実は、ボルダリングに対して恥ずかしいイメージを持っている方はすごく多いです。ボルダリングをやらない理由の多くが「恥ずかしさ」と言っても良いくらいでしょう。
例えば、ボルダリングは一人で壁を登るスポーツです。そのため、ボルダリングジムには登る順番待ちで、壁の周りに座っている人がたくさんいます。壁を登っている人は、どうしても順番待ちの人たちに注目されてしまいます。このことから、「他人に見られながら登ることが恥ずかしい。」と感じる方が多いのです。
また、友人に誘われて初めてボルダリングに行くことになったため、一人でジムへ行って、ルールの予習や練習をしておこう!と考える方もいると思います。ですが「一人でジムに行くのは恥ずかしい。」と感じジムへ行くことを踏みとどまってしまう方はすごく多いです。
そこで今回は、初めてのボルダリングで「恥ずかしい」気持ちにならないように、ボルダリング初心者が抑えておくべき登り方の基本やルールをご紹介します。後半では一人でジムに行く際に恥ずかしい思いをしないための注意点にも触れようと思います。
ボルダリングの先生太田 裕樹 | |
ヒローズアップ!クライミングクラブのコーチ。ボルダリングの全日本大会である、ジャパンカップにも複数回の出場経験を持つ。 |
MYREVO編集部石田悠貴 | |
今回ボルダリングジムを体験したMYREVO編集チーム。現在サブ4を目指してトレーニング中。 |
MYREVO編集部清水碧 | |
今回ボルダリングジムを体験したMYREVO編集チーム。MYREVOを通じてヨガに出会い、現在柔軟チャレンジ中。 |
目次
実際にボルダリング初心者はどのようなことで「恥ずかしい」と感じるのでしょうか。まずはボルダリング初心者のMYREVO編集チームの2人が実際にあった、恥ずかしかった話をご紹介します。
ボルダリングの初心者は、ボルダリングは腕力で壁を登って行くものだと勘違いをしてしまいがちですが、実は力よりも体の使い方が大事です。基本的な体の使い方を知っていれば、ほとんどの人がある程度の級までは登れるため、石田さんは恥ずかしい思いをせずにすんだのかもしれません。
ボルダリングの課題(≒コース)の難易度は級で別れています。級の数字が大きいほど難易度が易しく、小さいほど難しくなります。
壁についているカラフルな石のこと。ホールドを掴んだり、ホールドに足をかけたりして壁を登ります。
ボルダリングジムでは滑り止めのためにチョークを用います。チョークも粉状のものや液体状の物など種類も多く、初めての方だと戸惑ってしまうかもしれません。また、ボルダリングシューズは普段履く靴とは選ぶ際のサイズなどの基準が異なります。ある程度のボルダリングの基礎知識を知っておけば、清水さんは恥ずかしい思いをせずにすんだかもしれません。
ボルダリング初心者が初めてのボルダリングで恥ずかしい思いをしないために、最低限抑えて欲しいのが「ボルダリングの基本的な体の使い方」と「ボルダリングの基礎知識」の2つです。それでは、1つ1つみていきましょう。
ボルダリング初心者に抑えておいてもらいたい、基本的な体の使い方をお伝えします。ポイントは足と腕の使い方です。
足をばたつかせてしまうと初心者感が出ますので、ボルダリング初心者は足の親指でホールドをしっかり踏みましょう。また、ボルダリング初心者がよくやる登っている間に足を交差するのはNG。足を交差するのはバランスが崩れるため良くないです。足は捻らずにカニ歩きするようなイメージで体を使いましょう。
ボルダリング初心者で腕を曲げて腕力で登ろうとする人がいますが、これは間違った体の使い方です。下半身の力で壁を登るのがボルダリングの基本の動きです。腕は体を支えるための役割なので、力まずに伸ばしておきましょう。
太田さん:まずは、ボルダリング初心者に抑えておいてもらいたい、ボルダリングのルールや道具、マナーを確認します
ルール |
コースごとにスタートのホールドとゴールのホールドが決められています。スタートのホールドを両手で持ってから登り始め、ゴールのホールドを両手で持ち静止することができればゴールです。スタートからゴールの間は地面に足をついてはいけません。 |
道具 | ボルダリングは専用のシューズを用います。また、滑り止めにチョークを用い手に塗ります。その他に特別な道具はなく、動きやすい服装でのぞめばOKです。 |
マナー | ボルダリングジムで騒ぐのはNGです。周りの利用者の迷惑にならないように振舞いましょう。また、衝突による怪我を防ぐため、休憩中は壁から離れて休憩しましょう。 |
また、ボルダリングのコースの難易度は「級」、壁に設置されたカラフルな石は「ホールド」などと呼ばれます。また壁も傾斜によって種類がわかれます。このようなさらに詳しいボルダリングのルールや基礎知識を紹介している記事もございますので、理解を深めたい方はそちらもご覧ください!
