この記事は、朝に筋トレをする際の効果や、デメリット、おすすめの食事や筋トレメニューまで。
朝に筋トレをする際に知っておくべきことをまとめています。
朝の筋トレを頑張りたい方は、この記事でご紹介する内容をぜひ参考にしてみてください。
この記事を書いた人 パーソナルトレーナー 松浦 晴輝
|
|
早稲田大学在学中にジムトレーナーのアルバイトを始め、トレーニングや食事に関する知識を習得。パーソナルジムで月約130本のパーソナルセッションをこなす。現在はフリーのパーソナルトレーナーとして活動中。 |
目次
朝に筋トレを行うことで、血行が促進されたり、体温が上昇します。
血行の促進により酸素が体の隅々まで行き届けば、朝からエネルギッシュに過ごすことができます。また体温が上昇すれば、朝から内臓機能も高まります。
つまり、朝の筋トレは体を代謝の高い状態に導いてくれるのです。
朝から代謝が高まれば、脂肪燃焼の効率も良くなり、ダイエットにもプラスです。
朝の筋トレで交感神経を活発にすることは、自律神経を整えることにつながります。
そもそも、人間の自律神経には、交感神経と副交感神経の2つがあります。
活動時に優位となるのが交感神経で、安静時に優位となるのが副交感神経です。
この自律神経のバランスが崩れると、朝から体のだるさを感じたり、夜に寝付けず疲労を溜め込んでしまいます。
そのため、朝の筋トレで、朝からしっかりと自律神経を活発にしてあげましょう。
そうすることで、自律神経のバランスが整い夜の寝つきも良くなります。
また、夜寝る前に筋トレをすると交感神経が活発になり、なかなか寝つけなくなってしまいます。
夜に筋トレを行う際は、軽めの有酸素運動を30分程度で行う分には問題ないですが、交感神経を優位にさせてしまうハードな筋トレは避けましょう。
朝の筋トレは、仕事の効率を高めてくれます。
起き抜けの寝ぼけ頭の状態で仕事をスタートするのと、朝の筋トレで体を起こしてから働くのでは、頭の回転が違います。
しっかりと朝に身体を動かせば、朝から高い集中力で仕事に取り組めるようになります。
ジムで筋トレをする人には、朝はジムが空いていることもメリットの1つです。
夕方から夜の時間帯は、どこのジムも仕事終わりの利用者で混んでいます。
「仕事を頑張って終わらせて、ジムに行ったのにジムが混雑していて筋トレが思うようにできない・・・」これでは更なるストレスの原因になってしまいますね。
ジムが空いている朝に筋トレをすることは、精神衛生的にも、体作りの面から見ても非常に良いでしょう。
朝の筋トレは、やり方を間違えると「むくみ」や「集中力の低下」などのデメリットを招きます。
これらの原因は、水分の不足です。
朝の筋トレにより、体が水分不足の状態になってしまうと、体のパフォーマンスが下がり、脳の働きも悪くなってしまいます。体も疲れやすくなりますね。
そのため、朝に筋トレをする際は、水を十分飲むように心がけてください。
朝筋トレをした日は、一日を通してしっかり水を飲みましょう。最低2 L〜 3 L以上は飲んだ方が良いです。
水分は血液循環にとっても大切ですし、むくみの解消にも役立ちます。
皆さんよく「水をたくさん飲むとむくみにつながる」と勘違いされるのですが、逆です。
水分不足の状態になるから、体が「やばい!」と思って体に水分を貯留しようとするので、むくみが起こります。
水分不足は見た目にも現れますし、パフォーマンスにも影響が出るので、朝筋トレをする際は、水分をしっかりと摂りましょう。
朝は日中と比べて筋肉が固まっています。
筋肉が固まった状態で筋トレをすると怪我のリスクが高まります。
朝の筋トレ前は、怪我の予防のために入念なストレッチを行いましょう。
また、筋肉が固まった状態ではどうしても体の可動域は狭まります。
可動域が狭まると、使える筋肉も限られるため筋トレの効率が下がります。
筋トレの効率向上のためにも、朝の筋トレ前のストレッチは欠かせません。
私のお客様の中には、朝7時半から筋トレをする方がいます。
朝の筋トレ始めたことで、「仕事の効率が上がった」と喜んでいました。
その方は20代のサラリーマンで、出勤前にジムに寄ってから仕事に行っています。
朝ジムに行くために家を早く出ることで、満員電車を避けられ、満員電車のストレスが無くなったとも仰っていました。
朝に筋トレをする際は、朝ごはんは軽めに食べましょう。軽めにとは、ジュースでも大丈夫です。
ポイントは、朝の筋トレ前に糖質とタンパク質を摂ること。プロテインやバナナ、果物ジュースなどでもいいので、糖質とタンパク質の摂取を心がけましょう。
