腹筋を鍛えるクランチやシットアップなどの上体を起こすトレーニングに対して、「レッグレイズ」は仰向けの状態から足を持ち上る、下半身を起こすトレーニング種目です。
そのため、腹筋を鍛えるトレーニングの中でも、「レッグレイズ」は下腹部を鍛える代表的なトレーニングとして知られています。
足を持ち上げるだけの簡単なトレーニングに見られがちですが、「お尻の浮き具合」や「膝の伸ばし具合」など、正しいフォームで行うにはいくつかの注意点があります。
誤ったフォームでレッグレイズを行うと、背中や腰を痛めてしまいます。また、下腹部への負荷も弱まってしまいます。
そこでこの記事で、レッグレイズの正しいやり方を確認しておきましょう。
目次
レッグレイズとは、「Leg (脚)」+「Raise (持ち上げる) 」という2つの言葉でできており、「脚を持ち上げる運動」のことを指します。
<参考動画>
レッグレイズのような、手足を持ち上げて可動部に負荷を与える動作を含む種目は「レイズ系」の種目と呼ばれます。
レイズ型に分類される種目はレッグレイズの他にも、サイドレイズなどの腕を持ち上げるものも含めると、全部で50種類以上あると言われています。
レイズ系の中でも、レックレイズと同様に足を持ち上げる主な種目は、下記のようなものがあります。
種目名 | 難易度 | レッグレイズとの違い | 鍛えられる筋肉 |
レッグレイズ | ★★ | ― | 腹直筋下部・腸腰筋・大腿直筋 |
ニーレイズ | ★★ | 膝を曲げながら胸に下半身を引き寄せる。 | 腹直筋下部・腸腰筋 |
ハンギングレッグレイズ | ★★★★ | 鉄棒や懸垂バーにぶら下がり、下半身を宙に浮かせてレッグレイズを行う。 |
腹直筋下部・腸腰筋・大腿直筋
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ツイストレッグレイズ | ★★★ | レッグレイズの足を持ち上げた姿勢から、振り子のように左右に足を倒す。 | 腹斜筋 |
上記のように、レッグレイズを応用した腹筋トレーニングの種目は複数あります。レッグレイズをマスターすることで、腹筋トレーニングの幅が広がります。
下半身を持ち上げて行う腹筋トレーニングの基本とも言えるレッグレイズですが、実はレックレイズができない人も多いです。
体幹の筋肉が弱すぎて昔からレッグレイズが一回もできない
— 錯乱の姿 (@RocX106) June 13, 2019
あと、レッグレイズはやっぱりできない。腹肉も吊るが、股肉も吊る。筋肉が足りない。
— きか (@39kika) July 24, 2019
中でも、レッグレイズの動き自体が1度もできないと言う人は、別のトレーニングに取り組むことで、まずは不足している下腹部や腸腰筋の筋力を補いましょう。
レッグレイズよりも下腹部への負荷の小さい「ニーレイズ」や「椅子で行う足上げのエクササイズ」などに取り組んでみてください。
<参考記事&動画「ニーレイズ」>
<参考動画「椅子で足上げエクササイズ」>
では、レッグレイズに取り組むことで、どのような効果やメリットが得られるのでしょうか。ここでは、レッグレイズをやる上で知っておいていただきたい代表的な効果やメリットを3つご紹介いたします。
そもそも腹筋は、腰を丸めて肋骨と骨盤を近づけることで、収縮して負荷がかかります。
腹筋への負荷のかけ方は、頭を起こして肋骨と骨盤を近づける方法と、足を持ち上げて肋骨と骨盤を近づける方法の2つがあります。
前者の運動は、上体起こし、クランチ、シットアップなどのトレーニング種目が当たります。これらの種目では、頭を持ち上げる際に腹筋の上部から縮まっていくため、腹筋の上部を鍛えるのに効果的です。
一方で、レッグレイズは足を持ち上げる際に腹筋の下部から縮まっていくため、下腹部を鍛えるのに効果的です。
下腹部を引き締めたい方は、腹筋トレーニングの中でもレッグレイズを中心に行うと良いでしょう。
腹直筋の下部は、おへそから股下にかけて広がる腹部の筋肉です。レッグレイズはこの腹直筋の下部をメインで鍛えるトレー二ングです。
これは先ほどお伝えした通り、足を持ち上げていく際に肋骨と骨盤が近づき腹直筋に収縮がかかるためです。
また、レッグレイズはサブで、(負荷は小さいですが)で腸腰筋と大腿直筋にも負荷がかかります。
腸腰筋とは、股関節周辺に付着している筋肉で、インナーマッスルに分類され、股関節を曲げる際に働く筋肉です。
レッグレイズの動きの中では、両足を床近くから持ち上げる最初の動きは腹部でなく股関節の屈曲で行われます。その動きの際に腸腰筋に負荷がかかります。
大腿直筋は、太ももの中心の筋肉です。レッグレイズの動きの中で、足の重さを支える際にこの大腿直筋にも負荷がかかります。
