桁。複数のジムを掛け持ちして日々トレーニングに励む。 |
腹部を鍛える筋トレで知られるのがクランチです。
一般的に腹部のトレーニングをしたいときにまず思い浮かべるのは腹筋運動でしょう。しかし、クランチは通常の腹筋運動とは異なります。
そこで、クランチがどのようなトレーニングなのか、他に何か嬉しい効果があるのか紹介します。
多くの方がイメージする腹筋運動は、トレーニング用語で「シットアップ」と呼びます。
そして、トレーニングにはもう1種類のクランチがあるのです。つまり、クランチはシットアップとは別物です。では、クランチとはどのようなトレーニングなのでしょうか?
クランチを簡単に説明すると、ベンチなどに足を乗せて、膝を直角に曲げる。それから肩甲骨から上だけ少し上げて、腰は地面につけたまま、上体(肩甲骨上)の上げ下げを繰り返すトレーニングです。
通常の腹筋のやり方は、足の先は地面に置き、背中も腰全体を持ち上げて地面から離します。
クランチは腰を上げません。クランチは胴から上部を上げ下げします。
その点、シットアップとは、トレーニング中の姿勢や動作がかなり違うのが分かります。ちなみに、クランチシットアップの場合、通常の腹筋(シットアップ)トレーニングを意味します。
クランチは、お腹の前面を鍛えるトレーニングです。それが腹直筋と呼ばれる部位です。
クランチを積極的に行うことにより腹部の筋肉(腹直筋やその周辺筋肉)が大きくなって、シックスパックが出来上ります。
よく使われるシックスパックという言葉は、この腹直筋をしっかりと鍛えて、お腹が6つに割れた見た目のことです。
それから、クランチでは肩甲骨周りを動かすため、前鋸筋と呼ばれる両脇から下の部分の筋肉が鍛えられます。
鍛え方(姿勢や上体の動かし方など)を工夫すれば別の部位も鍛えられます。例えば、バランスボールを使って、クランチを行えば、腹直筋だけでなく腹筋深部や細かい筋肉など体幹を鍛えることが可能です。
シックスパックは前項で説明した通りですが、筋肥大まではいかなくともお腹のウエストを引き締めることが可能です。
純粋に筋肉を育てたい男性の方やアスリートの方だけでなく、一般女性がダイエット目的で鍛えることも有効な部位です。
そのためには、負荷を上げるだけでなく、適度なトレーニングとして続けられるやり方をする必要があります。
あまり負荷を上げすぎず、その代わりに、回数を増やす・頻度を上げる・トレーニング方法を工夫するなどして、日々楽しく行えることも大切です。
その上、毎回モチベーションが続かない人もトレーニング前後でどんな風に見た目が変わるのか想像できればさらにやる気が出るでしょう。
クランチは、女性なら出たお腹をぎゅっと引き締めて、男性なら特に立派なシックスパックを作ることができる最適なトレーニングです。
クランチトレーニングの効果がわかったところで、今度はトレーニングの種類について実践的な方法・やり方を取り上げます。
クランチトレーニングは正しいフォームや動作の流れがあります。
クランチには実際にどんな方法があるのか?ここでは、クランチトレーニング3つを厳選。トレーニングメニューのやり方や手順についても詳しく説明します。
まずは、クランチの基本的なトレーニングであるベンチ(台座・イス)を使ったノーマル・クランチのやり方について説明します。
ポイントは上体を起こすとき、腰が浮かない範囲でぎりぎりまで背中を持ち上げることです。
その上で、膝の角度が変わらないようにすること。無駄にお尻や足に力が入っていると、腹直筋以外の力も使ってしまうので、腹筋だけに力を集中することです。
次にノーマル・クランチの発展型であるバランスボール・クランチです。
名前の通り、バランスボールの上でクランチするトレーニング方法です。
バランスボール・クランチでは、上体の前後の動きでバランスボールと体のラインの位置や角度が変化・移動します。
その変化の際に、腰をつけた状態で膝の位置が変わらないように気をつけましょう。
3つ目は、初心者でも簡単なバイシクル・クランチです。
これまでの2つは足や背を支える道具(ベンチ・バランスボール)が必要でした。しかし、バイシクル・クランチはそれが必要ありません。
自身の力で足と腕を上げた状態にするトレーニングです。
バイシクル・クランチをするときに、腕だけを伸ばすと、腹筋が十分に鍛えられないので、上体を動かす腕とは反対の方向(左肘なら上体を右側)に捻るのがポイントです。
ノーマル・クランチのようなクランチに近い動きだけでは鍛えにくい部位もこれで鍛えられます。
基本的なクランチを理解したところで、次にクランチシットアップトレーニングについて見てみましょう。
次にシットアップを中心としたクランチシットアップトレーニングを紹介します。
シットアップは普通の腹筋といった初心者向けのものから上級者向けの高負荷トレーニングまであります。
その中からクランチと関連する3つの厳選したクランチシットアップトレーニングを取り上げます。
まずはシットアップを変化させたツイストシットアップです。
これは上体起こしに上半身の捻りを加えた動きをするトレーニングです。クランチで鍛えられる腹直筋だけでなく、内部の体幹、主に腹斜筋も鍛えることができます。
全体を通して、頭は固定したまま上半身と腹筋の捻りで動かすことを意識する。右肘が左膝の少し左側に来るようにするのがベストです。
次にVシットアップと呼ばれる大きな動きをするトレーニングです。
Vシットアップはその名の通り、動作後にV字(えび)の形に見えるのが特徴です。
V字(えび)になるとき、反動をつけないようにするのがポイントです。
