ボルダリング中に、爪の長さが気になったことはありませんか。
爪がホールドに引っ掛かって、登りづらい。あるいは、深爪にし過ぎて指が痛くなってしまった。そういった経験は、ボルダリングに取り組む人であれば、誰しもが一度は通る道といっても過言ではありません。
爪の長さはどれくらいが適切なのか、ボルダリングに取り組むに当たってどのような爪のケアをすれば良いのか。ボルダリングに取り組むのであれば、こういった爪にまつわる情報は、知っておきたいところですよね。
そこでこの記事では、ボルダリングにおける最適な爪の長さや、ケアの方法をみなさまにお伝えできればと思います!
太田 裕樹 | |
ヒローズアップ!クライミングクラブのコーチ。ボルダリングの全日本大会である、ジャパンカップにも複数回の出場経験を持つ。 |
ボルダリングにおける爪の役割
ボルダリング初心者のうちは、コース上には深く握ることのできるホールドが多いですよね。しかし、ボルダリングの経験回数が増えてくると、次第にコースの難易度も上がります。
コースの難易度が上がるにつれて、コース上には小さいホールドが増え、指全体でホールドを掴むのは難しくなってきます。小さいホールドを掴むには、指先を立ててホールドを掴む必要がありますが、このとき、爪が長いとホールドに爪が引っ掛かってしまい、うまく登れません。
また、爪が短すぎても、指の肉に爪が食い込んでしまい、怪我をする原因になってしまいます。
目次
ボルダリング時の指の爪の長さは、1mm程度が理想です。
1mmと言われても、どの程度の長さかイメージがしづらいという方もいらっしゃると思います。そこで、簡単にできる爪の長さの確認方法をご紹介します。
手のひらを自分に向けて、指先から爪がはみ出していないかを確認してみてください。もし、指先から爪がはみ出していたら、爪が伸びすぎています。ボルダリング時に、爪がホールドに引っかかってしまうでしょう。指先から爪がはみ出さない長さに、整えましょう。
手の指の腹を、机などの平らなところに押し付けてみてください。このとき深爪の人は、指の肉が爪に食い込んで、痛みを感じる場合があります。痛みを感じるようなら、深爪にしすぎです。爪の白い部分をもう少し、残すようにしましょう。
指の爪の理想的な形は、アーチ形です。ただし、少しだけアーチの端の爪を残した形が、理想だと覚えておきましょう。爪の端を残しておくことで、指の肉に、爪が食い込むことを防げます。
また、指の爪の両サイド部分を深く切ってしまうと、爪が生まれてくる場所に干渉してしまう恐れがあります。そういった理由からも、爪の端の部分を深爪にするのは避けましょう。
足の指の爪はベース型に整える
足の指は、爪の指よりも肉厚であり、体重による圧も強くかかります。そのため、指の爪のように、爪の端を丸く刈り込んでしまうと、爪が肉に食い込んでしまいます。
そのため、爪の端が少し角張るくらいのベース型が理想です。足の指の形は、端を少し長めに残して、肉よりも爪が出ているくらいがちょうど良い形だと覚えておきましょう。
ボルダリングでは、爪に加えて、指の皮のトラブルにも注意が必要です。
指の皮がめくれて血が出てしまう。指の使い過ぎで皮が薄くなり、ペットボトルの蓋が開けるだけでも痛む。このようなトラブルが生じることがあります。
指の皮のトラブルが生じたときは、無理にボルダリングをせず、痛みが引くまで安静にしましょう。また、大きなトラブルにならないように、指の皮がヒリヒリしてきたら、登るのは一旦おしまいにするくらいの塩梅が良いでしょう。
そこで、用意して欲しいのが皮のケアクリームです。ボルダリングの後は、指にケアクリームを塗って、皮を保護しましょう。
用いるクリームは、市販のスキンケアクリームで構いません。また、ボルダリング用のクリームが売っているジムもあるので、適宜用意しましょう。
クリームには肌の保護のために、水気と油気が含まれています。そのため、塗ると油気で指が滑ってしまいます。だから、休憩時間にクリームを塗るのは避けましょう。
また、クリームを塗るのは、ボルダリングが終わった後です。ボルダリングの後は、なるべくチョークを早く洗い落として、クリームでケアをしてくださいね。
<休憩中におすすめなのはオブザベーション!詳しいやり方はこちら>
爪の長さやケアに気をつけていても、ボルダリング中に爪を怪我してしまうこともあると思います。
それほどきつくないシューズを使っていたとしても、足の爪が割れてしまうことや、週に2、3回とボルダリングの頻度が高いと、手の爪が割れてしまうこともあります。
爪がかけたくらいであれば、爪切りについているやすりなどで、かけた部分を削ってあげれば良いです。しかし、爪が完全に割れてしまった場合は、ボルダリングをするのは控え、爪が回復するのを待ちましょう。
爪が割れた状態でボルダリングを続けると、割れたところにホールドが引っかかり、怪我を悪化させてしまう恐れがあります。爪は、根っこの組織まで破壊されていなければ、また生えてきますので、焦らず回復に努めてください。
また、爪が割れた状態で、どうしてもボルダリングを続けたい場合もあるでしょう。そういう場合は、絆創膏や、ジェルネイル、指先の保護キャップなどを用いて、対処をした上で、ボルダリングに取り組むようにしてください。