このように、レッグレイズは腹直筋の下部だけでなく腸腰筋、大腿直筋にも負荷を与えるトレーニング種目です。ただし、腸腰筋、大腿直筋への負荷はあくまでサブ的な意味合いですので、この2つの筋肉をメインで鍛えたい方は別の種目に取り組むと良いでしょう。
腹直筋の中でも、レッグレイズで鍛えることができる腹直筋の下部は腰の骨盤に近い筋肉です。
そのため、腹直筋下部の筋力が衰えると上半身の重さを腰回りで受けきれなくなり、骨盤が傾き姿勢不良を引き起こします。
さらには、腹直筋の下部の反対側にある背中により負担がかかり、腰痛を引き起こしてしまいます。
レッグレイズを行い、腹直筋の下部を鍛える事は姿勢不良や腰痛を防ぐことにつながるのです。
ただし、すでに腰痛を持っている方がレッグレイズを行えば腰痛が改善するのか?というと一概にそうだとは言えません。
レッグレイズは正しいフォームで行わないと、かえって腰を痛めて腰痛を悪化させてしまうリスクもあるトレーニングです。
そのため次の章で、レッグレイズの正しいやり方を確認していきましょう。
レッグレイズの効果が得られるのは、あくまでも正しいやり方で取り組んだ時に限られます。
間違ったやり方でレッグレイズを行うと、腰や背中に痛みを生じてしまったり、足の付け根や太ももに負荷が逃げてしまいます。
そのため、ここでレッグレイズの正しいやり方を確認しておきましょう!今回はフィジーカーの栗原さんにやり方を伺いました!
フィジーカー 栗原 強太
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湘南オープンメンズフィジーク172cm以下の部で5位入賞したフィジーカー。体脂肪率は1桁。複数のジムを掛け持ちして日々トレーニングに励む。 |
<参考動画>
レッグレイズの正しいフォームを理解することができても、体の柔軟性や、筋肉の付き具合によって、正しいフォーム通りに行うのが難しいと言う方もいるでしょう。
そこでこの章では、実際に2名にレッグレイズに取り組んでもらい、レッグレイズを行う上でつまずきやすいポイントを実際に確かめていきたいと思います。
実践一人目エマさん
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留学で筋トレにハマった女子のエマさん。普段は丸の内でOLやってます。ぽっちゃりから脱却目指して毎日筋トレ継続中!キッカケはオーストラリア人の元彼に「デブとは街を歩きたくない」と言われたこと。目指すは中村アン!エマさんのツイッターアカウントはこちら |
エマさんのように、レッグレイズで腹筋に負荷がかからないという方は少なくありません。レッグレイズの負荷が腹筋ではなく腰にかかってしまい、腰を痛めたという声は多くあります。
レッグレイズって腹筋トレーニングしてるんだけど、慣れてきたので調子にのってたら腰を痛めそうになってる😰😷🤕
— Noel (@noel_minishiba) March 13, 2020
昨晩の筋トレ(レッグレイズ)で腰やっちゃった、、、反ると危ないって聞いてたから反らないようにフォーム注意してたんだけどなぁ。
— なか@小物釣り (@naka_komono_jp) March 1, 2020
腹部を鍛える筋トレで、腰を傷めにくいものは無いかなぁ……レッグレイズとかニートゥチェストとかやると腹より腰のあたりに負担や痛みを感じるというか……。
— 泥まいと (@doromaito) February 27, 2020
実践二人目舞子さん
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20代の都内OL。婚活を成功せたいとレコーディングダイエットに挑戦中。ツイッターアカウントはこちら |
舞子さんのように、レッグレイズで足が垂直に持ち上がらないと悩んでいる人は多いです。このような方はどうすれば良いのでしょうか。
ちゃんとしたレッグレイズできないから足まっすぐ上に伸ばせるようになりたいんだけどどのストレッチが効くのかわからん
— 361さん (@aroma19960102) September 20, 2019
はぁ〜どんだけ筋肉ないんだろう
— 肉乃鎌足。 (@nice_toomeat865) October 8, 2019
ワイドプッシュアップは地べたでやると一回もまともにできないし、レッグレイズはそもそも垂直に足が上がらない😫(膝裏伸ばしてからやっても🙅♀)
レッグレイズもね…
— 藤由 (@comodo188) May 23, 2019
あんな風にL○ってできないww
真上に足上がんないwww
だから下っ腹出てるんだな∑(ノ∀`*)アチャー
皆さんも、エマさんや舞子さんのように、レッグレイズを行う際に、自分の体の動きに注意して取り組んでみてください。
ここまでレッグレイズの特徴や正しいやり方、取り組んでいただく際のコツなどをご紹介しました。
ここでは、これまでご紹介したこと以外にレッグレイズについてのよく出る質問について回答していきたいと思います。