けがをしないためにも腰が曲がらないように背筋を伸ばしたまま両手を伸ばしましょう。
一般的なシットアップの基本の形を崩して、独特で緩やかな動きをするのがタックシットアップの特徴です。
腹筋以外の力を使わずに足を接近させるのがポイントです。反動などはつけないようにゆっくり行いましょう。
クランチシットアップトレーニングのやり方が分かったところで、次に器具をメインとしたクランチトレーニングを取り上げます。
筋トレでは自重トレーニングだけでなく、器具を使ってウェイトを課したり、効率的に動作を行う方法があります。
そこで、器具を利用して行うクランチトレーニングの中から3つを厳選して紹介します。
ノーマルクランチが通常のベンチや台座を使うのに対し、ベンチ・クランチはジムなどでよく見かけるトレーニング用マシンのベンチを使って行うクランチのことです。
これを使うことで、足や体の位置が動いて、腹筋に対する負荷が逃げてしまうのを防ぐことができます。
ノーマル・クランチより負荷が大きいので、中・上級者向けの腹筋トレーニングです。
次のウエイト・クランチは、ダンベルやメディシンボールなどウェイトのある器具を使って、クランチを行うトレーニングです。
ダンベルは500g~2kg程度、メディシンボールなら1kg~3kg程度の重さが目安です。より腹直筋の負荷を高めることができます。
セットポジションに戻すとき、自重以外のウェイトが背骨や首に負担を掛けないように力を抜きすぎないことです。
アブドミナル専用のマシン(通販などでも販売されている)を使用して行うトレーニングがアブドミナル・クランチです。
ダンベル・クランチよりも安全で、姿勢が安定してウェイトの負荷を高められるのが魅力です。
マシンを用意する必要はありますが、一度手に入れればジムに通わなくても自由に自宅でトレーニングできます。
クランチのそれぞれのやり方を3つずつお伝えしたところで、今度はクランチをするときの注意点を挙げていきましょう。
ここまでクランチのやり方を一通り説明しましたが、形だけではなく、トレーニングで意識的に気をつけるべきポイントがあります。
そこで、クランチを行う際の注意すべきポイントについて紹介します。
クランチは腰を地面につけたまま行うので、背中の上部まっすぐを起こすのではなく、丸めるように起こすのがコツです。お腹を覗き込む形になるのがベストです。
そして、呼吸法もトレーニングを安全かつ効率的に行うためには大切です。
クランチで呼吸をするときは、上体を起こすときに吐いて、戻すときに吸います。
すなわち、力を入れるときに吐いて、緩めるときに吸います。浅い呼吸ではなく、腹式呼吸でゆっくりと吸い込みましょう。
反対にNGなこととして、クランチでは正しいフォームや本来のやり方を逸脱した方法でしょう。
例えば、腕に力を入れて無理やり状態だけ上げることです。
これでは骨や関節を無理に曲げているだけで、腹筋にはそれほど力が加わっていません。回数稼ぎを行うことばかり意識すると、そのような歪な方法に頼ってしまいます。
腹筋のみで持ち上げるようにしましょう。
また、地面や床に背中につけた状態で行うトレーニングであるため、マットなしで固い地面で繰り返し行うなども避けましょう。
背中を痛めないように柔らかめのマットを敷いておくのがベストです。
クランチのコツや注意点が理解できたら、今度はトレーニングには欠かせないプロテインを活用方法についても見てみましょう。
プロテインはトレーニング前後、時に後からとりたい栄養豊富で筋肉作りに欠かせないものです。
プロテインを飲んで腹筋をより効率的に鍛えたいという方には最適です。
特に今回紹介するホエイプロテインの種類は水や牛乳に溶かしてすぐに飲めるタイプです。ここでは、おすすめのホエイプロテインについて2つ紹介します。
クランチの後にまず試して欲しいのが、このプロテインホエイ100マッスルプレスです。
おすすめのポイントはBCAAが豊富なことです。1食分でアミノ酸スコア100のタンパク質は20g以上です。
さらに、ビタミン11種類など、優れた栄養素が付加されていることです。トレーニング後の筋肉の回復や睡眠時の成長ホルモン分泌などに効果が期待できます。
毎月お届けのコース1kg(33食分)が3,250円と1食あたり100円未満の安さで飲み続けられます。
ホエイプロテインのバリエーションは1つだけですが、さらに効率を高めたい方のために別売りのサプリメントなども用意されています。
次におすすめなのはプロテインで有名な明治(食品メーカー)のザバスホエイプロテインです。
バリエーションが豊富で、価格も通販向けの商品やマイナー商品のようなプロテインと比べても圧倒的に安いのが特徴です。
ココア、バニラ、ヨーグルトなどいろいろな味の選択肢があるのはもちろんこと、量(何食分か)も選べて、プロテインコーナーのあるお店なら、袋の小分けによる1食分からの購入も可能です。
アスリートの筋肉作りにも活躍しているなど、筋トレやジムのウエイトトレーニング、今回取り上げたクランチによる腹筋も筋肉作りの筋肥大や超回復の効率化といったサポート効果が期待できます。
<筋肥大のメカニズム。超回復の解説はこちら!>
腹筋を鍛えるトレーニングとして今回は「クランチ」の種類・やり方、そのコツについて紹介しました。
クランチは腹筋運動に似ていますが、実際は全然違うトレーニングです。注意点に気をつけて、トレーニング後のプロテイン利用も視野に入れましょう。
けがしないようにクランチの正しいやり方をこれから実践しましょう。