対処をする際は、まず、割れた爪にジェルネイルでコーティングをして、割れて浮いてしまった爪が、それ以上剥がれないようにします。その上で、キズパワーパッドや絆創膏、指先の保護キャップなどを巻きましょう。
画像出典元:https://www.amazon.co.jp/s?k=足指+足爪+保護キャップ
また、ボルダリング上級者によくある話なのですが、割れた爪をアロンアルファで止めてしまう人もいます。
<この3つの記事もボルダリングを上達したい方にはおすすめ>
ボルダリングを続けていると、足の爪が巻き爪や陥入爪になってしまう人もいます。この状態でボルダリングを続けると、足の爪に体重がかかり圧迫されることで、爪が皮膚に食い込み、炎症や化膿を引き起こします。
巻き爪とは、爪が巻貝のように変形している状態のこと。
陥入爪とは、爪の端が曲がって皮膚に食い込んでいる状態のこと。
巻き爪や陥入爪になってしまったら、病院に行って治療をしましょう。病院では、爪にコットンを詰めて爪の回復を待つ治療や、爪をワイヤーで止めて形を矯正する方法などで対処をしてくれます。また、爪の状態によっては、爪を切り取る対処をする場合もあるそうです。
なるべく爪の状態が悪化しないうちに、病院へ行って、医師に診てもらってください。
1つ前の章では、爪の怪我とその対処法をご紹介しました。
爪の怪我の対処法を知っておくことはもちろん大切ですが、それ以前に、怪我をしないように日頃から爪のケアを行うことも大切です。そこでこの章では、日頃からできる爪のケア方法をご紹介します。
笹くれや、爪の端が細く割れてしまった場合は、手でケアをしようとせずに、爪切りやニッパーを使ってケアをしましょう。ベースは爪切りですが、ニッパーも先が尖っているので、細かいところのケアには向いています。
手でケアをしようとすると、笹くれや爪と一緒に、指の肉まで削いでしまうことがあります。そうなると、傷口から化膿しやすいので、面倒臭がらずに爪切りやニッパーを使って、丁寧にケアをしてください。
爪がかけた場合や、指の皮が厚くなった場合は、やすりを用いてケアをしましょう。かけてしまった爪は、やすりで削って、滑らかに整えます。
また、ボルダリング初心者は、手の指の第二関節と第三関節の掌側に、タコができることが多いです。中級者以上になると、指の皮が厚くなり、段差ができてしまうこともあります。これらの皮のトラブルをそのまま放っておくと、マメや厚くなった皮ごと、真皮から皮がめくれることがあります。そうなる前に、やすりで皮を削り、ならしておきましょう。
爪や皮は、ボルダリングジムでケアをしてしまうのがおすすめです。ボルダリングジムには、大抵爪切りがありますので、ジムに行ったときに爪のケアをしてしまいましょう。
ここまで、爪のケアに関する道具として、爪切りやニッパー、やすりやジェルネイル、などをご紹介しました。
そこで、ここまでご紹介した爪のケアに役立つ道具を、一覧表にまとめてみました。ぜひ、スクリーンショットを撮って、保存用としてご活用ください!
道具名 |
用途 |
1.爪切り |
爪の長さや形を整える。 |
2.ニッパー |
笹くれや、爪の端が細く割れてしまった場合の対処。 |
3.やすり |
爪のかけた部分や、皮が厚くなった部分を削る。 |
4.ジェルネイル |
割れた爪をコーティングして、爪が剥がれないようにする。 |
5.絆創膏・キズパワーパッド・指先の保護キャップ |
爪を保護する。 |
6.アロンアルファ |
割れた爪をくっつける。 |
7.テーピングテープ |
手にマメができたときや、爪が剥がれたときに患部を固定する。 |
<初心者は必見!ボルダリングジムへ持っていくべき持ち物はこちら>
前の章で、爪のケアに使える道具を一覧でご紹介をしましたが、この記事の最後に、私が普段愛用している爪のケア商品を2つご紹介します!
ここまでお伝えした情報に沿って、各自で爪のケア道具を揃えていただければと思いますが、何を買って良いのか迷うという方は、私の使っている商品も参考になさってくださいね。
これまでボルダリングと相性の良い爪切りを見つけるために、様々な商品を試してきました。その中で使い勝手がとてもよかったのが、無印良品の爪切りです。
100円均一などの安い爪切りを使うと、爪を切る際に、爪が圧迫されて割れてしまうことがありました。ですが、こちらの無印良品の爪切りは、爪を切る際の圧もそこまでかからず、爪に優しい爪切りです。
画像出典元:LOHACO
値段はサイズによって異なりますが、450円〜650円程度です。
キズパワーパッドは、爪の保護にとても役立ちます。私もかなりのヘビーユーザーです!
画像出典元:【まとめ買い】BAND-AID-バンドエイド–キズパワーパッド–水仕事用-10枚×2個
ボルダリングでは、皮膚がホールドや壁に擦れて、擦り傷が出来てしまうことがあります。擦り傷をそのままにしてしまうと、色素が沈着してしまいシミの原因となるため、擦り傷が出来たときは、すぐに雑菌をして保湿しなければなりません。
そこで活躍するのがキズパワーパッドなのです!ジムで擦り傷ができたときは、すぐに洗い、患部にキズパワーパッドを貼って保湿をしましょう。
この記事では、ボルダリングにおける爪の情報を包括的にご紹介しました。快適にボルダリングに取り組んでいくためには、爪のケアは欠かせないものです。