「ストレッチが原因で筋肉痛に…正しいストレッチのやり方を知りたい!」
「筋肉痛がひどいけど、ストレッチで改善する?」
などと、ストレッチと筋肉痛の関係が気になる人はいませんか?
この記事では、そんな悩みを解消するために、ストレッチが筋肉痛に効く理由と正しいストレッチのやり方について紹介します!
目次
まずは、筋肉痛をストレッチで緩和できるのか?という疑問について答えていきたいと思います。
筋肉痛にはストレッチが効果的です。ただしそれは正しいストレッチをした場合に限られます。
逆に正しいストレッチをしない場合、筋肉痛を悪化させることになるため注意が必要です。詳しく見ていきましょう!
そもそもなぜ筋肉痛は起こるのでしょうか?
筋肉痛が起こる理由は主に2つあります。
1つ目の理由は、筋繊維の負傷による発生です。
筋肉を構成している非常に細い細胞のことです。
この筋繊維が負傷すると、炎症が起こり痛みの物質となるブラジキニンなどの物質を発生させます。(※1)
そして、筋繊維を含む筋膜に痛みの物質が刺激を与えることで筋肉痛が起こります。
筋肉を包む膜で、全身の筋肉を覆っている。筋膜が硬くなると、こりや痛みの原因となる。
2つ目の理由は、脱水症状により引き起こされる血液の悪循環です。
運動をすることで、大量の汗をかきます。それはストレッチも例外ではありません。
運動前後や運動中にこまめに水分補給を行っていない場合は、そのことが原因で脱水症状を引き起こします。
また、日常生活でも就寝時・入浴前後・飲酒のあとは特に体内で水分が少なくなりやすいです。これらのタイミングでも脱水症状に注意が必要です。
脱水症状を引き起こすと血流が悪くなります。
これは、血液中の水分が減り血液がドロドロになるためです。
すると血液中に流れているヘモグロビンがうまく流れなくなってしまいます。
ヘモグロビンは酸素を運ぶ役割をしています。
そのため、体内の酸素不足や、周囲の細胞から代謝産物が発生することで、刺激を引き起こし、筋肉痛が発症するのです。
では、筋肉痛はどれくらいの期間継続するのでしょう?
筋肉痛になると、傷ついた筋繊維を以前より少し太くして筋肉を大きくしようとする超回復を起こします。
この超回復は一般的に48時間から72時間かかると言われています。
程度にもよりますが、筋肉が収まるまでには、2〜3日見ておくと良いでしょう。
トレーニングを行なっている方は、2日以上は安静にして休むことが重要です。
筋肉痛を少しでも早く緩和したいのであれば、ストレッチは有効です。
ストレッチが効く理由の一つは、ストレッチによって筋肉をほぐすことができるからです。
筋肉がほぐれると、血流が促進されて疲労物質や、痛みを引き起こす物質を押し流すことができます。
そのため、筋肉痛の緩和に効果があるのです。
ストレッチが効く理由の二つ目は、ストレッチが筋繊維の負傷予防に繋がるからです。
予防の仕方には、運動前に行う動的ストレッチと運動後に行う静的ストレッチの二つがあります。
前者は筋肉をほぐす目的で行うため、筋肉の柔軟性が広がり筋肉が傷つくのを予防することができます。
後者は、運動後に緊張状態を繰り返している筋肉を、体温や心拍数の低下に合わせてゆっくりと時間をかけて弛緩させることが出来ます。
動的ストレッチ、静的ストレッチの両方にメリットがあるので、運動の前後に両方やることをオススメします。
運動前には動的ストレッチを、運動後には静的ストレッチを行い筋肉痛の予防をしよう。
上述した通り、間違ったストレッチは、筋肉痛を引き起こします。
ですから、これから筋肉痛をストレッチで解消しようとしている方も、ここで紹介することは是非知っておいてください。
ストレッチの本質は、「筋肉をほぐし伸ばすこと」です。
しかし、伸ばす際に無理な動きをしたり、普段は使わない筋肉を過度に動かしたりすると、筋肉の炎症を強くしてしまったり、筋線維を傷つけてしまいます。
ストレッチで重要なのはチカラ加減です。
本当のストレッチの意味を十分に理解して、適度なチカラ加減でストレッチを行いましょう。
好転反応とは 体が本来の状態に戻るために一時的に悪い状態に陥ることです。
ストレッチがキッカケで好転反応が起こることも、ストレッチが筋肉痛を引き起こす一因です。
例えば、筋肉の凝りがひどく、運動不足の状態にストレッチを行なったとします。
すると、ストレッチにより筋肉へ急に刺激が加わることで、体が活性化され好転反応を生じます。
このとき、今まで溜まっていた疲労物質が排出され、筋肉の痛みとなります。
また好転反応は、ストレッチ以外でも、整体やマッサージを受けた後にも見られることがあります。
これもストレッチと同様に、今まで溜まっていた疲労物質が排出されることによって痛みが生じています。
では、好転反応によって起こる症状や継続する期間はどのようになるのでしょうか?