ボルダリングでは汗をかくこともあるでしょう。しかし、ボルダリングジムには、更衣室はありますが、シャワーなどの汗を流せる設備はすごく少ないです。シャワーがないことを知った上で準備をしましょう。
汗の匂いを気にしながらのボルダリングやボルダリングが終わった後に汗の匂いを気にしたまま帰るのは恥ずかしいですよね。制汗スプレーや制汗シートを持参する、着替えを用意しておくなどの準備が必要です。
ボルダリングシューズを選ぶ際は、シューズの中で足が動くと登りにくいために「普段履いている靴よりも1サイズ小さいものを選びましょう!」と言われることが多いです。シューズ選びの際に恥ずかしい思いをしないためにもこのことは知っておきましょう。
ボルダリング初心者が勘違いをしてしまいがちなのは、1サイズ小さいシューズを選ぶことを「足が痛いのを我慢して、小さいシューズを履きなさい」と捉えてしまうことです。シューズは痛みを感じず、足にフィットしたものを選びましょう。選んだシューズで足が痛い場合は、恥ずかしがらずにスタッフにシューズの交換を申し出ましょう。
特に、夏場サンダルで移動しているときなどは、靴下を忘れがちですので注意しましょう。
また、厚手の靴下を選ぶとボルダリングシューズを履いた時に、窮屈になってしまうためできるだけ薄手の靴下を選びましょう。中級者以上になると、男性でもパンプス用の靴下や五本指の靴下を履いている人も多いです。好みに合わせて活用しましょう。
自分のボルダリングシューズを使っている人は、裸足でシューズを履く人も多いです。裸足でシューズを履いている人をジムで見かけて「あの人裸足だ!」などと指摘すると、初心者感が出てしまい、恥ずかしい思いをするので気をつけましょう。ただし、レンタルシューズは靴下を履くのは必須ですので気をつけましょう。
ボルダリング初心者に意外と多いのが爪のトラブルです。ボルダリングは指をホールドにかけて登ります。そのため、爪は適切な長さに整えておきましょう。特に女性で爪を長く伸ばしている人は爪が割れることもあるため、要注意です。
爪の最適な長さについてまとめている記事もございます。ボルダリング初心者の方は合わせてご覧ください。
ボルダリングジムで指導をしていると、一人でジムに来る人をたくさん見かけます。なので、一人でジムへ行くことは全く恥ずかしがることではありません。一人でジムに来る人の多くは、友達グループでジムに来ているうちに、ボルダリングにハマって一人で行き始めたという方が多いです。
初心者が一人でジムへ行く場合は体験レッスンを申し込むようにしましょう。ほとんどのジムが初心者向けに無料で体験レッスンをしています。ボルダリングの基礎知識や基本的な体の動かし方を教えてくれます。また、体験レッスンで友達ができることも多いです。ボルダリングジムのホームページを見て、体験レッスンの時間帯を確認して、事前予約が必要なら予約をしてからジムへ行きましょう。
初心者が事前練習でジムへ行く場合、みんなでジムへ行く日から1週間以内に行くのは避けましょう。初心者が初めてボルダリングをした後は、必ずと行って良いほど激しい筋肉痛に襲われます。特に、前腕の筋肉痛が激しいので、1週間以内にジムへ行ってしまうと、筋肉痛のためにみんなで行く当日に痛くて登れないとう事態になってしまいます。
一人でジムへ行った人にありがちなのが、自己主張することを恥ずかしがり、自分の登る順番が回ってこないことです。恥ずかしがらずに、マットの最前列へ行き「次は私が登ります!」と周囲の人に自己主張をしましょう。
<この3つの記事もボルダリングを上達したい方にはおすすめ>
ボルダリング初心者はYouTubeでボルダリングの動画を見ておくのがおすすめです。たくさんの動画がアップされていますし、動画ではボルダリングのアクロバットな動きなどかっこいい動きを見ることができます。ボルダリングでできる動きをあらかじめ見て、モチベーションを高めておくことは初めてのボルダリングを楽しむ上で大事なことです。
ボルダリングは全身運動なので、肩周り、肩甲骨、腰回り、太ももを動かせるラジオ体操は事前準備に最適です。特に、肩と股関節を意識的に動かしておくと良いでしょう。
ほとんどの初心者がジムに行って驚くポイントは、ジムで最初に受付を済ませたら、その後は基本的に放置だということです。施設の設備などの説明を受けた後は、ご自由にどうぞという感じでスタッフからのフォローがあることは少ないです。
最初から大きなジムに行ってしまうと、どうしたら良いのか困ってしまいます。小さめのジムの方が、お客さんに目が行き届いていますので、できるだけ小さめのジムから行くのが良いでしょう。
どこのジムに行こうか迷うという方もいらっしゃると思います。そういった方向けに、ボルダリングジムの特徴を表でまとめた記事がございます。こちらの記事もジムを探す際にご活用ください。
こちらの記事では、ボルダリングジムの選び方や、お住まいの近くにあるボルダリングジムの情報がまとまっています!
初心者の方の中には、初めてのボルダリングのあとの筋肉痛を、自分だけが運動が苦手で筋肉痛になってしまったのかもしれない…と恥ずかしい気持ちになる方がいますが、その必要はありません。
ボルダリングの後はほぼ全ての人が筋肉痛になります。筋肉痛はみんなで共感して盛り上がれる話題です。筋肉痛を恥ずかしがらずに、筋肉痛を話題に出して、みんなで盛り上がりましょう!
これは筋肉痛に限らず、ボルダリング全体で言えることでもあります。ボルダリングで起こることを、全部楽しむくらいの気持ちで、ボルダリングに取り組んでみてくださいね!