クライミングやボルダリングに行ってみようかなって思ってはいるけど、「自分は腕の力とかも無いし…」と思っている方は多く、特に子どもや女性からは興味はあるけど「自分には出来ないんじゃないか…」という声をよく聞きます。壁を登るイメージから懸垂ができないと登れない、力強さが必要!というイメージが先行しがちですが、全然そんなことはありません!
この記事では、ボルダリングでは実際どのような動きをするのか、身体のどこの部位が使われているかなどを解説していきます。皆さんにとってもっと身近になるように、女性や子ども、腕力の弱い方でも出来る!ということをお伝え出来ればと思います。
太田 裕樹 | |
ヒローズアップ!クライミングクラブのコーチ。ボルダリングの全日本大会である、ジャパンカップにも複数回の出場経験を持つ。 |
目次
壁を登るスポーツなので、懸垂が出来るような人じゃないと出来ないのではないか、と思う方が非常に多いです。
そういう質問を受けると、「二段ベッドの上の段に行けますか?」と質問する事にしています。それくらいだったら、普通にいける!って思いますよね。イメージとのギャップは強いかもしれませんが、初めての方でも登れるように優しいコースからありますので、それほど力が無くても登ることが出来ます。
また、腕力だけで登らないのが大きなコツの1つです。
壁の中で自分の体重を支えられない!と心配はあると思いますが、案外支えられますので安心してください。
ポイントは足の力を使ってあげること!
「急な傾斜の階段を補助付きで登る」ようなイメージで、腕にの力だけに頼らず、足の力で体を上に持ち上げていくのが大切です。
つまり、手は懸垂して「体を引き上げるために使う」のではなく、 体が壁から離れないようにサポートしてあげるものとなります。あくまでも足の力が主力なのです。
ここまでの説明で、自分にも出来るかもしれないと思っていただけたのではないでしょうか。
では、ボルダリングをやっている人は実際にどのようなルールで楽しんでいるのでしょうか。
ジム内に設定されているコースのスタートの石(ホールド)を両手でもって登り初めて、ゴールの石に向かいます。
途中で色んな石があるのですが、それはどう使っても良いです。とにかくゴールを両手で掴んだらOK!ここがボルダリングのとても良いところで、コースをどう登るのかという指定は無く自分の力に合わせていろんな登り方をする事ができます。
※一人で出来るスポーツなので、一人で来られてボルダリングを楽しんでいる方も非常に多いです。
<ボルダリングジムに行くのが恥ずかしいという方はこちらがおすすめ>
コースによって難易度が分かれていて、それが明示されているのも良いところ。だいたいのジムで8級から7級、6級から1級難易度が上がっていきます。1級を超えると今度は「初段」「二段」と進みます。空手などの武道と同じような段級の表記になっています。
このように目標が見つけやすいのも特徴の一つです。次は5級のクリアを目指そう!といった具合に成長の目安になり、達成感も得られやすいです。より詳しくルールや基礎知識を知りたい方はボルダリングの基礎知識の記事をご覧になっていただければと思います。
なんでもそうですが、始めたばかりの頃はぐんぐん上達していたけれど、ある程度のところで行き詰まりを感じる、というのはよく聞く話で、やはりボルダリングも成長の壁にぶつかって楽しいけどちょっと楽しくない…という状態になることがあります。
そうした時は少し優しい課題に戻ってみると以前は苦労した課題があっさり登れたりして「自分は着実に伸びているぞ!」という実感を得られやすくまたやる気が復活するのではないかと思います。
また、普段行っているジムとは違うジムに行ってみるのも新鮮な気持ちで登ることができてオススメです。
元々体を鍛えていたり、柔軟性が高いといった人や昔スポーツを頑張っていた人はやはり最初から結構登れる人が多いですが、それだけで向き不向きが決まるわけではありません。一番大事な事は登るのが楽しい!と思えるかどうか。
最初からサクサク登れないからといって向いていない、と諦めず「楽しい」気持ちを大切に自分のペースで登ってみてください。
自分が持っている能力をいかに上手く使うかというところも、ボルダリングの楽しさ・魅力です。無いなら無いなりに、あるならあるなりに、今持っている能力でどうやって登るかを考えて挑戦してみましょう。
初めて行く人だと気になる方も多いかと思います。どこの筋肉がよく使われるのか。
初めてやったときに本当にきついのが、前腕(肘から先)です。ホールドを握るために手がとにかく力んでしまうためで、自分も初めてやった時帰りの更衣室でシャツのボタンをはめられず着替えに苦戦した思い出があります。
先ほども書きましたが、ボルダリングはいかに足を使うかが上手に登るコツです。
手の力を抜いて足の力で登る事で筋肉痛を抑える事ができます。登り終わった後に足が疲れて階段が辛い、という方はもしかしたらボルダリングに向いているかもしれません!