好転反応で起こる症状は、筋肉痛以外にも以下のものがあります。
継続する期間は、通常であれば2日から3日ほどです。
しかし、人によっては一週間かかることもあります。ひどい状態が長続きする場合は、すぐに医師へ相談しましょう。
ここから、筋肉痛にならない正しいストレッチの仕方を一緒に学びましょう。
これからストレッチをする方にも、今ストレッチが原因で筋肉痛になっている方にもこの章は重要です。
正しいストレッチの仕方を理解しておけば、今後ストレッチで筋肉痛になることを防ぐことができます。
正しいストレッチの仕方は2つあります。
それぞれを詳しく解説していきます。
ストレッチ中の呼吸は、筋肉の緊張を解く効果があります。
筋肉が緊張している時は、交感神経が関わっています。逆に、筋肉が緊張していない時は、副交感神経が関わっています。
自律神経の一種で、人間が興奮状態の時に優位になる神経系のこと。
自律神経の一種で、人間がリラックス状態の時に優位になる神経系のこと。
筋肉の緊張を解くためには、副交感神経を優位に働かせる必要があります。
副交感神経を働かせるためには、呼吸をすることが最も大切なのです。
また呼吸においても、「吸う」「息を吐く」の2種類がありますが、副交感神経を優位に働かせるためには、「息を吐く」ことが重要です。(※2)
では、ストレッチをする際の具体的な呼吸法を紹介したいと思います。
具体的な呼吸のやり方は、ストレッチ中にゆっくりと鼻から息を吸って大きく息を口から吐くことです。
その際のストレッチは、ゆっくりと呼吸をしながら1ポーズにつき10秒以上伸ばしましょう
ここでさらにポイントがあります。
それは、腹式呼吸で息を吐くことを意識することです。
腹式呼吸は肺を縦に膨らませることで一度の取り込む酸素の量を増やすことができます。
大きく息を吸って、吐く時に肺を縦に膨らませることを意識しましょう。
筋肉痛がひどい場合は患部を冷やしてからストレッチを行うことが大切です。
筋肉が炎症を起こしているので、暖めるより冷やすほうが効果的です。
効果的な冷やし方は3つあります。
それぞれを具体的に説明していきます。
1つ目は、細かい氷をアイスバッグに入れて患部を冷やします。これなら、体中どこでも冷やすことができて手軽に行えるので移動しながらでもできます。
2つ目は紙コップなどで氷を作って、痛みを感じる患部に直接当てて円を描くようにマッサージします。 腰や太ももなどの筋肉の冷やす際に最適です。
感覚がなくなり肌が少し赤くなるまで行います。15分程度行うことをオススメします。
3つ目は、バケツに氷水を入れて患部をつけることで、患部全体を簡単に冷やすことができます。筋肉痛の箇所や状況に応じて使い分けるといいでしょう。
ここでは部位別に効く正しい筋肉痛の緩和のストレッチについて紹介したいと思います。
間違ったストレッチの仕方によって筋肉痛に悩まされている方や、これからストレッチで筋肉痛を解消しようとしている方、両方に効く正しいストレッチを紹介していきます。
それぞれのコツも紹介するので、意識して行ってみてください。
大腿四頭筋を伸ばすストレッチの仕方を紹介します。
寝ながらできるストレッチのため、寝る前やテレビを見ながらでも行えるとっても簡単な方法です。
怪我のないようにゆっくりと伸ばしてやりましょう。
<ストレッチのコツ>
大腿四頭筋を伸ばすストレッチの目安は、左右20秒ずつやるのがオススメです。筋肉がほぐれているのを感じながらやりましょう。
ふくらはぎのストレッチの伸ばし方はアキレス腱伸ばしです。
安定している壁や手すりなどを使い、自分の体重をかけて行います。
アキレス腱伸ばしストレッチの目安は、左右20秒 × 2回。足の裏が床から離れないようにしてください。
床に座って行うストレッチです。
お尻には細かな筋肉がたくさんあるため、正しいストレッチの方法で取り組まなければ効果的に行うことはできません。
綺麗なフォームを意識することを心がけて行いましょう。
このストレッチの目安は左右20秒ずつ2回ほどやることを意識しましょう
ここではさらにストレッチの効果を高めたい方に、ストレッチ全てに効果のあるコツを紹介していきます。
コツを意識してストレッチをすることで早く筋肉痛に効くようになります。
効果的にストレッチをすることで最も大事なことは、事前に体を温めておくということです。
なぜなら、筋肉は暖かい方が伸びやすく可動域も広げやすいからです
ですから、お風呂上がりやウォーミングアップを行ってから、ストレッチをするとより効果的になります。
ただし、筋肉痛がひどい場合は上述したように冷やすことの方が重要なので、ストレッチをする際には筋肉を冷やしてから体を温めましょう。
ストレッチをする際に注意する点があります。