糖質を摂取すべき理由は、筋トレが糖質をエネルギーに使う運動であるからです。
朝は就寝中の飢餓状態(何も食べていない状態)から復活したばかりの時間帯で、体内の栄養素が枯渇している状態であることからきています。
体内の糖質が枯渇している状態で筋トレをすることは危険です。
倒れる可能性もありますし、筋肉を動かすエネルギー(糖質)が不足している状態での筋トレは筋肉の分解を進めてしまいます。
これは、体内にエネルギーが不足している際、体を動かすためのエネルギーは、筋肉を分解することで生み出す性質があるためです。
ダイエット中の人は、朝の筋トレ前に朝ごはんを抜く方もいらっしゃいますがしが、糖質を摂らないと逆効果になるどころか危険もあるため、朝ごはんを抜くのは避けましょう。
<筋トレ時の炭水化物の摂り方はこちらの記事もおすすめです!>
マルトデキストリン、クラスターデキストリンなど、炭水化物を粉末にしたものがあります。それらを水に溶かして、朝の筋トレ前や筋トレ中に飲むことをおすすめします。
サプリメントを飲むことに抵抗がある方は多いと思います。
その場合は、あくまで糖質の摂取が目的なので、コンビニで売っている100%の果物ジューズでも構いません。
朝の筋トレ後は、少なからずトレーニングの疲労を感じているはずです。そのため、朝の筋トレ後は消化が悪い食べ物は避けましょう。
注意すべきは、脂肪分や、油分の多い食べ物です。これらは、消化の効率が悪く長時間胃に残るので、余計に疲労を感じやすくなってしまいます。
また、朝の筋トレ後は筋肉が栄養を欲しがっている状態ですので、太ると言われる炭水化物でも、運動後であれば筋肉を育てるための栄養素となるので、あまり太る心配はいりません。
それどころか糖質が筋肉の成長を促してくれるので、白米などをちゃんと食べることをおすすめします。
朝に筋トレをした日の昼食は、炭水化物、タンパク質や野菜・果物の摂取を意識しバランスの良い食事を心がけましょう。
ポイントは、朝の筋トレにおける筋肥大の効果を高めるために、糖質とタンパク質を一緒に取ることです。タンパク質は糖質と一緒に摂取することで、吸収が良くなります。
また、タンパク質は筋肉を作る材料になるため20グラムを目安に摂ることがおすすめです。
糖質をお菓子で摂ろうとする場合は注意事項が必要です。
お菓子で糖質を摂る場合は、洋菓子ではなく和菓子から摂りましょう。
和菓子は比較的炭水化物のみのものが多いのですが、洋菓子は脂質が大量に入っているものが多いです。
洋菓子はバターをはじめとした脂質が使われているものが多いので、筋トレ前後の糖質摂取の際、洋菓子は避けたいですね。
初心者の場合は、週2〜3回にするのがおすすめです。週1回でも良いでしょう。
一番大事なのは日にちを固定してその日は必ず朝筋トレを行うと決めることです。
日にちを固定しないでいると、朝の筋トレは続かないことが多いです。
まずは日にちを決めて、習慣化を目指しましょう。
土曜の朝や日曜の朝に筋トレをすると決めると、金曜や土曜に飲み会に行くのを防ぐことが出来ます。
誘惑の入りやすい日の翌日の朝に筋トレの予定を入れることで、ダイエットの敵を避けましょう。
先ほど週2回3回がお勧めとお伝えしましたが、その際は全身をトレーニングすると良いでしょう。
上級者になってくると部位別に分けた方が良いのですが、最初は週2回ぐらいで全身を鍛えることをおすすめしています。そして、なるべく全身鍛える日は連続させないようにしましょう。
筋肉が成長するのは筋トレをして休んでいる時なので、しっかり休む時間を確保することも大事です。
全身を鍛えることがおすすめですが、どこかの部位を強いて選ぶとしたら、背面部を鍛えることをおすすめします。つまり背中とお尻ともも裏ですね。
この部位は日常生活で使われず硬くなりやすい、弱くなりやすい部位ですので、しっかり筋トレとコンディショニングをやって、筋肉を使ってあげましょう。
そうすることで肩こりや腰痛など、仕事に影響が出る慢性痛の予防改善にもつながります。是非やってみてください。
朝は十分な筋トレの時間を取れないことが多いため、20分程度で筋肉を追い込むことができる筋トレメニューがおすすめです。
そこで、自宅で朝の筋トレに取り組む際は、タバタトレーニングをおすすめします。
タバタトレーニングとは、立命館大学の田畑教授という方が開発したメソッド。
器具も使わず、短い時間で体を追い込むことができる、効率のいいトレーニング方法なんです。