色々と書いてきましたが、まずはあれこれ考えずに目の前のホールドをしっかり握って、思い切りゴールを目指してください!
最後まで登りきって、ゴール(完登)できた時は最高に気持ちいいですよ。
それが楽しいって思えたら、次は「じゃあどうやったら次はちょっと難しいやつでもクリア出来るかな?」と攻略する楽しみを味わってもらって、そのあとは、「手はあまり力入れない方が良い」とか「身体の向きをここは横向けたりした方が良い」のように、技術面を身につける楽しみが見えてきます。
「かけっこ楽しいよね!」「野原を駆け回ってたらなんか気持ちいい!」みたいに、「登るってなんか楽しいよね」というのを感じて欲しいです。
服装は、動きやすい服なら何でもOKです。学校のジャージを着てくる人もいれば、普段ランニングしている方はその時の服装でも大丈夫。「これでないとだめ」というものはありません。ご安心ください。
ただ、ホールドに手や足が触れて、ひざをぶつけたり擦りむいたりするので、女性の方は最初長袖や長ズボンの方が良いかもしれません。
<ボルダリングの服装はこの記事を読んでおけば安心です!>
クライミングジムで登る時は専用のクライミングシューズを履いてもらいます。靴底が全部ゴムになっていて、つま先に力が入りやすいようになっています。
レンタルして履くことになるのですが、靴下は必須です。夏場とか特に忘れないようにご注意ください。※レンタルではありませんが、最近では靴下を売っているジムも増えています。
<シューズのレンタル方法など初めてジムへ行く前に読んでほしい記事はこちら>
登る時は白い粉(チョーク)を手につけて登ります。体操の選手が鉄棒競技などで手につけている白い粉と同じものです。沢山付けすぎると逆に滑ってしまったりするので使い過ぎないようにしてください。
ざっくり分けると、液体タイプ・粉タイプがあって、クライミングジムによってルールが異なります。ジムのスタッフさんからの説明をよく聞いて使うようにしてください。
液体・粉タイプどちらも効果は一緒で、基本的には「手の汗を抑える・湿気を取る」ものです。手が汗で濡れてしまうとホールドが滑りやすくなるので、それを抑えるために使用します。チョークも、レンタルする事が出来ます。
<ボルダリングジムへの持ち物がわからない方へおすすめ>
初めてのスポーツですので体がびっくりして思わぬ疲労を感じるかもしれません、体調が悪い時は無理せず元気な時に登りにいきましょう。
初めてボルダリングに行こうと思っている方に向けて、ボルダリングのイメージや魅力についてお伝えしました。
自分がやっているイメージは出来ましたか?思っている以上に腕の力は必要ないんです!そして、思っている以上に楽しいと思います。また、細かい余計なルールもなく、登り方の正解は一つだけではありません。ボルダリングは自由なスポーツです。この記事を読んで、面白そうだな!と思っていただけたなら、嬉しいです。
良かったらぜひお近くのクライミングジムにいって体験をしてみてください!