ボルダリングの初心者の方は、うまく登れなかったり、苦戦した同じコースをスイスイ登っていく人を見て、自信をなくしてしまう方もいらっしゃると思います。
うまく登れないと、腕力が足りない、自分にはセンスがないのではないかと思ってしまうこともあるかもしれませんが、ボルダリング初心者の人は練習の仕方次第でボルダリングのスキルはどんどん上達します。
一体どんな練習をすればいいのか?わからない方がほとんどだと思いますので、どのような練習を積み重ねていけばいいのかについてご説明をいたします。
正しい練習法を知れば必ず上達しますよ!「最近、伸び悩んでいると感じる方」や、攻略できないコースがあり、「どのような練習をすれば良いかわからない方」は是非参考にしてください。
太田 裕樹 | |
ヒローズアップ!クライミングクラブのコーチ。ボルダリングの全日本大会である、ジャパンカップにも複数回の出場経験を持つ。 |
目次
苦労して登れたコース、1回登って終わりにしていませんか?登れなかった課題を登れた直後は新たなコツやスキルをしっかりと身につける大チャンス!何度かリピートしてしっかりとその技術を自分のものにしましょう。
2回だけだとまだ少し不安なので3回完登出来るとベスト!連続でなくてもかまいませんが、あまり時間を開けすぎて日にちをまたいだりしない方が習得しやすいです。この練習の目的は、ボルダリングのテクニックを体に覚えさせることにあります。1度登れただけでは、その課題を登るための技術が身についているとは言えません。どんどん次へ進んで色々な課題に触ることも大切なのですが、足元をしっかり固めて自分の成長の土台を作りましょう。
ボルダリングに限らず、テクニックを身につけるために欠かせないのが反復練習!ボルダリングの場合は登れなかった課題を3回完登!というのがちょうどよい練習になります。
<ボルダリングに必要な筋肉の鍛え方を知りたい方におすすめ>
同じグレードの課題を全て完登ようにすることも有効な練習法の1つです。
例えば6級の課題が10本あるジムならば、その10本全てをクリアすること目指しましょう。中には苦戦する課題もあると思いますが、そうした課題を完登する事で苦手な動きを克服に繋がります。ただ、6級の課題が全部登れるまで5級の課題は触らない!というのはかえって成長を妨げる場合がありますので積極的により難しい課題にもチャレンジしていきましょう。
先の級に進みつつ、時には1つ前の級の課題もやり直したりしながら、全完登(全ての課題をクリアすること)を目指してみてください。
同じジムの中にある同じ級の課題であっても、課題によって登りやさの差を感じることがあると思います。登りにくい課題はついつい後回しにしてしまったり、登らないまま終わってしまったりしがちですよね。
しかし、そうした登りにくいと感じるコースこそ、今のあなたに足りない技術が求められているコースかもしれません。なので、クリアできなかったその日のうちでなくて構いませんので、できなかったコースも避けずに、完登を目指してチャレンジしてみましょう。そのコースが3回完登出来る頃にはあなたのテクニックは間違いなく上達しています。
皆さんお持ちのスマホ!これで登っている動画を撮って見てみる事はとても有効な練習方法です。自分が思っているような姿勢とは違う姿勢になってしまっているかもしれません。動画を使って客観視する事で動きのイメージを修正しやすくなります。
他には同じ課題を登っている人の動きをよく観察したり、また思い切ってスタッフさんや上手そうな方に登り方を相談してみると自分では気が付かないコツを教えてもらえるかもしれません。はじめは勇気が要りますが、ジムの中で知り合いや友達が増えてくるとそれだけでジムに行くのが楽しくなってチャレンジする意欲が湧いてきます。
ただ漠然と課題を登るだけでなく以下のようなポイントに注意して登ってみましょう。
<ボルダリングの練習で意識したい観点>
難しい課題だと色々な事を気にしながら登るのは大変、優しい課題をこういった観点で登るのがオススメです。
練習の中で特におすすめしたいのが「1回前よりもスムーズに登れることを目指す」ということです。そうする事で余計な力みが抜け、体を動かしやすくなります。
<オブザベーションをさらに知りたい方へのおすすめ>
どうしても登っている間は必要以上に力んでしまいがち。力を効に使うためには、実は脱力出来る事も大切です。
上手な登り方は、必要な時に必要な分の力入れる事ができることです。
メリハリがしっかりしている人はスムーズに、上手に登れているように見えます。皆さんも同じぐらいのグレードの課題を登っている人の中でもつらそうに登っている人と楽そうに登っている人を見かけたことはありますよね。なんで力を入れてないのに、楽そうにスイスイ登っていけるんだろう?と、不思議に思ったことのある方もいるのではないでしょうか。
力を抜く、といっても全身脱力してしまっては登る事ができません。特にお腹の力、つまり体幹の力が抜けてしまうと姿勢が、グニャっと潰れてしまい登りづらくなります。
まずはホールドを握る手の力を調整するところから始めてみましょう。意外と手の力を緩めても落っこちることはありません。
<ホールドに爪が当たって痛い!そんな方にはこちらの記事がおすすめ>
課題を登り始めたが最後、絶対に落ちたくない!という思いからついつい力んでしまいがち。その落ちたくない思いの裏には落ちることへの怖さや完登への願いなど色々な気持ちがごっちゃになっています。それでは力を抜こうと思っても抜くことはできません。まずは落ち方上手になりましょう。
落ちてみないことには、どのくらい力を抜いたら本当に落ちるのか、逆にどれぐらい力を入れたら落ちずに登り続けられるのかの目安を学ぶ事ができないのです。
最初から高いところで始めるのは怖いのでまずはマットに近い場所から練習するのがオススメです。馴れてきたら少し難しい課題の時にもギリギリの脱力具合を試してみましょう。もしかしたら落ちてしまうかもしれません、それは失敗ではありません。力の調整具合を一つ学べたので大成功です。
降りるときは、上から飛び降りるのではなく、2手3手クライムダウンしてから床におりましょう。特に降りる際は、お腹の力を入れて、膝のクッションを使いながらおりることが大事です。スクワットのような姿勢で、膝を曲げてお尻が降りてくるような姿勢で降りないと腰を怪我してしまう可能性があるので要注意です。
また、登るよりも、降りるときの方が力が必要になります。飛び降りずにゆっくりと降りることで、登りながらついでに筋力アップ!も目指しましょう。