またジムで取り組む際は、「スーパーセット」という手法がおすすめです。
スーパーセットについては後ほどジム編の章でご紹介します。
タバタトレーニングのやり方はとても簡単です。
これを1種目につき4セット〜8セット繰り返します。鍛えたい部位に分けて、それぞれに4〜8セット行ないます。
文字だけですと一見簡単そうに見えますが、かなりきついトレーニングです。
20秒間の運動では、全力を出しきることを意識して行います。そのため、4セットが終わった頃には疲労困憊しています。
タバタトレーニングならば、短時間で高強度のトレーニングを行うことができます。
約4分間の運動で、ジョギング1時間程度の効果が見込めると言われています。
朝の筋トレはあまり時間が取れないけれど、少しでもトレーニングを行なっておきたい!という方にはおすすめのトレーニング方法と言えます。
タバタトレーニングは有酸素運動と無酸素運動の両方の要素があることで、心肺機能に負荷をかけることができます。
心肺機能を鍛えるためには効果的なトレーニングと言えます。
短時間の間に全力で運動をすることによって、身体能力の向上が見込めます。
瞬発的に動かなければいけないスポーツ、持久力が必要されるスポーツの両方のトレーニングとして効果的です。
タバタトレーニングで行う運動は自重トレーニングのため、筋肥大する可能性は低いです。
筋肥大をさせて体を大きくしたい!という人にはマシンやウェイトトレーニングが必要になりますが、朝の短い時間でも一定の筋力をキープしておきたいという人にはおすすめです。
なるべく全身を使うメニューを選ぶのがおすすめです。例えば、下記の4種目であれば全身を使うことができます。
それぞれ20秒間全力で行い、10秒休憩。これを4セット行いましょう。
はじめは4セットで行うのがおすすめですが、慣れてきたら少しずつ回数を増やしていきましょう。8セットまで回数を増やすことができます。
20秒の間に全力を出し切ることがタバタトレーニングのポイントですが、正しいフォームで行うことは大前提です。
全力を出そうとするあまり、フォームが崩れてしまわないように気をつけてくださいね。
スクワットではお尻と太ももを刺激します。
もし、スクワットで太ももが太くなるのが嫌だ、という方がいたら、ワイドスクワットを行いましょう。
ワイドスクワットは、「1.」のフォームで足を大きく開き、つま先を斜め45°に開いて行います。
大胸筋周りを鍛えるために、腕立て伏せを行います。
お尻から先に下りている状態や、お尻だけが上に残ったまま肘だけ曲がっているという状態は、間違ったフォームです。
必ず頭からお尻まで一直線のまま行なっていきましょう。
また、こちらの腕立て伏せでも負荷が高すぎて実施できないという方もいらっしゃると思います。
その場合は、膝をついて腕立て伏せを行いましょう。
膝をついても同じく、体が一直線になることを意識して行います。
<腕立て伏せができない方向けの詳細はこちらをご覧ください!>
補足:大胸筋
腹筋群と腸腰筋を鍛えるトレーニングです。
2と3を交互に行なっていきましょう。
ポイントは、肘と膝の両方を動かすのではなく、なるべく肘の位置はそのまま、膝の方を持ち上げてくることです。
もしこの動作が辛くて行えないという場合は、肘と膝を左右クロスさせて行わなくて結構です。
同じように耳の横に手を添えたら、膝を胸に向かって引き上げるようにしましょう。
その際、伸ばしている方の膝をしっかり伸ばしきることを意識しましょう。
補足:腹筋群
背中の筋肉に負荷をきかせる種目です。
1.うつぶせになり、手は頭上に伸ばし、足もまっすぐにします。
2.前に伸びるようなイメージで、体を持ち上げます。
体を上に持ち上げるのではなく、前に伸びていくイメージです。
手の指先に見えない壁があると想像して、そこに指先がギリギリくっつくかどうか、というところまで体を伸ばします。
この動作にもう少し負荷をかけたい!と思ったら、腕を真上ではなく、Vの字に開きます。
腕を開くことによって、より背中に刺激が入るようになります。
また、親指を上に向けた状態で行うと、肩甲骨の周囲まで強烈に刺激できるようになります。
20分間で追い込むトレーニングをする際に使うのが「スーパーセット」という手法です。
スーパーセットというのは、拮抗筋同士を連続で鍛えることです。
わかりやすく説明をすると、力こぶ(上腕二頭筋)の筋肉を鍛えたら、すぐさま二の腕(上腕三頭筋)の筋肉を鍛えるトレーニングのことを指します。