レッグレイズを行う際は、特にレッグレイズ前のストレッチを注意してください。
これまでお伝えした通り、レッグレイズは腹筋の動きと骨盤の動きが非常に大切です。
そのため、レッグレイズを行う前は、腹筋と骨盤が動きやすくなるようにこれらの部位をほぐすストレッチを行いましょう。
下記の動画のストレッチなどがオススメです。
<参考動画「骨盤回し」>
<参考「キャット&ドッグ」>
アンクルウェイトは足首に重さを加えるトレーニンググッズです。このアンクルウェイトを使えば、レッグレイズの負荷を高めることができます。
また、レッグレイズだけでなく、ウォーキングやランニングなどにも活用が可能です。ジムや自宅、屋外でも活躍してくれる優秀なアイテムです。
<アンクルアンクルウェイトの商品例>
レッグレイズを続けていくと、「レッグレイズに慣れてきたので、もっと筋肉を追い込みたい!」と感じる方もいるでしょう。そういうときは、レッグレイズのアレンジ種目にもトライしてみてはいかがでしょうか。
<レッグレイズのアレンジ種目>
アレンジ方法 | 概要 |
足を真上に持ち上げる | レッグレイズの動きで足を床と垂直になるように持ち上げた後、そこからさらに足を真上へと持ち上げることで腹筋への負荷を高めます。 |
ぶら下がって行う | レッグレイズを鉄棒やバーなどにぶら下がって行うことで、腹筋への負荷を高めます。 |
レッグレイズに慣れてきて腹筋への負荷をさらに高めたい方は、レッグレイズの動きに「足を上に持ち上げる動き」を加えてみましょう。
この動きを加えることで、腹直筋の収縮が強まり腹直筋への負荷が高まります。さらには、持ち上げた足を支える際に、脇腹の腹斜筋へも負荷を与えることができます。
足を持ち上げる際は、レッグレイズの動きの中で、骨盤がしっかり肋骨の方に倒れて腹筋が収縮した状態になってから持ち上げてみてください。
また、「足を真上に持ち上げる」やり方でも負荷が足りないと感じる方は、鉄棒やバーを用いてトレーニングができる場合は、ぶら下がった状態で行うハンギングレイズにも挑戦してみると良いでしょう。
今回は、腹直筋の下部を鍛える代表的な自重トレーニングの種目「レッグレイズ」の正しいやり方をご紹介しました。
正しいフォームで行わないと「腰を痛めてしまう。」「腹筋に負荷がうまく入らない。」などのケースになりがちなトレーニング種目です。
レッグレイズを行う際は、正しいフォームを特に意識しましょう。「レッグレイズ」を、自宅やジムでぜひ試してみてくださいね!
<今回の記事でトレーニング動画を実践してくれた講師陣のご紹介>
フィジーカー 栗原 強太
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湘南オープンメンズフィジーク172cm以下の部で5位入賞したフィジーカー。体脂肪率は1桁。複数のジムを掛け持ちして日々トレーニングに励む。 |
理学療法士・パーソナルトレーナーYOKO
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トレーナーとして病院に勤務したのち、出張パーソナルトレーナーとして一般の方や有名ブロガーなどへ指導を行っている。雑誌「Tarzan」腹筋特集、NHK番組『WHK 私たちが本気で殻を破るTV』に出演。大手フィットネスジムのトレーナーの経験もある。 |
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パーソナルトレーナー斎藤 裕香
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元ライザップのトレーナーであり、現在は表参道 plat-gym所属のパーソナルトレーナー。自身の経験を元に、男女問わずしっかり食べて生涯リバウンドしない、健康的な体をサポートしている。 |
ヨガインストラクター斉藤 玲奈
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ヨガインストラクターとして活動中。スタジオでのレッスンに加え、ヨガフェスタ・ヨガジャパン・神宮ヨガなどの大規模イベントの講師としても活躍。全米ヨガアライアンスRYT200取得/インナービューティープランナー。 |
ストレッチトレーナー福原 壮顕
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ストレッチ・トレーニング専門店で店長としてダイエット顧客を数多く担当した後、フリーランスに転向。現役モデルやダイエットインストラクターとして、美容専門学校や企業顧客向けセミナーの講師など幅広く活躍中。資格:日本ダイエット健康協会認定インストラクター/JSA-CSTP (日本ストレッチング協会認定ストレッチングトレーナーパートナー) |