「とりあえずやってみよう」と始めてしまい、間違ったストレッチを行ってしまうと、上述したように筋肉痛を引き起こしてしまいます。
そうならないためにも、正しいストレッチの注意点を知っておきましょう。
まず注意点1つ目は、「痛いか痛くない程度に伸ばすこと」です。
ポイントとしては、軽く我慢できる程度にストレッチをすることです。
逆にやりすぎると、筋繊維を損傷し筋肉痛になってしまうため、決して無理をしないことが大事です。
2つ目は、寝起きのストレッチはしてはいけないということです。
なぜなら、寝起きは、体温が低く、体も固まった状態のままだからです。
この傾向は、年齢が上がるにつれて強くなります。
「じゃあ、寝起きからどれくらいの時間が立てばストレッチをしていいの?」と疑問に思うでしょう。
起きてから30分から1時間ぐらい立ったり歩いたり活動をしてからストレッチを行うことをオススメします。
寝起きからすぐにストレッチをする場合は、軽く伸びをする程度にしましょう。
寝起き以外のストレッチをやってはいけない場合として以下のような場合です。
以上に該当する場合はストレッチをせず安静にしておきましょう。
筋肉痛がどうしてもひどい場合は、医師に相談することをオススメします。
「そもそも筋肉痛が無ければ、悩むこともないのになぁ。」と思っている方も多いと思います。
そういう方に向けて、ここでは事前に筋肉痛を予防する方法を紹介したいと思います。
未然に筋肉痛発症を防ぐことが出来れば、筋肉痛を緩和するためにストレッチをすることもないですし、筋肉痛のないストレッチを行うことができます。
未然に筋肉痛を予防する方法の1つはウォーミングアップをすることです。
本格的な運動や負荷のかかる動きをする前にウォーミングアップは欠かせません。
なぜならウォーミングアップをすることで、筋肉を伸ばして血流や筋肉の柔軟性を良くすることができるからです。
ではどの程度ウォーミングアップをすればいいのでしょう?
基本的には、10分程度ウォーミングアップすると良いでしょう。
筋肉痛を未然に防ぐ二つ目の方法としては、運動前後の栄養補給をしっかりとすることです。
運動前後に栄養補給は欠かせません。
なぜなら、筋肉痛は前述したとおり筋繊維が傷つくことで起きます。ですから、筋繊維の回復を促す栄養素を摂取することが重要になります。
その際に意識して摂るべき栄養素は以下の通りです。
これらを意識して取りましょう。
これらの栄養素は、筋肉の回復などに影響を与える重要な栄養素です。
タンパク質は、筋肉の修復に使われます。ビタミン B 1は糖質の代謝に関わりエネルギー効率を高めます。
クエン酸は疲労物質の乳酸の解消と筋肉内のブドウ糖グリコーゲンの回復を促進するのに役に立ちます。
では具体的にどんな食材にこれらの栄養素が入っているのでしょうか?具体的な食材については以下のものが挙げられます 。
これらの食材を日々の食事に取り入れましょう。
筋肉痛を予防する方法の三つ目は入浴をすることです。
筋肉痛には、シャワーではなくお湯につかることが大切です。
なぜなら入浴をすることで、体を温めて血流を促します。それにより、筋肉の疲労物質を押し流し疲労回復につながるからです。
具体的な入浴の目安としては、
長湯をするのではなく「10分程度浸かる→上がって休憩→また浸かる→繰り返す」ことが効果的です。
その際、筋肉痛を起こしている部分に冷水お湯を交互に5回ずつかけることもオススメです
筋肉痛を予防する最後の方法はマッサージを行うことです。
筋肉痛の予防にはマッサージはとても有効です。
なぜなら筋肉痛を引き起こしている部分の血流を促すことで、筋繊維の負傷を早く修復することができるからです。
個人的におすすめのマッサージは、強擦法です。
強擦法とは、少し筋肉に圧がかかる程度に手のひらや指の腹でさするマッサージのことです。
筋肉痛になっている部位に強い痛みがなく適度な刺激を感じる程度であることを意識して行いましょう。
もし、時間的に厳しかったり、一人でマッサージをすることが難しい場合はリラクゼーションサロンに行くこともお勧めです。
ストレッチは正しく行わないと効果的ではなく逆効果になってしまいます。
上述したように、ストレッチの正しい方法と注意点をそれぞれ知った上でストレッチを行い、日々の日常を快適に過ごしましょう。
<参考文献>
※1 34. 遅発性筋痛の発生機構 名古屋大学 環境医学研究所 ストレス 受容・応答研究部門
https://ueharazaidan.yoshida-p.net/houkokushu/Vol.23/pdf/034_report.pdf
※2 https://panasonic.jp/life/air/170007.html