他にも、大腿四頭筋(前腿)を鍛えたらハムストリング(腿裏)をすぐ鍛える。
胸を鍛えたら背中を鍛えるなど、いろいろと応用が利きます。
今回はその腕編、朝の筋トレにおすすめのスーパーセットを使ってのトレーニングをご紹介します。
まず「アームカール」と「ナロープレス」の2種目を連続でやります。
ダンベルを握りこみ、肘を曲げてダンベルを上げましょう。重力に逆らうように、2秒以上かけてダンベルを下げます。
1セット8〜12回を、ウォーミングアップのセットを含めて4セットやります。
アームカールを行う際はEZ BARを使って、ナロープレスを行う際はベンチプレスにセットしてあるバーを使って行います。
反動を利用して重りを上げないように、注意しましょう反動を利用する方法はチーティングといい、有効的に使えば筋肉をしっかり追い込める方法になります。
ですが、チーティングは初心者の方はなるべく使わないようお願いします。
二頭筋の起始部は、上腕骨の上側についているのではなくて、肩関節に付着しています。なので最大収縮をかけたい場合は、肘を少し上にあげる必要もあります。やるときのイメージとしては肘を少し肩に近づけるようなイメージで、重りを上に上げていくと効果的に縮めることができます 。
次に、インクラインダンベルカールと、デクライントライセプスエクステンションを連続で行います。
インクラインダンベルカールとは、インクライン(ベンチに傾斜をつけて頭を上にした状態)にしたベンチに寝そべり、肘にストレッチを効かせた状態でダンベルをコントロールする種目です。
この種目で胸にストレッチをかけて、刺激を与えていきます。
同様にトライセプスエクステンション。こちらはダンベルで行う種目です。
デクライン(ベンチに傾斜をつけて頭を下にした状態)でやることによって、三頭筋にストレッチ性の刺激を与えながらやっていきます。
デクラインできなかったり、実施が難しい場合はフレンチプレスという腕を挙上した状態でやる種目で代替しても構いません。
どちらにせよ、ここでは、ストレッチした瞬間に強く刺激がある種目をやることをおすすめします。
どちらも10〜15回を、3〜4セットを行ないましょう。
最後に、ケーブルカールとトライセプスプレスダウンという種目を行います。
こちらの種目は両方とも、筋肉収縮させる時に強く刺激がある種目です。
ケーブルカールは、ケーブルにアタッチメント接続してやる種目です。
ケーブルを使って行うことで最後まで強く筋肉に刺激がかかり、一番最後、収縮がある瞬間に強く刺激があるのでおすすめです。
プレスダウンもロープというアタッチメントをつけてやる種目で、最後の一番縮めた瞬間に強い負荷がかかる種目で、締めの種目としておすすめです。
この種目は、3セット15回〜20回行える重さで行いましょう。
これら3つの組み合わせを連続で、スーパーセットで組んで行くことによって、15分〜20分ほどで終わります。
スーパーセットは、人によっては心拍数が大きく上がります。
体に強い負担がかかる場合があるので、心臓血管系にリスクがある方は避けた方がいいかもしれません。
また、ジムが混雑してる場合、バーを2つ独占してしまうことがあります。
朝など、人がいない時間帯にやるのがおすすめです。
今回ご紹介した筋トレメニューは、POFという方法を意識して組まれています。
POFという方法は、筋トレの一番負荷がかかる曲面別に、3種目に分けて鍛える手法のことを言います。
このように筋トレを3つに区別する方法です。
ミッド、ストレッチ、コントラクトの順番で行うことによって、筋肉の肥大を強く促すことができるとされています。
朝に筋トレをするためには早起きをしなくてはならないので、モチベーションを出せない、保つのが難しいという場合も多いかと思います。
そういうときに大事にしていただきたいのは、あまりモチベーションに目を向けないことです。
モチベーションに答えを求めると、「出来なかったのは意思が弱いからだ。」など、自分の意思を言い訳にする考えに陥ってしまいます。
考えるべきなのは“意思が弱い or強い”という話ではありません。前日の行動の何がまずかったか、を考えるべきです。
起きられなかれば、前日寝られなかった理由を分析することが大事です。
朝の筋トレを継続するには、しっかりと前日の行動から続かない原因を分析することを心がけてみてください。
以上、朝に筋トレをする際の効果や、デメリット、おすすめの食事や筋トレメニューまでをご紹介しました!